この記事の対象:監理型育成就労を受け入れる企業の人事担当者、監理支援機関を選ぶ担当者、監理支援機関の許可を検討している事業者

3つの処分の違い:改善命令・事業停止命令・許可の取消し

運用要領は、監理支援機関に対する処分として、改善命令、事業停止命令、許可の取消しを説明しています。

外国人育成就労機構の運用要領第5章によると、主務大臣は、監理支援機関が育成就労法や出入国・労働に関する法令に違反したとき、監理支援事業の適正な運営を確保するために必要があれば、期限を定めて改善を命じます(法第36条)。違反行為そのものだけでなく、違反を起こす管理体制や運営の改善も目的とされています。

許可の取消事由(欠格事由を除く)に当たる場合でも、主務大臣は違反の内容などを考慮して、取消しではなく、期間を定めて監理支援事業の全部または一部の停止を命じることがあります(法第37条第2項)。3つの処分は、いずれも公示されます。

監理支援機関に対する3つの処分(運用要領第5章第13節・第14節)
処分内容従わない・違反した場合など
改善命令(法第36条)期限を定めて、運営の改善に必要な措置を命じる許可の取消事由になるほか、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象
事業停止命令(法第37条第2項)期間を定めて、監理支援事業の全部または一部の停止を命じる行方不明者を高い割合で発生させ対策が不十分な場合の停止命令では、期間が過ぎるまで、その機関を監理支援機関とする新たな受入れの計画認定を受けられない
許可の取消し(法第37条第1項)監理支援事業を行えなくなる取消しの日から5年間は新たな許可を受けられない

改善命令:改善報告書の提出と、再発したときの扱い

改善命令を受けた監理支援機関は、期限までに措置を講じ、改善報告書を提出する必要があります。

運用要領によると、改善命令に従わない場合や、措置を講じても主務大臣から適切と認められない場合は、許可の取消事由になります(法第37条第1項)。罰則は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(法第111条第3号)。

改善命令を受けた場合は、示された期日までに求められた措置を講じ、今後は法令違反を犯さない体制に改善されたことを明らかにするため、改善報告書を提出する必要があります。再び同様の違反に及んだ場合は、許可の取消しなどのより厳しい措置の対象となり得るとされています。

許可の取消し:取消事由と、取消し後の5年間

許可を受けた後でも、許可基準を満たさなくなったときなどは、許可が取り消されることがあります。

取消しの対象になるのは、次の5つの場合です。許可基準に適合しなくなった場合、欠格事由に該当することとなった場合、許可の条件に違反した場合、改善命令に違反した場合、入管法令や労働関係法令などに違反した場合です。ここでいう法令の範囲は政令第3条で、職業安定法、船員職業安定法、出入国管理及び難民認定法、労働者派遣法(一部を除く)と定められています。

許可が取り消されると、監理支援事業を行えなくなり、受け入れている外国人の監理支援も続けられません。取消しの日から5年間は新たな許可を受けられなくなります(法第26条第2号)。取消しの事実は公示されます。

取消しを受けた監理支援機関は、受入れ企業が他の監理支援機関の監理支援を受けられるよう、円滑な移行に協力する必要があります。後継の監理支援機関と契約を結ぶまでは、外国人の帰国旅費の負担と帰国担保措置を講じることも求められます。

事業停止命令:行方不明者の発生と、新たな受入れへの影響

取消しに至らない場合でも、事業の全部または一部の停止が命じられることがあります。

運用要領は、育成就労外国人の行方不明者を高い割合で発生させ、かつ発生させないための対策を十分に講じていないと認められる監理支援機関に、主務大臣が事業停止を命じることがあるとしています。この場合、命令による期間が過ぎるまでの間、その機関を監理支援機関とする新たな受入れを伴う育成就労計画の認定を受けられません。

事業停止命令の日までに申請した計画の認定が、その日までにされなかった場合も、命令による期間が過ぎるまでは認定を受けられません。事業の全部の停止を命じられた場合などは、受入れ企業が他の監理支援機関の監理支援を円滑に受けられるよう、速やかな対応が必要とされています。

受入れ企業が確認すること:監理支援機関の変更と、処分の公示

監理支援機関が取消しを受けると、外国人が同じ企業で育成就労を続けるには、監理支援機関の変更が必要です。

運用要領によると、許可が取り消された場合、その機関の監理支援を受けながら育成就労を続けることはできません。同じ企業のもとで続けるには、企業が監理支援機関を変更する必要があります。留意事項は、許可の有効期間の更新を受けられなかった場合と同様とされています。

監理支援機関を選ぶときは、処分の公示の有無と、料金表や契約書の内容を、見積書とあわせて確かめてください。処分の有無の確認先や、変更の手続は、外国人育成就労機構の地方事務所などの関係機関で確かめてください。

  • 候補の監理支援機関に、改善命令や事業停止命令の公示がないか
  • 監理支援機関を変更することになった場合の手続を、契約書や関係機関の案内で確かめたか
  • 後継の監理支援機関と契約を結ぶまでの帰国旅費の扱いを確かめたか

よくある質問

改善命令を受けた監理支援機関は公表されますか?

運用要領によると、改善命令を受けた旨は公示されます。事業停止命令や許可の取消しも公示されます。

許可を取り消された監理支援機関は、すぐに再び許可を受けられますか?

運用要領は、取消しの日から5年間は新たな許可を受けられないとしています(法第26条第2号)。

監理支援機関が許可を取り消されたら、外国人は帰国しなければなりませんか?

運用要領は、その機関の監理支援を受けながら育成就労を続けることはできないとし、同じ企業のもとで続けるには監理支援機関を変更する必要があるとしています。個別の扱いは外国人育成就労機構の地方事務所などで確かめてください。

参照した公的一次資料

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