この記事の対象:育成就労計画の認定申請を予定している企業の人事・法務担当者、育成就労実施者の役員、監理支援機関の担当者

法第10条の欠格事由は4つの観点:該当すると認定を受けられない

法第10条の各号のいずれかに当たる者は、育成就労計画の認定(法第8条第1項、第8条の5第1項、第8条の6第1項)を受けることができません。

運用要領は、育成就労法令を守ることが期待できない者が育成就労を行わせることがないよう、欠格事由が設けられていると説明しています。欠格事由は法第10条とその関係政令に定められています。

運用要領は、欠格事由を4つの観点に分けて説明しています。関係法律による刑罰を受けたこと、育成就労法による処分等を受けたことなど、申請者や役員の行為能力・適格性、暴力団排除の4つです。

確認の書類は、観点ごとに共通です。育成就労計画認定申請書(省令様式第1号、第2号、第3号(1)または第3号(2))と、欠格事由非該当誓約書(運用要領は参考様式第1-23号と記載)を出します。

法人の場合は登記事項証明書と役員の住民票の写し、個人の場合は住民票の写しも必要です。育成就労に関する業務の執行に直接関与しない役員は、住民票の写しに代えて、申請者の役員に関する申告書(参考様式第1-24号)を出します。

認定の申請そのものは、育成就労計画の認定申請のガイドで確認できます。

欠格事由の4つの観点(運用要領第4章第4節より)
観点主な内容根拠
関係法律による刑罰拘禁刑以上の刑、出入国・労働・社会保険などの法令違反による罰金刑法第10条第1号〜第4号
育成就労法による処分等認定の取消しから5年、出入国・労働・育成就労法令に関する不正または著しく不当な行為から5年法第10条第7号〜第9号
行為能力・役員等の適格性責務を果たせない者、破産手続開始決定を受けて復権を得ない者、役員や法定代理人に欠格事由該当者がいる場合法第10条第5号・第6号・第11号・第12号
暴力団排除暴力団員、暴力団員でなくなって5年を経過しない者、暴力団員等が事業活動を支配する者法第10条第10号・第13号

刑罰による欠格:拘禁刑以上と、法令違反による罰金刑から5年

刑罰による欠格事由は、刑の執行を終わった日、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者が対象です。

運用要領は、次の4つを挙げています。拘禁刑以上の刑に処せられた者、育成就労法や政令で定める出入国・労働に関する法律に違反して罰金刑に処せられた者、暴力団関係法や刑法等に違反して罰金刑に処せられた者、社会保険各法と労働保険各法の事業主としての義務に違反して罰金刑に処せられた者です。いずれも5年を経過していない者が対象になります。

刑の執行猶予の言渡しを受け、取り消されることなく猶予の期間を経過した者は、その時点で欠格事由から外れます。大赦または特赦で刑の言渡しの効力を失った者も同じです。

過去に技能実習法の規定で罰金刑に処せられ、5年を経過していない者は、改正法附則第12条第1項により、育成就労法の規定による罰金刑とみなされます。技能実習法による罰金刑も、5年の間は対象に含まれます。

処分等による欠格:認定の取消しから5年と、不正行為から5年

処分等による欠格事由は、認定を取り消されたことと、出入国・労働・育成就労の法令に関する不正または著しく不当な行為の2つです。

育成就労計画の認定を取り消された日から5年を経過しない者は、取り消された者の役員であった者を含めて欠格事由に当たります(法第10条第7号・第8号)。技能実習法で技能実習計画の認定を取り消された者も、取消しの日に育成就労計画の認定を取り消されたものとみなされます。

例外として、密接関係法人育成就労や労働者派遣等の形態で取消しの処分を受けた者は、取消しの理由となった事実に対する責任の有無や程度が考慮されます。規則第32条は、自己の責めに帰すべき事由により理由となった事実を発生させたものではないと認められる場合を挙げています。

不正または著しく不当な行為は、行為の日から5年を経過しない者が対象です(法第10条第9号)。出入国に関する法令では、不法就労助長行為を行い、唆し、助けた場合と、偽造・変造・虚偽の文書を、外国人に不正に許可を受けさせる目的で行使し、または提供する行為が挙げられています。

労働に関する法令では、労働基準関係法令で送検され、罰金刑を除く刑罰が確定した場合が対象です。育成就労法令では、育成就労外国人の旅券や在留カードを保管するなどの禁止行為を行い、違反の態様が重大で悪質と認められる場合です。5年に当たるかどうかは刑罰に係る行為の時で判断し、違反の相手が育成就労外国人か、日本人か外国人かは問いません。

役員・法定代理人の欠格:法人の役員に1人でも該当者がいると認定を受けられない

法人は、役員のうちに法第10条の他の号に当たる者がいると、それだけで欠格事由に当たります(法第10条第12号)。

行為能力・適格性の観点では、精神の機能の障害により、育成就労実施者としての責務を果たすために必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない者(法第10条第5号・規則第31条)と、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(第6号)が対象です。

営業に関して成年者と同一の行為能力を持たない未成年者で、法定代理人が欠格事由に当たる場合も、欠格事由です(第11号)。役員に未成年者がいる場合、法定代理人が個人なら住民票の写し、法人なら登記事項証明書と役員の住民票の写しも出します。

対象となる役員は、形式上の役員だけではありません。業務執行社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる者です。相談役や顧問など名称にかかわらず、同等以上の支配力があると認められる者も含まれます。

暴力団排除:暴力団員等と、暴力団員等が事業活動を支配する者

暴力団排除の欠格事由は、法第10条第10号と第13号の2つです。

第10号は、暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者です。法は、この2つを合わせて「暴力団員等」と呼んでいます。第13号は、暴力団員等がその事業活動を支配する者です。

法人の役員に暴力団員等がいる場合は、前の節の第12号により、法人が欠格事由に当たります。申請では、前の節と同じく、欠格事由非該当誓約書、登記事項証明書、役員の住民票の写しが確認の書類になります。

認定が取り消される場合は、認定の取消事由のガイドで整理しています。

  • 役員を含めて、刑罰と罰金刑の有無を確かめた(5年の起算日を含む)
  • 過去に認定の取消しを受けていないか確かめた(技能実習計画の取消しを含む)
  • 役員に未成年者がいる場合の法定代理人の書類を用意した
  • 欠格事由非該当誓約書、登記事項証明書、役員の住民票の写しをそろえた

よくある質問

罰金刑を受けたことがあると、育成就労計画の認定を受けられませんか?

運用要領は、育成就労法や政令で定める出入国・労働に関する法律、暴力団関係法、刑法等、社会保険各法と労働保険各法の事業主としての義務に違反した罰金刑から5年を経過しない者を欠格事由に挙げています。どの法律の罰金刑かで扱いが変わるため、個別の事情は機構へ確認します。

執行猶予がついた場合は、5年間は欠格事由に当たりますか?

運用要領は、執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過した者は、その時点で欠格事由から外れるとしています。

役員の1人に該当者がいる場合、会社はどうなりますか?

法第10条第12号により、役員のうちに他の号のいずれかに当たる者がいる法人は、欠格事由に当たります。

技能実習法の下での認定取消しや罰金刑も、育成就労の認定に影響しますか?

運用要領は、技能実習法で計画の認定を取り消された者や、技能実習法の規定により罰金刑に処せられ5年を経過しない者を、それぞれ育成就労法の欠格事由の適用ではみなす規定があると説明しています。

参照した公的一次資料

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