この記事の対象:ビルメンテナンス事業者・清掃業者で特定技能人材の受入れを検討する担当者

ビルクリーニング分野の特定技能について、対象となる建築物と住宅の除外、技能実習2号からの試験免除の範囲、2号の実務経験要件、協議会加入と受入れ見込数を公的一次資料から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

対象業務と、対象にならない建築物を先に確認する

清掃業務であれば一律に対象になるわけではありません。

分野別運用要領は、1号特定技能外国人が従事する業務を「建築物内部の清掃」と定めています。受入れ機関は、建築物衛生法第12条の2第1項第1号に規定する建築物清掃業、又は同項第8号に規定する建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所であることが条件です。

登録は法人単位ではなく営業所ごとに、所在地を管轄する都道府県知事が行い、有効期限は6年です。継続して受け入れるには更新が必要で、更新を怠ると基準を満たさなくなります。

対象となる建築物からは住宅が除かれます。運用要領は「多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に…清掃作業を行い」と定義しており、共同住宅の内部清掃はこの分野の対象になりません。求人票の勤務先が住宅に当たらないかを、契約前に確認してください。

当該業務に従事する日本人が通常行う関連業務に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事することは認められません。清掃以外の作業だけを割り当てる配置は基準に適合しません。

  • 営業所所在地の都道府県知事登録(建築物清掃業又は建築物環境衛生総合管理業)を確認した
  • 対象建築物が住宅に該当しないことを確認した
  • 関連業務だけの配置になっていないか勤務シフトで確認した

出典:法務省・厚生労働省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-ビルクリーニング分野の基準について-」(確認日:2026年9月5日

1号試験と、技能実習2号からの試験免除の範囲を分けて確認する

技能試験の免除条件と、日本語試験の免除条件は範囲が異なります。

1号の技能水準は「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の合格です。日本語能力は「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」で確認します。

技能試験が免除されるのは「ビルクリーニング職種、ビルクリーニング作業」の第2号技能実習を良好に修了した者に限られます。一方、日本語試験は修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者であれば免除されます。技能試験免除より日本語試験免除の対象が広いという非対称な構造のため、候補者の技能実習歴を確認する際はどちらの試験の免除に当たるかを分けて確認してください。

1号試験の免除条件(技能試験・日本語試験)
試験区分免除条件
技能試験(ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験)「ビルクリーニング職種、ビルクリーニング作業」の第2号技能実習を良好に修了した者に限り免除
日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)第2号技能実習を良好に修了した者であれば、修了した職種・作業を問わず免除

出典:法務省・厚生労働省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-ビルクリーニング分野の基準について-」(確認日:2026年9月5日

2号は現場を管理する実務経験2年以上が要る

2号は試験合格だけでは移行できません。

2号の技能水準は「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」又は「技能検定1級(ビルクリーニング)」の合格です。これに加えて、特定建築物又は建築物清掃業・建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所が行う建築物(住宅を除く)内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する者としての実務経験を2年以上有することが要件です。

経過措置もあります。令和5年6月9日の運用要領改正の時点でビルクリーニング分野の1号特定技能外国人として在留していた者については、同日以前の期間について実際に現場管理者として就労していたかにかかわらず、該当していたものとして取り扱われます。候補者の在留開始時期によって実務経験の数え方が変わるため、個別に確認してください。

  • ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験又は技能検定1級(ビルクリーニング)に合格しているか
  • 特定建築物等(住宅を除く)の内部清掃で、複数の作業員を指導しながら現場を管理する実務経験が2年以上あるか
  • 候補者が令和5年6月9日時点で1号として在留していた場合、経過措置の対象になるかを確認したか

出典:法務省・厚生労働省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-ビルクリーニング分野の基準について-」(確認日:2026年9月5日

受入れ機関の要件(協議会加入・直接雇用)を確認する

登録に加えて、協議会加入と雇用形態の条件があります。

特定技能所属機関は、厚生労働省が設置する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」の構成員になることが受入れの条件です。在留諸申請の前に加入し、協議会において協議が調った事項に関する措置を講じること、協議会及び厚生労働省が行う調査・指導に必要な協力を行うことが求められます。措置を講じない場合や協力を行わない場合は基準に適合せず、受入れができなくなります。

雇用形態は直接雇用に限られます。1号特定技能外国人を労働者派遣の対象とすることはできず、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は、不正又は著しく不当な行為を行ったものとして、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります。

  • 厚生労働省『ビルクリーニング分野特定技能協議会』の構成員になっている(在留諸申請の前に加入)か
  • 協議会において協議が調った事項に関する措置を講じているか
  • 協議会・厚生労働省が行う調査・指導への協力体制があるか
  • 雇用形態が直接雇用(労働者派遣の対象にしていない)か確認したか

出典:「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙2)(確認日:2026年9月5日出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日

受入れ見込数と、交付停止の仕組みを確認する

受入れ規模には上限があり、需給の変化で運用が変わります。

運用方針は、ビルクリーニング分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大3万9,500人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。ビル・建物清掃員の令和6年度の有効求人倍率は2.34倍で、令和10年度に必要な就業者数105万2,000人に対し同年度の就業者数は94万5,600人となる見込みのため、10万6,400人程度の人手不足が生じると推計されています。

この見込数は、清掃ロボットの導入促進等による生産性向上(令和10年度までに4万1,900人程度)と、女性・高齢者等への就職勧奨等による国内人材の確保(令和10年度までに2万5,000人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる最大3万9,500人を上限として運用するもので、内訳は1号特定技能外国人3万2,200人(5年間の上限)、育成就労外国人7,300人(令和9年度からの2年間の上限)です。受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、その他必要な人材が確保されたと認められる場合には、厚生労働大臣が法務大臣に対し在留資格認定証明書交付の一時停止を求める仕組みがあり、採用計画は加入証や登録の有無だけでなく、この時点での運用状況もあわせて確認してください。

ビルクリーニング分野の受入れ見込数の算定根拠(令和6年度からの5年間)
区分数値
令和10年度に必要な就業者数105万2,000人
令和10年度の就業者数見込み94万5,600人
取組前に見込まれる人手不足10万6,400人程度
生産性向上による緩和(清掃ロボットの導入促進等)令和10年度までに4万1,900人程度
国内人材確保による緩和(女性・高齢者等への就職勧奨等)令和10年度までに2万5,000人程度
取組後もなお見込まれる人手不足=受入れ見込数(上限)3万9,500人(1号特定技能3万2,200人・育成就労7,300人)

出典:「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙2)(確認日:2026年9月5日

よくある質問

共同住宅の清掃も対象になりますか?

なりません。運用要領は「多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)」を対象としており、住宅の内部清掃はビルクリーニング分野の対象業務に含まれません。

技能実習2号を修了していれば試験は全部免除されますか?

免除の範囲は試験ごとに異なります。技能試験の免除は「ビルクリーニング職種、ビルクリーニング作業」の修了者に限られますが、日本語試験は職種・作業を問わず技能実習2号の修了者であれば免除されます。

2号への移行に必要な実務経験は何年ですか?

特定建築物等の内部清掃に複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する者としての実務経験を2年以上有することが要件です。令和5年6月9日の運用要領改正時点で在留していた者には経過措置があります。

労働者派遣で受け入れられますか?

できません。雇用形態は直接雇用に限られ、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間、特定技能外国人の受入れができなくなります。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する

続けて確認する場合は、受入れ機関全体の基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、委託先の体制を比較するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、分野固有費を見積書へ分けるで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、ビルクリーニング分野の確認費目を表示するで条件と確認範囲をつなげられます。

個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。