特定技能の初年度費用は、給与・社会保険、行政手数料、支援委託料、紹介・渡航・住居準備等を分け、雇用条件と見積書で確認します。

本サイトのシミュレーターが自動計算するのは、公的調査で数値を確認できた登録支援機関への報酬だけです。その他は、企業ごとの雇用条件や見積書をもとに任意入力します。

2027年4月1日に始まる育成就労制度の費用はこの計算範囲に含めていません。制度ごとの違いは育成就労制度で施行前に確認する費用で、施行日と施行前の申請時期は施行日と施行前の申請で整理しています。

初年度費用を4つに分ける

次の表は、何を同じ合計に含め、どの情報で金額を確認するかを整理したものです。金額欄を埋める前に、まず費目の性質を分けてください。

初年度費用の区分とシミュレーター上の扱い
費用区分確認元自動計算
給与・社会保険雇用条件、社内の労務資料対象外
行政手続の手数料申請時点の公式案内対象外
登録支援機関への報酬公的調査、個別見積書公的調査分のみ
紹介・渡航・住居準備等契約条件、個別見積書任意入力

給与・社会保険

給与は受入れ費用の大きな部分ですが、業務、地域、勤務時間などによって異なります。出入国在留管理庁のQ&Aは、雇用契約上の報酬額について、日本人が同等の業務に従事する場合と同等以上であること等への留意を求めています。シミュレーターに一律の給与相場を置くと、この条件を無視するため自動計算していません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q31(確認日:2026年7月26日)

参考値として、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)によれば、特定技能(1号・2号)在留資格の外国人労働者の賃金は22万1,400円(対前年+4.8%、平均年齢29.5歳、平均勤続年数2.4年)です。この調査は在留資格区分別の平均のみを公表しており、特定技能の14分野ごとの内訳はありません。

この数値は全国・全分野を横断した平均であり、上記の同等報酬要件を満たすかどうかの判断の代わりにはなりません。個別の職務内容・地域・経験等に応じた適正な給与水準は、この参考値をそのまま使わず、個別に確認してください。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(確認日:2026年8月21日)

日本年金機構は、健康保険・厚生年金保険の適用事業所に常時使用される方は「国籍や性別、賃金の額等に関係なく」被保険者となると説明しています。社会保険料は事業主負担分を含め本シミュレーターでは自動計算していません。健康保険・厚生年金保険は日本年金機構、雇用保険・労災保険は管轄のハローワーク・労働基準監督署で確認してください。

出典:日本年金機構「外国人従業員を雇用したときの手続き」(確認日:2026年8月3日)

行政手続の手数料

在留資格変更許可申請では、2026年8月1日に確認した公式ページ上の許可時手数料は、窓口申請が6,000円、オンライン申請が5,500円です。ただし手数料制度の改定が進行しているため、申請時点の公式案内を確認してください。

この行政手数料と、行政書士等へ依頼する場合の報酬は別の費目です。依頼報酬は一律ではないため、自動計算には含めていません。

出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(確認日:2026年8月1日

参考値として、日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査(就労資格区分、特定技能を含む就労系の在留資格全般が対象で特定技能に限定した内訳はありません)では、在留資格認定証明書交付申請の報酬額が平均120,174円(回答194件、最頻値110,000円)、在留資格変更許可申請の報酬額が平均103,167円(回答187件、最頻値110,000円)でした。個々の依頼内容・難易度により実際の報酬額は変動するため、自社で申請するか行政書士等へ依頼するかを判断する材料として参照し、依頼する場合は複数の事務所から見積もりを取って比較してください。

出典:日本行政書士会連合会「報酬額の統計」(令和7年度報酬額統計調査の結果)(確認日:2026年8月21日)

登録支援機関への報酬

この記事でいう「受入時報酬」は登録支援機関が回答した受入時の1人当たり報酬額、「月額支援委託料」は受入れ企業が登録支援機関へ有償委託するとした1人当たり月額の支払額です。

