この記事の対象:食品工場・食料品スーパーマーケット等で特定技能人材の受入れを検討する企業

飲食料品製造業を選んだ状態で、受入れ費用の試算ツールを開く

対象事業所は日本標準産業分類の9業種で決まる

食品を扱っているかどうかではなく、事業所が主として行う産業の分類で判定します。

分野別運用要領は、特定技能外国人が活動する事業所を、日本標準産業分類(国の統計で使う産業の分類)に掲げる産業のうち、主として9つの分類のいずれかを行っているものに限っています。この分類は令和5年総務省告示第256号で定められたものです。出入国在留管理庁・厚生労働省が公表する分野別協議会の資料も、食品産業特定技能協議会の加入要件として同じ9分類を掲げています。

小売の分類が5つ含まれている点が、他の製造系分野と違うところです。総合スーパーマーケットと食料品スーパーマーケットは「食料品製造を行うものに限る」という条件付きで、菓子小売業とパン小売業は製造小売、豆腐・かまぼこ等加工食品小売業は「豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る」という条件が付きます。店舗のバックヤードで製造しているかどうかが分かれ目になります。

自社の事業所がどの分類に当たるか判断できない場合の問合せ先として、運用要領別冊は農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課を案内しています。分類の判定は受入れの可否に直結するため、求人を出す前に確認してください。

対象となる日本標準産業分類(分野別運用要領・協議会加入要件)
分類番号産業条件
09食料品製造業条件なし
101清涼飲料製造業条件なし
103茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)条件なし
104製氷業条件なし
5621総合スーパーマーケット食料品製造を行うものに限る
5811食料品スーパーマーケット食料品製造を行うものに限る
5861菓子小売業製造小売
5863パン小売業製造小売
5896豆腐・かまぼこ等加工食品小売業豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る

協議会への加入と、加入時に確認される書類

加入が必要なのは受入れ機関で、特定技能版は協議会のホームページから申請し、育成就労版は育成就労計画の認定申請の前に加入します。食品産業育成就労協議会の入会金・年会費は当面徴収されず、2026年10月23日の確認時点で、飲食料品製造業分野の加入受付は始まっています(外食業分野は受付前)。

農林水産省は、関係業界団体、特定技能所属機関、登録支援機関その他の関係者により構成される「食品産業特定技能協議会」を組織しています。出入国在留管理庁・厚生労働省の分野別協議会資料によれば、加入企業数は18,387社(令和7年6月末時点)です。同資料は、特定技能・育成就労制度では分野所管省庁が分野ごとに協議会を設置し、受入れ機関にはこの協議会への加入を義務付けている、と整理しています。

加入方法は、食品産業特定技能協議会のホームページから必要事項を記入して申請する形です。同資料によれば、申請内容の根拠として「特定技能雇用契約に係る届出書の写し」「飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書の写し」等の提出を受けて、構成員であることの要件を満たしたことが確認されます。

特定技能とは別に、令和9年4月からの育成就労制度開始に備え、飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で「食品産業育成就労協議会」を設置しています。加入対象は育成就労実施者(受入れ機関)で、監理支援機関は加入不要です。加入は、外国人技能実習機構へ育成就労計画の認定を申請する前に行います。

入会金・年会費は、当面は徴収しないと案内されています。2026年10月23日の確認時点で、飲食料品製造業分野の加入受付は始まっています。

受付状況や提出書類は、食品産業育成就労協議会の加入手続きのガイドで整理しています。育成就労を検討する場合は、特定技能版の協議会と混同せず、開始時期を公式ページで確認してください。

総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)又は食料品スーパーマーケット(同)を行っている場合は、加入時に「販売業務に従事させないことの誓約」が確認されます。業務範囲の制限が、協議会の加入手続の側でも重ねて確認される仕組みです。

協議会が協議する事項として分野別運用要領が挙げているのは、外国人の受入れに関する情報の周知その他制度理解の促進、法令遵守に関する通知及び不正行為に対する横断的な再発防止、外国人の受入れ状況の把握及び農林水産省への報告、人材が不足している地域の状況の把握及び当該地域への配慮、その他外国人の適正で円滑な受入れ及び外国人の保護に資する取組の5点です。

