この記事の対象:造船・舶用工業の受入れ企業
造船・舶用工業分野の特定技能について、造船・舶用機械・舶用電気電子機器の3区分、区分ごとの試験免除の非対称性、受入れ見込数3万6,000人の算定根拠、協議会加入と2号移行に必要な監督者経験を公的一次資料から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
3区分と工程を照合する
区分外だけに配置しません。
1号は造船、舶用機械、舶用電気電子機器の3区分です。各区分の作業は、監督者の指示を理解し又は自らの判断により行う製造工程として整理されています。
造船、舶用機械、舶用電気電子機器の各区分について、本人の試験区分又は技能実習歴と、事業所で担当する製造工程を採用前に照合します。求人票の業務名だけでなく、現場で担当する工程も同じ区分に収まるか確認してください。
- 本人の試験区分又は技能実習歴を確認した
- 事業所で担当する製造工程が同じ区分に収まるか確認した
- 求人票の業務名だけでなく現場の工程も照合した
出典:出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日)
技能実習2号からの試験免除は区分で幅が異なる
免除対象の職種数は区分ごとに違います。
運用要領別冊の別表によると、技能実習2号を良好に修了していれば分野の技能試験が免除される職種は、造船区分が溶接・塗装・鉄工・とび・配管の5職種、舶用機械区分が溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工・配管・鋳造・金属プレス加工・強化プラスチック成形・機械保全の10職種、舶用電気電子機器区分が機械加工・電気機器組立て・金属プレス加工・電子機器組立て・プリント配線板製造・配管・機械保全の7職種です。同じ造船・舶用工業分野でも、担当する区分によって免除ルートの幅が変わります。
日本語能力の免除は技能試験免除と別扱いです。修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了した者は国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されます。区分・職種ごとに個別判定されるのは技能試験の免除だけです。
| 区分 | 免除対象職種数 | 免除対象職種 |
|---|---|---|
| 造船 | 5職種 | 溶接・塗装・鉄工・とび・配管 |
| 舶用機械 | 10職種 | 溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工・配管・鋳造・金属プレス加工・強化プラスチック成形・機械保全 |
| 舶用電気電子機器 | 7職種 | 機械加工・電気機器組立て・金属プレス加工・電子機器組立て・プリント配線板製造・配管・機械保全 |
出典:法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-造船・舶用工業分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日)
協議会と委託先を確認する
受入れ機関と委託先を分けます。
受入れ機関は協議会構成員となることが求められます。支援委託先にも分野条件が必要です。
登録支援機関へ委託する場合は、委託先が協議会の構成員であること、協議会に必要な協力を行うこと、国土交通省による調査又は指導への協力を行うことを個別に確認します。契約書だけで完結させず、委託先の確認記録も残してください。
協議会の構成員要件、調査・指導への協力、登録支援機関へ委託する場合の条件を、雇用契約と支援計画の両方で確認します。雇用形態は直接雇用に限られ、労働者派遣の対象とすることはできません。
- 受入れ機関が協議会の構成員であることを確認した
- 委託先(登録支援機関)が協議会の構成員であることを確認した
- 委託先が協議会への協力を行うことを確認した
- 委託先が国土交通省による調査又は指導への協力を行うことを確認した
- 雇用形態が直接雇用であり労働者派遣の対象でないことを確認した
出典:出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日)、出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日)、「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙5)(確認日:2026年8月26日)
訓練と実務記録を残す
採用後も確認します。
必要に応じた訓練・研修が求められ、本人の求めに応じ実務経験証明を交付します。訓練・研修を一律の必須手続として扱わず、必要性と実施内容を工程ごとに記録します。
造船分野では、協議会への協力、国土交通省等による調査又は指導への協力、必要に応じた訓練・研修、実務経験証明書の交付が別々に求められます。誰がどの資料を確認・保存するかを分けます。
- 協議会への協力の記録を保存する
- 国土交通省等による調査又は指導への協力の記録を保存する
- 必要に応じた訓練・研修の実施内容を工程ごとに記録する
- 本人の求めに応じ実務経験証明書を交付する
出典:出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日)
2号の監督者経験を確認する
在籍期間だけでは足りません。
複数作業員を指揮・命令・管理する監督者経験が要件です。担当人数、指揮・命令の範囲、管理内容を記録して確認します。
1号は分野の特定技能1号試験又は技能検定3級、2号は特定技能2号試験又は技能検定1級が案内されています。技能実習修了による扱いは候補者の職種等で異なるため、個別の根拠を最新の公式資料で確認します。候補者の試験・技能実習歴、現場の工程、雇用後の役割を一つの確認表で照合してください。
| 区分 | 試験・技能検定の要件 |
|---|---|
| 1号 | 分野の特定技能1号試験又は技能検定3級 |
| 2号 | 特定技能2号試験又は技能検定1級(複数作業員を指揮・命令・管理する監督者経験も要件) |
出典:出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日)
受入れ見込数3万6,000人の算定根拠を確認する
有効求人倍率は職種によって差が大きい分野です。
運用方針は、造船・舶用工業分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大3万6,000人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。令和4年度の主な職種の有効求人倍率は下表のとおりで、現時点で4,000人程度の人手不足が生じていると推計されています。
船舶の代替需要・新燃料船への前倒し需要により建造需要が増大する見通しで、令和10年度には18万5,000人の就業者が必要となり、6万4,000人程度の人手不足が生じると推計されています。5年間で10%程度の生産性向上(1万6,000人程度)や国内人材確保の取組(1万2,000人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる分を、1号特定技能外国人の受入れ上限として運用する設計です。
| 職種 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| とび | 12.50倍 |
| 配管 | 8.67倍 |
| 仕上げ | 5.80倍 |
| 鉄工 | 5.72倍 |
| 鋳造 | 5.72倍 |
| 強化プラスチック成形 | 5.21倍 |
| 機械保全 | 4.94倍 |
| 塗装 | 4.50倍 |
| 機械加工 | 4.18倍 |
| 金属プレス加工 | 3.95倍 |
| 電気機器組立て | 3.70倍 |
| 溶接 | 2.85倍 |
| 電子機器組立て | 2.35倍 |
| プリント配線板製造 | 2.35倍 |
出典:「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙5)(確認日:2026年8月26日)
よくある質問
区分は何ですか?
造船、舶用機械、舶用電気電子機器です。
協議会加入は必要ですか?
必要です。加えて雇用形態は直接雇用に限られ、労働者派遣の対象にはできません。
2号の経験は何ですか?
複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験2年以上です。
受入れ見込数はどれくらいですか?
令和6年度からの5年間で最大3万6,000人です。令和10年度末までの受入れの上限として運用されます。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-造船・舶用工業分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日、次回確認:2026年11月26日)
- 「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙5)(確認日:2026年8月26日、次回確認:2026年11月26日)
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年9月12日、次回確認:2026年9月19日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
次に確認すること
続けて確認する場合は、共通基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、委託先を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、造船・舶用工業分野の確認費目を表示するで条件と確認範囲をつなげられます。
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。