この記事の対象:社員寮・社宅や食事を特定技能外国人に提供する受入れ企業の人事・総務担当者、住居や費用の説明を担当する登録支援機関の担当者

特定技能1号外国人から食費・居住費・水道光熱費を徴収する場合のルールを運用要領から整理。費目ごとの上限の考え方、給与控除時の雇用条件書への明記、本人の合意、支援費用との境目を確認できます。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

定期に負担する費用の基本ルール

食費や居住費を本人から定期に徴収する場合、運用要領が求める基準は、本人の理解と合意、実費に相当する額などの適正な額、費用の明細書などの書面の3つです。

出入国在留管理庁の運用要領は、上陸基準省令(特定技能1号)の基準として、食費、居住費その他名目のいかんを問わず本人が定期に負担する費用について、本人が対価として供与される食事・住居その他の利益の内容を十分に理解して合意していることを求めています。あわせて、費用の額が実費に相当する額その他の適正な額であり、費用の明細書その他の書面が提示されることも求めています。

特定技能所属機関は、入国後に本人が定期に負担する費用(住居費や食費等)について、額と内訳を十分に説明したうえで本人の合意を得なければなりません。特定技能2号の確認項目にも、食費・居住費について同じ趣旨の定めがあります。

定期に負担する費用の確認項目(運用要領)
確認する点運用要領の内容
本人の理解と合意対価として供与される食事・住居などの利益の内容を、本人が十分に理解して合意している
額の水準実費に相当する額その他の適正な額である
書面費用の明細書その他の書面が提示される

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

食費・居住費・水道光熱費の上限の考え方

運用要領は、費目と提供のしかたごとに、本人から徴収できる額の上限の考え方を示しています。

食費は、食材や宅配弁当などの現物支給の場合は購入に要した額以内、社員食堂で提供する場合は従業員一般に提供するときに本人以外の従業員から徴収する額以内です。食事を調理して提供する場合は、材料費、水道・光熱費、人件費等の費用を、提供を受ける人数(本人のみに限られない)で割った額以内とされています。

居住費は、自己所有の物件か借上物件かで考え方が分かれます。借上物件では、管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等を含まない借上費用を、入居する特定技能外国人の人数で割った額以内です。

水道・光熱費は、実際に要した費用を、その宿泊施設で本人と同居している人(受入れ機関やその家族を含む)の人数で割った額以内とされています。

費目ごとの徴収額の上限の考え方(運用要領)
費目・提供のしかた徴収できる額の考え方
食費:食材・宅配弁当などの現物支給購入に要した額以内
食費:社員食堂での提供従業員一般に提供する場合に、本人以外の従業員から徴収する額以内
食費:食事の調理・提供材料費、水道・光熱費、人件費等を、提供を受ける人数で割った額以内
居住費:自己所有物件建設・改築等に要した費用(土地に関する費用を除く)、耐用年数、入居人数等を勘案した合理的な額
居住費:借上物件借上費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等は含まない)を入居する特定技能外国人の人数で割った額以内
水道・光熱費実際に要した費用を、同居している人(受入れ機関やその家族を含む)の人数で割った額以内

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

その他名目の定期費用と備品・保険の扱い

食費・居住費・水道光熱費のどれにも当たらない費用は、本人が受ける利益と、合理的な額かどうかを確認します。

上のどの費目にも当たらない名目の費用でも、受入れ機関等が定期に徴収する場合は、費用の対価として提供される利益が本人に帰属すること、本人が内容を十分に理解して合意していること、合理的な額であることが必要です。

備品や火災保険については、特定技能2号の確認項目に、家電・家具・食器などの備品や火災保険・損害保険等を定期に徴収する場合は、実費の範囲内で、備品の耐用年数や入居人数等を勘案した合理的な額であり本人と合意している限り、費用に算入できるという定めがあります。1号の確認項目にはこの定めを確認できなかったため、1号の本人から備品・保険料を徴収する場合は、上の考え方に沿い、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

