この記事の対象:飲食店・給食・持ち帰り店等で特定技能人材を受け入れる企業
事業所と配置予定業務を先に確認する
外食業という業種名だけで受入れ可否を決めません。
食堂、レストラン、喫茶店、持ち帰り専門店、仕出し料理・弁当屋、配食サービス事業所、ケータリングサービス店、給食事業所などは、協議会の外食業分野向け加入申請ガイドで例示されています。自社の事業所と配置予定業務が分野の対象に当たるかを、求人前に公式資料で確認します。
担当させる作業、勤務場所、雇用条件を分けて記録し、協議会への申請内容と在留手続の資料で食い違いがないようにします。
- 事業所の種類を確認した
- 配置予定業務を確認した
- 求人内容と申請資料を照合する担当を決めた
協議会加入の時期と在留諸申請との前後関係
加入証の受領時期は採用日程に影響します。
外食業で特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関は、食品産業特定技能協議会の構成員となることが求められています。農林水産省は、在留諸申請を行う前に協議会へ加入するよう案内しています。外食業の受入れ機関を支援する登録支援機関にも構成員であることが求められます。
農林水産省の掲載時点の案内では、加入申請が混雑し、必要書類の送付から加入証発行まで2〜3か月程度を要します。恒久的な標準期間とは扱わず、採用予定日から逆算して最新の案内を確認します。
外食業分野では、この特定技能版の協議会とは別に、令和9年4月開始予定の育成就労制度に備えて「食品産業育成就労協議会」が飲食料品製造業分野と共同で設置されています。農林水産省は、育成就労実施者となる受入れ機関自身に構成員としての加入を求める一方、監理支援機関は加入不要としており、加入は外国人技能実習機構への育成就労計画認定申請より前に行います。会費は当面無料ですが、2026年9月時点で加入受付は始まっておらず、開始時期は農林水産省の案内で確認してください。
育成就労の日本語要件を段階別に確認する
協議会加入とは別に、出入国在留管理庁の分野別運用方針が日本語水準の到達目安を段階ごとに定めています。
出入国在留管理庁の分野別運用方針(別紙16 外食業)は、育成就労を開始するまでに「日本語教育の参照枠」のA1相当以上の水準の日本語能力試験に合格していること、または認定日本語教育機関等における当該水準に相当する日本語講習を受講していることのいずれかを求めています。
運用要領別冊は、この水準を具体的に示しています。国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA1相当以上または日本語能力試験(JLPT)のN5以上に合格するか、認定日本語教育機関の「就労のための課程」等で当該水準に相当する日本語講習を100時間以上受講するかのいずれかです。
開始後1年経過時までは、技能水準は外食業育成就労評価試験(初級)(医療・福祉施設給食製造の業務区分では医療・福祉施設給食製造育成就労評価試験(初級))、日本語能力水準は開始時と同じA1相当以上です。育成就労を終了するまでには、技能水準は外食業特定技能1号評価試験(同、医療・福祉施設給食製造育成就労評価試験(専門級))へ、日本語能力水準は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上へそれぞれ引き上げられます。
本人の意向による転籍に必要な水準は、技能水準が開始後1年経過時までの水準と同じで、日本語能力水準が「日本語教育の参照枠」のA2.1相当以上です。
| 時点 | 技能水準 | 日本語能力水準 |
|---|---|---|
| 育成就労を開始するまで | ― | 「日本語教育の参照枠」のA1相当以上(試験合格または該当水準の講習受講) |
| 開始後1年経過時まで | 外食業育成就労評価試験(初級)/医療・福祉施設給食製造育成就労評価試験(初級) | A1相当以上(開始時と同じ) |
| 育成就労を終了するまで | 外食業特定技能1号評価試験/医療・福祉施設給食製造育成就労評価試験(専門級) | A2.2相当以上 |
| 本人の意向による転籍時 | 開始後1年経過時までの技能水準と同じ | A2.1相当以上 |
育成就労の外食業固有の上乗せ基準
外食業の育成就労には、風俗営業の営業所での就労や接待を禁じる基準など、告示で定める固有の基準があります。
外食業分野の育成就労について、農林水産省の告示が、育成就労を行わせる体制の基準を定めています。運用要領別冊はこの基準を、下の表の6つの内容として説明しています。
告示が定める項目に、日本語能力に関するものはありません。日本語の水準は分野別運用方針が定めるもので、前の節のとおりです。
分野別協議会の構成員が育成就労外国人に接待を行わせたと協議会が認めた場合、協議会はその実施者を除名し、除名したことを公表します。協議会で協議が調った事項の措置を講じない場合や、協議会への協力をしない場合は、基準に適合しないことになります。
雇用形態は直接雇用に限られます。外食業は労働者派遣等育成就労産業分野として定められていないため、派遣などの形で就労させることはできません。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 風俗営業の営業所 | 風俗営業を営む営業所では就労させない。旅館・ホテルの許可を受けた施設内で許可を得て営む営業所(対象旅館等)は例外で、外食全般の業務に就労させられる |
| 性風俗関連特殊営業の営業所 | 就労させない |
