この記事の対象:育成就労で外国人の受入れ形態(単独型か監理型か)を検討する事業者・監理支援機関
単独型・監理型育成就労の違いを、受け入れられる外国人の範囲、監理支援機関の関与、外部監査人、一時帰国旅費の負担者について、出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aから整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
育成就労の2つの区分(単独型と監理型)
育成就労制度にも、技能実習制度の企業単独型と団体監理型にあたる2つの区分があります。
出入国在留管理庁の育成就労制度Q&A(Q26)は、技能実習制度の受入れ形態を踏まえ、外国の支店や子会社の社員等を受け入れる「単独型育成就労」と、監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2つの区分を設けているとしています。
同じQ26は、技能実習制度の企業単独型技能実習と育成就労制度の単独型育成就労とでは、受け入れられる外国人の範囲に違いがあるため注意するよう求めています。区分の名前は引き継がれても、範囲は同じではありません。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
受け入れられる外国人の範囲の違い
外国の子会社等の社員は単独型で受け入れられますが、取引先企業の社員等は監理型でしか受け入れられません。
Q&A(Q27)によると、単独型育成就労で受け入れられるのは、外国の支店や子会社の社員等のうち、原則3年間の就労を通じた人材育成という育成就労制度の趣旨に沿うものです。この場合、受入れ機関(育成就労実施者)は監理支援機関による監理支援を受けません。
技能実習制度では外国の取引先企業の社員等も企業単独型で受け入れられましたが、育成就労制度では、取引先企業の社員等の受入れは単独型育成就労の形態では認められず、監理型育成就労の形態で受け入れることになります(Q27)。
また、技能実習で外国の子会社等の社員を研修目的などで比較的短期間、企業単独型の1号技能実習として受け入れていたものは、制度見直し後は、一定の要件の下、新設される在留資格「企業内転勤2号」で受け入れることが想定されています(Q27)。
| 受け入れたい外国人 | 育成就労での形態 |
|---|---|
| 外国の支店・子会社の社員等で、3年間の就労を通じた人材育成の趣旨に沿うもの | 単独型育成就労(監理支援機関の監理支援は受けない) |
| 外国の取引先企業の社員等 | 監理型育成就労(単独型では受入れ不可) |
| 外国の子会社等の社員を比較的短期間の研修目的で受け入れるもの | 在留資格「企業内転勤2号」で受け入れる想定(一定の要件あり) |
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
運用要領での定義(単独型に認められる海外事業所・監理型の2形態)
単独型は受入れ機関の外国の事業所から、監理型は監理支援機関の関与の下で受け入れる形態です。
出入国在留管理庁・厚生労働省の育成就労制度運用要領(令和8年8月版)は、単独型育成就労(法第2条第2号)を、育成就労実施者の外国にある事業所から育成就労外国人を受け入れて行わせる形態と説明しています。外国にある事業所として認められるのは、原則として本店・支店の関係、親会社・子会社の関係、親会社が同一となる子会社同士の関係、親会社・関連会社の関係にある事業所です。ただし申請者と外国の事業所との個別具体的な関係で判断され、判断に悩む場合は外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に事前に相談するよう案内されています。
監理型育成就労(法第2条第3号イ)は、監理支援機関が育成就労実施者を指導・監督しながら行わせる形態で、通常の監理型育成就労と、「取引上密接な関係を有する外国の公私の機関」(規則第2条各号に該当するもの)の外国にある事業所の職員を雇用する形態の2つに分かれます。後者ではあっせんは行われません。監理型は労働者派遣の形態も認められます。
単独型・監理型のどちらでも、複数の育成就労実施者が共同して育成就労(労働者派遣等の形態を除く)を行うことが認められています。「育成就労制度運用要領のポイント」によると、入国後講習を実施する施設は、単独型育成就労と外国の取引先から外国人を受け入れる監理型では育成就労実施者が、それ以外の監理型では監理支援機関が確保します。また、素行が善良であることを証する書類は、単独型又は送出機関の取次ぎを受けない監理型では育成就労計画の認定申請時に提出し、送出機関の取次ぎを受けた監理型ではあらかじめ送出機関で確認します。
| 形態 | 入国後講習の施設を確保する者 | 素行が善良であることを証する書類 |
|---|---|---|
| 単独型育成就労 | 育成就労実施者 | 認定申請時に提出 |
| 監理型(外国の取引先から受け入れる形態) | 育成就労実施者 | 送出機関の取次ぎがなければ認定申請時に提出、取次ぎがあれば送出機関で事前確認 |
| 監理型(上記以外) | 監理支援機関 | 送出機関の取次ぎがなければ認定申請時に提出、取次ぎがあれば送出機関で事前確認 |
出典:出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日)、出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日)、出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年9月22日)