本サイトでは、受入時報酬について1人当たり平均119,121円、月額支援委託料について1人当たり平均28,386円という別時点の公的調査を参照しています。

受入時報酬は登録支援機関へのアンケート調査、月額支援委託料は在留中の特定技能外国人について直近の許可申請で示された受入れ企業側の支払額を集計した資料で、母集団が異なります。本サイトは、受入時報酬には前者の調査を使い、月額には時点が新しく受入れ企業側の支払額と分布を確認できる後者の資料を使っています。

月額の概算レンジは、公式分布で構成比の大きい連続3区分の境界である15,000円超〜30,000円以下から派生させています(3区分の構成比合計71.8%)。公的資料が「相場」として示したレンジではないため、実際の見積額と置き換えてください。

3区分の内訳は、15,000円超〜20,000円以下が25.3%、20,000円超〜25,000円以下が26.2%、25,000円超〜30,000円以下が20.3%です。平均額だけを見るのではなく、自社の見積書がどの区分に当たるか、支援10項目と実費のどこまでを含むかを分けて確認してください。

出典:受入時報酬の調査月額支援委託料の調査(確認日:2026年7月26日

この2値の性質・次回確認予定・利用箇所は試算データの出典で一覧できます。委託先を検討する際は委託見積書で確認する範囲もあわせて確認してください。

人材紹介・渡航・住居準備等

採用経路、国籍国で必要な手続、渡航経路、住居の契約条件などによって費用が変わります。本サイトは民間事業者の記事から相場を合成せず、見積書で確認できた1人当たりの初期費用と月額費用を任意入力する方式にしています。

特定の人材紹介会社は推奨しません。複数の候補へ見積もりを依頼して比較してください。

なお、出入国在留管理庁は、特定技能制度には監理団体を設けず、受入れ機関が直接採用するか、国内外の職業紹介機関を活用すると説明しています。

同庁の受入れ機関向け調査では、特定技能外国人1人当たりのマッチング媒体利用費について「支払っていない」が40.9%で最多でした。支払った回答では「10万円以上30万円未満」が26.7%で最多です。これは調査時点の回答分布であり、現在の一律料金ではないため、自動計算には使わず契約前の比較材料として扱います。

国内の有料職業紹介事業者を利用する場合、職業安定法は紹介手数料を「上限制手数料」と「届出制手数料」のいずれかで徴収すると定めています。厚生労働省の2026年7月31日適用版の業務運営要領は、上限制手数料の上限を支払われた賃金額の100分の11(免税事業者は100分の10.3)相当額と説明しています。

届出制手数料は、事業者が厚生労働大臣へ事前に届け出た手数料表の範囲内で設定されます。どちらの方式かは、利用する紹介事業者に確認してください。

職業安定法は、有料職業紹介事業者に対し、求人者・求職者双方へ手数料に関する事項に加えて返戻金制度に関する事項も明示するよう義務付けています(法第32条の13)。返戻金制度自体の有無や返金水準は事業者ごとに異なり公式統計での確認はできないため、明示内容を契約前に確認してください。

出典:出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(確認日:2026年7月26日)、出入国在留管理庁「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」資料3(確認日:2026年8月15日)、厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料(2026年7月31日適用版)(確認日:2026年8月13日

