この記事の対象:農業・漁業分野で派遣形態の導入を検討する労働者派遣事業者の担当者と、派遣先となる農業・漁業事業者の担当者

派遣形態で出す3つの様式:計画書は派遣元、概要書は派遣先

派遣形態の在留申請では、派遣元の特定技能所属機関と派遣先が、それぞれ様式を作ります。

運用要領は、派遣形態の申請で確認する書類に、労働者派遣契約書の写し、派遣計画書(参考様式第1-12号)、就業条件明示書の写し(参考様式第1-13号)を挙げています。派遣形態を取れる分野は、農業分野と漁業分野です。

派遣先が出す書類は、農業分野なら派遣先の概要書(第1-14号)、漁業分野なら同(第1-15号)です。このほかに、労働、社会保険、租税の法令を守っていることを示す資料が要ります。

どの分野で派遣が認められるか、派遣元と派遣先の条件は、分野別の比較ページで確認できます。本ページは、様式の記載欄に絞って整理します。

分野ごとの条件は派遣が認められる分野と条件の比較で確認できます。

派遣形態の申請で使う様式(入管庁の参考様式)
様式作る人内容
第1-12号 派遣計画書派遣元(特定技能所属機関)派遣する外国人と派遣予定先の一覧
第1-13号 就業条件明示書派遣元(派遣先も押印欄がある)業務内容、就業場所、派遣期間、就業時間などの派遣の条件
第1-14号 派遣先の概要書(農業分野)派遣先派遣先の概要、受入れ実績、誓約事項
第1-15号 派遣先の概要書(漁業分野)派遣先漁業分野の派遣先の概要書

派遣計画書(第1-12号):表1は派遣する外国人、表2は派遣予定先

派遣計画書は、誰をどこへ派遣するかを2つの表で書く様式です。

冒頭の文面は、表1の特定技能外国人を表2のとおりに派遣し、派遣予定内容に変更があった場合と、表にない派遣先に派遣する場合は、派遣に先立って届け出る、という内容です。この文面が、後の変更届出の根拠になります。

表1と表2は、いずれも全員・全派遣先を書ききれないときに「別紙のとおり」として別紙を付けられます。最後は、特定技能所属機関の名称と作成責任者の役職・氏名です。

派遣計画書(第1-12号)の記載欄
表記載欄
表1 派遣予定特定技能外国人氏名、国籍・地域、生年月日、性別
表2 派遣予定先一覧派遣予定先の氏名又は名称、住所、就労(作業)内容、就労(作業)場所、派遣予定期間
末尾作成年月日、特定技能所属機関の氏名又は名称、作成責任者の役職・氏名

就業条件明示書(第1-13号):派遣元と派遣先の両方が名称を書く

就業条件明示書は、派遣する条件を派遣労働者に示す様式で、派遣元と派遣先の名称欄があります。

様式の宛名の下に、特定技能所属機関の氏名又は名称、住所、電話番号、代表者の氏名・役職と、派遣先の氏名又は名称の欄があり、それぞれに印の欄が付いています。文面は「次の条件で労働者派遣を行います」です。

運用要領は、この様式の根拠となる労働者派遣法の条文として、第34条(派遣労働者への就業条件等の明示)と第26条(労働者派遣契約で定める事項)を参考に載せています。派遣期間の欄には、期間制限に抵触する日と、延長の手続を適正に行わない場合に労働契約申込みみなし制度の対象となる旨の注意書きがあります。

就業条件明示書(第1-13号)の記載欄
区分記載欄
仕事の内容業務内容(雇入れ直後)、就業場所(変更の範囲を含む)、組織単位、指揮命令者の職名・氏名
期間と時間派遣期間(期間制限に抵触する日を含む)、就業日、就業時間と休憩時間、時間外労働と休日労働の有無
安全・責任者安全及び衛生、派遣元責任者、派遣先責任者、福利厚生施設の利用等
苦情・解除苦情の処理・申出先(派遣元と派遣先)、派遣契約解除の場合の措置、派遣先が派遣労働者を雇用する場合の紛争防止措置、備考

