この記事の対象:建設分野で育成就労外国人の受入れを検討する企業、監理支援機関
建設分野育成就労協議会とは
国土交通省が事務局を務め、建設分野で育成就労外国人を受け入れる実施者に加入を義務づける協議会です。
出入国在留管理庁・厚生労働省の資料は、特定技能・育成就労制度に共通の枠組みとして、分野所管省庁が分野ごとに協議会を設置し、受入れ機関(特定技能所属機関・育成就労実施者)にそれぞれ加入を義務づけていると説明しています。
建設分野については、国土交通省不動産・建設経済局国際市場課を事務局とする「建設分野育成就労協議会」が設置されており、同省のページは、育成就労実施者が育成就労外国人の受入れにあたりこの協議会への加入が必要になると案内しています。
JAC(建設技能人材機構)加入企業の協議会加入の扱い
特定技能の建設分野で受入事業実施法人となっているJACの加入企業は、協議会への別途加入手続が不要とされています。
国土交通省のページは、「特定技能外国人受入事業実施法人である(一社)建設技能人材機構(JAC)に所属している育成就労実施者は協議会に加入しているものとします」と明記しています。特定技能の建設分野ですでにJACに加入している企業は、この規定により、育成就労でも協議会に加入しているものとして扱われます。
一方、JACに加入していない育成就労実施者の加入手続について、国土交通省のページは確認時点(2026年10月3日)も「追って本HPに掲載いたします」としています。協議会規約には、同省のホームページに載せるWEBフォームで届け出るという定めがありますが(詳しくは後の節)、フォームそのものの案内は確認時点のページにありません。
| 自社の状況 | 協議会への加入の扱い | 確認時点(2026年10月3日)の案内 |
|---|---|---|
| JACに所属している育成就労実施者 | 協議会に加入しているものとする | 別途の加入手続は不要とされている |
| JACに所属していない育成就労実施者 | 協議会への加入が必要 | 加入手続は「追って本HPに掲載いたします」とされている |
協議会規約・行動規範と第1回協議会
協議会の運営ルールを定めた規約と行動規範が公開されており、第1回協議会は2026年6月に開催されています。
国土交通省のページには「建設分野育成就労協議会規約」と「育成就労外国人の適正かつ円滑な受入れの実現に向けた行動規範」の2つの文書へのリンクが掲載されています。加入前に、協議会が構成員に何を求めているかをこの2文書で確認できます。
第1回建設分野育成就労協議会は2026年6月23日に開催されたと案内されています。育成就労制度の施行(2027年4月1日)に先立ち、協議会の体制整備が進められている段階です。特定技能側の分野別協議会(本ページの枠組みとは別)ではすでに巡回指導等の実績が公表されていますが、育成就労側の建設分野育成就労協議会について同様の実績データは本ページ確認時点では確認できませんでした。
規約で守る事項と、加入・退会の届出
規約は、育成就労実施者に行動規範の遵守・定期報告・届出などを求め、守らない場合は除名を決められると定めています。
建設分野育成就労協議会規約(令和8年6月23日施行)は、構成員のうち育成就労実施者が守る事項を5つ挙げています。内容は下の表のとおりです。
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 行動規範の遵守 | 協議会が別に定める行動規範を守る |
| 定期報告 | 事務局の依頼に応じて、育成就労外国人の受入状況や育成就労の実施状況等を定期的に報告する |
| 加入・変更・退会の届出 | WEBフォームでの届出を適切に行う。JACに所属する育成就労実施者は、この届出が規約上の対象から除かれている |
| 加入後にJACに所属した場合の届出 | 加入の届出をした日より後にJACに所属した育成就労実施者が、その旨を届け出る |
| 協議事項の実施 | 協議会で協議が調った事項について、措置を講じる |
事務局は、規約または行動規範を守らない育成就労実施者の除名を決定できます。協議会と運営委員会は原則非公開で、会議資料と議事概要は国土交通省のホームページで公表されます。
