この記事の対象:建設分野で特定技能人材の採用を計画する企業
共通費用と建設分野固有費を分ける
建設分野では、一般的な採用・在留手続・支援費に、分野固有の手続と登録費用が加わります。
人材紹介、在留手続、渡航・住居、支援委託等の共通費用と、建設技能人材機構への手続、建設キャリアアップシステム関連等を別表にします。
料金は企業規模、加入形態、申請内容等で変わり得ます。JACとCCUSの公式案内で現在の適用条件を確認し、過去の金額を固定値として使いません。
JACの会員区分には、建設業者団体が加入する正会員と、企業・団体・個人が加入する賛助会員があります。所属する建設業者団体がJACの正会員である受入企業は、団体がJACへ加入しているため、企業自身が賛助会員として別途JACへ直接加入する必要はありません(ただし所属団体自体への会費は別途必要です)。
所属団体がJACの正会員でない場合や、建設業者団体に所属していない企業は、企業自身が賛助会員としてJACへ直接加入する必要があります。自社がどちらの区分に該当するかをJACの公式案内で確認してください。
JACの「年会費と受入負担金」ページ(2026年10月1日確認)によると、正会員団体に加入して受け入れる場合、JACに納める年会費はありません。賛助会員(企業および建設関連団体)の年会費は24万円です。
どちらの経路でも、1号特定技能外国人を受け入れた場合は、受入企業・個人が1人あたり月額12,500円(参考:年額15万円)の受入負担金を納めます。金額は改定されることがあるため、申込前にJACの最新ページで確認してください。
| 加入経路 | JACへの年会費 | 受入負担金(1号特定技能外国人1人あたり) |
|---|---|---|
| 所属する建設業者団体がJAC正会員(団体経由) | なし(所属団体自体の会費は別途必要) | 月額12,500円(参考:年額15万円) |
| 賛助会員として企業が直接加入 | 24万円(企業および建設関連団体) | 月額12,500円(参考:年額15万円) |
- 人材紹介・在留手続・渡航・住居・支援委託等の共通費用
- 建設技能人材機構(JAC)への手続費用
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)関連費用
- 自社がJAC正会員傘下か賛助会員として直接加入が必要かを確認した
建設特定技能受入計画と業務区分を確認する
在留資格の申請だけでなく、建設分野の受入計画に関する手続を工程へ入れます。
雇用する業務が建設分野の対象業務区分に該当するか、企業側が満たす基準は何かを公式情報で確認します。
申請・審査の順序と必要期間を採用予定日から逆算し、外部へ依頼する場合は行政手続報酬と公的・団体費用を分けます。
出入国在留管理庁は、特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないことを受入れ機関に課す条件として明記しています。
この条件は文言上1号に限定されており、2号への適用は同ページに記載がありません。自社の常勤職員数を最新の分野別資料で確認してください。
- 雇用する業務が建設分野の対象業務区分に該当するか
- 企業側が満たす基準は何か
- 申請・審査の順序と必要期間を採用予定日から逆算する
- 外部依頼の行政手続報酬と公的・団体費用を分ける
- 常勤職員数(技能実習生・1号特定技能外国人を除く)を上限とする受入人数を確認した
CCUSの事業者登録と技能者登録
会社側の登録と、働く本人側の登録を別々に確認します。
CCUSは技能者の資格・就業履歴等を蓄積する仕組みです。事業者登録、技能者登録、カード等の必要項目を公式案内に沿って整理します。
CCUS公式サイトの利用料金表(2026年10月5日確認・税込)では、技能者登録料はインターネット申請で簡略型2,500円・詳細型4,900円、管理者ID利用料は1IDあたり年11,400円、現場利用料は元請事業者に対し1人日・現場あたり10円です。事業者登録料は資本金で変わるため、公式サイトの料金表で確認してください。金額は改定されうるため、申込み前に公式サイトで最新を確認します。
登録済みの候補者でも、情報更新や所属変更が必要になることがあります。新規登録だけを費用表へ置くのではなく、現在状態を確認します。
| 登録主体 | 確認する内容 |
|---|---|
| 事業者(会社)側 | 事業者登録(資本金別の料金)、管理者ID利用料(1IDあたり年11,400円)、現場利用料(元請の場合、1人日・現場あたり10円) |
| 技能者(本人)側 | 技能者登録料(インターネット申請で簡略型2,500円・詳細型4,900円)、就業履歴の蓄積、登録済みでも情報更新・所属変更の要否 |
初期・月額・更新時の3区分で見積もる
建設分野固有費は、採用時に一度だけ発生するものと、継続して発生するものを分けます。
JAC関連、CCUS、申請、講習・教育、支援、住居等について、単位が1人当たりか会社単位かを記録します。
未確認の金額を0円にせず、公式料金を確認する項目、個別見積が必要な項目、対象外と確認できた項目を分けます。
複数人を段階的に採用する場合は、会社単位の登録費を入社ごとに重複計上せず、技能者ごとに発生する費用だけ人数へ掛けます。契約更新や登録情報変更に伴う費用・社内工数は、初年度だけでなく次年度の確認欄へ分けます。
| 費用群 | 確認先・確認内容 |
|---|---|
| 共通費用 | 紹介・在留手続・渡航・住居・支援 |
| JAC関連 | 加入形態・受入人数・現在の公式料金 |
| CCUS関連 | 事業者登録・技能者登録・更新 |
| 社内対応 | 教育・安全管理・担当者工数 |
受入れ見込数19万9,500人と、育成就労外国人を含む算定構造を確認する