見積書の前に確認する追加費目

次の項目は、申請経路、国籍国、受入れ分野によって発生条件や負担者が変わります。共通の金額を自動入力せず、該当する公式案内と契約書・見積書を確認してください。

建設分野で海外から新規入国する場合など、分野と採用ルートの両方に該当する項目があるときは、この節に加えて採用ルート別に確認する費目もあわせて確認してください。

  • 健康診断の受診費用:特定技能の在留諸申請に関する参考様式には「健康診断個人票」があります。受診時期、医療機関、費用の負担者を事前に確認します。
  • 国籍国での送出手続に伴う費用:協力覚書を作成した国では、本国で必要な送出手続を含む流れが国別に案内されています。対象国の公式手続と、利用する機関の契約条件を確認します。
  • 建設分野の受入負担金:建設技能人材機構(JAC)は、1号特定技能外国人を受け入れる建設企業が、共同事業に要する受入負担金を負担する仕組みを案内しています。特定技能2号は対象外で、就労開始月から契約終了月まで日割計算せずに計上する方式です。最新の対象・金額・徴収方法をJACで確認します。分野固有の受入れ要件は建設分野ガイドで整理しています。
  • JACの会員区分:所属する建設業者団体がJACの正会員である受入企業は、団体がJACへ加入しているため企業自身が賛助会員として別途JACへ直接加入する必要はありません(所属団体自体への会費は別途必要)。所属団体が正会員でない場合や団体に未所属の企業は、賛助会員としてJACへ直接加入する必要があります。自社の該当区分と会費はJACの公式案内で確認します。
  • 建設分野の建設キャリアアップシステム(CCUS)登録費用:建設分野では、建設特定技能受入計画の認定要件として、受入企業と1号特定技能外国人の双方にCCUSへの登録が義務付けられています。技能者登録料は簡略型2,500円・詳細型4,900円(いずれもインターネット申請時)、事業者登録料は資本金額により変動、ほかに管理者ID利用料(年額)・現場利用料(人日単位)が発生します。最新の料金体系はCCUS公式サイトで確認します。登録の要否は建設分野ガイドでも確認できます。
  • 工業製品製造業分野の加入費用:経済産業省は、同分野で受け入れる全事業所に工業製品製造技能人材機構(JAIM)への加入が必要と案内しています。最新の入会条件と会費規程を確認します。分野固有の受入れ要件は工業製品製造業分野ガイドで整理しています。
  • 住居の初期費用:受入れ機関が自ら賃借・所有する物件を住居として提供する場合、敷金・礼金・保証金・仲介手数料を外国人本人に負担させることはできないと運用要領に案内されています。本人が自分で契約する場合の扱いは別途確認します。
  • 自動車運送業分野の運転免許取得費用:自動車運送業で1号特定技能外国人として就労するには、日本の運転免許取得(外国運転免許からの切替を含む)が必要です。タクシー運送業・バス運送業ではあわせて新任運転者研修の修了も求められ、準備期間には「特定活動(特定自動車運送業準備)」の在留資格が用意されています。教習所費用・研修費用の金額と負担者を個別に確認します。
  • 雇用条件書の翻訳費用:特定技能雇用契約書・雇用条件書(参考様式第1-6号)は、本人が十分に理解できる言語で作成し、内容を十分に理解したうえで署名を得ることが運用要領で求められています。出入国在留管理庁は10か国語の翻訳様式を公開していますが、対象外の言語の場合は個別に翻訳費用の発生を確認します。確認項目は雇用契約チェックガイドで整理しています。

建設分野・工業製品製造業分野は、分野別協議会への加入義務(受入れ機関自体が満たすべき基準で整理)に加えて、この登録法人への加入も必要です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」建設技能人材機構「受入れにかかる費用」建設技能人材機構「会費等」経済産業省「工業製品製造業分野の特定技能制度」出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」出入国在留管理庁「自動車運送業分野『特定活動』(特定自動車運送業準備)について」建設技能人材機構「建設キャリアアップシステムへの登録」建設キャリアアップシステム公式サイト「CCUSについて」(確認日:2026年8月1日・8月2日・8月4日・8月11日・8月21日)

採用ルート別に確認する費目

試算ツールの「採用ルート」欄は、海外から新規入国/国内在住者の在留資格変更/技能実習2号から移行/特定技能で転職の4種類から選べます。ルートによって発生する手続と確認すべき費目が変わるため、金額は自動計算せず確認項目として示します。

