この記事の対象:海外在住の候補者の国籍が決まっていて、国ごとの送出手続と在留申請の書類の違いを先に知りたい受入れ企業の担当者
特定技能の二国間協力覚書(MOC)を結んでいる17か国の手続の違いを、出入国在留管理庁の案内ページから国別に整理します。在留申請で独自の書類が要るのはカンボジア・タイ・ベトナムです。書類は不要でも相手国側の送出手続があるのは、フィリピン・ネパール・インドネシアなどです。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
協力覚書(MOC)を結んでいる17か国と更新状況
協力覚書(MOC)は、送出国との間で特定技能外国人の円滑で適正な送出し・受入れを確保するために出入国在留管理庁が作成している文書です。
出入国在留管理庁の案内ページには、2026年10月1日の確認時点で、フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア、ラオス、キルギス、タジキスタンの17か国との覚書が、公表順に並んでいます。掲載数は今後増えることがあります。
覚書の継続期間の更新が案内ページに書かれている国もあります。ネパールとミャンマーは2024年4月1日から5年間の更新済み、インドネシアは2026年6月25日から6か月間の更新済みと書かれています。期間の短い更新は今後の再更新が続く可能性があるため、候補者の国が決まったら案内ページで最新の状態を確認してください。
覚書を作成した国でなければ特定技能外国人を受け入れられないわけではない、とも案内ページに明記されています。17か国以外の国籍の人を受け入れる場合も、日本側の在留手続は同じ制度の枠で進みます。
| 国 | 国別手続の案内ページでの掲載 | 案内ページに書かれた更新の記載 |
|---|---|---|
| フィリピン | あり | なし |
| カンボジア | あり | なし |
| ネパール | あり | 2024年4月1日から5年間更新済み |
| ミャンマー | あり | 2024年4月1日から5年間更新済み |
| モンゴル | あり | なし |
| スリランカ | あり | なし |
| インドネシア | あり | 2026年6月25日から6か月間更新済み |
| ベトナム | あり | 2024年3月25日に別添1(特定技能外国人表)の変更に同意 |
| バングラデシュ | あり | なし |
| ウズベキスタン | あり | なし |
| パキスタン | あり | なし |
| タイ | あり | なし |
| インド | あり | なし |
| マレーシア | この案内ページの国別手続の一覧には見当たらない | なし |
| ラオス | あり | なし |
| キルギス | あり | なし |
| タジキスタン | この案内ページの国別手続の一覧には見当たらない | なし |
出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日)
在留申請で独自の書類が必要な国(カンボジア・タイ・ベトナム)
覚書で日本側が書類を確認すると定めた国では、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請にその国の書類を添えます。
出入国在留管理庁は、覚書の中で日本側が特定技能外国人の受入れの際に送出手続の証明書類を確認すると定めている国については、在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請と在留資格変更許可申請)でその書類の提出が必要だと案内しています。案内ページが独自の提出書類を挙げているのは、カンボジア、タイ、ベトナムの3か国です。
ベトナムは、2021年2月15日以降の新規入国の申請で、あらかじめDOLABの承認を受けた推薦者表(様式1)を他の書類とあわせて提出します。日本にいるベトナム国籍の人の在留資格変更では、駐日ベトナム大使館の承認を受けた推薦者表(様式2)です。2024年6月27日以降は当面の間、技能実習2号・3号の修了者(修了見込みを含む)と、日本で2年以上の課程を修了した留学生(修了見込みを含む)に推薦者表の提出が必要で、それ以外の人には不要と案内されています。
タイの雇用契約書の認証が要るのは、日本にいるタイ国籍の人が技能実習2号または3号を修了した後、特定技能1号へ変更する申請のときと書かれています。自社の採用ルートがどれに当たるかを先に決めると、必要な書類を絞れます。
| 国 | 提出書類 | 運用開始時期 | 案内ページの補足 |
|---|---|---|---|
| カンボジア | 登録証明書(ひな形あり) | 2019年8月5日 | ひな形はPDFで案内 |
| タイ | 駐日タイ王国大使館労働担当官事務所の認証を受けた雇用契約書 | 2020年7月27日 | 技能実習2号・3号の修了後に特定技能1号へ変更する申請の際に必要 |
| ベトナム | 推薦者表(特定技能外国人表。様式1または様式2にベトナム側の承認を受けたもの)等 | 2021年2月15日 | 新規入国はDOLAB、国内からの変更は駐日大使館の承認 |
出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日)
提出書類は不要でも相手国側の送出手続がある国
日本側の在留申請に書類がなくても、相手国の制度上、受入れ機関や本人の手続が定められている国があります。
案内ページは、提出書類が要らない国でも相手国の国内規定で一定の送出手続が定められている場合があり、これは相手国側の手続であって日本側の在留諸申請上の手続ではないと書いています。ここで挙げる内容は「とのことです」という相手国側の説明として案内されているもので、最新の運用は各国の連絡先へ確認するよう求められています。
