この記事の対象:監理支援機関の担当者、監理型育成就労を受け入れている企業の人事担当者、監理支援機関の許可を検討している事業者

実施困難時の届出:どんなときに、どこへ、何を出すか

育成就労を行わせることが困難になったときは、監理支援機関が機構へ届け出ます。

監理支援機関は、育成就労実施者から、事業上・経営上の都合、育成就労外国人の病気やけが(労災を含む)、妊娠・出産などで育成就労を行わせることが困難になったと通知を受けたときのほか、監理支援機関が実施者の育成就労を行わせることが困難になったと認めるときに、育成就労実施困難時届出書(省令様式第13号)を提出します。提出先は、育成就労実施者の住所地を管轄する外国人育成就労機構の地方事務所・支所の認定課です(法第33条)。単独型育成就労では、育成就労実施者が届け出ます。

困難になった場合には、次の3つも含まれます。入国後講習の開始日前に入国したのに、開始日から1か月を超えても講習を始められない場合。

開始日以降に入国したのに、入国日から1か月を超えても講習を始められない場合。入国後講習の終了日または在留資格変更許可日から1か月を超えても就労を始められない場合です。

困難になった事由が計画の認定の取消事由に当たる可能性があるときは、届出書とは別に、直ちに臨時監査を行い、結果を監査報告書で機構の地方事務所・支所の指導課へ速やかに報告する必要があります。

期限:事由の発生から2週間以内。途中帰国は帰国日前か2週間の早いほう

法律上は「遅滞なく」ですが、運用要領は提出の時期を具体的に示しています。

運用要領は、外国人が途中で帰国することになる場合は、帰国日前か、困難になった事由の発生から2週間以内の、どちらか早いときまでに提出するとしています。それ以外の場合は、事由の発生から2週間以内です。ここでいう途中帰国は、育成就労を中止して帰国することで、休暇による一時的な帰省や、毎年一定期間帰国する計画の一時帰国は含みません。

提出を怠り、機構の指導にも従わなかった場合は、許可の取消しなどの行政処分や、30万円以下の罰金の対象になる可能性があるとされています。

届出書を出した後、困難になった事由の発生から1か月以内にその事由が解消されて育成就労を再開する場合は、中断した理由と再開に至った経緯を書いた理由書(様式自由)を提出して再開します。この場合、育成就労計画の変更認定の手続は不要です。

帰国・転籍・行方不明のときに必要な措置と、費用の負担

届出とあわせて、外国人の意思の確認や次の受入れ先への連絡調整が求められます。

育成就労の計画満了前に帰国する場合、監理支援機関は、意に反して育成就労を中止して帰国する必要がないことを外国人へ丁寧に説明し、帰国の意思を書面で十分に確認します。そのうえで帰国する方針が決まった時点で、その書面を届出書とともに、帰国前に機構の地方事務所・支所の認定課へ届け出ます。

外国人が転籍による育成就労の継続を希望し、転籍を認め得る場合は、他の育成就労実施者や監理支援機関との連絡調整などの措置を講じなければなりません(法第51条)。新しい受入れ先が決まるまで泊まる場所がない場合に、当面の宿泊施設を確保することや日常生活の支援を行うことが例に挙げられています。

この措置の費用は監理に要する費用のため、外国人本人に直接にも間接にも負担させることは認められません。ただし、監理支援機関などが自ら賃借人となって賃貸借契約を結び、外国人の合意のもとで住居として提供する場合は、実費に相当する適正な額に限って徴収できます。行方不明の疑いを把握したときは、送出機関などと連携し、本国の緊急連絡先に確認するなどして所在の把握に努め、そのうえで困難になった場合に届出が必要です。

妊娠・出産で育成就労を中断するときの手順は、妊娠・出産時の届出のガイドでも確認できます。

事業の休廃止の届出:廃止・休止の予定日の1か月前までに本部事務所へ

監理支援事業をやめる、または休むときは、別の届出(様式第21号)が必要です。

監理支援機関は、監理支援事業を廃止するか、全部または一部を休止しようとするときは、予定日の1か月前までに、事業廃止届出書または事業休止届出書(省令様式第21号)を、機構の本部事務所の審査課へ提出します(法第34条)。記載事項には、予定日、休止の範囲と期間、理由、現に監理支援を行っている監理型育成就労の継続のための措置などが含まれます。

事業は続けて一部の事業所だけを廃止する場合は、休廃止の届出ではなく、変更届出書(省令様式第20号)を出します。事業を廃止するときは監理支援事業を行うすべての事業所の許可証を返納し、休止のときは返納せず、事業所には掲示しないで保管します。休止した事業を再開しようとするときは、あらかじめ機構を経由して届け出ます。

廃止するとき、または休止で監理支援を続けることが難しくなるときは、受け入れている外国人が引き続き育成就労を希望するかを確認し、希望する場合は他の育成就労実施者や監理支援機関との連絡調整などの措置を講じる必要があります。

2つの届出の比較(機構の運用要領)
項目実施困難時届出書事業廃止・休止届出書
根拠法第33条(単独型は法第19条)法第34条
様式省令様式第13号省令様式第21号
提出先実施者の住所地を管轄する地方事務所・支所の認定課機構の本部事務所の審査課
時期事由の発生から2週間以内(途中帰国は帰国日前か2週間の早いほう)廃止・休止の予定日の1か月前まで
  • 実施困難の通知を受けたら、事由の発生日から2週間以内に出せるよう日付を記録している
  • 途中帰国では、帰国の意思を書面で確認し、届出書とともに帰国前に届け出る手順になっている
  • 転籍を希望する外国人への連絡調整と宿泊の確保を、費用を本人に負担させない前提で決めている
  • 事業を休廃止する場合に、継続を希望する外国人の確認と、予定日の1か月前の提出を計画に入れている

よくある質問

育成就労の実施が困難になったとき、いつまでに届け出ますか?

運用要領は、外国人が途中帰国する場合は帰国日前か事由の発生から2週間以内の早いときまで、それ以外の場合は事由の発生から2週間以内としています。

実施困難時届出書はどこに提出しますか?

運用要領は、育成就労実施者の住所地を管轄する外国人育成就労機構の地方事務所・支所の認定課に提出するとしています。

監理支援事業をやめるときの届出は、いつまでに出しますか?

運用要領は、廃止または休止の予定日の1か月前までに、事業廃止届出書または事業休止届出書(省令様式第21号)を機構の本部事務所の審査課へ提出するとしています。

転籍を希望する外国人の宿泊先の費用は、本人に負担させられますか?

運用要領は、この措置の費用を本人に直接または間接に負担させることは認められないとしています。監理支援機関などが賃借人になり、本人の合意のもとで住居として提供する場合に限り、実費に相当する適正な額を徴収できます。個別の扱いは機構に確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する

試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。