採用ルート別の確認事項
採用ルート確認する費目・手続
海外から新規入国在留資格認定証明書交付申請、国籍国の送出手続、査証手数料、技能試験・日本語試験の受験料、渡航・入国時の移動や住居準備の見積額
国内在住者の在留資格変更在留資格変更許可申請、現在の在留・納税等に関する提出資料、国内移動や住居変更がある場合の見積額
技能実習2号から移行在留資格変更許可申請、技能実習生に関する評価調書等の証明資料、就業場所や住居変更がある場合の見積額
特定技能で転職新しい所属機関での在留資格変更許可申請、雇用条件・支援計画・分野別提出書類、国内移動や住居変更がある場合の見積額

特定技能で転職する場合は、在留資格が同じ名称でも、新しい所属機関で就労を始める前に在留資格変更許可が必要です。退職から新しい受入れ機関での就労開始までの確認順序は特定技能の転職受入れガイドで整理しています。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」出入国在留管理庁「特定技能の申請に必要な書類(試験ルート・登録支援機関への全部委託の例)」(確認日:2026年8月22日)

出入国在留管理庁のQ&Aは、海外から新規入国する場合の在留資格認定証明書交付申請は無料である一方、国内在住者の在留資格変更許可申請と技能実習からの移行時の変更許可申請は、許可時(在留カード交付時)に窓口申請6,000円・オンライン申請5,500円(いずれも収入印紙)が必要と説明しています。

海外から新規入国して在外公館へ査証を申請する場合は、在留資格認定証明書の手数料とは別に、申請が2026年7月1日以降に在外公館で受理されたものについて、一次有効査証は邦貨換算で約15,000円、数次有効査証は約30,000円です。渡航目的・国籍によって無料又は金額が異なる場合があり、在外公館が承認した代理申請機関を経由して査証が発給された場合は取次手数料も別にかかるため、候補者の申請先で確認してください。

出典:外務省「査証手数料」e-Gov法令検索「領事官の徴収する手数料に関する政令」(確認日:2026年8月22日)

技能実習2号から移行するルートでは、対象分野の日本語能力水準が国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上の場合、技能実習を良好に修了していれば技能実習の職種・作業にかかわらず日本語試験が原則免除されます。免除の可否は対象分野・修了状況で変わるため、個別に確認してください。

「技能実習2号を良好に修了」とは、出入国在留管理庁のQ&Aによれば技能実習計画に従って2年10か月以上修了していることをいいます。修了した技能実習の職種・作業と特定技能の分野・業務区分に関連性が認められる場合は技能試験・日本語試験の両方が、関連性が認められない場合は日本語試験のみが免除されます(技能試験は合格が必要です)。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q50(確認日:2026年8月10日)

介護分野は、この一般原則に対する例外があります。介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した場合は技能試験(介護技能評価試験)・日本語試験(介護日本語評価試験を含む)がすべて免除されますが、介護職種・介護作業以外の技能実習2号を良好に修了した場合は、技能試験(介護技能評価試験)は免除されません。日本語試験のうち国際交流基金日本語基礎テストと日本語能力試験(N4以上)は免除される一方、介護日本語評価試験は引き続き合格が必要です。

出典:法務省・厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-介護分野の基準について-」(確認日:2026年8月11日)

良好修了の定義・試験免除の一般原則・介護分野の例外を比較表つきで解説した詳しいガイドは技能実習から特定技能への移行ガイドに整理しています。

ここでの「技能実習2号から特定技能1号への移行」は、技能実習2号から技能実習3号へ移行する場合とは別の制度です。育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置は現在実施中の技能実習の経過措置で解説しています。

出入国在留管理庁の案内では、標準処理期間(申請から結果までの目安)は在留資格認定証明書交付申請(海外から新規入国)が1か月〜3か月、在留資格変更許可申請(国内在住者の変更・技能実習2号からの移行)が1か月〜2か月です。本サイトの補足として、いずれも個別の審査状況によって前後しうる目安の期間であるため、就労開始予定日から逆算し、余裕をもって申請時期を確保してください。