特定技能所属機関には、農林水産省又はその委託を受けた者が行う一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、意見の聴取又は現地調査その他の指導に対する協力も求められます。

育成就労側の協議会について、受付状況・区分ごとの提出書類・審査期間を知りたいときは、食品産業育成就労協議会の加入手続きで整理しています。

  • 自社の事業所が対象9業種のいずれかに当たることを確認した
  • 食品産業特定技能協議会への加入手続を採用工程に入れた
  • 特定技能雇用契約に係る届出書・誓約書の写しを用意した
  • スーパーマーケットの場合は販売業務に従事させない体制を整えた

「製造・加工」に当たる作業と、当たらない作業を分ける

食品工場の作業がすべて対象業務になるわけではありません。

運用要領別冊は「飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工」を「原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等」と定義したうえで、「単なる選別、包装(梱包)のみの作業を行う行為は、製造・加工には当たりません」と明記しています。選別ラインや梱包工程の人手が足りないという理由だけで受入れを設計すると、対象業務から外れます。

もう一つの柱である「安全衛生の確保」は、「使用する機械に係る安全確認、作業者の衛生管理等、業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務」と定義されています。製造・加工と安全衛生の確保の両方が業務区分に含まれる点が、この分野の特徴です。

日本人が通常あわせて行う関連業務、すなわち原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理の作業に付随的に従事することは差し支えないとされています。ただし運用要領別冊は「専ら関連業務に従事することは認められません」と注記しています。

販売業務に従事できるかどうかは、事業所の分類で扱いが分かれます。総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)と食料品スーパーマーケット(同)に該当する事業所では、運用要領別冊が「関連業務としても販売業務に従事することはできません」としています。一方、それ以外の産業では、製造・加工・販売が同じ事業所内で密接不可分の場合に限り、日本人が通常行う販売業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。

販売業務に従事させられるかどうか
事業所の分類販売業務の扱い
総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)関連業務としても従事できない
食料品スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)関連業務としても従事できない
上記以外の対象産業製造・加工・販売が密接不可分の場合は付随的に従事できる

水産加工業の区分と令和9年4月1日の切り分け

現行の運用要領別冊は、1号・2号の業務を飲食料品製造業と水産加工業に分けて書いています。

別冊は、1号特定技能外国人が従事する業務を、飲食料品製造業(飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工及び安全衛生の確保)の業務、または水産加工業(水産加工品の製造・加工及び安全衛生の確保)の業務としています。水産加工品の「製造・加工」は、原料(魚介藻類)の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥、冷凍冷蔵等の一連の生産行為等をいい、単なる選別、包装(梱包)のみの作業は製造・加工に当たりません。

2号特定技能外国人も、飲食料品製造業または水産加工業の業務に加えて、複数の技能者を指導しながら、衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理等に従事します。事業所責任者(工場長等)が行う飲食料品製造業または水産加工業に関する管理業務を補助することを前提に、役職等が与えられた上で従事する必要があるとされています。

経過措置として、別冊は、廃止前の分野別運用方針の業務区分「飲食料品製造業全般」が、令和9年4月1日以降、「飲食料品製造業」と「水産加工業」に切り分けられると書いています。業務区分や技能水準については、閣議決定日から令和9年3月31日までの間は従前の例によるとされています。

業務が飲食料品製造業分野に当たるか不明な場合の問合せ先は、飲食料品製造業が農林水産省の食品製造課、水産加工業が水産庁の加工流通課加工振興班です。2号の日本語能力水準は「日本語教育の参照枠」B1相当以上で、別冊は、令和9年4月1日以降、特定技能2号でB1相当以上が求められるとしたうえで、その取扱いは別途お知らせするとしています。

技能要件はHACCPに対応できる水準に置かれている

試験の水準は、衛生管理の法改正を背景に設定されています。

分野別運用要領は、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験について「食品等を衛生的に取り扱う基本的な知識を有しており、飲食料品の製造・加工作業について、特段の育成・訓練を受けることなく、直ちにHACCP(原材料の受入れから最終製品までの工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入等の潜在的な危害要因を分析し、特に重要な工程を継続的に監視、記録する工程管理システム)に沿った衛生管理に対応できる程度の業務に従事できるレベルであることを認定するもの」と説明しています。

