この記事の対象:林業事業者で特定技能人材の受入れを検討する担当者

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対象業務と、付随して任せられる関連業務を確認する

対象業務は「育林、素材生産等」で、関連業務に付随的に従事することも認められます。

分野別運用方針は、1号特定技能外国人が従事する業務を「林業(育林、素材生産等)」と定めています。運用要領別冊は、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(林内で行う林産物の製造・加工、林業所属機関による林産物の生産に伴う副産物〈樹皮、つる等〉を原料・材料の一部として使用する製造・加工、機器・装置・工具等の保守管理、資材の管理・運搬、事業所等の清掃作業、冬季の除雪作業等、事務作業)に付随的に従事することは差し支えないとしています。

ただし、専ら関連業務にのみ従事することは認められません。育林・素材生産等の主たる業務が中心であることを、配置計画やシフトで確認してください。

伐木等機械の運転やチェーンソーでの伐木・造材には、労働安全衛生規則第36条の特別教育が必要な号があります。条文の号と範囲は、特別教育が必要な業務の一覧で確認できます。

  • 主たる業務が育林・素材生産等になっているか確認した
  • 関連業務(清掃・除雪・事務作業等)だけの配置になっていないか確認した

技能実習2号修了者の技能試験の扱い(免除なし)

日本語試験は免除される一方、技能試験には免除ルートがありません。

1号の技能水準は「林業技能測定試験」の合格、日本語能力水準は「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」です。運用要領別冊は「1号特定技能外国人として林業分野の業務に従事する場合には、本要領別表に記載された技能試験及び日本語試験の合格が必要です」としており、別表の「試験免除等となる技能実習2号」欄(職種・作業)は設けられていません。

一方、日本語試験については、修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者は国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されます。ビルクリーニング分野・木材産業分野では特定の職種・作業を修了すれば技能試験も免除されますが、林業分野には技能試験の免除ルート自体がなく、技能実習2号の経験の有無にかかわらず林業技能測定試験の合格が必要という点が他分野と異なります。

林業技能測定試験は、日本語による学科試験と実技試験(作業試験)で行われます。実施機関の林業技能向上センターの2026年度の概要資料は、受験手数料を20,000円(消費税10%含む)と記載しています。受験できるのは試験日に18歳以上で在留資格を持つ人で、労働安全衛生法令に基づくチェーンソーによる伐木等特別教育の要件を満たす講習を受講している必要があります。

申込み時に在留カードかパスポートが必要です。分野別の受験料の比較は、特定技能1号の技能測定試験の受験料のガイドにあります。

1号試験の免除条件(技能試験・日本語試験)
試験区分免除条件
技能試験(林業技能測定試験)免除ルートなし。技能実習2号の経験の有無にかかわらず合格が必要
日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)第2号技能実習を良好に修了した者であれば、修了した職種・作業を問わず免除

特定技能2号の受入れ可否(受入れ不可)

長期雇用を見込む場合は、2号への移行を前提にできません。

運用要領別冊は「林業分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記しています。木材産業分野と同様に、林業分野には2号への移行要件(実務経験年数等)自体が定められていません。

在留期間の上限や長期的な人材確保の方法は、2号が無いことを前提に別途検討する必要があります。育成就労制度への移行を含め、最新の公式資料で在留の見通しを確認してください。

協議会加入は無料・約10営業日、登録支援機関は加入対象外

協議会加入の費用と手続期間は、他分野の情報と混同しやすい独自の条件があります。

特定技能所属機関は、農林水産省が設置する「林業特定技能協議会」の構成員になることが受入れの条件です。1号特定技能外国人を受け入れる場合、当該外国人に係る在留諸申請の前に協議会へ加入し、加入後は協議会及び農林水産省が行う調査・指導等に必要な協力を行う必要があります。

林野庁の案内によると、協議会への加入対象は特定技能所属機関(受入れ機関)と育成就労実施者で、登録支援機関及び監理支援機関は加入対象外です。入会費・年会費等の費用はかからず、WEB申請フォームからの申請が完了すれば、通常は申請日から概ね10営業日程度で「加入通知書」がメールで送付されます。

