この記事の対象:育成就労制度で監理支援機関の許可を検討する商工会議所・事業協同組合等の団体

監理支援機関の許可に必要な非営利法人要件、財産的基礎(債務超過がないこと)、人員配置基準(常勤役職員数の計算式)、許可の有効期間(原則3年・更新時に基準を満たせば5年)を運用要領から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

監理支援機関の許可基準の位置づけ(法第25条)

監理支援機関の許可基準(法第25条)は複数の号から成り、このページはそのうち非営利法人要件・財産的基礎・人員配置基準を整理します。

外国人技能実習機構が公表する育成就労制度運用要領第5章は、監理支援機関の許可基準(法第25条第1項)の内容として、本邦の営利を目的としない法人であること(第1号)、監理支援事業を適正に遂行するに足る能力を有すること(第2号)、監理支援事業を健全に遂行するに足る財産的基礎を有すること(第3号)、個人情報を適正に管理し秘密を守るために必要な措置を講じていること(第4号)を挙げています。許可基準にはこのほか外部監査人の設置に関する号などもあり、外部監査人の資格・独立性の要件は別ページ「育成就労「監理支援機関」の外部監査人の要件とは?」で整理しています。このページでは、第1号の非営利法人要件、第3号の財産的基礎、第2号のうち人員配置に関する基準の3点を扱います。

許可の時点だけでなく、許可を得て監理支援事業を行っている間もこれらの基準を満たし続ける必要があり、満たさなくなった場合は許可の取消しの対象となり得ると運用要領は注記しています。

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)

非営利法人であることの要件(対象となる法人形態)

監理支援機関になれる法人形態は、規則で列挙された8種類が原則で、それ以外は実績の立証が必要です。

育成就労法第25条第1項第1号は、監理支援機関が本邦の営利を目的としない法人であって主務省令で定めるものであることを求めています。運用要領は、この主務省令で定める法人形態として、監理支援を行う育成就労実施者が当該法人の会員・組合員等である場合に限り商工会議所、商工会、中小企業団体(中小企業団体の組織に関する法律第3条第1項に規定するもの)、農業協同組合(当該実施者が組合員であって農業を営む場合)、漁業協同組合(当該実施者が組合員であって漁業を営む場合)を挙げ、これに加えて会員・組合員の限定がない法人形態として職業訓練法人、公益社団法人、公益財団法人を挙げています。

これら8種類以外の法人形態で監理支援機関になろうとする場合は、監理支援事業を行うことについて特別の理由があること、重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いていることの両方を立証する必要があります(規則第44条第1項第9号)。運用要領は「特別の理由」について、過去3年以内に、認定特定非営利活動法人等が行う人材育成の支援に関する業務、または技能実習制度における監理団体として行う人材育成の支援に関する業務のいずれかを、通年かつ複数年度にわたって実施した実績があり、その実績を客観的かつ具体的な資料により立証できることを求めるとしています。

  • 商工会議所・商工会・中小企業団体は、監理支援を行う育成就労実施者が会員・組合員であることが前提
  • 農業協同組合・漁業協同組合は、当該実施者が組合員かつ農業・漁業を営んでいることが前提
  • 職業訓練法人・公益社団法人・公益財団法人はこの限定がない
  • 上記8種類以外の法人は、過去3年以内の人材育成支援業務の通年・複数年度の実績(認定NPO法人等または技能実習の監理団体としての実績)を客観的資料で立証する必要がある

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)

財産的基礎の要件(債務超過がないこと)

財産的基礎の基準は、直近の事業年度末時点で債務超過の状態にないことです。

育成就労法第25条第1項第3号は、監理支援機関が監理支援事業を健全に遂行するに足る財産的基礎を有するものとして主務省令で定める基準に適合しているものであることを求めており、運用要領は、この主務省令で定める基準(規則第46条)を「債務超過の状態にないこと」としています。直近の事業年度末時点で債務超過の状態にないことが求められます。

直近の事業年度末時点で債務超過の状態にあった場合でも、申請時に直近の月次試算表をあわせて提出するなどの対応をし、その時点で債務超過の状態が解消されていることが確認できれば、基準を満たしていると認められます。運用要領は、許可又は更新の後に債務超過に陥った場合は指導、改善命令又は許可の取消しの対象になるとし、万が一債務超過に陥った場合は速やかに解消のための必要な措置をとることを求めています。

