この記事の対象:登録支援機関を比較し、委託先候補を絞り込む担当者

登録支援機関とは:役割・委託できる範囲・費用の見方

登録支援機関は、特定技能1号の外国人への支援計画の実施を、受入れ機関から委託されて行う、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関です。

1号特定技能外国人を受け入れる機関は、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の計画(1号特定技能外国人支援計画)を作り、その計画に基づいて支援を行わなければなりません。出入国在留管理庁は、この計画の実施を受入れ機関が自ら行うほか、登録支援機関に委託して実施することもできると案内しています。

委託できる範囲は、支援計画の全部または一部です。全部を委託した場合は、受入れ機関が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。

一方、登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施をさらに別の機関へ委託することはできません。支援の10項目の内容は、別ページで確認できます。

費用は、委託する範囲と契約の内容で決まります。登録支援機関が受入れ機関から受け取る料金に入管法令上の上限はなく、委託契約では受託する支援業務の内容と費用の額・内訳を明示する必要があります。見積書の比べ方は、この記事の「同じ比較表で見積書を照合する」の節で説明します。

委託できる範囲の詳しい線引きは支援の委託でできること・できないことのガイドで確認できます。

最初に公式登録簿で登録状態を確認する

料金比較の前に、候補が登録支援機関登録簿へ掲載されているかを公式情報で確認します。

名称が似た事業者や紹介会社と混同しないよう、法人名、所在地、登録番号、対応可能言語等を登録簿で照合します。ウェブサイト上の自己紹介だけで登録状態を判断しません。

登録には有効期間があるため、契約期間中に更新時期を迎える候補では、更新状況の確認方法も聞いておきます。

登録簿のExcelは、登録番号、登録年月日、名称、住所、代表者氏名、支援を行う事務所、支援業務の内容及び実施方法、支援業務を開始する予定年月日、相談に応じる体制(対応可能言語)、備考の列で構成されています。出入国在留管理庁のページは、登録後に抹消された機関は掲載されていないと注記しています。

備考欄には、「支援業務の休止の届出」が日付つきで記載されている機関があります。候補の行に備考の記載がないか、支援業務を実際に委託できる状態かを確認します。備考欄の記載は登録簿の表示であり、処分の有無や支援の質を示すものではないため、不明点は候補機関と出入国在留管理庁の案内で確認してください。

出入国在留管理庁の制度施行後4年間の集計では、登録取消しは14機関でした。上位事由は「技能実習制度における不正行為」4件、「出入国又は労働関係法令による罰金刑」4件、「保証金契約等、支援業務の不履行」2件です。同一機関が複数事由に該当する場合があるため、件数の単純合計を取消機関数として扱いません。

登録には有効期間があり、期間が過ぎる前に更新が必要です。候補の登録が更新の時期に近いときは、更新で出す書類を登録支援機関の登録更新の提出書類(確認表12項目)で確認できます。

言語・地域・支援範囲を候補者条件と照合する

対応言語が同じでも、支援地域、夜間連絡、訪問方法、通訳の配置は機関ごとに異なります。

受入れ予定地と候補者が理解できる言語を先に確定し、その条件で実際に支援できるかを確認します。全国対応という表現だけで、訪問支援や緊急時対応の方法まで同じとは限りません。

一部委託では、自社に残す項目と外部へ任せる項目を示して見積を依頼します。候補ごとに異なる範囲で総額だけを比べないようにします。

登録支援機関は、委託を受けた支援業務を自ら行う義務があり、出入国在留管理庁の運用要領は委託を受けた業務を別の機関へ再委託することはできないとしています。再委託を行った場合・受けた場合(登録前に受ける場合を含む)は登録取消しの対象となる不正行為に該当します。通訳人等の履行補助者を活用すること自体は差し支えないため、委託先候補には履行補助者の体制と再委託の区別を確認してください。

登録支援機関が、依頼を受けて有償で官公署提出用の在留手続書類を作成する取扱いがある場合は、行政書士又は行政書士法人が当該業務を担う体制か、関係法令に照らして確認します。

登録支援機関へ確認する比較条件
比較条件確認する内容
対応言語本人が十分に理解できる言語と通訳手配
支援地域訪問可能地域、移動費、緊急時対応
委託範囲10項目ごとの実施者、再委託不可・履行補助者の区別
書類作成官公署提出用書類を有償で作成する取扱いがある場合の実施体制
報告・記録実施記録の共有方法と担当窓口

担当者数と引継ぎ方法を確認する

担当者個人の経験だけでなく、機関として継続できる体制を確認します。

支援対象者数、委託元機関数、支援担当者数の関係は、制度改正により要件が変わる場合があります。2027年4月1日(令和9年4月1日)施行の改正では、支援担当者の数が委託先機関数を10で割った数、かつ支援対象者数を50で割った数のいずれも上回ることが必要になります(支援担当者1人が担当できる機関数は10機関未満・対象者数は50人未満という下限規制)。

