この記事の対象:製材業・合板製造業等で特定技能人材の受入れを検討する事業者
対象業種(日本標準産業分類の6区分)
「木材を扱っているか」ではなく、事業所が行う産業の分類で判定します。
告示は、特定技能外国人が活動を行う事業所について、日本標準産業分類の小分類121(製材業、木製品製造業)、細分類1222(合板製造業)、1223(集成材製造業)、1224(建築用木製組立材料製造業)、1227(銘木製造業)、1228(床板製造業)のいずれかを行っていることを求めています。
似た業種でも対象に含まれない区分が明記されています。運用要領別冊は、小分類120(管理、補助的経済活動を行う事業所)、細分類1221(造作材製造業〈建具を除く〉)、1225(パーティクルボード製造業)、1226(繊維板製造業)、小分類123(木製容器製造業〈竹、とうを含む〉)、小分類129(その他の木製品製造業〈竹、とうを含む〉)、及び中分類13(家具・装備品製造業)は木材産業分野の対象に含まれないとしています。
対象区分に係る製品の製造加工を行っていることが条件で、他の業者所有の原材料に加工処理を加えて加工賃を受け取る賃加工業も対象になります。一方、単に製品の選別や包装の作業のみを行う事業所は製造業に該当しないため対象外です。自社の事業所がどの区分に当たるか判断できない場合は、農林水産省林野庁が相談窓口を案内しています。
- 自社事業所が対象6区分のいずれかに当たることを確認した
- 似た業種の除外区分(造作材製造業・パーティクルボード製造業等)に該当しないか確認した
- 単なる選別・包装のみの作業になっていないか確認した
1号試験と、技能実習2号からの試験免除の範囲を確認する
技能試験の免除は職種が限定されますが、日本語試験の免除は職種を問いません。
1号の技能水準は「木材産業特定技能1号測定試験」の合格です。この試験は、木材加工・安全衛生等について基本的な知識を有し、各種作業について安全の確保を図りつつ一定時間内に正しい手順で的確にできるレベルであることを認定します。日本語能力は「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」で確認します。
技能試験が免除されるのは「木材加工職種、機械製材作業」の第2号技能実習を良好に修了した者に限られます。一方、日本語試験は修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者であれば免除されます。ビルクリーニング分野と同様に、技能試験免除より日本語試験免除の対象が広い構造です。
日本国内で受ける1号測定試験の受験料は、実施機関の全国木材組合連合会の受験申込のページで4,400円(税込み)です。令和8年度からCBT方式で行われ、申込みは試験運営会社プロメトリックのページから行います。
日本国外(インドネシア)で受ける場合は350,000IDRと別に記載されています。分野別の受験料の比較は、特定技能1号の技能測定試験の受験料のガイドにあります。
| 試験区分 | 免除条件 |
|---|---|
| 技能試験(木材産業特定技能1号測定試験) | 「木材加工職種、機械製材作業」の第2号技能実習を良好に修了した者に限り免除 |
| 日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上) | 第2号技能実習を良好に修了した者であれば、修了した職種・作業を問わず免除 |
技能実習の木材加工系職種のうち、木材産業に入るのは機械製材だけ
「木材加工」の名がつく職種でも、家具や建具の職種は別の分野に対応します。
入管庁の対応表(令和8年6月1日時点)で、木材産業の業務区分に対応する技能実習2号の職種・作業は「木材加工職種の機械製材作業」です。家具製作(家具手加工作業)は工業製品製造業(家具製造)と造船・舶用工業(造船)、建具製作(木製建具手加工作業)は建設(建築)と造船・舶用工業(造船)に対応します。
家具や建具の作業を終えた人を木材産業で受け入れる、という整理にはなりません。自社の事業所が上の対象業種に入るかと、修了した職種がどの分野に対応するかは、別々に確認します。育成就労への移行を含む整理は、「技能実習の職種が育成就労の分野に入るかの確認」ガイドを参照してください。
| 技能実習の職種(作業) | 対応する特定技能1号の分野(業務区分) |
|---|---|
| 木材加工(機械製材) | 木材産業 |
| 家具製作(家具手加工) | 工業製品製造業(家具製造)、造船・舶用工業(造船) |
| 建具製作(木製建具手加工) | 建設(建築)、造船・舶用工業(造船) |
特定技能2号の受入れ可否と採用計画
長期雇用を見込む場合は、2号への移行を前提にできません。
運用要領別冊は「木材産業分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記しています。他の多くの分野が2号への移行要件(実務経験年数等)を定めるのに対し、木材産業分野には2号のルート自体がありません。
在留期間の上限や、長期的な人材確保の方法は、2号が無いことを前提に別途検討する必要があります。育成就労制度への移行や技能実習との関係を含め、最新の公式資料で在留の見通しを確認してください。
受入れ機関の要件(協議会加入・直接雇用・派遣禁止)を確認する
協議会加入のタイミングと、労働者派遣の禁止を確認します。
特定技能所属機関は、農林水産省が設置する「木材産業特定技能協議会」の構成員になることが受入れの条件です。1号特定技能外国人を受け入れる場合、当該外国人に係る在留諸申請の前に協議会へ加入し、加入後は協議会及び農林水産省に対して必要な協力を行う必要があります。
協議会の事務局は林野庁木材産業課(生産加工班)が務めます。加入は受入れ企業単位ではなく、外国人を受け入れる事業所ごとに必要で、登録支援機関・監理支援機関は加入の対象外です。