| 接待 | 接待を行わせない。対象旅館等で就労させる場合は、接待防止マニュアルの作成と相談体制の整備を行い、接待を行わせないことを誓約する書面とマニュアルをあらかじめ分野別協議会に提出する |
| 協議で調った事項の措置 | 外食業分野の分野別協議会で協議が調った事項について、措置を講じる |
| 協議会への協力 | 分野別協議会に必要な協力を行う。育成就労計画の認定申請の前に、分野別協議会に加入している必要がある |
| 調査・指導への協力 | 農林水産大臣またはその委託を受けた者が行う調査、指導、情報の収集、意見の聴取その他の業務に必要な協力を行う |
加入申請の書類と費用を分けて確認する
協議会費と、許認可・書類の準備費用を一括しません。
外食業の特定技能所属機関は、加入申請後に「外食業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」と営業許可証の写しを提出します。風営法の許可を受けた旅館・ホテルに該当する場合は、追加の誓約書、旅館業・風営法の営業許可証写し、接待防止マニュアルが案内されています。
協議会は当面の間、入会金や年会費等を徴収しないと案内しています。これは時限的な取扱いのため、協議会費を恒久的に0円と見積もらず、申請時点の案内と、書類準備・許認可確認に伴う未確認費を分けて記録します。
| 区分 | 確認内容 |
|---|---|
| 加入時期 | 在留諸申請前に加入証を得られる日程か |
| 基本書類 | 誓約書・営業許可証の写し |
| 追加書類 | 対象旅館・ホテルなら追加の誓約書・許可証等 |
| 協議会費 | 当面は徴収しない案内の更新状況 |
キャリアアッププランと受入れ見込数を別々に確認する
外食業分野は2026年4月13日から新規受入れの手続が一時停止しています。
出入国在留管理庁の外食業分野案内では、特定技能所属機関はキャリアアッププランのイメージをあらかじめ設定し、雇用契約を締結する前に本人へ書面で交付して説明することが求められています。昇給や移行を保証する文書とは扱わず、契約前の説明要件として確認します。
外食業分野の特定技能1号在留者数が受入れ見込数(5万人)を超える見込みとなったことを受け、農林水産省及び出入国在留管理庁は2026年4月13日から在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置をとっています。同日以降に受理した交付申請は不交付となり、特定技能1号への在留資格変更許可申請も原則不許可です。
ただし、既に外食業分野で特定技能1号として在留している方の転職に伴う変更許可申請、特定技能2号への変更申請、在留期間更新許可申請はこの措置の対象外で通常どおり審査されます。外食業特定技能1号評価試験も当面の間、国内外で実施しないと案内されており、受入れ再開の時期は掲載時点で未定のため、加入証の有無だけで新規受入れの可否を判断せず農林水産省の公式ページで最新の措置状況を確認します。
申請区分ごとの審査の進み具合(2026年9月10日掲載分)を確認する
交付停止の措置がある間も、申請の区分によって処理が進んでいる受付日が違います。
出入国在留管理庁は「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」を2026年9月10日に掲載しました。申請の区分ごとに、いつ受け付けた分まで処理が進んでいるかが示されています。以下は掲載日時点の内容で、更新される場合があります。
在留資格認定証明書交付申請は、在留資格変更許可申請を優先して処理しているため、毎月の在留者数を踏まえて交付が可能な場合に、受付日順で順次交付されています。掲載時点で処理が進んでいるのは、受付日が令和8年1月31日までの申請です。
在留資格変更許可申請は、変更前の在留資格によって4つに分かれています。技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更と、外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更は、受付日が令和8年8月31日までの申請が対象です。
外食業分野内での転職に伴う変更は全ての申請です。これら以外の在留資格からの変更は、受付日が令和8年4月12日までの申請で、4月13日以降に受理した申請は原則不許可とされています。
在留期間更新許可申請は、通常どおり審査が終わり次第許可されています。
留意事項として、順番が来る前に在留期間が満了しそうな申請では、特定活動(特定技能1号準備)(外食業分野)への変更許可申請などを案内される場合があります。また、交付・許可の状況は出入国在留管理庁・地方出入国在留管理官署・農林水産省に問い合わせても回答されないとされています。自社の案件の扱いは、最新の掲載ページと管轄の出入国在留管理官署で確認してください。
| 申請の区分 | 処理が進んでいる範囲(掲載時点) |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 受付日が令和8年1月31日までの申請(受付日順に順次交付) |
| 変更許可:技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)から | 受付日が令和8年8月31日までの申請 |
| 変更許可:特定活動(特定技能1号移行準備)から | 受付日が令和8年8月31日までの申請 |
| 変更許可:外食業分野内での転職 | 全ての申請 |
| 変更許可:上記以外の在留資格から | 受付日が令和8年4月12日までの申請(4月13日以降の受理分は原則不許可) |