この水準が置かれた背景は運用方針に書かれています。運用方針は「平成30年の食品衛生法(昭和22年法律第233号)改正(令和3年6月施行)により、全ての飲食料品製造業者にHACCPに沿った衛生管理の実施が求められることとなり、HACCPを含む衛生管理の知識を有する人材の確保が急務となっている」としています。

人手不足の指標としては、厚生労働省「雇用動向調査」による令和6年6月末現在の欠員率が2.8%に達していること、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(令和7年3月)で「食料品製造業」(中小企業)の雇用人員判断DIがマイナス32となり、「製造業全般」(中小企業)のマイナス24より深刻な状況であることが挙げられています。

試験の実施主体は農林水産省が選定した民間事業者で、試験言語は日本語、実施方法はコンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式又はペーパーテスト方式です。日本語能力は国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験(N4以上)で判定します。国内で試験を実施する場合は、在留資格を有する者に限り受験資格が認められます。

技能実習2号を良好に修了した候補者の扱いは2通りに分かれます。当該職種に係る第2号技能実習を良好に修了した者は技能測定試験が免除されます。職種・作業の種類にかかわらず第2号技能実習を良好に修了した者は、日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストと日本語能力試験N4以上)が免除されます。

日本国内で受ける1号の受験料は、実施機関の外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)のページで8,000円(税込み)です。試験の申込みを受け付けるプロメトリックの受験料一覧も、日本の1号を8,000円としています。2号の受験料は、OTAFFの2号評価試験のページで15,000円(税込み)です。

一度払った受験料は、OTAFFの都合や自然災害で試験ができない場合を除いて返金されません。同じ業種を再受験するときは、前回の試験の翌日から45日あけます。分野別の受験料の比較は、特定技能1号の技能測定試験の受験料のガイドにあります。

食品製造11職種と特定技能の分野の対応

食品製造関係の11職種は、特定技能1号では飲食料品製造業と外食業の2分野に分かれて対応します。

入管庁の対応表(令和8年6月1日時点)は、技能実習2号移行対象職種の「食品製造関係(11職種19作業)」を、特定技能1号の分野(業務区分)と対応させています。缶詰巻締、食鳥処理加工業、加熱性水産加工業、非加熱性水産加工業、水産練り製品製造、牛豚食肉処理加工業、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、そう菜製造業、農産物漬物製造業の10職種は飲食料品製造業の欄に、医療・福祉施設給食製造は外食業の欄に並んでいます。

このため、病院や介護施設の給食を作る作業を終えた人は、飲食料品製造業ではなく外食業の分野で確認します。飲食料品製造業の欄には「経過措置により両区分への移行可」の注記もあり、対象や期限は対応表の原文で確かめてください。この表は技能実習2号と特定技能1号の関係を示すもので、育成就労の業務区分の対応ではありません。

技能実習2号の食品製造関係11職種と特定技能1号の分野(令和8年6月1日時点)
技能実習の職種対応する特定技能1号の分野
缶詰巻締飲食料品製造業
食鳥処理加工業飲食料品製造業
加熱性水産加工業飲食料品製造業
非加熱性水産加工業飲食料品製造業
水産練り製品製造飲食料品製造業
牛豚食肉処理加工業飲食料品製造業
ハム・ソーセージ・ベーコン製造飲食料品製造業
パン製造飲食料品製造業
そう菜製造業飲食料品製造業
農産物漬物製造業飲食料品製造業
医療・福祉施設給食製造外食業

2号は試験に加えて管理等実務経験2年以上が要る

この分野は2号の対象ですが、試験に合格するだけでは移行できません。

分野別運用要領は、飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の合格に加えて、「飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験(以下「管理等実務経験」という。)を2年以上有すること」を要件としています。試験対策だけでは満たせない要件のため、1号の在籍中に指導・工程管理の経験を積ませる配置設計が必要になります。

