この記事の対象:タイ国籍の候補者の受入れを検討する企業の担当者、登録支援機関、人材紹介会社の担当者

タイ国籍の人を特定技能外国人として受け入れる手続を、出入国在留管理庁の国別の解説から整理します。送出機関を使う場合と使わない場合で雇用契約書の認証時期が変わる点、技能実習2号・3号からの変更で認証済みの雇用契約書が要る点が分かります。

手続の流れ:新規入国は送出機関の利用の有無で2通り、日本在留は別の手順

タイ国籍の人の受入れは、日本側の手続に加えて、タイ側にも一定の手続があると解説は説明しています。

出入国在留管理庁の国別の解説によると、日本側の手続は在留資格認定証明書交付手続、在留資格変更許可手続、査証発給手続です。これに加えて、タイ側でも一定の手続が必要とされていて、解説は日本側の手続ではない参考として載せています。

新たに受け入れる場合は、タイの送出機関等を利用しない場合と、利用する場合の2通りです。送出機関等とは、タイ王国労働省から認定を受けた国外職業紹介事業者(現地の送出機関)またはタイ王国労働省雇用局を指します。日本に在留する人を受け入れる場合は、別の手順です。

タイ国籍の人を受け入れる手続の流れ(出入国在留管理庁の国別の解説の要約。[タイ側]はタイの制度上の手続として解説が参考に載せているもの)
順送出機関等を利用しないで新たに受け入れる場合送出機関等を利用して新たに受け入れる場合日本に在留する人を受け入れる場合
1求人(受入機関による直接の採用活動)求人(送出機関等を通じた採用活動)雇用契約の締結
2雇用契約の締結(本人と直接)[タイ側]雇用契約書のひな形等の認証。送出機関等からあっせんを受ける前に必要[タイ側]雇用契約書等の認証
3在留資格認定証明書の交付申請(日本側)。交付後に原本を本人へ郵送雇用契約の締結(あっせんを受けた本人と)在留資格変更許可申請(日本側)。許可されれば手続は完了
4[タイ側]雇用契約書等の認証。認定証明書の写しもあわせて提供在留資格認定証明書の交付申請(日本側)。交付後に原本を本人へ郵送該当なし
5査証発給申請(日本側)査証発給申請(日本側)該当なし
6[タイ側]本人がタイ王国労働省へ出国許可を申請[タイ側]本人がタイ王国労働省へ出国許可を申請該当なし
7上陸審査を経て上陸が許可され、「特定技能」が付与される(日本側)上陸審査を経て上陸が許可され、「特定技能」が付与される(日本側)該当なし

出典:出入国在留管理庁「タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「タイに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)

送出機関の利用は任意:利用するならタイ政府が認定した機関に限る

タイでは送出機関の利用は任意とのことですが、利用する場合はタイ政府が認定した送出機関を使う必要があるとされています。

案内ページには、タイについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、送出機関の利用は任意とのことだが、利用する場合には必ずタイ政府が認定した送出機関を利用する必要があるとのことだと書かれています。タイ政府が認定する国外職業紹介事業者の一覧は、入管庁のPDFで公開されています。

解説は、送出機関等を利用しない場合、受入機関がタイ本国にいる人を直接採用できるとしています。ただし、日本企業が現地を訪れて直接求人活動を行うことは、タイの法令上禁止されていると書かれています。

人材の紹介を受けるときは、受入機関だけでなく、利用する職業紹介事業者や認定送出機関も職業安定法に抵触しないことが求められます。職業紹介事業の扱いは、厚生労働省または都道府県労働局に問い合わせるよう案内されています。

  • 送出機関を使うか、直接採用するかを先に決める
  • 使う場合は、タイ政府が認定した機関か、入管庁が公開する一覧で確かめる
  • 日本企業が現地で直接求人活動を行うことはタイの法令上禁止とされている点を確認する

出典:出入国在留管理庁「タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「タイに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)

雇用契約書の認証と報告:認証の時期が経路で異なり、入国後の報告もある

タイ側の手続の中心は、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所による雇用契約書の認証です。

解説によると、タイの制度上、受入機関は駐日タイ王国大使館労働担当官事務所に雇用契約書等を提出(郵送可)して認証を受ける必要があり、認証後は雇用契約書に同事務所の認証印が押されます。