  • 費用の名目ごとに、本人が受ける利益(食事・住居・備品など)を書き出す
  • 備品・保険料などを定期に徴収する場合は、本人が受ける利益と合理的な額かを確認し、不明点は出入国在留管理局へ確認する
  • 借上物件の居住費の上限計算に、敷金・礼金・仲介手数料などを入れていないか確認する

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

給与から控除する場合の雇用条件書と明細書

給与から差し引く場合は、雇用条件書に控除する費用の名目と額を明記し、本人が理解できる言語で示します。

運用要領は、給与から定期的に負担する費用を控除する場合、雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)に控除する費用の名目と額を確実に明記し、本人が内容を十分に理解できるようにするよう求めています。確認の対象になる書類は、雇用条件書の写し、雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)、1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)です。

これらの書類は、申請人が十分に理解できる言語で作成し、申請人が内容を十分に理解したうえで署名することが求められています。

徴収する居住費が高額な場合、本人の生活に支障を来すことも考えられるため、実費に相当する等の適正な額でなければなりません。高額な場合は、適正な額であることに疑義が生じるため、追加的な立証を求められることがあります。

  • 雇用条件書に、控除する費用の名目と額を書く
  • 本人が理解できる言語で、費用の内訳と明細を説明する
  • 本人が内容を理解したうえで署名したことを記録する
  • 居住費が高額な場合は、実費に相当することを示す資料(借上費用・入居人数など)を保管する

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日)

本人に負担させられない費用との境目

定期に徴収できる費用の合意とは別に、義務的支援の実施費用は本人に負担させられません。

出入国在留管理庁のQ&A(Q76)は、義務的な支援(空海港への送迎、契約内容に関する情報の提供、適切な住居の確保に係る支援など)の実施にかかった費用を本人に負担させることは認められないとしています。義務的支援は10項目あり、事前ガイダンスなども含めて出入国在留管理庁の支援計画のページに列挙されています。

同じQ&Aは、賃貸借契約の保証人が必要で適当な保証人がいない場合に利用する賃貸保証会社の手数料は、受入れ機関が負担するとしています(Q89)。一方、住居の確保の支援は住居費用の負担まで求めるものではないため、外国人が滞納して受入れ機関が立て替えた家賃は、本人へ請求しても差し支えないとされています(Q91)。

受入れ機関が所有する社宅等を住居として提供することも可能です(Q92)。Q92は居住費の算定までは述べていませんが、運用要領の区分に当てはめると、この場合の居住費は前の節の自己所有物件の考え方で確認することになると考えられます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年7月26日)

よくある質問

特定技能外国人の給与から、食費や家賃を引いてもよいですか?

運用要領は、本人が内容を十分に理解して合意していること、額が実費に相当する額などの適正な額であること、給与から控除する場合は雇用条件書に名目と額を明記することを求めています。賃金の控除には労働基準法など別の法令の定めもあるため、個別の取扱いは管轄の出入国在留管理局や労働基準監督署等へ確認してください。

借上げた寮の家賃は、いくらまで本人から徴収できますか?

運用要領は、管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等を含まない借上費用を、入居する特定技能外国人の人数で割った額以内としています。個別の物件で適正かどうかは、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

水道・光熱費はどのように計算しますか?

実際に要した費用を、その宿泊施設で本人と同居している人(受入れ機関やその家族を含む)の人数で割った額以内とされています。

滞納した家賃を受入れ機関が立て替えた場合、本人へ請求できますか?

出入国在留管理庁のQ&A(Q91)は、住居の確保の支援は住居費用の負担まで求めるものではないため、外国人が滞納して立て替えた家賃の請求を行っても差し支えないとしています。

賃貸保証会社に払う手数料は、本人が負担しますか?

出入国在留管理庁のQ&A(Q89)は、適当な保証人がいない場合に賃貸保証会社を利用するときの手数料は、受入れ機関が負担するとしています。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する

続けて確認する場合は、住居確保支援の契約・初期費用・退去の確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、支援計画の義務的支援10項目を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、受入れ費用の内訳と負担者の整理を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、保証金・違約金の禁止範囲を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、雇用契約・雇用条件書の確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、報酬が日本人と同等以上であることの比べ方と書類を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。