この記事の対象:監理支援機関の許可申請を予定している団体の役員・法務担当者、監理支援機関の設立を検討している事業協同組合・商工会などの担当者
法第26条の欠格事由は4つの観点:該当すると許可を受けられない
法第26条の各号のいずれかに当たる者は、監理支援機関の許可を受けることができません。
運用要領は、育成就労法を守ることが期待できない者が監理支援事業を行うことがないよう、許可に欠格事由が設けられていると説明しています。欠格事由は法第26条とその関係政令に定められています。
運用要領は、欠格事由を4つの観点に分けています。関係法律による刑罰、育成就労法による処分等、役員等の適格性、暴力団排除です。育成就労計画の認定の欠格事由(法第10条)と似た作りで、法第26条は第10条の号を引いています。
法第26条は、第10条の第2号(出入国・労働に関する法令違反の罰金刑)、第4号(社会保険各法・労働保険各法の事業主義務違反の罰金刑)、第13号(暴力団員等が事業活動を支配する者)に当たる者自身を、欠格としています。役員に限って見る号は、第5号が別に定めています。
認定の側の欠格事由は、育成就労計画の認定の欠格事由のガイドで確認できます。
| 観点 | 主な内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 関係法律による刑罰 | 出入国・労働に関する法令違反の罰金刑、社会保険各法・労働保険各法の事業主義務違反の罰金刑(いずれも5年)。役員に拘禁刑以上の刑、暴力団関係法・刑法等の罰金刑がある場合 | 法第26条第1号・第5号イ・ロ |
| 育成就労法による処分等 | 許可の取消しから5年、取消し手続中の廃止届出から5年、出入国・労働に関する法令の不正または著しく不当な行為から5年 | 法第26条第2号〜第4号・第5号ハ・ニ |
| 役員等の適格性 | 責務を果たせない者、破産手続開始決定を受けて復権を得ない者、法定代理人が欠格事由該当者の未成年者が役員にいる場合 | 法第26条第5号イ |
| 暴力団排除 | 役員の暴力団員等、暴力団員等が事業活動を支配する者、暴力団員等を業務に従事させるおそれのある者 | 法第26条第1号・第5号イ・第6号 |
刑罰による欠格:罰金刑から5年と、役員の拘禁刑
刑罰による欠格事由は、刑の執行を終わった日、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者が対象です。
運用要領は、次の4つを挙げています。育成就労法や政令で定める出入国・労働に関する法律に違反して罰金刑に処せられた者、社会保険各法と労働保険各法で事業主としての義務に違反して罰金刑に処せられた者、役員に拘禁刑以上の刑に処せられた者がいる場合、役員に暴力団関係法や刑法等に違反して罰金刑に処せられた者がいる場合です。
前の2つは、団体自身または役員に該当者がいる場合です。拘禁刑以上の刑と、暴力団関係法・刑法等の罰金刑は、役員について見る欠格事由です。
団体の役員が刑の執行猶予の言渡しを受けた場合、言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過すれば、その時点で欠格事由から外れます。大赦または特赦で刑の言渡しの効力を失った役員も同じ扱いです。
過去に技能実習法の規定で罰金刑に処せられ、5年を経過していない場合は、改正法附則第12条第1項により、法第10条第2号の適用では、育成就労法の規定による罰金刑とみなされます。運用要領は、この附則を許可の欠格事由の節にも載せています。
処分等による欠格:許可の取消しと廃止届出から5年、不正行為から5年
処分等による欠格事由は、許可の取消し、取消し手続中の廃止届出、不正または著しく不当な行為の3つです。
許可の取消しは、法第37条第1項で許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者です(第2号)。取消しの原因となった事項が発生した当時、取り消された団体の役員であった者も、取消しの日から5年を経過しない間は対象です(第5号ハ)。
取消しの処分に係る行政手続法第15条の通知があった日から、処分の日または処分をしないと決めた日までの間に、法第34条第1項の監理支援事業の廃止の届出をした者も、届出の日から5年を経過しないと欠格です(第3号)。廃止に相当の理由がある者は除かれます。この場合は、通知の日前60日以内に届出をした団体の役員であった者も対象です(第5号ニ)。
改正法附則第14条は、技能実習法で監理許可を取り消された者や監理事業の廃止の届出をした者を、第2号・第3号・第5号ハ・ニの適用では、育成就労法で取り消された者や廃止の届出をした者とみなします。運用要領は、技能実習法の監理許可の取消し等から5年を経過しない場合も欠格事由に当たると説明しています。廃止の届出は、第3号の要件(取消しの手続中の届出で、相当の理由がある者を除く)を満たす場合が対象です。
不正または著しく不当な行為は、行為の日から5年を経過しない者が対象です(第4号)。運用要領の例は、不法就労助長行為、偽造・変造・虚偽の文書を外国人に不正に許可を受けさせる目的で行使・提供する行為、労働基準関係法令で送検され、法第10条第2号・第4号の罰金刑を除く刑罰が確定した場合です。労働基準関係法令には、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などがあります。
育成就労法令では、監理支援事業に関して手数料等を受け取る、他人に監理支援事業を行わせるなど、違反の態様が重大で悪質と認められる場合が挙がっています。ここに挙げた以外の行為は、事案の重大性に応じて個別具体的に判断されます。