| 在留期間更新許可申請 | 通常どおり審査終了次第許可 |
受入れ見込数5万5,300人の算定根拠を確認する
受入れ規模は、令和10年度の人手不足の見込みから生産性向上と国内人材確保の分を差し引いた人数として示されています。
運用方針は、外食業分野全体における令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数を5万5,300人としています。令和10年度には481万1,000人の就業者が必要になると推計される一方、同年度の就業者数は455万5,000人となる見込みで、25万6,000人程度の人手不足が見込まれるとしています(総務省「サービス産業動向調査」を元に農林水産省で算出)。
この人手不足は、ICT化等による業務の省力化・省人化等による毎年0.6%程度の生産性向上(令和10年度までに15万7,700人程度)と、賃金水準の引上げ・多様な人材確保・労働参加率の引上げによる毎年0.2%程度の追加的な国内人材の確保(令和10年度までに4万3,000人程度)を行ってもなお5万5,300人程度が不足すると見込まれています。
このうち1号特定技能外国人の受入れ見込数は、令和6年度から5年間で5万人で、令和10年度末までの5年間の受入れの上限として運用されます。育成就労外国人の受入れ見込数は、令和9年度から2年間で5,300人で、令和10年度末までの2年間の上限です。1号と育成就労の見込数を足すと、分野全体の5万5,300人になります。
| 項目 | 人数 | 対象期間・備考 |
|---|---|---|
| 令和10年度に見込まれる人手不足 | 25万6,000人程度 | 令和10年度の必要就業者数は481万1,000人 |
| 生産性向上(毎年0.6%程度) | 15万7,700人程度 | 令和10年度まで |
| 国内人材の追加確保(毎年0.2%程度) | 4万3,000人程度 | 令和10年度まで |
| 外食業分野全体の受入れ見込数(なお不足する人数) | 5万5,300人 | 令和6年度から令和10年度までの5年間 |
| 1号特定技能外国人の受入れ見込数 | 5万人 | 令和6年度から5年間、令和10年度末までの上限 |
| 育成就労外国人の受入れ見込数 | 5,300人 | 令和9年度から2年間、令和10年度末までの上限 |
よくある質問
協議会にはいつ加入しますか?
在留諸申請を行う前です。掲載時点では加入証発行まで2〜3か月程度を要する案内があるため、最新の審査状況を確認して採用工程へ入れます。
協議会の入会金や年会費はかかりますか?
農林水産省は当面の間は徴収しないと案内しています。時限的な取扱いのため、申請時点の案内を確認します。
加入証があれば採用できますか?
できません。農林水産省及び出入国在留管理庁は2026年4月13日から、外食業分野の特定技能1号に係る在留資格認定証明書の交付を停止する措置をとっており、既に外食業分野で特定技能1号として在留する方の転職等に伴う申請を除き、新規受入れの手続は進みません。加入証の有無にかかわらず、農林水産省の公式ページで最新の措置状況を確認します。
外食業分野の育成就労では、日本語要件はどの段階で変わりますか?
出入国在留管理庁の分野別運用方針は、育成就労の開始時と1年経過時までは「日本語教育の参照枠」のA1相当以上、育成就労を終了するまでにはA2.2相当以上への到達を求めています。技能水準は1年経過時までに外食業育成就労評価試験(初級)、終了までに外食業特定技能1号評価試験への合格が必要です。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「外食業分野」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 農林水産省「食品産業特定技能協議会」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月29日、次回確認:2026年11月5日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 農林水産省「食品産業育成就労協議会」(確認日:2026年10月23日、次回確認:2027年1月23日)
- 「外食業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙16)(確認日:2026年9月26日、次回確認:2026年12月26日)
- 法務省・厚生労働省・農林水産省「特定の分野に係る育成就労制度運用要領(外食業分野の基準について)」(令和8年7月10日公表)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 農林水産省「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(令和8年3月27日)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年11月2日)
- 農林水産省「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について Q&A」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年11月2日)
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年9月10日掲載)(確認日:2026年10月11日、次回確認:2026年11月2日)