この記事の対象:林業事業者で特定技能人材の受入れを検討する担当者

林業分野の特定技能について、育林・素材生産等の対象業務の範囲、技能実習2号を修了しても技能試験は免除されない構造、特定技能2号が受入れ不可であること、協議会加入が無料・約10営業日で完了することを公的一次資料から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

対象業務と、付随して任せられる関連業務を確認する

対象業務は「育林、素材生産等」で、関連業務に付随的に従事することも認められます。

分野別運用方針は、1号特定技能外国人が従事する業務を「林業(育林、素材生産等)」と定めています。運用要領別冊は、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(林内で行う林産物の製造・加工、林業所属機関による林産物の生産に伴う副産物〈樹皮、つる等〉を原料・材料の一部として使用する製造・加工、機器・装置・工具等の保守管理、資材の管理・運搬、事業所等の清掃作業、冬季の除雪作業等、事務作業)に付随的に従事することは差し支えないとしています。

ただし、専ら関連業務にのみ従事することは認められません。育林・素材生産等の主たる業務が中心であることを、配置計画やシフトで確認してください。

  • 主たる業務が育林・素材生産等になっているか確認した
  • 関連業務(清掃・除雪・事務作業等)だけの配置になっていないか確認した

出典:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-林業分野の基準について-」(確認日:2026年8月24日

技能実習2号を修了しても、技能試験は免除されない

日本語試験は免除される一方、技能試験には免除ルートがありません。

1号の技能水準は「林業技能測定試験」の合格、日本語能力水準は「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」です。運用要領別冊は「1号特定技能外国人として林業分野の業務に従事する場合には、本要領別表に記載された技能試験及び日本語試験の合格が必要です」としており、別表の「試験免除等となる技能実習2号」欄(職種・作業)は設けられていません。

一方、日本語試験については、修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者は国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されます。ビルクリーニング分野・木材産業分野では特定の職種・作業を修了すれば技能試験も免除されますが、林業分野には技能試験の免除ルート自体がなく、技能実習2号の経験の有無にかかわらず林業技能測定試験の合格が必要という点が他分野と異なります。

1号試験の免除条件(技能試験・日本語試験)
試験区分免除条件
技能試験(林業技能測定試験)免除ルートなし。技能実習2号の経験の有無にかかわらず合格が必要
日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)第2号技能実習を良好に修了した者であれば、修了した職種・作業を問わず免除

出典:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-林業分野の基準について-」(確認日:2026年8月24日

特定技能2号での受入れはできない

長期雇用を見込む場合は、2号への移行を前提にできません。

運用要領別冊は「林業分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記しています。木材産業分野と同様に、林業分野には2号への移行要件(実務経験年数等)自体が定められていません。

在留期間の上限や長期的な人材確保の方法は、2号が無いことを前提に別途検討する必要があります。育成就労制度への移行を含め、最新の公式資料で在留の見通しを確認してください。

出典:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-林業分野の基準について-」(確認日:2026年8月24日

協議会加入は無料・約10営業日、登録支援機関は加入対象外

協議会加入の費用と手続期間は、他分野の情報と混同しやすい独自の条件があります。

特定技能所属機関は、農林水産省が設置する「林業特定技能協議会」の構成員になることが受入れの条件です。1号特定技能外国人を受け入れる場合、当該外国人に係る在留諸申請の前に協議会へ加入し、加入後は協議会及び農林水産省が行う調査・指導等に必要な協力を行う必要があります。

林野庁の案内によると、協議会への加入対象は特定技能所属機関(受入れ機関)と育成就労実施者で、登録支援機関及び監理支援機関は加入対象外です。入会費・年会費等の費用はかからず、WEB申請フォームからの申請が完了すれば、通常は申請日から概ね10営業日程度で「加入通知書」がメールで送付されます。

雇用形態は直接雇用に限られます。運用要領別冊は、1号特定技能外国人を労働者派遣によるものとして受け入れることも、他へ派遣することもできないとし、これに反した場合は入国・在留諸申請における不正又は著しく不当な行為に該当し、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなるとしています。

林業特定技能協議会への加入条件
確認項目内容
加入対象特定技能所属機関(受入れ機関)・育成就労実施者(登録支援機関・監理支援機関は加入対象外)
費用入会費・年会費等は無料
手続の目安WEB申請フォームからの申請後、概ね10営業日程度で加入通知書がメール送付
加入時期1号特定技能外国人に係る在留諸申請の前
雇用形態直接雇用に限る。派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間受入れ不可

出典:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-林業分野の基準について-」(確認日:2026年8月24日「林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙15)(確認日:2026年8月24日林野庁「林業特定技能・育成就労協議会について」(確認日:2026年8月24日

受入れ見込数の上限を確認する

受入れ規模には上限があり、他の分野別ガイドの中でも見込数は小さめです。

運用方針は、林業分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大1,000人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。林業従事者数はこの10年間で14%減少(平成22年5万1,000人→令和2年4万4,000人)し、令和4年度の有効求人倍率は2.35倍です。令和10年度には森林の経営管理の集積等による生産性向上(1万5,000人程度)と国内人材確保の取組(4,000人程度)を行ってもなお2万人程度の人手不足が見込まれる中で設定された数値です。

受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、その他必要な人材が確保されたと認められる場合には、農林水産大臣が法務大臣に対し在留資格認定証明書交付の一時停止を求める仕組みがあります。採用計画は、協議会加入の有無だけでなく、この時点での運用状況もあわせて確認してください。

林業分野の受入れ見込数の算定根拠(令和6年度からの5年間)
区分数値
林業従事者数の推移平成22年5万1,000人→令和2年4万4,000人(10年間で14%減少)
令和4年度の有効求人倍率2.35倍
生産性向上による充足見込み(森林の経営管理の集積等)1万5,000人程度
国内人材確保による充足見込み4,000人程度
取組後もなお見込まれる人手不足2万人程度
受入れ見込数(上限)最大1,000人(令和10年度末まで)

出典:「林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙15)(確認日:2026年8月24日

よくある質問

技能実習2号を修了していれば技能試験は免除されますか?

免除されません。林業分野の運用要領別冊には技能試験の免除ルートが設けられておらず、技能実習2号の経験の有無にかかわらず林業技能測定試験の合格が必要です。日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト・日本語能力試験N4以上)は、技能実習2号を良好に修了した者であれば職種・作業を問わず免除されます。

林業分野で特定技能2号へ移行できますか?

できません。運用要領別冊は林業分野において特定技能2号での受入れを行うことができないと明記しています。

協議会への加入に費用はかかりますか?

かかりません。林野庁の案内では入会費・年会費等の費用は無料で、WEB申請から通常は概ね10営業日程度で加入通知書が送付されます。登録支援機関・監理支援機関は加入対象外です。

労働者派遣で受け入れられますか?

できません。雇用形態は直接雇用に限られ、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間、特定技能外国人の受入れができなくなります。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する

続けて確認する場合は、受入れ機関全体の基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、2号対象外分野の在留期間の考え方を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、分野固有費を見積書へ分けるで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、林業分野の確認費目を表示するで条件と確認範囲をつなげられます。

個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。