この記事の対象:空港グランドハンドリング事業者・航空機整備事業者で特定技能人材の受入れを検討する担当者

航空分野の特定技能について、空港グランドハンドリング・航空機整備の2区分の技能水準・実務経験要件、技能実習2号からの試験免除が一部作業に限られる非対称構造、雇用形態(在籍型出向)、受入れ見込数4,900人を公的一次資料から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

対象業務は2区分。2号は試験合格に加えて実務経験も必要

空港グランドハンドリングと航空機整備で、技能水準の確認方法が異なります。

運用要領別冊は、1号特定技能外国人が従事する業務区分を「空港グランドハンドリング」「航空機整備」の2区分に分けています。1号は各区分の航空分野特定技能1号評価試験に合格し、日本語能力水準「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テストA2.2相当以上又は日本語能力試験N4以上)を満たす必要があります。

2号は試験合格だけでは足りません。空港グランドハンドリング区分は航空分野特定技能2号評価試験に合格し、かつ現場で技能者を指導しながら作業に従事した実務経験が必要です。航空機整備区分は同2号評価試験又は一等・二等航空整備士等の航空従事者技能証明のいずれかを満たし、かつ航空機整備の現場で専門的な知識・技量を要する作業に3年以上従事した実務経験が必要です。

日本語能力水準は2区分とも「日本語教育の参照枠」B1相当以上(日本語能力試験N3以上でCEFR B1相当と判定された場合)です。

区分別の技能水準・実務経験・日本語要件
区分1号の技能水準2号の技能水準・実務経験日本語要件
空港グランドハンドリング航空分野特定技能1号評価試験(空港グランドハンドリング)航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング)+技能者を指導しながら作業に従事した実務経験1号:A2.2相当以上/2号:B1相当以上
航空機整備航空分野特定技能1号評価試験(航空機整備)航空分野特定技能2号評価試験(航空機整備)又は航空従事者技能証明+専門的な知識・技量を要する作業への3年以上の実務経験1号:A2.2相当以上/2号:B1相当以上
  • 区分(空港グランドハンドリング/航空機整備)ごとの2号評価試験の合格を確認した
  • 空港グランドハンドリング区分は技能者を指導しながら作業に従事した実務経験を確認した
  • 航空機整備区分は2号評価試験又は航空従事者技能証明に加え、専門的な知識・技量を要する作業への3年以上の実務経験を確認した
  • 2号の日本語能力水準(B1相当以上)を確認した

出典:法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-航空分野の基準について-」(運用要領別冊)(確認日:2026年8月26日「航空分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日

技能実習2号からの試験免除は空港グランドハンドリングの一部作業に限られる

免除対象は狭く、航空機整備区分には免除ルートがありません。

運用要領別冊の留意事項によると、技能実習2号からの技能試験免除は、空港グランドハンドリング職種のうち「航空機地上支援作業」「航空貨物取扱作業」「客室清掃作業」の3作業を良好に修了し、かつ空港グランドハンドリング技能実習評価試験(専門級)の合格証明書を提出できる場合に限られます。この専門級評価試験に合格していない場合(技能実習法施行前の旧制度の技能実習生を含む)は、技能試験・日本語試験を受験し合格するか、実習実施者が作成した技能等の修得状況の評価文書の提出が必要です。

航空機整備区分には、この技能実習2号からの試験免除ルート自体が定められていません。なお日本語能力の証明は技能試験の免除対象作業とは別扱いで、修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了した者は当面の間その事実をもって日本語能力(A2.2相当以上)を有すると証明されたこととされ、別途の日本語試験受験は不要です。

区分ごとの技能実習2号からの技能試験免除ルート
区分技能試験の免除ルート
空港グランドハンドリング「航空機地上支援作業」「航空貨物取扱作業」「客室清掃作業」の3作業を良好に修了し、専門級評価試験の合格証明書を提出できる場合に限り免除
航空機整備免除ルートなし

出典:法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-航空分野の基準について-」(運用要領別冊)(確認日:2026年8月26日

