この記事の対象:人材派遣会社からの受入れを検討する企業の担当者、農業・漁業分野で派遣形態の導入を考える事業者、分野をまたいで採用計画を立てる人事担当者
出入国在留管理庁の分野別情報が示す雇用形態を17分野で比較。派遣を認める農業・漁業の派遣元・派遣先の条件と、直接雇用のみの分野の確認手順を整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
17分野のうち15分野は直接雇用のみ、派遣が認められるのは農業と漁業
出入国在留管理庁の分野別情報には、分野ごとに「雇用形態」の欄があります。
出入国在留管理庁の分野別情報(2026年10月6日に各分野のページで確認)では、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業の15分野は、雇用形態が「直接」とされています。農業と漁業の2分野だけが「直接及び派遣」です。
「直接」の分野では、特定技能外国人と雇用契約を結ぶ特定技能所属機関が、そのまま就労先になります。人材派遣会社が雇用し、別の企業へ派遣して働かせる形は、この15分野の雇用形態として示されていません。派遣会社から特定技能人材を紹介される場面でも、対象分野の雇用形態の欄を先に確認します。
分野別情報に「派遣」の定義の記載はありませんが、本ページでは一般的な意味で、労働者派遣事業者が特定技能外国人を雇用し、派遣先の事業者の指揮命令のもとで働かせる形を指します。登録支援機関への支援の委託は、雇用形態の欄とは別に確認します。
| 雇用形態 | 該当する分野 |
|---|---|
| 直接のみ(15分野) | 介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業 |
| 直接及び派遣(2分野) | 農業、漁業 |
出典:出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月3日)、出入国在留管理庁「介護分野」(確認日:2026年8月3日)、出入国在留管理庁「建設分野」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「自動車整備分野」(確認日:2026年10月6日)、出入国在留管理庁「農業分野」(確認日:2026年8月4日)、出入国在留管理庁「漁業分野」(確認日:2026年8月4日)
農業:派遣元の能力・派遣先責任者・協議会への協力が条件
農業分野は、直接雇用と派遣のどちらでも受け入れられますが、形態ごとに条件があります。
出入国在留管理庁の農業分野のページは、直接雇用の場合に、特定技能所属機関となる事業者が労働者を一定期間以上雇用した経験又はこれに準ずる経験を持つことを求めています。
労働者派遣の場合は、特定技能所属機関となる労働者派遣事業者が、農業現場の実情を把握し、特定技能外国人の受入れを適正かつ確実に遂行するために必要な能力を有していることが条件です。派遣先の事業者は、労働者を一定期間以上雇用した経験がある者、又は派遣先責任者講習等を受講した者を派遣先責任者とします。
どちらの形態でも、特定技能所属機関は農業特定技能協議会の構成員になります。派遣の場合は、特定技能所属機関と派遣先事業者の両方が、協議会に対し必要な協力を行うこととされています。登録支援機関に支援計画の実施を委託するときは、協議会に必要な協力を行う登録支援機関を選びます。
- 派遣元が農業現場の実情を把握し、受入れを遂行できる能力を持つか
- 派遣先の派遣先責任者が、雇用経験者か派遣先責任者講習等の受講者か
- 特定技能所属機関が農業特定技能協議会の構成員か
- 派遣先事業者も協議会への協力に応じるか
出典:出入国在留管理庁「農業分野」(確認日:2026年8月4日)、出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日)
漁業:派遣元は地方公共団体・漁協など漁業関係者が関与するものに限る
漁業分野の派遣は、誰でも派遣元になれるわけではありません。
出入国在留管理庁の漁業分野のページは、労働者派遣形態(船員派遣形態を含む)の場合、特定技能所属機関となる労働者派遣事業者(船員派遣事業者を含む)を、地方公共団体又は漁業協同組合、漁業生産組合若しくは漁業協同組合連合会その他漁業に関連する業務を行っている者が関与するものに限るとしています。
