この記事の対象:旅館・ホテル等で特定技能人材を受け入れる企業
宿泊分野の特定技能について、旅館・ホテル営業の許可、対象業務、風営法上の条件、協議会加入、1号・2号の要件比較、受入れ見込数2万3,000人の算定根拠を整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
営業形態と許可を最初に照合する
宿泊業ならすべて受入れられるわけではありません。
宿泊分野の受入れ機関は、旅館業法上の旅館・ホテル営業の許可を受けた者であることが求められます。施設の営業形態と許可の内容を、在留手続より前に確認します。簡易宿所営業・下宿営業は対象外です。
風俗営業法上の一定の施設に該当しないこと、特定技能外国人に同法上の接待を行わせないことも分野固有の条件です。許認可の該当性は推測せず、施設の資料と最新の公式案内で確認します。
- 旅館・ホテル営業許可を確認した
- 施設の営業形態を確認した
- 接待に当たる業務を配置しないことを確認した
出典:出入国在留管理庁「宿泊分野」(確認日:2026年8月22日)、法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日)
一つの業務だけに固定せず宿泊サービス全体で確認する
1号の対象は宿泊サービスを提供する業務です。
1号はフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスに従事する業務です。出入国在留管理庁は、特定の一業務のみに従事するのではなく、これらに幅広く従事する活動が基本と案内しています。ただし職場の状況に応じて、許可された在留期間全体の中の一部の期間においてフロント係に配置されるなど、特定の業務のみに従事することも差し支えないとされています。
求人票・職務記述・現場配置を照合し、チェックイン対応、案内、問い合わせ対応、サービス等のどこを担うかを事前に整理します。旅館・ホテルの施設内の土産物等売店における販売業務や備品の点検・交換業務は関連業務として付随的に従事できますが、専ら関連業務にのみ従事することは認められません。
技能実習2号からの1号技能試験免除は、「宿泊職種、接客・衛生管理作業」の第2号技能実習を良好に修了した場合に限られます。日本語試験は修了した職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了していれば国際交流基金日本語基礎テスト・日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されます。
出典:出入国在留管理庁「宿泊分野」(確認日:2026年8月22日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)、法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日)
協議会加入と支援委託先を工程化する
受入れ機関だけでなく委託先の要件も確認します。
特定技能所属機関は国土交通省の宿泊分野特定技能協議会の構成員となり、協議会・国土交通省等の調査又は指導に必要な協力を行うことが求められます。加入時期を採用工程へ組み込みます。
1号の支援計画を登録支援機関へ委託する場合は、委託先も協議会構成員など分野固有の条件を満たす必要があります。雇用形態は直接雇用に限られます。委託範囲と分野要件を分けて確認します。
出典:出入国在留管理庁「宿泊分野」(確認日:2026年8月22日)、出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日)、「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日)
2号は試験に加えて指導を伴う実務経験を確認する
2号は1号から自動で移行しません。
2号では宿泊分野特定技能2号評価試験に加え、宿泊施設において複数の従業員を指導しながらフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験が要件です。試験だけで判断せず、担当した業務と指導の記録を確認します。
本人から求めがあった場合、受入れ機関は実務経験を証明する書面を交付することが求められます。配置・指導・実務経験の記録を採用後から管理します。
| 区分 | 技能水準(試験) | 実務経験 | 従事する業務 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 宿泊分野特定技能1号評価試験 | 不要 | フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 |
| 2号 | 宿泊分野特定技能2号評価試験 | 複数の従業員を指導しながら宿泊サービスの提供に係る業務に2年以上従事 | 複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 |
出典:出入国在留管理庁「宿泊分野」(確認日:2026年8月22日)、法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日)、「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日)
受入れ見込数2万3,000人の算定根拠を確認する
有効求人倍率・欠員率の両方が公表されている分野です。
運用方針は、宿泊分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数を最大2万3,000人とし、これを令和10年度末までの受入れの上限として運用するとしています。宿泊分野に係る職業の有効求人倍率(令和4年度)は全国で4.69倍、「宿泊業,飲食サービス業」の欠員率(令和4年6月末日現在)は全国で3.8%で、現時点で既に2万人程度の人手不足が生じていると推計されています。
訪日外国人旅行者数の政府目標(2030年に6,000万人)等の宿泊需要に対応するため、令和10年度には60万9,000人の就業者が必要と見込まれ、7万4,000人程度の人手不足が生じると見込まれています。マルチタスク化の推進等による4%程度の生産性向上(5年間で2万4,000人程度)や、賃上げ・労働時間改善等による追加的な国内人材の確保(5年間で2万7,000人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる分を、1号特定技能外国人の受入れ上限として運用する設計です。
出典:「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日)
よくある質問
レストランサービスだけを任せられますか?
宿泊分野では、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等に幅広く従事する活動が基本と案内されています。ただし職場の状況に応じて一部の期間のみ特定の業務に従事することも差し支えないとされています。配置全体を公式資料と照合してください。
協議会加入は必要ですか?
必要です。受入れ機関は宿泊分野特定技能協議会の構成員となることが求められ、雇用形態は直接雇用に限られます。
2号は試験合格だけで移行できますか?
できません。宿泊施設において複数の従業員を指導しながら宿泊サービスを提供した実務経験2年以上も要件です。
受入れ見込数はどれくらいですか?
令和6年度からの5年間で最大2万3,000人です。令和10年度末までの受入れの上限として運用されます。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「宿泊分野」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-」(確認日:2026年8月26日、次回確認:2026年11月26日)
- 「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙8)(確認日:2026年8月26日、次回確認:2026年11月26日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年9月12日、次回確認:2026年9月19日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
次に確認すること
続けて確認する場合は、受入れ機関の共通基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、委託先の体制を比較するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、宿泊分野の確認費目を表示するで条件と確認範囲をつなげられます。
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。