出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q23・Q60(確認日:2026年7月26日・8月1日・8月2日)

海外採用で送出国別に確認する順序

海外から新規入国する場合は、日本側の在留資格認定証明書交付申請だけでなく、候補者の本国で必要な送出手続と、その手続を証明する書類の有無を国別に確認します。出入国在留管理庁は、協力覚書を作成した国について、本国での許可等を含む手続全体のフローチャート・解説・Q&Aを国別に公開し、随時更新しています。

国によって、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請で独自の書類提出が必要な場合と、日本側の在留諸申請では独自書類を求めないものの本国側で一定の送出手続が定められている場合があります。見積書を比較するときは、次の順序で確認すると、送出手続・翻訳・証明書取得等の費用を「渡航費」へまとめずに整理できます。

  1. 候補者の国籍国を確定する。居住国や採用会社の所在地ではなく、本国側の送出手続を確認する対象国を特定します。
  2. 公式の国別フローチャートと手続解説を確認する。本国側の許可、認定送出機関、証明書等の有無と、誰がいつ取得するかを分けます。
  3. 日本側の在留諸申請へ添付する独自書類かを区別する。本国側だけで使う書類と、日本側の申請時にも提出する書類を混同しないようにします。
  4. 見積項目へ分解する。送出手続、翻訳、証明書取得、送出機関、渡航の各費用について、発生有無・負担者・見積状況を確認します。

協力覚書を作成していない国から受け入れられないという意味ではありません。出入国在留管理庁も、協力覚書を作成した国でなければ特定技能外国人を受け入れられないものではないと説明しています。国別案内に掲載がない場合も、推測で送出手続を追加せず、最新の入管法令と相手国の公的案内を確認してください。

出典:出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書・各国における手続」(確認日:2026年8月11日)

雇用契約から就労開始までの手続きの流れ

出入国在留管理庁の事業者向けガイドブックは、就労開始までの流れをルート別のステップ図で示しています。事前ガイダンス・健康診断は雇用契約の前後、支援計画の策定と登録支援機関への委託契約はその直後に発生するため、ステップの前後関係を把握すると費用が発生する時期の見通しが立てやすくなります。

事前ガイダンスは、在留資格認定証明書交付申請(国内での在留資格変更許可申請の場合はその申請)の前に実施し、雇用契約の内容・活動内容・上陸及び在留の条件に関する情報提供に加え、保証金・違約金契約が違法であり禁止されていることの説明と徴収の有無の確認を行います。出入国時の送迎は、本人が出入国する港または飛行場での送迎(入国時の出迎え・出国時の見送り)を指し、通訳人の確保費用とあわせて、支援に要する費用として受入れ機関側が負担すべきものと運用要領は整理しています。義務的支援10項目全体の一覧・記録要件は義務的支援10項目で整理しています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月20日)

国内在住者(技能実習2号からの移行を含む)のケース

  1. 技能試験・日本語試験に合格する、または技能実習2号を良好に修了する。
  2. 特定技能雇用契約を結ぶ。在留資格の申請までに、受入れ機関(または委託先の登録支援機関)による事前ガイダンス・健康診断を実施します。
  3. 1号特定技能外国人支援計画を策定する。全部または一部を登録支援機関へ委託できます。
  4. 在留資格変更許可申請を地方出入国在留管理局へ行う。受入れ機関の概要、雇用契約書の写し、支援計画、技能・日本語能力の証明資料等を添付します。
  5. 「特定技能1号」への在留資格変更許可を受ける。
  6. 就労を開始する。

