この記事の対象:育成就労外国人の受入れで監理支援機関を選ぶ企業の担当者、監理支援機関の許可申請や更新を準備する団体の担当者

距離の目安:通常の業務時間内に往復して帰所できるか

運用要領は、監理支援機関の事業所と育成就労実施場所の距離が、迅速に対応できる位置関係にあることを求めています。

運用要領(令和8年8月版)の第5章は、育成就労外国人を保護する体制として、緊急時にも保護等を迅速かつ確実に行えることを挙げています。その目安は、監理支援機関の役職員が事業所から実施者の事業所や外国人の居住地まで赴き、保護等の必要な対応をして帰所するという一連の対応が、通常の業務時間内で可能なことです。

日帰りで対応できる距離でも、当日の対応が難しい時間帯に保護が必要になることがあります。運用要領は、その場合も緊急保護体制の措置をとるなどの対応を求めています。距離が近いだけでは足りず、夜間・休日の備えまで含めて見られます。

あわせて、緊急時の機関内の連絡体制、機関と育成就労外国人との連絡体制、保護の手順を示したマニュアルの整備が必要とされています。受入れ企業が監理支援機関を選ぶときは、事業所の所在地とあわせて、このマニュアルの有無を尋ねる材料になります。

保護体制で見られる点(運用要領 令和8年8月版・第5章第2節)
見られる点運用要領の内容
距離事業所から実施場所・居住地まで赴き、対応して帰所する一連の対応が通常の業務時間内で可能な位置関係
日帰り可能な距離でも当日の対応が困難な時間帯に保護が必要になった場合は、緊急保護体制の措置などの対応が求められる
連絡体制・手順緊急時の機関内および外国人との連絡体制、保護の手順を示したマニュアルの整備が必要

離島の例外:緊急連絡先の共有と一時的な避難先の指定

日帰りでの対応が不可能な場合に限り、運用要領は例外的な措置を認めています。対象の離島は法律名で示されています。

例外が想定されているのは、離島振興法、奄美群島振興開発特別措置法、小笠原諸島振興開発特別措置法、沖縄振興特別措置法の対象で、人が住む離島(沖縄本島を除く)に実施者の事業所がある場合などで、交通上の事情から日帰りの対応が不可能なときです。

この場合は、夜間・休日も対応できる監理支援機関の緊急連絡先を外国人と共有したうえで、役職員が到着するまでの一時的な避難先(宿泊施設等)を具体的に指定することでも許容されます。緊急時に機関から連絡すれば宿泊できることが担保されている必要があり、運用要領は、宿泊施設を事前に複数選び、連絡する可能性を伝えておく例を挙げています。

例外の措置をとっても、離島が属する都道府県内やそれに隣接する都道府県に事業所を置いていない場合は、適切な保護体制を有していないと判断されることがあります。例外が認められても、迅速に対応できる位置関係は引き続き見られます。

令和8年4月6日付の運用要領の一部改正の新旧対照表では、この例外の対象が、法律名で示した離島を挙げる書き方に改められています。改正前は「例えば、離島に実施者の事業所が所在する場合など」という例示でした。

  • 実施者の事業所が、4つの法律の対象となる有人の離島にあるかを確認した
  • 夜間・休日に連絡がつく緊急連絡先を、外国人と共有する方法を決めた
  • 避難先の宿泊施設を、名称・住所・連絡先がわかる形で複数選んだ
  • 離島の属する都道府県か隣接する都道府県に、監理支援機関の事業所があるかを確認した

専ら転籍者のみを対象とする機関の扱いと、申請で立証すること

令和8年4月6日の改正で、運用要領に新しい一節が加わりました。転籍者だけを対象に監理支援事業を行う機関は、能力を有しないと判断される場合があります。

運用要領は、育成就労が3年間かけて人材を育てる制度だとしています。そのため監理支援機関には、受入れの初期から育成までの一連の監理支援事業を行う能力が求められます。専ら転籍者のみを対象に監理支援事業を行う者は、3年間を通じた一連の事業を行う能力を有しているとは言えず、事業を適正に遂行する能力を有しないものと判断される場合があるとされています。

このため、許可の申請や有効期間の更新では、2つのことが必要です。取次ぎを受ける予定の送出機関や、取引上密接な関係を有する外国の公私の機関を、具体的に示すこと。そして、監理支援事業の対象が専ら転籍者のみでないことを立証することです。

受入れ企業の側から見ると、転籍で人を探すときも、監理支援機関が転籍者向けの取次ぎだけを行う機関でないかを確かめる意味があります。許可の可否は主務大臣が判断するもので、この記事から断定はできません。

許可の財産的基礎や常勤役職員の要件は、監理支援機関の許可要件のガイドで整理しています。

申請で出す書類:移動時間の資料と通訳人の確保の書類

確認対象の書類には、距離と通訳人の確保に関するものが含まれています。

距離については、事業所から実施場所までの移動時間が分かる書類を出します。運用要領は、交通機関アプリケーションの検索結果の写しなどを例に挙げています。業務時間内に日帰りで往復することが明らかに可能な位置関係にあるときは、提出が不要です。

離島の例外の措置をとる場合は、一時的な避難先の名称、住所、連絡先が分かるものを、あわせて出します。

通訳人の確保が確認できる書類は、通訳人が申請者の職員(常勤または非常勤)なら雇用契約書の写し、通訳業務を委託するなら申請者と通訳人の間の通訳業務委託契約書の写しです。日本国籍を持たない人の場合は、在留カードの両面の写しも必要です。契約書には、通訳する言語を明記します。

距離と通訳人に関する確認対象の書類(運用要領 令和8年8月版)
場面書類
距離の確認事業所から育成就労実施場所までの移動時間が分かる書類(日帰り往復が明らかに可能なら提出不要)
離島の例外をとる場合一時的な避難先の名称、住所、連絡先が分かるもの
通訳人が職員の場合雇用契約書の写し(外国籍の場合は在留カードの両面の写しも)
通訳を委託する場合通訳業務委託契約書の写し(外国籍の個人に委託する場合は在留カードの両面の写しも)

よくある質問

監理支援機関の事業所は、実施者の事業所から何キロ以内にある必要がありますか?

運用要領は、キロ数を定めていません。目安は、役職員が事業所から実施場所や居住地まで赴き、対応して帰所するまでが通常の業務時間内で可能なことです。

離島に事業所がある場合、監理支援機関は遠くてもよいのですか?

日帰りが不可能な場合に限り、緊急連絡先の共有と避難先の指定などの例外が許容されます。ただし、離島が属する都道府県かその隣接都道府県に機関の事業所がないと、適切な保護体制がないと判断されることがあります。

転籍者の取次ぎだけを行う監理支援機関は許可されませんか?

運用要領は、専ら転籍者のみを対象とする者は、事業を適正に遂行する能力を有しないと判断される場合があるとしています。許可や更新では、対象が専ら転籍者のみでないことの立証が求められます。

通訳人は社員でなくてもよいのですか?

運用要領の確認対象の書類には、通訳業務を委託する場合の通訳業務委託契約書の写しが含まれています。職員でも委託でも、確保が確認できる書類を出します。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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