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)

許可の有効期間(原則3年・更新時に基準を満たせば5年)

許可の有効期間は法第31条・政令で定められ、更新時に基準を満たすかどうかで変わります。

育成就労法第31条は、監理支援機関の許可の有効期間について、許可の日から起算して3年を下らない政令で定める期間とし、ただし許可の申請(更新の申請を含む)を行った者が監理型育成就労の実施状況の監査その他の業務の遂行に関して主務省令で定める基準に適合していると主務大臣が認めるときは、5年を下らない政令で定める期間とすると定めています。これを受けて政令第2条は、原則の期間を3年、基準に適合する場合の期間を5年と定めています。

運用要領は、この主務省令で定める基準(規則第58条)を、従前の許可の有効期間において法第36条第1項の改善命令または法第37条第2項の業務停止命令を受けていないこととしています。初回の許可は基準適合の有無にかかわらず3年で、5年になるのは更新時にこの基準を満たしていると認められた場合に限られます。有効期間の更新は、満了する日の3か月前までに、監理支援機関許可有効期間更新申請書(省令様式第15号)を外国人技能実習機構の本部事務所審査課に提出して申請する必要があります。

監理支援機関の許可の有効期間(法第31条・政令第2条)
区分有効期間
初回の許可3年
更新時(改善命令・業務停止命令を受けていない場合)5年
更新時(上記以外の場合)3年

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)

人員配置基準(常勤役職員数の計算式)

監理支援の実務に従事する常勤役職員は、原則2人以上に加えて、受け入れ規模に応じた人数が必要です。

運用要領は、法第25条第1項第2号の業務遂行能力の基準の一つとして、監理支援の実務に従事する常勤の役員又は職員の数について、2人以上であること、監理支援を行う監理型育成就労実施者の数を8で除して得た数(その数が1未満である場合は1とする)を当該役職員の数が超えていること、監理支援の対象となっている監理型育成就労外国人の数を40で除して得た数(その数が1未満である場合は1とする)を当該役職員の数が超えていることのいずれにも該当することを求めています(規則第45条第2号)。

運用要領は、上記の計算結果が1未満の場合(監理支援を行う育成就労実施者が7者以下、または育成就労外国人が39人以下の場合など)であっても、監理支援の実務に従事する常勤の役職員は2人以上必要と注記しています。また新規許可申請時・更新申請時の時点で常勤役職員数が2人以上である必要があり、事業開始等までに増員するという扱いは認められないとしています。「監理支援の実務に従事する」役職員には、育成就労実施者と育成就労外国人との間の雇用契約の成立のあっせん、育成就労実施者への監査・訪問指導に従事する者のほか、入国後講習に係る事務や相談対応に従事する者も含まれ、総務・経理業務と兼務していても計算に含めることができますが、専ら総務・経理業務に従事する者は含まれません。

監理支援の実務に従事する常勤役職員の必要最低人数の例
条件必要な最低人数
監理支援を行う育成就労実施者が1〜15者2人
同16〜23者3人
同24〜31者4人
同32〜39者5人
監理支援の対象の育成就労外国人が1〜79人2人
同80〜119人3人
同120〜159人4人
同160〜199人5人

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)

許可後に行う監査・訪問指導と、機構への報告

監理支援機関は、3か月に1回以上の監査と1か月に1回以上の訪問指導を行い、監査報告書は2か月以内、事業報告書は毎年4月1日から5月31日までに提出します。

運用要領(令和8年8月版)によると、監理支援機関は、監理支援責任者の指揮の下で、育成就労実施者に対して3か月に1回以上の頻度で監査を行います。監査は監理支援事業の根幹の業務で、外部に委託することはできません。

「3か月に1回以上」は、入国後講習開始日の属する月を起算月とする3か月ごとに、少なくとも1回という意味です。労働者派遣等の形態の場合は、派遣元事業主等と派遣先の双方に監査を実施します。

監査では、原則として、育成就労の実施状況の実地確認、育成就労指導員からの報告の聴取、育成就労外国人の4分の1以上との面談、事業所の設備や帳簿書類の閲覧、宿泊施設などの生活環境の確認を行います。運用要領は、割増賃金の不払い、労働時間の偽装、二重帳簿の作成などを、特に注意して確認する事項に挙げています。