雇用形態は直接雇用に限られます。運用要領別冊は、1号特定技能外国人を労働者派遣によるものとして受け入れることも、他へ派遣することもできないとし、これに反した場合は入国・在留諸申請における不正又は著しく不当な行為に該当し、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなるとしています。

林業特定技能協議会への加入条件
確認項目内容
加入対象特定技能所属機関(受入れ機関)・育成就労実施者(登録支援機関・監理支援機関は加入対象外)
費用入会費・年会費等は無料
手続の目安WEB申請フォームからの申請後、概ね10営業日程度で加入通知書がメール送付
加入時期1号特定技能外国人に係る在留諸申請の前
雇用形態直接雇用に限る。派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間受入れ不可

育成就労実施者の協議会加入:同じ協議会に専用の資格取扱要領で加入する

林業では特定技能と育成就労で協議会が分かれておらず、1つの「林業特定技能・育成就労協議会」に加入します。

林野庁の協議会ページは、協議会の名称を「林業特定技能・育成就労協議会」とし、構成員資格の取扱いを特定技能所属機関向けと育成就労実施者向けの2つの要領に分けて掲げています。育成就労実施者向けは「林業特定技能・育成就労協議会構成員資格取扱要領(育成就労実施者)」(協議会決定第4号)です。食品産業のように育成就労専用の協議会が別に立つ分野とは構造が違います。

加入申請はWEB申請フォームで行い、事務局が内容を確認して加入通知書を出す流れは、特定技能所属機関と同じページで案内されています。入会費・年会費等は不要で、通常は申請日から概ね10営業日程度で通知書がメールで届きます。

加入者の氏名は要領の規定に基づき公表されます。監理支援機関は登録支援機関と並んで加入の対象外です。

在籍する外国人がいなくなり今後の受入れ予定もない場合や、認定事業主の更新をしない場合は、同じ窓口から退会申請をします。育成就労実施者が加入を済ませておくべき時期(育成就労計画の認定申請との前後関係)は、本ページ確認時点の林野庁のページには記載がないため、公表される最新の案内で確認してください。第1回の協議会と幹事会は令和8年6月26日に開かれています。

育成就労実施者の構成員資格の基準

育成就労実施者が構成員になるには、事業者の要件に加えて、法令の遵守や協議会への協力を含む6つの基準を満たす必要があります。

「林業特定技能・育成就労協議会構成員資格取扱要領(育成就労実施者)」(令和8年6月26日、協議会決定第4号)が、構成員の資格を得られる育成就労実施者の基準を6つ定めています。資格を申請すると、事務局が基準に適合しているかを確認します。

構成員は、育成就労外国人を受け入れなくなったときに資格を失い、その旨を事務局へ速やかに報告します。事務局は構成員名簿を作り、その概要を公表します。

育成就労実施者の構成員資格の基準(6項目)
基準内容
事業者の要件林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく認定を受けている者、または森林経営管理法の規定により公表されている民間事業者であること
法令の遵守育成就労に関する法令その他、出入国または労働に関する法令の規定を守っていること
協議事項の実施協議会で協議が調った事項について、措置を講じることとしていること
調査等への協力協議会と構成員が行う報告の徴収、資料の要求、現地調査その他の指導に、必要な協力をすること
紛争の解決育成就労の運用で構成員間に紛争が生じたときは、当事者間で誠実に協議すること
行動規範の遵守協議会が定める行動規範を守ること

構成員資格の停止・取消しの事由

資格は協議会の決議で停止・取消しの対象になり、基準を満たさなくなった場合のほか、不正や信用を損なう行為も事由に挙げられています。

事務局は、職権で構成員の資格を確認します。下の表の事由に当たると認められたときは、協議会の決議によって、資格の停止、取消しその他の必要な処分が行われます。

資格の停止や取消しのように構成員の権利義務に関わる重要事項は、幹事会ではなく協議会で協議を調えると、組織運営要領(協議会決定第1号)に定められています。

資格の停止・取消しの対象となる事由
事由内容
基準に適合しないとき構成員資格の基準(6項目)を満たさなくなったとき
不正な取得不正の手段で構成員の資格を得たとき
法令に関する不正・不当な行為出入国、労働または育成就労等に関する法令について、不正または不当な行為をしたとき
協議会の運営への妨げ協議会の運営を妨げ、または信用を失わせると認められる行為をしたとき
林業への信用・品位林業における外国人受入れへの信用または品位を貶める行為をしたとき
その他そのほか、協議会の構成員として不適格であるとき

