この記事の対象:パキスタン国籍の候補者の受入れを検討する企業の担当者、登録支援機関、人材紹介会社の担当者
パキスタン国籍の人を特定技能外国人として受け入れる手続を、出入国在留管理庁の国別の解説から整理します。求人情報の駐日大使館への提出と承認、直接採用と認定送出機関を使う場合の違い、本人が行う海外労働の登録が分かります。
手続の流れ:新規入国は直接採用と認定送出機関の2パターン、日本在留は2段階
パキスタン国籍の人の受入れは、日本側の手続に加えて、パキスタン側にも一定の手続があると解説は説明しています。
出入国在留管理庁の国別の解説によると、日本側の手続は在留資格認定証明書交付手続、在留資格変更許可手続、査証発給手続です。これに加えて、パキスタン側でも一定の手続が必要とされていて、解説は日本側の手続ではない参考として載せています。
パキスタンから新たに受け入れる場合は、直接採用パターンと認定送出機関(Overseas Employment Promoters、OEPs)利用パターンの2つがあります。求人から雇用契約の締結までが異なり、そのあとの認定証明書の交付申請以降は共通です。日本に在留する人を受け入れる場合は、別の手順です。
| 順 | 新たに受け入れる場合(直接採用パターン) | 新たに受け入れる場合(認定送出機関利用パターン) | 日本に在留する人を受け入れる場合 |
|---|---|---|---|
| 1 | [パキスタン側]求人情報と受入機関の情報を駐日パキスタン大使館に提出し、承認を受ける | [パキスタン側]求人情報と、提携する認定送出機関の情報を駐日パキスタン大使館に提出し、承認を受ける | 雇用契約の締結 |
| 2 | 雇用契約の締結(求職があり、双方の意思が確認された場合) | [パキスタン側]大使館と移住者・海外雇用局が受入機関を検証・確認し、同局が認定送出機関に許可を出す | 在留資格変更許可申請(日本側)。許可されれば手続は完了 |
| 3 | 在留資格認定証明書の交付申請(日本側)。交付後に原本を本人へ郵送 | 雇用契約の締結(認定送出機関等から情報提供を受けた本人と) | [パキスタン側]再入国許可を使って一時帰国したときに、移民保護事務所で登録 |
| 4 | 査証発給申請(日本側) | 在留資格認定証明書の交付申請(日本側)。交付後に原本を本人へ郵送 | 該当なし |
| 5 | [パキスタン側]本人が移民保護事務所で海外労働の登録 | 査証発給申請(日本側) | 該当なし |
| 6 | 上陸審査を経て上陸が許可され、「特定技能」が付与される(日本側) | [パキスタン側]本人が移民保護事務所で海外労働の登録。そのあと上陸審査を経て「特定技能」が付与される(日本側) | 該当なし |
出典:出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)
駐日大使館の承認:求人情報の提出から約2日、移住者・海外雇用局のポータルに公表される
パキスタンから新たに受け入れる場合は、まず駐日パキスタン大使館の承認を受ける必要があるとされています。
解説によると、受入機関は求人情報と受入機関の情報を、駐日パキスタン大使館の地域福祉参事官に提出して承認を受けます。承認されると、情報はパキスタン移住者・海外雇用局(BE&OE)のポータルに登録され、パキスタンの求職者に公表されます。承認後に大使館からメールで連絡があり、この手続には2日間程度かかるとのことです。
ポータルへの受入機関の登録は一度行えば足り、その後は求人情報だけを大使館に提出すればよいとされています。
認定送出機関を使う場合は、求人情報に加えて、提携している認定送出機関の情報も大使館に提出します。大使館と同局の検証・確認を経て、同局から認定送出機関に許可が出るとのことです。
出典:出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)
認定送出機関の利用は任意:紹介事業者の許可の扱いに注意
パキスタンの認定送出機関の利用は任意とされ、利用しなくても直接採用の経路があります。
案内ページには、パキスタンについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもパキスタンの認定送出機関を利用する必要はない(利用は任意)とのことだと書かれています。認定送出機関の一覧は、パキスタン移住者・海外雇用局が運営するページで確認するよう案内されています。
認定送出機関を使うときは、日本国内の支部が職業紹介事業者の許可を得ている認定送出機関、またはパキスタンを取扱地域とする日本の職業紹介事業者が、現地で求職者を募り、その情報を受入機関に提供します。解説は、求職者の人選を行う行為はあっせんに当たるため、これを行うには日本国内の職業紹介事業者の許可が必要と注意しています。
受入機関だけでなく、利用する職業紹介事業者や認定送出機関も職業安定法に抵触しないことが求められます。職業紹介事業の扱いは、厚生労働省または都道府県労働局に問い合わせるよう案内されています。
- 直接採用か、認定送出機関を使うかを先に決める
- 認定送出機関を使うときは、パキスタン移住者・海外雇用局の一覧で認定を確かめる