育成就労実施者に認定の取消事由に当たる疑いがあると認めたときは、直ちに臨時の監査を行います。外国人への暴行や脅迫などの人権侵害が疑われる場合は、実施後すぐに電話等で概要を連絡し、遅くとも2週間以内に監査報告書で報告します。

訪問指導は、監査とは別に、育成就労の期間が合計で1年以下となる外国人を対象として、監理支援機関の役職員が実施者のもとへ行い、実施状況の確認と指導を行うものです。訪問指導だけをオンラインで実施することは認められません。運用要領は、訪問指導記録書の様式を「追って示す」予定としています。

監理支援機関の監査・訪問指導・報告の一覧(運用要領)
区分頻度・期限提出先・方法
定期監査3か月に1回以上―
監査報告書(省令様式第23号)監査を行った日から2か月以内育成就労実施者の住所地(法人は本店の所在地)を管轄する、外国人技能実習機構の地方事務所・支所の指導課。持参または郵送で、正本1通。郵送は、対面で配達され受領時に押印または署名を行う信書の方式に限る
臨時監査認定の取消事由に当たる疑いがあるときは直ちに監査報告書は原則2か月以内。人権侵害が疑われる場合は、実施後すぐに電話等で連絡し、遅くとも2週間以内に報告
訪問指導1か月に1回以上(育成就労の期間が合計で1年以下の外国人が対象)指導の内容を記録し、事業所に備え付ける。記録の写しは事業報告書に添付する
事業報告書(省令様式第24号)毎年4月1日から5月31日まで(直近の育成就労事業年度分)外国人技能実習機構の本部事務所の審査課。事業所ごとに作成し、貸借対照表・損益計算書等、訪問指導の記録の写し、外部監査の結果の記録の写しを添付する

出典:出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日)

確認手順と公式窓口

個々の申請者が基準を満たすかどうかの判定は、外国人技能実習機構・主務大臣が行います。

このページは監理支援機関の許可基準のうち、非営利法人要件・財産的基礎・人員配置基準と、許可後の監査・報告の義務を整理したものであり、外部監査人の設置、相談応需体制、個人情報保護など他の許可基準は対象としていません。

許可申請は、法第25条の許可基準を満たすことを証明する添付資料等を添えて、外国人技能実習機構の本部事務所審査課に申請します。個々の法人が基準を満たすかどうかの個別判定は行っていないため、登記事項証明書・定款又は寄附行為・直近の財務書類など必要書類を揃えたうえで、外国人技能実習機構の最新の公式案内・審査課への確認を優先してください。

出典:外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日)、出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)

よくある質問

監理支援機関になれる法人形態は決まっていますか?

原則として、商工会議所・商工会・中小企業団体(監理支援を行う育成就労実施者が会員・組合員である場合)、農業協同組合・漁業協同組合(同実施者が組合員で農業・漁業を営む場合)、職業訓練法人、公益社団法人、公益財団法人のいずれかです。これら以外の法人は、監理支援事業を行う特別の理由と、重要事項の決定・業務監査を行う適切な機関の設置を立証する必要があります。

財産的基礎の基準は何ですか?

直近の事業年度末時点で債務超過の状態にないことです。直近事業年度末が債務超過でも、申請時点の月次試算表で債務超過が解消されていることを確認できれば基準を満たすと認められます。

常勤役職員は何人必要ですか?

2人以上に加えて、監理支援を行う育成就労実施者数を8で割った数、監理支援の対象の育成就労外国人数を40で割った数のいずれも超えている必要があります。例えば実施者数が16〜23者の場合は3人以上、育成就労外国人数が80〜119人の場合は3人以上が必要です。

許可の有効期間はどれくらいですか?

初回の許可は3年です。更新時に、従前の許可の有効期間中に改善命令・業務停止命令を受けていないと認められれば5年になり、それ以外の場合は3年のままです(法第31条・政令第2条)。更新は満了日の3か月前までに申請する必要があります。

外部監査人の要件もこのページで分かりますか?

外部監査人の資格・独立性の要件は監理支援機関の許可基準の一部ですが、詳細は別ページ「育成就労「監理支援機関」の外部監査人の要件とは?」で整理しています。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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続けて確認する場合は、育成就労制度の全体像を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、監理支援機関の外部監査人の要件を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、外国人育成就労機構が担う業務内容を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

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