行動規範で求められる主な事項

行動規範は特定技能所属機関と育成就労実施者に共通で、違反した場合は協議会からの除名を含む厳正な対処が予告されています。

「特定技能外国人及び育成就労外国人の円滑かつ適正な受入れの実現に向けた行動規範」(令和8年6月26日、協議会決定第5号)は15項目で構成されています。主な項目を下の表に整理しました。

違反に対しては、協議会からの除名を含めて厳正に対処すると、行動規範の冒頭に書かれています。違反の事案を把握した特定技能所属機関等と事業者団体は、必要な措置を講じたうえで協議会に報告します。

行動規範の主な事項
事項内容
法令の遵守と人権の尊重出入国管理関係法令、労働関係法令、社会保険関連法令等を守り、外国人の人権を尊重して適正な雇用環境を確保する
悪質な仲介事業者等悪質な仲介事業者(ブローカー)や反社会的勢力との関係を断つ
公租公課自らの公租公課を適切に納め、外国人が納める公租公課も適切に納めるよう指導する
差別・ハラスメント外国人であることを理由とした差別的な取扱いや、暴力・暴言・いじめ・ハラスメントのない就労環境を確保する
処遇雇用期間や技能の習熟に応じた昇給などで、技能と経験に見合った処遇を確保する
労働安全衛生文化や言語の違いを踏まえた労働安全衛生教育と管理を行い、労働災害の防止に努める
大都市圏への集中回避特定の地域に過度に集中して就労しないよう、協議会が必要に応じて行う取組に協力する
報告構成員資格の基準に適合しなくなったとき、行動規範に違反する事案を把握したときは、協議会に報告する

受入れ見込数の上限を確認する

受入れ規模には上限があり、他の分野別ガイドの中でも見込数は小さめです。

運用方針は、林業分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大1,000人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。林業従事者数はこの10年間で14%減少(平成22年5万1,000人→令和2年4万4,000人)し、令和4年度の有効求人倍率は2.35倍です。令和10年度には森林の経営管理の集積等による生産性向上(1万5,000人程度)と国内人材確保の取組(4,000人程度)を行ってもなお2万人程度の人手不足が見込まれる中で設定された数値です。

受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、その他必要な人材が確保されたと認められる場合には、農林水産大臣が法務大臣に対し在留資格認定証明書交付の一時停止を求める仕組みがあります。採用計画は、協議会加入の有無だけでなく、この時点での運用状況もあわせて確認してください。

林業分野の受入れ見込数の算定根拠(令和6年度からの5年間)
区分数値
林業従事者数の推移平成22年5万1,000人→令和2年4万4,000人(10年間で14%減少)
令和4年度の有効求人倍率2.35倍
生産性向上による充足見込み(森林の経営管理の集積等)1万5,000人程度
国内人材確保による充足見込み4,000人程度
取組後もなお見込まれる人手不足2万人程度
受入れ見込数(上限)最大1,000人(令和10年度末まで)

よくある質問

技能実習2号を修了していれば技能試験は免除されますか?

免除されません。林業分野の運用要領別冊には技能試験の免除ルートが設けられておらず、技能実習2号の経験の有無にかかわらず林業技能測定試験の合格が必要です。日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト・日本語能力試験N4以上)は、技能実習2号を良好に修了した者であれば職種・作業を問わず免除されます。

林業分野で特定技能2号へ移行できますか?

できません。運用要領別冊は林業分野において特定技能2号での受入れを行うことができないと明記しています。

協議会への加入に費用はかかりますか?

かかりません。林野庁の案内では入会費・年会費等の費用は無料で、WEB申請から通常は概ね10営業日程度で加入通知書が送付されます。登録支援機関・監理支援機関は加入対象外です。

労働者派遣で受け入れられますか?

できません。雇用形態は直接雇用に限られ、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間、特定技能外国人の受入れができなくなります。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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