海外から新規入国するケース

  1. 技能試験・日本語試験に合格する、または技能実習2号を良好に修了する。技能実習2号を良好に修了していれば、帰国済みでも試験は免除されます。
  2. 特定技能雇用契約を結ぶ。在留資格の申請までに、受入れ機関(または委託先の登録支援機関)による事前ガイダンス・健康診断を実施します。
  3. 1号特定技能外国人支援計画を策定する。
  4. 在留資格認定証明書交付申請を地方出入国在留管理局へ行う。
  5. 在留資格認定証明書を受け取る。
  6. 在外公館へ査証(ビザ)を申請する。2026年7月1日以降に受理された申請は、国籍・渡航目的別の例外を確認したうえで査証手数料を見積もります。
  7. 査証を受け取る。
  8. 入国する。
  9. 就労を開始する。

出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック(事業者の方へ)」雇用の流れ(確認日:2026年8月2日)

在外公館へ査証を申請する際の手数料は、外務省が所管する政令「領事官の徴収する手数料に関する政令」(昭和27年政令第74号)で定められています。2026年7月1日施行の同政令改正(令和8年政令第204号)により、邦貨で納付する場合の額は一般入国査証15,000円、数次入国査証30,000円です。

現地通貨で納付する場合の額は在外公館ごとに別途定められます。同政令は、相互主義に基づき特に必要がある場合に手数料を徴収しない、または別に定める額とする規定も置いています。申請先の在外公館ごとの最新の案内もあわせて確認してください。

出典:e-Gov法令検索「領事官の徴収する手数料に関する政令」(確認日:2026年8月23日)

一次資料で確認できる費用の負担者

費用の名称だけで負担者を決めることはできません。ここでは、公式Q&Aまたは実施法人の案内が負担者と本人への転嫁可否を明示している費目だけを整理します。

一次資料で負担者を確認できる費目
費目一次資料で確認できる扱い確認先
義務的支援の実施費用特定技能外国人本人へ負担させることは認められない出入国在留管理庁Q&A Q76
建設分野のJAC受入負担金受入企業が負担し、本人へ直接・間接に負担させない建設技能人材機構の受入れマニュアル
帰国旅費本人が負担できない場合は受入れ機関が負担する義務がある(送出国側の法令で別途受入れ機関負担が定められる場合もある)出入国在留管理庁Q&A Q82
通訳人の確保費用受入れ機関が実施しなければならない支援に必要なため、受入れ機関が負担する出入国在留管理庁Q&A Q81
出入国時の空港送迎の交通費受入れ機関が義務的に実施する支援のため、受入れ機関が負担する出入国在留管理庁Q&A Q83
滞納した家賃を受入れ機関が立て替えた分本人へ請求してよいとされている(他の費目と異なり本人負担が認められる例)出入国在留管理庁Q&A Q91
居住費(本人が定期に負担する場合の上限)借上物件は管理費・共益費を含み敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等を除いた借上費用を入居人数で除した額以内、自己所有物件は建設・改築費用等から算出した合理的な額出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」
水道・光熱費(本人が定期に負担する場合の上限)実際に要した費用を同居者(受入れ機関やその家族を含む)の人数で除した額以内出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」

健康診断、国別送出手続、行政手数料、紹介・渡航・住居準備などは、この整理だけで負担者を断定しません。対象となる公式手続、雇用条件、契約書、見積書で確認してください。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q76・Q81〜Q83・Q91建設技能人材機構「受入れにかかる費用」出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年7月26日・8月1日・8月2日)

費用を軽減しうる公的助成金

厚生労働省は、外国人労働者向けの就労環境整備(雇用労務責任者の選任、就業規則等の多言語化、相談体制の整備等)に取り組む事業主向けに「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」を実施しています。本ツールはこの助成金の受給可否・受給見込額を診断・自動計算しません。制度の存在を知ったうえで、支給要件・申請手続の詳細は公式窓口(都道府県労働局・ハローワーク)で確認してください。

出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(確認日:2026年8月3日)