特定技能所属機関は、漁業特定技能協議会の構成員になり、協議会において協議が調った措置を講じます。特定技能所属機関と派遣先事業者は、協議会及びその構成員に対し必要な協力を行います。登録支援機関に支援計画の全部又は一部を委託する場合は、漁業分野に固有の基準に適合している登録支援機関に限られます。
- 派遣元に地方公共団体・漁協等の漁業関係者が関与しているか
- 漁業特定技能協議会の構成員になっているか
- 委託先の登録支援機関が漁業分野固有の基準に適合しているか
出典:出入国在留管理庁「漁業分野」(確認日:2026年8月4日)、出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日)
派遣会社から提案を受けたときの確認順序
雇用形態を確認する順序を決めておくと、受入れ後の是正を避けられます。
最初に、受け入れる業務区分が属する分野を決め、出入国在留管理庁の分野別情報で雇用形態の欄を確認します。「直接」とある分野では、派遣の形を前提にした見積りや契約案は採用計画に入れません。
農業・漁業で派遣を使う場合は、派遣元が条件を満たすか、派遣先に派遣先責任者を置けるか、協議会への加入と協力ができるかを、契約前に書面で確認します。分野別情報は改定されることがあるため、申請の直前に最新のページを確認してください。個別の事案で派遣が認められるかは、地方出入国在留管理局や分野を所管する省庁の協議会に確認し、本ページの内容だけで断定しないでください。
- 分野を決める
業務区分から、受け入れる分野を特定します。
- 雇用形態の欄を見る
分野別情報で「直接」か「直接及び派遣」かを確認します。
- 派遣可の分野は条件を確認する
農業は派遣元の能力と派遣先責任者、漁業は派遣元への漁業関係者の関与を確認します。
- 協議会と費用を確認する
協議会への加入と、派遣料金を含む見積りの内訳を確認します。
出典:出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月3日)、出入国在留管理庁「農業分野」(確認日:2026年8月4日)、出入国在留管理庁「漁業分野」(確認日:2026年8月4日)
よくある質問
人材派遣会社から特定技能の外国人を受け入れられますか?
出入国在留管理庁の分野別情報で雇用形態が「直接及び派遣」とされているのは農業と漁業の2分野です。ほかの15分野は「直接」とされています。農業・漁業でも、派遣元と派遣先に条件があります。
派遣が認められる分野で、派遣元になれる事業者に制限はありますか?
あります。農業では、派遣元が農業現場の実情を把握し、受入れを適正かつ確実に遂行できる能力を持つことが条件です。漁業では、地方公共団体や漁業協同組合などの漁業関係者が関与する派遣事業者に限られます。
登録支援機関に支援を委託すると、派遣と同じ扱いになりますか?
支援の委託と労働者派遣は別の仕組みで、雇用形態の欄とは別に確認します。農業・漁業では、委託先の登録支援機関にも協議会への協力や分野固有の基準が求められます。
派遣の可否は変わることがありますか?
分野別情報は改定されることがあります。申請の直前に、出入国在留管理庁の分野別情報の最新のページで雇用形態を確認してください。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年10月10日)
- 出入国在留管理庁「農業分野」(確認日:2026年8月4日、次回確認:2026年11月4日)
- 出入国在留管理庁「漁業分野」(確認日:2026年8月4日、次回確認:2026年11月4日)
- 出入国在留管理庁「介護分野」(確認日:2026年8月3日、次回確認:2026年11月3日)
- 出入国在留管理庁「建設分野」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「自動車整備分野」(確認日:2026年10月6日、次回確認:2027年1月6日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
次に確認すること
関連ページ:複数企業での就労や付随業務の可否を確認する
関連ページ:農業分野の直接雇用・派遣と費用を見る
関連ページ:漁業分野の雇用形態と費用を見る
関連ページ:受入れ機関の基準を確認する
関連ページ:委託先の登録支援機関を比較する
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。