新規登録は施行日前の申請であれば旧要件のまま登録でき、既登録機関も更新期限が2027年7月31日までなら施行日前の更新申請で旧要件のまま更新できる経過措置があります。最新の施行時期と基準を確認し、契約後の増員時にも対応できるかを聞きます。

自動車整備分野では、委託先の登録支援機関に、自動車整備士1級・2級の資格者、または自動車整備士養成施設で5年以上の指導実務経験者を置くという分野固有要件があります。候補者の対応言語や料金だけでなく、受入れ分野に必要な人的要件も確認します。

担当者の退職・休職・繁忙時に誰が引き継ぐか、相談記録をどのように共有するかも確認します。単独担当者へ情報が集中する契約は、継続時のリスクを見積に含めて比較します。

同じ比較表で見積書を照合する

月額だけでなく、初回費用・実費・追加料金・契約終了時の扱いを同じ欄で比較します。

定額報酬へ含まれる支援、交通費・通訳費等の実費、追加対応の単価、最低契約期間、人数増減時の計算方法を確認します。

出入国在留管理庁のQ&Aは、登録支援機関が受入れ機関から徴収する料金に入管法令上の上限はないとしつつ、委託契約を締結する際に受託する支援業務の内容と費用の額・内訳を明示する必要があると説明しています。見積書の内訳が契約書に明示される内容と対応しているかを確認してください。相場観は一次資料で確認できないため、金額は個別に見積を依頼して確認します。

月額単価を比べるときは、(1) 税込か税抜か、(2) 課金の単位が支援対象の1人ごとか事業所ごとか、(3) 月の途中で支援を始めたとき、または人数が変わったときの扱い(日割り・満額・翌月から変更のどれか)を、候補すべてに同じ聞き方で確認します。回答は見積書や契約案の該当箇所に書いてもらってください。

本サイトは特定の登録支援機関を推奨しません。比較条件を固定し、公式登録状態と自社条件への適合を確認したうえで企業自身が判断してください。

  • 初回費用と月額費用を分けた
  • 1人当たりと会社単位を分けた
  • 実費と定額内を分けた
  • 10項目の担当を揃えた
  • 更新・解約・引継ぎ条件を確認した

出入国在留管理庁の意識調査で見る委託の実態

令和4年7月の意識調査では、採用に使った媒体、採用までの期間、登録支援機関への満足度、委託しない理由が公表されています。

出入国在留管理庁が令和4年7月に実施した意識調査では、特定技能所属機関に採用時のマッチング媒体を尋ねています。調査時点は令和4年7月で、現在の状況とは異なる可能性があります。

委託先を選ぶ前に、自社が採用経路と支援をどこまで外部に任せるのかを決める材料として使えます。調査結果は回答者全体の傾向であり、特定の機関の優劣や費用の水準を示すものではありません。

特定技能所属機関への意識調査(令和4年7月)の主な結果
質問結果
採用に利用したマッチング媒体技能実習で監理業務を行っていた監理団体48.8%、支援を委託している登録支援機関41.5%、利用していない12.8%
求人開始から雇用契約締結までの期間1か月以上3か月未満44.2%、3か月以上6か月未満29.5%
登録支援機関への満足度支援内容は満足67.0%。料金設定は満足46.6%、不満17.0%
登録支援機関を利用しない理由「自社のみで十分対応可能な体制だから」75.6%が最多

よくある質問

登録支援機関のおすすめ順位はありますか?

本サイトでは順位付けや特定事業者の推奨を行いません。公式登録簿、対応言語・地域、支援範囲、担当体制、同条件の見積で比較してください。

最安の月額料金を選べばよいですか?

月額だけでは判断できません。初回費用、実費、追加対応、委託範囲、記録共有、引継ぎ条件を同じ比較表へ揃えてください。

登録番号はどこで確認できますか?

出入国在留管理庁が公開する登録支援機関登録簿で確認します。候補事業者の名称・所在地と合わせて照合してください。

登録支援機関の料金に法令上の上限はありますか?

出入国在留管理庁のQ&Aは、受入れ機関から徴収する料金に入管法令上の上限はないとしています。そのため金額だけで妥当性は判断できず、個別に見積を依頼して確認します。

見積書では何を確認すればよいですか?

委託契約を結ぶ際は、受託する支援業務の内容と費用の額・内訳を明示する必要があるとされています。見積書の費目が契約書に明示される内容と対応しているか、初回費用・月額・実費・追加対応・解約時の扱いが分けて書かれているかを確認してください。

委託した支援を別の機関に再委託してもらえますか?

運用要領は、委託を受けた支援業務を別の機関へ再委託することはできないとしています。通訳人等の履行補助者の活用は差し支えないため、候補機関には履行補助者の体制を確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する