就労環境整備とは別に、厚生労働省の「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」は、事業主が雇用する労働者に対し、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練(OJT・OFF-JT等)を計画に沿って実施した場合に、訓練経費・訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。対象労働者は雇用保険法上の被保険者と定められており、公式案内に国籍による限定は記載されていません。

本ツールはこの助成金の受給可否・受給見込額を診断・自動計算しません。特定技能人材への訓練が助成対象となるかは、訓練内容・対象労働者の雇用保険加入状況を含めて公式窓口(都道府県労働局)で個別に確認してください。

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」(確認日:2026年8月21日)

費用ゼロで使える公的相談窓口

受入れ準備や雇用管理で判断に迷う場合、外国人在留支援センター(FRESC)と厚生労働省の外国人雇用管理アドバイザーは、いずれも無料で相談できる公的窓口です。登録支援機関への委託とは別に、費用をかけず制度理解や雇用管理の相談先として利用できます。

FRESCは出入国在留管理庁を含む4省庁8機関が入居する相談拠点(東京都新宿区)で、外国人本人だけでなく外国人を雇用したい企業関係者も対象です。外国人雇用管理アドバイザーは、事業所の実態に応じた雇用管理の相談・指導を行う制度で、最寄りのハローワークを通じて申し込みます。いずれも個別の受入れ可否や契約内容の適法性は判定しません。

出典:出入国在留管理庁「外国人在留支援センター(FRESC)」厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」(確認日:2026年8月19日)

シミュレーターの計算範囲

登録支援機関へ委託する場合は、公的調査にある受入時報酬と、設定した月数分の月額支援委託料を人数倍します。そこへ利用者が入力したその他の初期費用と月額費用を、選択した入力単位に応じて加えます。

この計算は特定技能1号を対象としています。特定技能2号は登録支援機関による支援が制度上の対象外のため、本シミュレーターの計算対象には含みません。

出入国在留管理庁は、特定技能1号としての在留期間について原則として通算5年を超えることはできないと案内しています。「特定技能1号」を経れば自動的に「特定技能2号」へ移行できるわけではなく、技能水準等の要件を満たしたうえで別途の在留資格変更が必要です。2号移行で費用構造がどう変わるかは特定技能2号への移行ガイドで整理しています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q28・Q12(確認日:2026年8月10日)

技能実習2号から特定技能1号への移行準備に時間を要する場合に利用する「特定活動(6か月・就労可)」も、この在留資格で在留した期間は通算在留期間(上限5年)に含まれます。付与される在留期間は6か月で、やむを得ない事情がある場合に限り更新は1回までです。

出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(『特定技能1号』への移行を希望する場合)」(確認日:2026年8月11日)

この試算は初年度の費用に限定しています。月額支援委託料は雇用が続く限り2年目以降も発生し、在留資格の更新時には別途手数料がかかります。本シミュレーターは2年目以降の金額を自動計算していません。

出入国在留管理庁の案内では、在留期間更新許可申請の標準処理期間は2週間〜1か月です。更新手数料の金額は改定が進行しているため、申請時点の公式案内を確認してください。更新時期の準備手順は在留期間更新ガイドで整理しています。

出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(確認日:2026年8月10日)

出入国在留管理庁のQ&Aは、特定技能1号の外国人について「同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」であれば転職が認められ、受入れ機関または分野を変更する場合は在留資格変更許可申請が必要と説明しています。本シミュレーターは初年度に受け入れた本人が年度途中で転職する場合の費用変動を自動計算していません。

農業分野・漁業分野に限り、出入国在留管理庁は雇用形態として「直接及び派遣」の両方を認めています(他の分野は直接雇用のみ)。本シミュレーターは受入れ機関が直接雇用し登録支援機関へ委託する場合の費用構造を前提としており、この2分野で労働者派遣により受け入れる場合の料金体系は計算対象に含みません。派遣を含む雇用形態別の確認事項は農業分野漁業分野の各ガイドで整理しています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q13(確認日:2026年8月3日)、出入国在留管理庁「農業分野」出入国在留管理庁「漁業分野」(確認日:2026年8月4日)