入力した情報に変更があるときは、国土交通省のホームページに載せる加入届出のWEBフォームで変更の届出を行います。育成就労外国人の受入れを終えて育成就労実施者でなくなったときは退会の届出を、加入後にJACに所属したときはその旨の届出を行います。
加入の届出は、国土交通省のホームページに載せるWEBフォームで行うと規約に書かれています。入力する内容は次の4点です。
- 事業者名・建設業許可番号・代表者名・所在地
- JACに所属していない旨
- 担当者名・所属部署・連絡先
- 規約と行動規範を守る旨
行動規範で求められる主な事項
行動規範は20項目で、報酬・社会保険・契約の説明・転籍制限期間・建設キャリアアップシステムへの加入などを具体的に求めています。
「育成就労外国人の適正かつ円滑な受入れの実現に向けた行動規範」は、冒頭で遵守を強く求めています。違反した育成就労実施者には、協議会からの除名を含めて厳正に対処すると書かれています。
下の表は、原文の20項目を項番号順に並べたものです(2026年10月22日に原文で照合)。項番1・3・4・5・13・18・19は「育成就労実施者等」(育成就労実施者、事業者団体、特定技能外国人受入事業実施法人)に、項番20は育成就労実施者と事業者団体に、ほかは育成就労実施者に向けた項目です。違反の事案を把握した育成就労実施者と事業者団体は、協議会に報告します。
| 項番 | 事項 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 全体 | 育成就労実施者等は、この行動規範を遵守する |
| 2 | 計画的な育成 | 育成就労計画に沿って計画的な育成・評価を行い、国土交通省が関係業界等と協働して策定する育成・キャリア形成プログラムを参照し、技能習得や資格取得を促すなど、適切にキャリアアップできるように努める |
| 3 | 不当な金銭的負担等 | 来日準備や入国に関連して不当に高い金銭的負担を求める者、実勢水準以下の低賃金で雇い競争環境を不当に歪める者、反社会的勢力との一切の関係を遮断する |
| 4 | 生産性向上・国内人材確保 | 受入れの前提として、適正な賃金水準の確保、社会保険加入徹底、長時間労働の是正、女性・若年者の就業促進、安全衛生対策などの取組を最大限推進する |
| 5 | 法令遵守と相互理解 | 労働関係法令その他の法令を遵守し、育成就労外国人との相互理解を深め、文化や慣習を尊重する |
| 6 | 在留資格の確認 | 育成就労外国人が在留資格を適切に有していること(更新を適切に行っていることを含む)を常時確認する |
| 7 | 報酬と昇給 | 同等の技能を有する日本人と同等の報酬を、月給制・固定給の設定などの方法で確実に支払い、就労期間に応じて昇給を行う |
| 8 | 社会保険・公租公課 | 自らの社会保険の加入義務を果たし、外国人を含む被雇用者を必要な社会保険に加入させる。外国人が納める公租公課も適切に納めるよう指導する |
| 9 | 雇用契約の説明 | 契約時に、業務の内容、労働条件、入国後講習の期間の待遇、転籍制限期間その他の待遇を母国語で説明し(監理支援機関が説明する場合を含む)、書面で契約する |
| 10 | 転籍制限期間と待遇向上策 | 転籍制限期間を1年とする場合を除き、協議会が定める基準を満たす待遇向上策を実施する |
| 11 | 差別的取扱いの禁止 | 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、労災保険の適用その他の待遇について、差別的取扱いをしない |
| 12 | 人権の尊重 | 社内及び現場で人権を尊重し、暴力、暴言、いじめ及びハラスメントを根絶する |
| 13 | 転籍制限期間1年への取組 | 人材育成上の懸念の解消に努めるなど、建設分野で転籍制限期間1年を目指す取組に協力する |
| 14 | 建設キャリアアップシステム | 建設キャリアアップシステムに加入し、受け入れた外国人の登録を確実にし、その活用を通じて技能習得や資格取得を促し、特定技能1号水準へのキャリアアップや中長期的なキャリア形成に努める |