建設分野は、1号特定技能外国人だけでなく育成就労外国人の見込数もあわせて同じ運用方針に定められている点が、他の多くの分野と異なります。
分野別運用方針は、建設分野全体における令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数を19万9,500人としています。令和10年度には36万人程度の人手不足が見込まれる中、ICT等の活用等による生産性向上(令和10年度までに14万9,000人程度)や、処遇改善等の取組による追加的な国内人材の確保(令和10年度までに1万1,500人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数値です。
この19万9,500人は、1号特定技能外国人の受入れ見込数7万6,000人(令和6年度から5年間、令和10年度末までの上限として運用)と、育成就労外国人の受入れ見込数12万3,500人(令和9年度から2年間、令和10年度末までの上限として運用)の合計です。航空・鉄道等の多くの分野は1号特定技能外国人の見込数のみを運用方針に定めていますが、建設分野は育成就労外国人の見込数も同じ文書内で定めている点が異なります。
受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、その他必要な人材が確保されたと認められる場合には、国土交通大臣が法務大臣(育成就労外国人については法務大臣及び厚生労働大臣)に対し、在留資格認定証明書交付又は育成就労認定の一時停止を求める仕組みがあります。採用計画は、JAC加入やCCUS登録の有無だけでなく、この時点での運用状況もあわせて確認してください。
建設業務は有料職業紹介の対象外:紹介手数料の見積りで確認すること
職業安定法第32条の11は、有料職業紹介事業者が建設業務に就く職業を求職者に紹介することを禁じています。
職業安定法第32条の11第1項は、有料職業紹介事業者は、港湾運送業務、建設業務に就く職業などを求職者に紹介してはならないと定めています。建設業務とは、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業、またはこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう、と同条に書かれています。
このため、建設分野の見積書に「人材紹介手数料」の項目があるときは、その手数料が何の役務に対するものか、どの事業者が何の許可・届出に基づいて請求するのかを、見積りの提出元に書面で確認します。この条文だけで、個々の見積りが適法か違法かは判断できません。取扱いの範囲は、厚生労働省令で定める職業も含めて個別に決まるため、最終的には労働局またはハローワークの需給調整事業の窓口で確認してください。
港湾運送業務も同じ条文の対象に挙がっていますが、港湾運送が特定技能の対象分野かどうかは、この条文からは分かりません。対象分野は出入国在留管理庁の分野一覧で確認します。紹介手数料の上限や届出の仕組みは、別の記事で整理しています。
紹介手数料の上限と届出の違いは、人材紹介手数料の上限制と届出制の違いで整理しています。
| 項目 | 条文の内容 |
|---|---|
| 規制の対象 | 有料職業紹介事業者が、求職者に職業を紹介すること |
| 紹介してはならない職業 | 港湾運送業務に就く職業、建設業務に就く職業、その他厚生労働省令で定める職業 |
| 建設業務の定義 | 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業、またはこれらの作業の準備の作業に係る業務 |
- 見積書の紹介手数料の項目名と、請求する事業者名
- その事業者の許可・届出の種類と番号
- 手数料の対象となる役務の内容(採用の紹介か、書類作成や渡航の手配か)
- 労働局またはハローワークでの取扱い範囲の確認
よくある質問
建設分野ではJACへの手続が必要ですか?
建設分野固有の受入れ基準と手続があります。企業の加入形態や受入計画をJAC・国土交通省等の最新公式案内で確認してください。
CCUSは会社だけ登録すればよいですか?
事業者側と技能者側で確認項目があります。候補者が登録済みか、所属変更や情報更新が必要かも確認します。
JACやCCUSの費用はシミュレーターが自動入力しますか?
自動入力しません。適用条件と料金改定を公式案内で確認し、現在の金額を費目別に入力してください。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「建設分野」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙5)(確認日:2026年9月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 建設技能人材機構「外国人受入れマニュアル 第2章 03. 受入れにかかる費用」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 建設技能人材機構「建設キャリアアップシステムへの登録」(確認日:2026年8月4日、次回確認:2026年11月4日)
- 建設キャリアアップシステム公式サイト「CCUSについて」(確認日:2026年10月5日、次回確認:2027年1月5日)
- 建設技能人材機構(JAC)「会費等」(確認日:2026年10月5日、次回確認:2027年1月5日)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(確認日:2026年10月16日、次回確認:2027年1月15日)
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月29日、次回確認:2026年11月5日)