受入時支援報酬月額支援委託料 × 計上月数入力した個別費用

公的調査のデータだけで計算した例

登録支援機関へ委託して1人を12か月受け入れ、その他の費用を計上しない条件では、現在のデータから次の結果になります。これは公的調査の数値を使ったモデル計算であり、個別の見積額ではありません。

登録支援機関へ委託するモデル計算
表示項目計算結果
受入時の支援報酬119,121
月額支援委託料180,000円〜360,000
入力済み費用の小計299,121円〜479,121
異なる公的調査を組み合わせた参考額459,753

3人を12か月受け入れる場合は、次のとおり人数分だけ増減します。受入時の支援報酬・月額支援委託料は1人当たりの単価に人数を掛けた金額です。

登録支援機関へ委託するモデル計算(3人)
表示項目計算結果
受入時の支援報酬357,363
月額支援委託料540,000円〜1,080,000
入力済み費用の小計897,363円〜1,437,363
異なる公的調査を組み合わせた参考額1,379,259

実際に提示された受入時報酬と月額支援委託料は、シミュレーターの見積額欄へ入力して公的調査の数値と置き換えてください。紹介、手続依頼、渡航、住居準備などの確認済み費用も別途入力します。

自社支援の場合、登録支援機関への報酬は計上しません。ただし、社内担当者の工数や通訳、移動などがなくなるという意味ではありません(残る費用は自社支援で見落としやすい内部費用で整理しています)。条件を整理できたら、初年度費用シミュレーターで試算できます

見積書を入力する前の確認順序

同じ「初期費用」でも、支払先・入力単位・対象月・実費の扱いを分けて確認します。

  1. 支払先と費目を分ける。行政手数料、専門家報酬、支援委託料、人材紹介料を同じ名称の「初期費用」にまとめないようにします。
  2. 1人当たりか一契約当たりかを確認する。人数を掛ける費用と、企業単位で発生する費用を区別します。
  3. 月額費用の対象月を確認する。入社月や支援開始月により初年度の月数が12か月未満になる場合は、シミュレーターの計上月数を見積書に合わせます。
  4. 実費の扱いを確認する。交通、通訳、住居関連の実費が定額報酬に含まれるか、別請求かを見積書で確認します。

よくある質問

シミュレーターの結果に給与と社会保険料は含まれますか?

含まれません。給与と社会保険料は、雇用条件や企業ごとの加入状況によって異なるため、現在のシミュレーターでは自動計算の対象外です。

自社支援を選ぶと支援費用は0円ですか?

0円になるとは限りません。登録支援機関への外部委託料は計上されませんが、担当者の人件費、通訳、移動、住居確保等の実費は別に確認が必要です。自社支援の費用が未入力の間、シミュレーターは小計を「要入力」と表示します。

在留資格変更許可の手数料は自動計算されますか?

自動計算していません。申請方法や申請時点の制度によって変わるため、申請時の出入国在留管理庁の案内を確認し、必要なら任意入力欄へ加えてください。

義務的支援にかかった費用を本人に負担してもらえますか?

出入国在留管理庁のQ&Aでは、義務的支援の実施にかかった費用を特定技能外国人本人に負担させることは認められないと説明されています。

通訳費用や空港送迎の交通費は本人に負担してもらえますか?

できません。出入国在留管理庁のQ&Aは、通訳人の確保と出入国時の空港送迎はいずれも受入れ機関が実施しなければならない義務的支援であり、これらの費用は受入れ機関が負担すると説明しています。

二国間の協力覚書がない国からは特定技能人材を受け入れられませんか?

協力覚書を作成した国でなければ受け入れられないわけではありません。協力覚書がある国では、本国側の送出手続や在留諸申請で必要となる独自書類の有無を、出入国在留管理庁の国別案内で確認してください。

参照した公的一次資料