- 紹介事業者の許可の扱いを、厚生労働省または都道府県労働局に確かめる
出典:出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)
本人の海外労働の登録:新規入国は査証のあと、日本在留の人は一時帰国のとき
パキスタンの制度上、特定技能で来日する人は、移住者・海外雇用局の移民保護事務所で登録を行う必要があるとされています。
解説によると、新たに来日する人は、移民保護事務所に必要書類を提出して外国で労働するための登録を行います。新規入国の流れでは、査証発給申請のあと、上陸の前に置かれています。
日本に在留する人が在留資格の変更を許可された場合は、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を使ってパキスタンに一時帰国したときに、同じ登録を行う必要があるとのことです。登録の方法は、同局の「Emigrant's Protection」のページを参照するよう案内されています。
出典:出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)
協力覚書(MOC)の経緯と問合せ先
パキスタンとの協力覚書は、令和元年12月23日(2019年12月23日)にイスラマバードで署名・交換されました。
入管庁の案内ページによると、日本の法務省、外務省、厚生労働省、警察庁がパキスタンの在外パキスタン人・人材育成省と協力し、悪質な仲介事業者の排除に努める内容です。保証金の徴収や違約金の定め、人権侵害行為等の情報を共有することと、問題是正の協議を実施することが挙げられています。あわせて、2023年10月27日に在パキスタン日本国大使館とパキスタン外務省が口上書を交換し、在外パキスタン人・人材育成省と日本側の約束について合意したと書かれています。
問合せ先として、案内ページは日本国内では駐日パキスタン・イスラム共和国大使館(対応言語は日本語・英語)、パキスタンでは移住者・海外雇用局(対応言語は英語・ウルドゥー語)を挙げています。
パキスタン側の手続にかかる費用や手数料の金額は、入管庁の解説に書かれていないため、このページでは示しません。このページは個別の申請の可否や書類の十分性を判断するものではないので、見積もりや手続の可否は関係機関に確かめてください。制度に変更があるときは判明次第、入管庁の案内ページでお知らせするとされています。17か国の違いは、二国間協力覚書のガイドで比べられます。
- 候補者の所在を確認する
パキスタンにいるか日本に在留しているかで、手続の段階が変わります。
- 求人情報を大使館に提出する
直接採用でも認定送出機関を使う場合でも、先に駐日パキスタン大使館の承認を受けます。
- 本人の登録を日程に入れる
移民保護事務所での登録は、新規入国は上陸の前、日本在留の人は一時帰国のときです。
出典:出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「雇用における注意点」(確認日:2026年8月2日)
よくある質問
パキスタン国籍の人を受け入れるとき、認定送出機関を使う必要はありますか?
案内ページは、パキスタンについては、必ずしも認定送出機関を利用する必要はない(利用は任意)とのことだと案内しています。直接採用パターンもあり、どちらも駐日パキスタン大使館の承認が先に必要とされています。
駐日パキスタン大使館の承認にはどのくらいかかりますか?
解説によると、承認後に大使館から受入機関へメールで連絡があり、この手続には2日間程度かかるとのことです。ポータルへの登録は一度でよく、その後は求人情報だけを提出すれば足りるとされています。
日本にいるパキスタン国籍の人を採用するときの手続は?
解説によると、雇用契約を結び、本人が「特定技能」への在留資格変更許可を申請します。許可されれば日本側の手続は完了です。そのあと本人が一時帰国したときに、移民保護事務所で海外労働の登録を行う必要があるとのことです。
パキスタン側の窓口はどこですか?
案内ページは、日本国内では駐日パキスタン・イスラム共和国大使館、パキスタンでは移住者・海外雇用局を挙げています。職業紹介事業の扱いは、厚生労働省または都道府県労働局に確認するよう案内されています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(確認日:2026年10月11日、次回確認:2027年1月11日)
- 出入国在留管理庁「パキスタンに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書)(確認日:2026年10月11日、次回確認:2027年1月11日)
- 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「雇用における注意点」(確認日:2026年8月2日、次回確認:2026年11月2日)
次に確認すること
関連ページ:二国間協力覚書を結ぶ17か国の送出手続を比べる
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