監理支援機関と外部監査人の関わり方の違い
監理型は監理支援機関の許可基準が関わり、単独型は監理支援を受けない形態です。
監理型育成就労は、監理支援機関が関与する区分です(Q26)。Q&A(Q34)は、監理支援機関の体制に関する許可基準として、外部監査人を設置していること、債務超過がないこと、監理支援を行う受入れ機関の数が原則として2者以上であることなどを新たに設けたと説明しています。外部監査人の資格・独立性は、別ページの外部監査人の要件で整理しています。
単独型育成就労は、受入れ機関が監理支援機関による監理支援を受けない形態です(Q27)。このQ&Aの記載の範囲では、外部監査人などの監理支援機関の許可基準は、監理支援機関を通す監理型の側の話として示されています。単独型で受入れ機関自身に求められる要件は、分野別運用方針や運用要領で確認します。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
一時帰国の旅費など費用の負担者の違い
閑散期の一時帰国の旅費は、単独型は受入れ機関、監理型は監理支援機関が負担します。
Q&A(Q18)は、労働者派遣形態による育成就労が認められる分野(農業分野・漁業分野)で、1年ごとに業務の閑散期に本国へ一時帰国して育成就労を休止し、その後再来日する計画を立てる場合の扱いを示しています。一時帰国期間は最大6か月で、帰国期間は育成就労の期間に含まれません。
この一時帰国に要する旅費は、単独型育成就労の場合は受入れ機関(育成就労実施者)が、監理型育成就労の場合は監理支援機関が負担することが必要です(Q18)。ただしこの定めは、Q&Aが示している農業分野・漁業分野の一時帰国の計画に関する説明の中にあり、それ以外の場面の旅費まで同じ整理になるかは、このQ&Aの範囲では確認できません。
| 観点 | 単独型育成就労 | 監理型育成就労 | Q&A |
|---|---|---|---|
| 受け入れられる外国人 | 外国の支店・子会社の社員等(取引先企業の社員等は不可) | 取引先企業の社員等を含む | Q26・Q27 |
| 監理支援機関 | 監理支援を受けない | 監理支援機関が関与する | Q26・Q27 |
| 閑散期の一時帰国の旅費(農業・漁業分野) | 育成就労実施者が負担 | 監理支援機関が負担 | Q18 |
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
どちらの区分でも共通する点と施行日
計画の認定の流れなど、基本的な部分は2つの区分に共通します。
Q&A(Q28・Q29)によると、育成就労には技能実習の1号から3号までの区分がなく、通算3年の計画を作成して外国人育成就労機構の認定を受けます。計画認定の基本的な流れは技能実習制度と変わりません。
育成就労制度の施行日は令和9年4月1日です(Q3)。このページは公表されているQ&Aの内容を整理したもので、自社の受入れがどちらの区分に当たるかの個別判定はしません。受入れ形態の選択は、出入国在留管理庁・外国人技能実習機構の案内や監理支援機関の説明で確認してください。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
よくある質問
単独型育成就労と監理型育成就労は何が違いますか?
単独型は外国の支店・子会社の社員等を、監理支援機関の監理支援を受けずに受け入れる形態、監理型は監理支援機関が関与する形態です(Q26・Q27)。受け入れられる外国人の範囲も異なります。
取引先企業の社員は単独型育成就労で受け入れられますか?
受け入れられません。技能実習では企業単独型で可能でしたが、育成就労では取引先企業の社員等は監理型育成就労の形態で受け入れることになります(Q27)。
一時帰国の旅費は誰が負担しますか?
農業・漁業分野で閑散期に一時帰国する計画の場合、単独型は受入れ機関(育成就労実施者)、監理型は監理支援機関が負担します(Q18)。
技能実習の企業単独型はそのまま単独型育成就労になりますか?
同じではありません。短期の研修目的の受入れは在留資格「企業内転勤2号」での受入れが想定され、取引先企業の社員等は単独型では受け入れられません(Q27)。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日、次回確認:2026年10月22日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年9月22日、次回確認:2026年10月22日)
次に確認すること
続けて確認する場合は、育成就労制度の全体像を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、監理支援機関の外部監査人の要件を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、監理支援機関の許可基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、送出機関手数料の上限と受入れ側の負担を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
続けて確認する場合は、外国人育成就労機構が担う業務内容を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。