雇用形態は直接雇用が原則。航空分野特有の在籍型出向も認められる

在籍型出向は無条件ではなく、期間・待遇の要件が定められています。

運用方針は、航空分野の雇用形態を直接雇用としつつ、同時に航空分野の2事業者を特定技能所属機関とする在籍型出向形態も認めています。航空分野では、従前から相互に密接に関連する企業間で技能を要する業務を委託し合い、在籍型出向により当該技能に係る教育・研修を行ってきた実態があるためです。

在籍型出向を活用する場合、1号特定技能外国人については出向期間が1年につき通算4月を超えないことが条件です。また、出向期間中の所定内賃金等の待遇が出向元における待遇に比べて維持又は向上されることを、国土交通省が出向元・出向先双方の特定技能所属機関を通じて確認します。

特定技能所属機関は、空港グランドハンドリング区分では空港管理規則に基づく承認等を受けて空港グランドハンドリングを営む者、航空機整備区分では航空法上の整備事業場の認定を受けた者又はその委託を受けた者である必要があり、いずれも国土交通省が設置する航空分野特定技能協議会の構成員であることが求められます。

  • 在籍型出向を使う場合、1号の出向期間が1年につき通算4月を超えないことを確認した
  • 出向期間中の所定内賃金等の待遇が出向元における待遇に比べて維持又は向上されることを確認した
  • 特定技能所属機関が区分ごとの要件(空港管理規則の承認等/航空法上の整備事業場の認定等)と協議会の構成員であることを満たしているか確認した

出典:「航空分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日

受入れ見込数4,900人の算定根拠と有効求人倍率

生産性向上・国内人材確保を差し引いてもなお不足する人数として算定されています。

運用方針は、航空分野の令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数を4,900人としています。令和10年度には1万5,300人程度の人手不足が見込まれる中、先進技術の導入による作業の効率化等での生産性向上(令和10年度までに2,400人程度)と、労働条件の改善等による追加的な国内人材の確保(令和10年度までに8,000人程度)を行ってもなお4,900人程度の人手不足が生じると推計されています。

航空分野の主な職種の有効求人倍率(令和6年度)は3.95倍です。このうち陸上荷役・運搬作業員、旅客・貨物係事務員、他に分類されない輸送の職業の3職種は3.99倍、輸送用機械器具整備・修理工(自動車を除く)は3.62倍です。なお、航空分野の運用方針(別紙8)は特定技能制度のみを対象としており、工業製品製造業分野等と異なり育成就労制度の規定は含まれていません。

受入れ見込数4,900人の算定根拠(令和6年度からの5年間)
項目数値
令和10年度の人手不足見込み1万5,300人程度
生産性向上による見込み2,400人程度
国内人材確保による見込み8,000人程度
受入れ見込数(上限)4,900人
有効求人倍率(令和6年度、全体)3.95倍
陸上荷役・運搬作業員等3職種の有効求人倍率3.99倍
輸送用機械器具整備・修理工(自動車を除く)の有効求人倍率3.62倍

出典:「航空分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日

よくある質問

技能実習2号を修了していれば技能試験は免除されますか?

空港グランドハンドリング職種の航空機地上支援作業・航空貨物取扱作業・客室清掃作業の3作業を良好に修了し、空港グランドハンドリング技能実習評価試験(専門級)に合格した場合に限り、空港グランドハンドリング区分の技能試験が免除されます。航空機整備区分には免除ルートがありません。なお日本語能力の証明は、修了した作業の種類にかかわらず技能実習2号の良好修了で足ります。

特定技能2号で航空従事者技能証明は使えますか?

航空機整備区分に限り、一等・二等航空整備士等の航空従事者技能証明でも技能水準要件を満たせます。ただし専門的な知識・技量を要する作業への3年以上の実務経験もあわせて必要です。

労働者派遣で受け入れられますか?

雇用形態は直接雇用に限られます。ただし航空分野特有の措置として、相互に密接に関連する2事業者間の在籍型出向は認められており、1号は出向期間が1年につき通算4月が上限です。

育成就労制度で航空分野の人材を受け入れられますか?

航空分野の運用方針(別紙8)は特定技能制度のみを規定しており、育成就労制度に関する規定は含まれていません。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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続けて確認する場合は、受入れ機関の分野別基準一覧で航空分野の要件を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、受入れ機関全体の基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、分野固有費を見積書へ分けるで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、航空分野の確認費目を表示するで条件と確認範囲をつなげられます。

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