認証のタイミングは経路で異なります。送出機関等を使う場合は、あっせんを受ける前に雇用契約書のひな形等で認証を受けます。送出機関等を使わない場合は、本人と雇用契約を結び、在留資格認定証明書の交付を受けたあとに、雇用契約書等と認定証明書の写しを提供して認証を受けます。解説は、この順序の違いに注意するよう書いています。

新規入国の場合は、入国後、受入機関または本人が、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所へ15日以内に来日報告書を提出する必要があるとのことです。日本に在留する人の変更では、入社後15日以内に入社報告書を提出する必要があるとのことです。

日本に在留するタイ国籍の人が技能実習2号または3号を修了して特定技能1号へ変更するときは、認証された雇用契約書を添付して変更許可申請をする必要があります。案内ページにも、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所が承認した雇用契約書を申請時に提出するよう書かれています。

出典:出入国在留管理庁「タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「タイに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)

協力覚書(MOC)の経緯

タイとの協力覚書は、令和2年2月4日(2020年2月4日)に東京で署名・交換されました。

入管庁の案内ページによると、日本の法務省、外務省、厚生労働省、警察庁がタイ労働省と協力し、悪質な仲介事業者の排除に努める内容です。保証金の徴収や違約金の定め、人権侵害行為等の情報を共有することと、制度の運用に向けて改善が必要な問題の是正を協議することが挙げられています。

タイの制度に変更があるときは判明次第、入管庁の案内ページでお知らせするとされているため、契約の前に最新の掲載を確認してください。17か国の違いは、二国間協力覚書のガイドで比べられます。

出典:出入国在留管理庁「タイに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日)

受け入れる前の確認順序と問合せ先

タイ側の手続は最新の運用を、入管庁の案内とタイ側の窓口で確かめます。

確認の順序は、候補者がタイにいるか日本にいるかを確かめる、送出機関を通すか直接採用するかを決める、雇用契約書の認証の時期を採用日程に入れる、の3つです。

問合せ先として、案内ページは日本国内では駐日タイ王国大使館労働担当官事務所(対応言語は日本語・英語・タイ語)を挙げています。タイではタイ王国労働省雇用局(対応言語は英語・タイ語)が載っています。

認証や出国許可にかかる費用や手数料の金額は、入管庁の解説に書かれていないため、このページでは示しません。このページは個別の申請の可否や書類の十分性を判断するものではないので、見積もりや手続の可否は関係機関に確かめてください。

  1. 候補者の所在を確認する

    タイにいるか日本に在留しているかで、手続の段階が変わります。

  2. 採用の経路を決める

    タイ政府が認定した送出機関等を通すか、直接採用するかを選びます。

  3. 認証の時期を日程に入れる

    雇用契約書の認証は経路で時期が異なるため、採用の日程に組み込みます。

出典:出入国在留管理庁「タイに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「雇用における注意点」(確認日:2026年8月2日)

よくある質問

タイ国籍の人を受け入れるとき、送出機関を使う必要はありますか?

案内ページは、タイについては送出機関の利用は任意とのことだが、利用する場合には必ずタイ政府が認定した送出機関を利用する必要があるとのことだと案内しています。

雇用契約書の認証はいつ受けますか?

解説によると、送出機関等を使う場合はあっせんを受ける前、使わない場合は在留資格認定証明書の交付を受けたあとです。認証は駐日タイ王国大使館労働担当官事務所で受け、郵送でも提出できるとされています。

技能実習を修了したタイ国籍の人を特定技能1号で採用するときの注意点は?

案内ページは、技能実習2号または3号の修了後に特定技能1号へ変更する場合、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所が承認した雇用契約書を変更許可申請のときに提出するよう案内しています。

入国後に必要な報告はありますか?

解説によると、新規入国の場合は来日報告書を入国後15日以内に、日本在留の人の変更では入社報告書を入社後15日以内に、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所へ提出する必要があるとのことです。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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