フィリピンでは、受入れ機関が必要書類を在東京フィリピン大使館または在大阪フィリピン総領事館の移住労働者事務所(MWO)に提出して審査を受け、移住労働者省(DMW)に登録されます。本人は海外雇用許可証(OEC)を取得し、出国時に提示します。
バングラデシュでは、受入れ機関が要求書(Demand Letter)を駐日大使館に提出して認証を受けます。来日予定の人は、人材雇用研修局(BMET)の審査を経て、エミグレーション・クリアランス・カードを取得します。発行までは約2営業日とのことです。
| 国 | 相手国側の手続の内容 | 手続を行う主体 |
|---|---|---|
| フィリピン | MWOへの書類提出・審査、DMWへの登録、海外雇用許可証(OEC)の取得と出国時の提示 | 受入れ機関・本人 |
| ネパール | 労働・雇用・社会保障省の日本担当部門で海外労働許可証を取得し、出国時に提示 | 本人 |
| インドネシア | 労働市場情報システム(IPKOL)への受入機関の登録を希望、SISKOP2MIへの登録とID番号の取得、出国前オリエンテーション後に移住労働者証(E-PMI)が発行 | 受入れ機関・本人 |
| ミャンマー | 労働・入国管理・人口省(MOLIP)への海外労働身分証明カード(OWIC)の申請 | 本人 |
| モンゴル | 労働福祉サービス庁(GOLWS)との間で人材募集に関する双務契約の締結 | 受入れ機関 |
| バングラデシュ | 要求書(Demand Letter)の駐日大使館での認証、BMETの審査とエミグレーション・クリアランス・カードの取得(約2営業日) | 受入れ機関・認定送出機関または本人 |
| パキスタン | 求人情報などの駐日大使館への提出と承認(2日間程度)、移民保護事務所への登録 | 受入れ機関・本人 |
| ラオス | ラオスの法令上、同国の認定送出機関を通じて受け入れる | 受入れ機関 |
出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日)
候補者の国が決まったときの確認順序と費用への影響
国ごとの手続は随時更新されるため、記憶や業者の解説ではなく、案内ページの国別の解説とフローチャートで確かめます。
確認の順序は、案内ページの国別の一覧で候補者の国の手続の解説とフローチャートを開く、在留申請に独自の提出書類があるかを見る、相手国側の送出手続の主体が自社か本人かを見る、の3つです。フィリピン、インドネシア、タイ、モンゴルには、手続の解説とは別に、Q&Aも掲載されています。案内ページには、手続の問合せ先として各国の連絡先の欄もあります。
受入れ機関が人材の紹介を受けるときは、受入れ機関だけでなく職業紹介事業者や認定送出機関も職業安定法に抵触しないことが求められる、と案内ページは注意しています。保証金や違約金契約の禁止、事前ガイダンスの扱いは別のガイドで整理しています。このガイドは個別の申請の可否や書類の十分性を判断するものではなく、最終的な手続は出入国在留管理庁と各国の窓口で確認してください。
- 候補者の国籍が17か国のどれかを確認する
- 国別の手続の解説とフローチャートで最新の内容を読む
- 在留申請に独自の提出書類があるか(カンボジア・タイ・ベトナム)を確認する
- 相手国側の手続の主体が受入れ機関か本人かを確認し、費用と日程に入れる
- 職業紹介事業者・認定送出機関を使う場合は、職業安定法上の確認を求める
出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)
よくある質問
特定技能の二国間協力覚書(MOC)を結んでいる国はいくつですか?
出入国在留管理庁の案内ページには、2026年10月1日の確認時点で17か国(フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア、ラオス、キルギス、タジキスタン)が掲載されています。数は増えることがあるため、最新の案内ページで確認してください。
協力覚書を結んでいない国の人は特定技能で受け入れられませんか?
案内ページは、覚書を作成した国でなければ受入れができないものではないと明記しています。
在留申請で独自の書類が必要な国はどこですか?
出入国在留管理庁の案内ページが独自の提出書類を挙げているのは、カンボジア(登録証明書)、タイ(認証を受けた雇用契約書)、ベトナム(推薦者表)です。対象となる申請の種類や時期は国ごとに違うため、国別の案内で確認してください。
提出書類がない国は、相手国側の手続を気にしなくてよいですか?
いいえ。案内ページは、提出書類が不要な国でも相手国の国内規定で送出手続が定められている場合があるとしています。これは日本側の在留申請の手続ではありませんが、フィリピンやバングラデシュなどでは出国のために本人や受入れ機関が行う手続が挙げられています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「雇用における注意点」(確認日:2026年8月2日、次回確認:2026年11月2日)
次に確認すること
続けて確認する場合は、海外から採用するときの手続の流れを確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、保証金・違約金の禁止と事前ガイダンスの確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、送出国別の確認順序と費用を見るで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、育成就労で送出機関に支払う費用の上限を見るで条件と確認範囲をつなげられます。
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。