| 15 | 日本語能力・安全 | 現場の指示等を的確に理解できるなど、技能レベルに合わせた日本語能力が身につけられるように配慮し、安全確保に必要な技能、知識等の向上を支援する。安全の確保その他の要請に基づき元請企業が行う指導に従う |
| 16 | 日常生活・社会生活の支援 | 宿舎、通勤、相談等の日常生活上及び社会生活上の支援を行い、育成就労制度への理解を深め、法令や社会生活上のルール等を遵守して在留できるよう指導する |
| 17 | 職場環境と引抜き | 日常的に密接なコミュニケーションを図りながら、良好な職場環境を保ち、適切な処遇を行う。他事業者が雇用している外国人に対して、悪質な引抜行為を行わない |
| 18 | 地域への過度な集中 | 大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないよう、協議会が行う措置に対して必要な協力を行う |
| 19 | 構成員資格の報告 | 協議会の構成員資格に係る基準に適合しないこととなったときは、その旨を協議会に報告する |
| 20 | 違反事案の報告 | 育成就労実施者及び事業者団体は、行動規範に違反する事案を把握したときは、協議会に報告する |
確認手順と公式窓口
加入の要否と手続の詳細は、事務局である国土交通省不動産・建設経済局国際市場課の最新案内で確認します。
自社がJACに加入済みかどうかは、特定技能の建設分野の受入計画申請時に確認した会員資格の記録で確認できます。未加入の場合は、協議会規約・行動規範を確認したうえで、国土交通省の建設分野育成就労協議会のページで加入手続の公表を待つか、事務局へ直接確認してください。
このページは協議会への加入義務とJAC加入企業の扱いを整理したものであり、会費の有無や個別企業の加入可否を判定するものではありません。会費に関する記載は本ページ確認時点の一次資料にはなく、最新の公式案内で確認してください。
協議会の会費とは別に、特定技能1号で建設分野の外国人を受け入れる場合の初年度にかかる費用の合計を確かめたいときは、初年度費用シミュレーターで合計を概算できます。
よくある質問
建設分野でJACに加入していれば、育成就労の協議会にも自動で加入したことになりますか?
国土交通省のページには、JAC(建設技能人材機構)に所属している育成就労実施者は、建設分野育成就労協議会に加入しているものとする、とあります。JACは、特定技能の建設分野で受入事業を行う法人です。JAC加入企業は別途の加入手続が不要という扱いですが、最新の会員資格を維持しているかは自社で確認してください。
JACに加入していない場合、協議会への加入手続はどこで確認できますか?
確認時点(2026年10月3日)も、国土交通省のページは加入の案内を「追って本HPに掲載いたします」としています。協議会規約は、同省のホームページに載せるWEBフォームでの届出を定めていますが、フォームの案内は確認時点のページにありません。建設分野育成就労協議会の最新ページで確認してください。
協議会への加入に会費はかかりますか?
国土交通省のページ、出入国在留管理庁・厚生労働省の分野別協議会に関する資料のいずれにも、建設分野育成就労協議会の会費に関する記載は確認できませんでした。会費の有無・金額は最新の公式案内で確認してください。
建設分野育成就労協議会はいつから活動していますか?
国土交通省のページによると、第1回建設分野育成就労協議会は2026年6月23日に開催されています。育成就労制度の施行(2027年4月1日)に向けて体制整備が進められている段階です。
参照した公的一次資料
- 国土交通省「建設分野育成就労協議会」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 国土交通省「建設分野育成就労協議会規約」(令和8年6月23日施行)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 国土交通省「育成就労外国人の適正かつ円滑な受入れの実現に向けた行動規範」(建設分野育成就労協議会)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。