派遣先の概要書(農業分野・第1-14号):概要、受入れ実績、誓約の3部構成

農業分野の派遣先の概要書は、派遣先の経営と雇用の状況を書き、誓約する様式です。

1の欄は派遣先の概要で、法人番号(法人の場合のみ)、氏名又は名称、住所、常勤職員数、資本金の額、前年度の売上高、経常損益、当期純損益を書きます。2の欄は、派遣先の受入れ実績等で、3つの項目があります。1つ目は過去5年以内に6か月以上労働者を雇用した実績、2つ目は前1年以内の同種の業務に従事する労働者の離職状況、3つ目は前1年間の行方不明者数です。

離職状況は、日本人労働者と外国人労働者に分け、自発的離職と非自発的離職の人数を書きます。行方不明者数は、特定技能1号・2号と技能実習に分けて人数を書き、派遣先の責めに帰すべき事由があるかを「該当あり」「該当なし」で選びます。技能実習の欄は、派遣先が実習実施者である場合に書く注意書きがあります。

3の誓約事項は3点です。入管法や労働関係法令に基づき派遣就業に必要な措置を講じること、基準に適合しなくなったときや派遣契約の継続が不可能となる事由が生じたときなどに特定技能所属機関へ報告すること、外国人からの苦情・相談内容を特定技能所属機関へ報告し、支援が円滑に行われるよう努めることです。

最後に作成年月日、派遣先の名称、作成責任者の役職・氏名を書きます。漁業分野の第1-15号は、様式で記載欄を確認してください。

派遣先の概要書(農業分野・第1-14号)の記載欄
欄書く内容
1 派遣先の概要法人番号(法人のみ)、名称、住所、常勤職員数、資本金、前年度の売上高・経常損益・当期純損益
2 受入れ実績等過去5年以内に6か月以上雇用した労働者数、前1年以内の離職状況(自発的・非自発的)、前1年間の行方不明者数
3 誓約事項派遣就業に必要な措置、基準に適合しなくなったときなどの報告、苦情・相談内容の報告と円滑な支援への協力
4 その他特記事項特記事項、作成年月日、派遣先の名称、作成責任者

派遣先を増やすとき:申請時の計画書にない派遣先へは事前に変更の届出

派遣先と派遣期間は、原則として在留諸申請の時点で決まっていなければなりません。

受入れ後に、申請時に出した派遣計画書に載っていない派遣先へ派遣する場合は、あらかじめ特定技能雇用契約の変更の届出が必要です。新しい派遣先が基準に適合しないときは、その派遣先への派遣を停止するよう助言・指導が行われます。

雇用形態を直接雇用から派遣雇用へ変更するときは、派遣開始のおおむね3か月前に、あらかじめ雇用契約を結んだうえで届出が必要です。令和8年8月版の運用要領による記載で、以前の版では「おおむね2か月前」でした。申請の直前に最新の運用要領で確認してください。

  • 派遣計画書の表2に、派遣予定の全ての派遣先を書いた
  • 表にない派遣先を増やす場合は、派遣の前に変更の届出をする日程を決めた
  • 派遣先の概要書の受入れ実績と、行方不明者数の数字を派遣先に確認した
  • 直接雇用から派遣雇用へ変える場合は、派遣開始の3か月前までに雇用契約と届出ができるか確認した

よくある質問

派遣形態で受け入れる在留申請に、どの様式が必要ですか?

運用要領は、労働者派遣契約書の写し、派遣計画書(第1-12号)、就業条件明示書の写し(第1-13号)を挙げています。派遣先は、農業分野なら第1-14号、漁業分野なら第1-15号の概要書と、法令遵守を示す資料を出します。

派遣計画書には何を書きますか?

表1に派遣する外国人の氏名・国籍地域・生年月日・性別、表2に派遣予定先の名称・住所・就労内容・就労場所・派遣予定期間を書きます。書ききれないときは別紙を付けられます。

受入れ後に派遣先を増やすことはできますか?

申請時の派遣計画書に載っていない派遣先へ派遣する場合は、あらかじめ特定技能雇用契約の変更の届出が必要です。新しい派遣先が基準に適合しないときは、派遣停止の助言・指導が行われます。

直接雇用から派遣雇用に変えるときの時期は?

令和8年8月版の運用要領は、派遣開始のおおむね3か月前に雇用契約を結んだうえで届出が必要としています。最新の運用要領で確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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