加入手続の前段階として、(一社)全国木材組合連合会による「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)」の取組状況確認・確認証の交付を受けたうえで、入会申請書等を事務局へ提出し、構成員資格証明書の交付を受ける流れになります。林野庁は、作業安全規範の取組状況及び申請内容の確認に相当程度の時間を要することを案内しており、具体的な審査日数・会費の要否は公式ページに記載がないため、在留諸申請までの十分な時間的余裕をもって申請してください。
雇用形態は直接雇用に限られます。1号特定技能外国人を労働者派遣の対象とする特定技能雇用契約は締結できず、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は、以後5年間は特定技能外国人の受入れができないこととなります。
- 農林水産省『木材産業特定技能協議会』の構成員になっている(在留諸申請の前に加入)か
- 加入単位は事業所ごとであり、登録支援機関・監理支援機関は対象外であることを確認したか
- (一社)全国木材組合連合会の作業安全規範の確認証交付を受けたか
- 協議会及び農林水産省が行う調査・指導への協力体制があるか
- 雇用形態が直接雇用(労働者派遣の対象にしていない)か確認したか
育成就労実施者の入会:同じ協議会に、育成就労実施者向けの様式で申請する
木材産業でも特定技能と育成就労は1つの「木材産業特定技能・育成就労協議会」で、様式だけが立場別に分かれています。
林野庁のページは、協議会の名称を「木材産業特定技能・育成就労協議会」とし、様式を特定技能所属機関向けと育成就労実施者向けに分けて掲げています。育成就労実施者向けにも、入会申請書(別記様式第1号)、構成員資格証明書、変更届出書、資格証明書の再発行申請書、退会届出書、機械設備一覧表の参考様式が用意されています。
入会の留意事項は共通です。入会は受入れ企業ごとではなく外国人を受け入れる事業所ごとに必要で、監理支援機関は登録支援機関と並んで入会の対象外です。協議会構成員の名称と所在地の都道府県は林野庁のホームページで公表されます。
ページに書かれた入会までの流れは、作業安全規範の確認証の交付、入会申請書と添付書類のメール提出、構成員資格証明書の交付の順です。添付書類の欄が特定技能外国人を勤務させる事業所の機械設備一覧表と書かれているため、育成就労実施者が同じ書類を出すのか、育成就労実施者向けの様式で何を求められるのかは、様式そのものと事務局(林野庁木材産業課)で確認してください。育成就労実施者の入会時期と費用は、本ページ確認時点の案内には記載がありません。
受入れ見込数の上限を確認する
受入れ規模には上限があります。
運用方針は、木材産業分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大5,000人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。人手不足の状況(有効求人倍率の高さ等)を踏まえて設定された数値であり、超過が見込まれる場合には在留資格認定証明書交付の一時停止が講じられる仕組みです。
採用計画を立てる際は、対象区分への該当性や協議会加入手続とあわせて、この時点での受入れ見込数の運用状況も最新の公式資料で確認してください。
よくある質問
木材加工の技能実習を終えた人を、特定技能で受け入れられますか?
「木材加工職種、機械製材作業」の第2号技能実習を良好に修了した人は、木材産業の1号の技能試験と日本語試験が免除されます。家具製作や建具製作の職種を修了した人は、木材産業ではなく別の分野に対応します。木材産業には特定技能2号がなく、育成就労の受入れ側も同じ協議会に入会します。
家具製造業も対象になりますか?
なりません。運用要領別冊は中分類13(家具・装備品製造業)を木材産業分野の対象から明示的に除外しています。
選別と包装だけの作業を任せられますか?
対象業務にはなりません。単に製品の選別や包装の作業のみを行う事業所は製造業に該当せず、対象区分から外れます。
木材産業分野で特定技能2号へ移行できますか?
できません。運用要領別冊は木材産業分野において特定技能2号での受入れを行うことができないと明記しています。
労働者派遣で受け入れられますか?
できません。雇用形態は直接雇用に限られ、派遣し又は派遣された者を受け入れた場合は以後5年間、特定技能外国人の受入れができなくなります。
木材産業特定技能協議会への加入手続きはどこに問い合わせますか?
協議会事務局は林野庁木材産業課(生産加工班)です。加入は受入れ企業単位ではなく事業所ごとに必要で、登録支援機関・監理支援機関は対象外です。加入前に(一社)全国木材組合連合会による作業安全規範の確認証交付を受ける必要があります。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「木材産業分野」(確認日:2026年8月24日、次回確認:2026年11月24日)
- 法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-木材産業分野の基準について-」(確認日:2026年8月24日、次回確認:2026年11月24日)
- 「木材産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙16)(確認日:2026年8月24日、次回確認:2026年11月24日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 全国木材組合連合会「木材産業特定技能1号測定試験 受験の申込」(確認日:2026年10月7日、次回確認:2027年1月7日)
- 出入国在留管理庁「技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係について」(令和8年6月1日時点)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- 林野庁「木材産業特定技能・育成就労協議会について」(確認日:2026年9月11日、次回確認:2026年12月11日)