この記事の対象:留学生や他の在留資格を持つ国内在住者の採用を検討する企業

候補者の現在の在留資格と活動を確認する

国内在住というだけでは手続は決まらず、現在の在留資格、在留期限、就労状況を最初に確認します。

「ビザの切り替え」は在留資格の変更を指していることがあり、査証(ビザ)は海外の在外公館で入国前に取るもので在留資格とは別です(違いは特定技能と育成就労の用語集で整理しています)。

候補者が留学、技能実習、特定活動など、どの在留資格で滞在しているかにより、準備する証明資料と入社までの注意点が異なります。

在留カードの情報だけで採用可否を断定せず、希望する業務が特定技能の対象分野・業務区分に該当するかも公式の分野別情報で確認します。

在留カードの真正性と有効性を確認する

在留カードの確認は、読取アプリで偽変造の有無を、失効情報照会で有効性を確かめます。

国内在住の候補者は、すでに在留カードを持っています。面接や内定の段階で本人の同意を得て提示を受け、出入国在留管理庁の読取アプリでICチップの情報と券面を見比べ、偽変造がないかを確かめます。

あわせて、同庁が案内する失効情報照会で、その在留カードが有効かどうかを確認します。新様式の在留カード(令和8年6月14日から交付開始)は券面に在留期間等が載らないため、アプリで確認します。在留資格変更の申請前に、手元のカードの状態を把握しておく目的です。

カードの確認だけで、特定技能への変更が認められるかどうかは分かりません。変更許可の可否は出入国在留管理局の審査によります。

  • 在留カードの提示を本人の同意を得て受けた
  • 読取アプリでICチップの情報と券面を見比べた
  • 失効情報照会で在留カードの有効性を確認した
  • 読取アプリを最新版に更新してある

試験合格・技能実習歴の確認

特定技能1号の要件を満たす根拠を、候補者ごとに書類で確認します。

原則として技能試験と日本語試験の合格を確認します。技能実習2号を良好に修了した場合など、試験免除が関係するケースは従事した職種・作業と希望分野の対応を確認します。

試験免除や業務区分の対応は個別事情で判断が分かれ得るため、企業側で推測せず、最新の分野別情報と申請資料を照合します。

国内から変更する場合の追加確認:健康診断・納税や保険料・留学生の家族

海外から呼ぶ場合と違い、国内の在留者には、診断書の遡及期間、納税や保険料の納付状況、家族の在留資格を追加で確認します。

出入国在留管理庁の運用要領では、在留中の人が特定技能へ変更する場合、申請の日から遡って1年以内に日本の医療機関で受けた診断なら診断書を提出して差し支えないとされています。海外から新たに入国する場合の3か月以内とは期間が異なります。

納税義務や、国民健康保険・国民年金の保険料の納付義務を履行していないと、消極的な要素として評価されます。運用要領は、留学生など日本に在留する人を雇う場合、これらが履行されていないと変更許可申請の審査に時間がかかるほか、許可されないことになると明記しています。採用予定者の納付状況は、申請の前に確認します。

家族については、特定技能1号では家族の帯同が認められません。ただし運用要領は例外として、「留学」から「特定技能1号」へ変更する際、すでに「家族滞在」で在留している配偶者や子について、人道上の配慮が必要な場合に「特定活動」への変更が認められることがあるとしています。認められるかどうかは個別の審査のため、企業側で断定せず、本人を通じて地方出入国在留管理局に確認します。

国内から変更する場合の追加確認(運用要領の記載)
確認項目運用要領の記載採用前に見るもの
健康診断の遡及期間在留中の人の変更申請は、申請の日から遡って1年以内に日本の医療機関で受けた診断なら提出して差し支えない(海外から入国する場合は3か月以内)診断日と申請予定日、健康診断個人票(参考様式第1-3号)
納税納税義務を履行していないと消極的な要素。助言・指導後も履行しない場合が例示される(納税緩和措置の適用中は除く)直近1年度分の個人住民税の納税証明書、必要に応じて確定申告の要否
国民健康保険・国民年金加入している、または加入していた場合は保険料の納付が求められる。一定程度の滞納は消極的な要素(納付緩和措置・年金の免除制度の適用中は除く)国民健康保険料(税)納付証明書、国民年金の被保険者記録照会回答票や領収証書
滞納がある場合公的義務履行に関する誓約書と、納付できないやむを得ない事情を疎明する資料を添える誓約書(参考様式第1-26号)、疎明資料は管轄の局に確認
留学からの変更時の家族1号は家族の帯同不可。家族滞在で在留中の配偶者・子は、人道上の配慮から「特定活動」への変更が認められる場合がある家族の在留資格と在留期限
  • 診断を受けた日が、変更申請の予定日から遡って1年以内に収まっている
  • 個人住民税・国民健康保険・国民年金の納付状況を本人の証明書で確認した
  • 同一年内に複数の勤務先の収入がある場合の確定申告の要否を確認した
  • 家族滞在の配偶者・子がいる場合、在留資格の扱いを管轄の局に確認した

変更許可申請と入社予定日の関係

雇用契約を結んだ後も、変更許可前に特定技能の業務を開始できるとは限りません。

受入れ機関の資料、雇用条件書、支援計画、候補者側の証明書類を揃えて在留資格変更許可申請を行います。申請中であることと許可済みであることは区別します。

出入国在留管理庁の案内では、在留資格変更許可申請の標準処理期間(申請から結果までの目安)は1か月〜2か月です。個別の審査状況によって前後しうる目安の期間のため、現在の在留期限、退職日、入社予定日、住居移転、支援開始日を一つの工程表で管理します。

  1. 現在地を確認

    在留資格・期限・就労状況を確認します。

  2. 要件を確認

    試験結果または技能実習歴を確認します。

  3. 申請資料を準備

    企業側・本人側・支援計画の資料を揃えます。

  4. 許可後に開始

    許可内容を確認して就労と支援を開始します。

国内採用でも残る費用を見積もる

航空券や海外送出手続がない場合でも、採用・申請・転居・支援の費用は残ります。

人材紹介、証明書取得、翻訳、健康診断、在留手続の外部依頼、住居変更、生活オリエンテーション、月額支援等を費目別に確認します。

海外採用向け費用を一律に0円へ置き換えるのではなく、対象外を確認できた項目と、まだ見積がない項目を分けて記録します。

候補者がすでに国内の住居や銀行口座を持つ場合も、転居の有無、契約変更、就労開始後に必要な支援を本人ごとに確認します。国内在住経験だけを理由に支援費用全体を対象外にしません。

  • 現在の在留資格・期限
  • 対象分野と業務区分
  • 試験または免除根拠
  • 変更申請の提出資料
  • 許可までの就労可否
  • 転居・支援・紹介費の見積

よくある質問

国内在住者ならすぐ特定技能として働けますか?

国内在住だけでは足りません。対象業務、技能・日本語要件、在留資格変更許可などを確認し、許可内容に沿って就労を開始します。

留学生は特定技能へ変更できますか?

要件を満たして変更許可を受ければ可能です。試験結果、卒業・在籍状況、現在の在留期限を含めて申請資料を確認してください。

国内採用なら支援は不要ですか?

特定技能1号では法定の支援が必要です。国内在住経験があっても、支援計画に基づき必要な支援を実施します。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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