この記事の対象:特定技能人材の転職採用を検討する企業

現在の在留状況と就労内容を確認する

特定技能の在留資格があることだけで、自社ですぐ働けるとは限りません。

在留期限、分野・業務区分、現在の雇用契約、退職予定日を本人資料と照合します。

自社の業務が対象範囲か、候補者の技能要件と対応するかを最新の分野別案内で確認します。

本人の申告だけでなく、在留カード、雇用条件、試験・修了資料等の確認対象を一覧化します。前職の機密資料を不必要に求めず、自社の申請に必要な証拠を区別します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。

  • 在留期限を確認した
  • 分野・業務区分を確認した
  • 現在の雇用契約を確認した
  • 退職予定日を確認した
  • 自社の業務が対象範囲か確認した
  • 候補者の技能要件と対応するか確認した

前職退職と自社入社を一つの工程にする

退職日、申請日、許可日、入社日を別々に決めません。

申請中の活動範囲を推測せず、許可内容を確認して自社での就労を開始します。

住居、社会保険、給与締め、生活費等に空白が生じないよう本人と予定を共有します。

許可前後の就労可能範囲は個別事情で異なり得るため、採用担当の経験則で開始日を決めません。本人へも内定日と就労開始可能日が同じとは限らないことを説明します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。

退職から入社までに確認する日付
工程確認内容
退職日前職の退職日
申請日在留資格変更等の申請日
許可日許可が下りた日
入社日自社での就労開始日

支援計画を自社条件で作り直す

前職の支援計画や委託契約は自動的に引き継がれません。

自社支援か委託かを決め、10項目の担当、対応言語、住居・相談体制を確認します。

前職で済んだ支援を一律に省略せず、現在の生活状況に必要な支援を判断します。

前職の支援状況で未解決事項がある場合は、本人同意と必要性を確認して引き継ぎます。新しい支援担当・相談先・対応言語は入社前に本人へ明示します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。

  • 自社支援か委託かを決めた
  • 10項目の担当を確認した
  • 対応言語を確認した
  • 住居・相談体制を確認した
  • 前職で済んだ支援を一律に省略していない
  • 現在の生活状況に必要な支援を判断した

紹介料と再準備費を分ける

転職採用でも紹介、申請、転居、支援等の費用が発生し得ます。

前職で支払済みの費用を自社費用へ重複計上せず、自社で新たに発生する役務だけを見積もります。

候補者負担を求める項目は契約根拠を確認し、未確認額と対象外を区別します。

転居不要、紹介料なし等は、確認できたときだけ対象外にします。前職負担分の返金や違約金が示された場合は自社で有効性を断定せず、関係機関への相談を案内します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。

転職採用の費用を区別する観点
観点確認内容
前職で支払済みの費用自社費用へ重複計上しない
自社で新たに発生する役務新たに発生する分だけを見積もる
候補者負担を求める項目契約根拠を確認する
未確認額・対象外区別して記録する

契約満了・退職・失業の後も在留できる範囲を確認する

雇用契約が終わっても、特定技能の外国人が直ちに帰国しなければならないわけではありません。

出入国在留管理庁のQ&Aは、雇用契約が満了した場合も、再雇用や転職で新たに特定技能雇用契約が結ばれれば、在留期間の範囲内で引き続き在留が認められるとしています。転職する場合は、在留資格変更許可申請が必要です。失業した場合も、就職活動をするなら少なくとも在留期間内は在留できます。

ただし、正当な理由なく3か月以上「特定技能」に係る在留活動を行っていない場合は、在留資格が取り消されることがあります。前職の退職日から自社の入社日までの空白が長くなりそうなときは、本人と日程を共有します。

雇用契約の期間について、入管法上の特段の定めはありません。1号特定技能外国人は通算の在留上限が原則5年のため、5年を超える期間の契約を結んでも、5年を超える部分は在留が認められません。

雇用契約の終了後の在留(出入国在留管理庁Q&A)
場面Q&Aの説明
契約期間入管法上の特段の定めはない(1号は通算5年が上限)
契約満了・失業直ちに帰国する必要はなく、就職活動をするなら在留期間内は在留できる
転職在留資格変更許可申請が必要
活動しない期間正当な理由なく3か月以上活動しないと取消の対象になり得る

自社の人材が転職するリスクも費用計画に含める

転職受入れの逆側、自社が採用した人材が離れる可能性も想定します。

出入国在留管理庁の集計(制度施行から令和4年11月末までの累計)では、特定技能外国人の自己都合による離職者数は1万9,899人で、同時点の在留者数に占める割合は16.1%です。分野別では宿泊(32.8%)・農業(20.1%)の順で高い水準でした。

自己都合による離職後の内訳は、帰国が31.4%で最も多く、次いで特定技能での転職が30.3%です。離職者の3割超が別の受入れ機関へ転職している点は、採用・支援に投じた初期費用を回収する前に人材が離れる可能性として、受入れ計画へ織り込みます。

個別の離職理由への対応や引き止めの方法は労務管理の範囲であり、本ガイドでは扱いません。ここでは公表統計に基づくリスク要因として、費用計画に反映する観点のみを示します。

よくある質問

同じ分野ならすぐ働けますか?

特定技能の在留資格があることだけで、自社ですぐ働けるとは限りません。在留期限、分野・業務区分、現在の雇用契約、退職予定日を本人資料と照合し、自社の業務が対象範囲かを確認します。申請中の活動範囲は推測せず、許可内容を確認してから就労を開始します。

前職の支援機関を使えますか?

前職の支援計画や委託契約は自動的に引き継がれません。自社支援か委託かを決め、自社の委託契約と支援計画を作り直して、10項目の担当、対応言語、住居・相談体制を確認します。

在留期限が近い場合は?

退職日、申請日、許可日、入社日を別々に決めず、一つの工程として日付を並べます。許可内容を確認して就労を開始し、住居、社会保険、給与締め、生活費に空白が出ないよう本人と予定を共有します。

契約が満了したら、すぐ帰国させる必要がありますか?

直ちに帰国する必要はありません。再雇用や転職で新たに契約が結ばれれば、在留期間の範囲内で在留できます。ただし、正当な理由なく3か月以上特定技能の活動をしないと、在留資格の取消の対象になり得ます。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する