第4号の5年は、刑が執行された時点ではなく、刑罰に係る行為をした時点で判断します。違反が育成就労外国人に係るかどうか、日本人か外国人に係るかどうかは、問われません。
役員の欠格:形式上の役員だけでなく、強い支配力のある者も含む
役員のうちに法第26条第5号の該当者がいる団体は、許可を受けることができません。
第5号イは、法第10条の第1号(拘禁刑以上)、第3号(暴力団関係法・刑法等の罰金刑)、第5号(責務を果たせない者)、第6号(破産手続開始決定を受けて復権を得ない者)、第10号(暴力団員等)、第11号(法定代理人が欠格事由該当者の未成年者)に当たる者です。ロは、法第26条の第1号(第10条第13号の部分を除く)または第4号に当たる者です。
責務を果たせない者は、精神の機能の障害により、育成就労に関する責務を果たすために必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない者です。役員に未成年者がいる場合は、法定代理人が個人なら住民票の写し、法人なら登記事項証明書と役員の住民票の写しも出します。
対象となる役員は、形式上の役員だけではありません。業務を執行する社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる者です。相談役や顧問など名称にかかわらず、同等以上の支配力があると認められる者も含まれます。
許可基準の側にも関わる点があります。運用要領は、役員に第26条第5号ハまたはニの該当者がいる場合で、その役員が代表理事である、監理支援事業の意思決定に関与する、または監理支援事業に携わるときは、監理支援事業を適正に遂行する能力があるとは認められないとしています。代表理事でなく、意思決定にも事業にも関与しないことが定款等で確認できる場合は除かれます。
許可基準そのものは、監理支援機関の許可基準のガイドで整理しています。
暴力団排除と確認書類:許可申請書と役員の住民票の写し
暴力団排除の欠格事由は3つで、確認の書類は観点ごとに決まっています。
暴力団員等は、暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者です。欠格となるのは、役員に暴力団員等がいる場合、暴力団員等がその事業活動を支配する者、暴力団員等をその業務に従事させ、またはその業務の補助者として使用するおそれのある者(法第26条第6号)の3つです。
確認の書類は、監理支援機関許可申請書(省令様式第15号)と、登記事項証明書、役員の住民票の写しが基本です。役員の適格性の観点では、役員の住民票の写しが挙がっています。
住民票の写しは、マイナンバーの記載のないものを出します。日本人は本籍の記載があるもの、外国人(特別永住者を除く)は国籍(国または地域)、在留資格、在留期間、在留期間の満了の日、在留カード番号が記載されたもの、特別永住者は特別永住者である旨と特別永住者証明書の番号が記載されたものに限られます。
取消しや改善命令の仕組みは、監理支援機関の改善命令・事業停止命令・許可の取消しのガイドで確認できます。
- 役員全員について、罰金刑・拘禁刑の有無と5年の起算日を確かめた
- 団体と役員に、監理支援機関や監理団体としての許可の取消し、または取消し手続中の廃止の届出がないか確かめた
- 名称にかかわらず強い支配力のある相談役・顧問を、役員に含めて確かめた
- 役員の住民票の写しを、マイナンバーなし・必要な記載ありで用意した
よくある質問
役員の1人が罰金刑を受けたことがあると、監理支援機関の許可は受けられませんか?
運用要領は、役員に拘禁刑以上の刑に処せられた者がいる場合や、暴力団関係法・刑法等に違反して罰金刑に処せられた者がいる場合、出入国・労働に関する法令または社会保険各法・労働保険各法の違反で罰金刑に処せられた者がいる場合を、欠格事由として挙げています。いずれも、刑の執行を終わった日などから5年を経過しない者が対象です。個別の該当性は、申請先の機構に確認してください。
執行猶予がついた場合は、5年間は欠格事由に当たりますか?
運用要領は、執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過した者は、その時点で欠格事由から外れるとしています。
技能実習の監理団体としての取消しや廃止届出は、影響しますか?
改正法附則第14条により、技能実習法で監理許可を取り消された者や監理事業の廃止の届出をした者は、第2号・第3号・第5号ハ・ニの適用では、育成就労法での取消しや廃止の届出をした者とみなされます。廃止の届出は、取消しの手続中の届出で相当の理由がある者を除く第3号の要件を満たす場合が対象で、取消しから5年を経過しない間は欠格事由に当たります。
顧問や相談役は、欠格事由の対象になる役員に含まれますか?
運用要領は、名称にかかわらず、業務を執行する社員、取締役、執行役と同等以上の支配力があると認められる者を対象としています。形式上の役員でなくても、実態で判断されます。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日、次回確認:2026年12月24日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 第4章(育成就労計画の認定)」(確認日:2026年10月10日、次回確認:2027年2月10日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。