同要領には経過措置の注記もあります。令和5年6月9日の運用要領改正の時点で飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人として本邦において就労している期間が2年6か月を超える者については、運用要領改正の翌日以降、特定技能1号の在留期間上限の日までの日数から6か月を減じた期間を目安とした管理等実務経験を積んでいることとされています。

2号に想定される業務も具体化されています。運用要領別冊は、1号の製造・加工及び安全衛生の確保に加えて、衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理等を「飲食料品製造業全般に関する管理業務」として挙げ、2号特定技能外国人は「事業所責任者(工場長等)が行う飲食料品製造業全般に関する管理業務を補助することを前提に雇用していただくことになりますので、役職等を命じ、業務に従事させる必要があります」としています。

1号の受入れ見込数13万3,500人の算定根拠を確認する

受入れ規模は、令和10年度の人手不足の見込みから生産性向上と国内人材確保の分を差し引いた人数として示されています。

運用方針は、飲食料品製造業分野全体の令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数を19万4,900人としています。

令和10年度に28万8,400人程度の人手不足が見込まれる中、AI・ロボット・IoT等の先端技術の導入等による毎年0.5%程度の生産性向上(令和10年度までに3万8,200人程度)と、賃金水準の引上げ・正社員への登用・託児所の整備・高齢者の継続雇用等による毎年0.6%程度の追加的な国内人材の確保(令和10年度までに5万5,300人程度)を行ってもなお不足する人数という位置づけです。

このうち1号特定技能外国人の受入れ見込数は、令和6年度から5年間で13万3,500人で、令和10年度末までの5年間の受入れの上限として運用されます。育成就労外国人の受入れ見込数は、令和9年度から2年間で6万1,400人で、令和10年度末までの2年間の上限です。1号と育成就労の見込数を足すと、分野全体の19万4,900人になります。

人手不足の状況は、1号特定技能外国人と育成就労外国人の在留者数、有効求人倍率、欠員率・欠員数、雇用人員判断DIの指標で把握されます。農林水産大臣は、1号の見込数を超えることが見込まれる場合などに、法務大臣へ在留資格認定証明書の交付の一時停止の措置を求めるとされています。採用計画を立てる際は、上限の運用状況を農林水産省・出入国在留管理庁の公表で確認してください。

受入れ見込数の算定の流れ(運用方針・別紙15)
項目人数対象期間・備考
令和10年度に見込まれる人手不足28万8,400人程度令和10年度の必要就業者数は195万7,000人
生産性向上(毎年0.5%程度)3万8,200人程度令和10年度まで
国内人材の追加確保(毎年0.6%程度)5万5,300人程度令和10年度まで
分野全体の受入れ見込数(なお不足する人数)19万4,900人令和6年度から令和10年度までの5年間
1号特定技能外国人の受入れ見込数13万3,500人令和6年度から5年間、令和10年度末までの上限
育成就労外国人の受入れ見込数6万1,400人令和9年度から2年間、令和10年度末までの上限

よくある質問

選別と包装だけの作業を任せられますか?

対象業務にはなりません。運用要領別冊は「単なる選別、包装(梱包)のみの作業を行う行為は、製造・加工には当たりません」としています。製造・加工とは原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等を指します。

スーパーマーケットでも受け入れられますか?

総合スーパーマーケットと食料品スーパーマーケットは「食料品製造を行うものに限る」という条件付きで対象です。ただしこの2業種に該当する事業所では、関連業務としても販売業務に従事することはできません。協議会への加入時にも販売業務に従事させないことの誓約が確認されます。

飲食料品製造業分野の技能試験はどの水準ですか?

分野別運用要領は、特段の育成・訓練を受けることなく直ちにHACCPに沿った衛生管理に対応できる程度の業務に従事できるレベルであることを認定するものと説明しています。食品衛生法改正(令和3年6月施行)により全ての飲食料品製造業者にHACCPに沿った衛生管理の実施が求められることになった経緯が背景にあります。

2号へ移行するには何が必要ですか?

飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の合格に加えて、複数の作業員を指導しながら作業に従事し工程を管理する者としての実務経験(管理等実務経験)を2年以上有することが要件です。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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