この記事の対象:住居準備を担当する受入れ企業・支援担当者
自社の条件で費用の合計を確かめるときは、特定技能の受入れ費用の試算ツールで、公的資料で確認できた費目の概算と未確認費目の整理ができます。
住居の現在状態から確認する
海外入国、国内転居、現住居継続で必要な対応は異なります。
入居希望日、勤務地までの移動、同居人数、保証人・保証会社、家具家電の有無を本人と確認します。
会社が借り上げる場合と本人契約を補助する場合を区別し、契約主体と支払先を記録します。
このページは住居確保の支援の進め方と、本人負担の考え方の入口を扱います。食費・居住費・水道光熱費を給与から控除する手続や上限の詳しい根拠は、別の食費・居住費の徴収ガイドで確認してください。
候補物件ごとに通勤時間、初期費用、毎月費用、契約主体、入居可能日を並べます。安い物件でも就労や生活に支障がある場合は、その条件を本人と共有して選択します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 入居希望日 | 入居の希望時期(確保した住居の住所・形態の記録につなげる) |
| 勤務地までの移動 | 通勤方法・移動時間 |
| 同居人数 | 本人以外の同居予定者 |
| 保証人・保証会社 | 要否と手配方法 |
| 家具家電の有無 | 備え付けか本人準備か |
| 契約主体 | 会社借り上げか本人契約の補助か |
| 管理簿に残す住居の項目 | 住所、住居の形態(賃貸・社宅等)、家賃等 |
| 住居以外の契約の支援 | 日常生活に必要な契約に係る支援の概要(管理簿の記録項目) |
住居確保の3方式と居室面積の基準
本人が住居を確保していない場合、運用要領別冊は3つの方式のいずれかで、本人の希望に基づき支援するよう求めています。
居室の広さは、1人当たり7.5㎡以上が求められます。ルームシェアなど複数人が居住する場合は、居室全体の面積を居住人数で割った面積が7.5㎡以上でなければなりません。ただし、技能実習2号等から特定技能1号へ変更する人が、受入れ機関がすでに確保している社宅等への居住を希望する場合は、7.5㎡の基準は除かれますが、その場合も少なくとも技能実習生に求められる寝室1人当たり4.5㎡以上を満たす必要があります(運用要領別冊の留意事項)。
本人が賃借人になる方式で連帯保証人が必要なのに適当な者がいないときは、受入れ機関等が連帯保証人になるか、利用可能な家賃債務保証業者を確保したうえで受入れ機関等が緊急連絡先になるか、少なくともどちらかの支援を行います。家賃債務保証業者を利用した場合の保証料は、受入れ機関等が負担します。
本人へ交付した説明資料と賃貸借契約書の条件が異ならないか、署名前に照合します。更新料等の将来費用も、契約時点で確認できる範囲を説明します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。
| 方式 | 契約の当事者 | 支援の内容 |
|---|---|---|
| 1 本人が賃借人 | 本人 | 不動産仲介事業者や物件の情報を提供し、必要に応じて同行して住居探しを補助する。敷金・礼金等は本人負担が原則 |
| 2 受入れ機関等が借りて提供 | 受入れ機関等 | 受入れ機関等が賃借人として契約し、本人の合意のもとで住居として提供する |
| 3 社宅等を提供 | 受入れ機関(所有) | 受入れ機関が所有する社宅等を、本人の合意のもとで住居として提供する |
契約条件を理解できる言語で確認する
家賃だけでなく更新・解約・原状回復等を説明します。
契約期間、共益費、敷金等、禁止事項、解約予告を本人が理解できる方法で確認します。
通訳、契約同行、保証会社、鍵交換等は見積項目へ分け、未確認費を0円にしません。
入居初日の確認表には、設備の不具合と連絡先も含めます。写真や受領記録が必要な場合は、個人情報の保存範囲を決め、支援に不要な情報まで集めません。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。
- 契約期間を確認した
- 共益費を確認した
- 敷金等を確認した
- 禁止事項を確認した
- 解約予告を確認した
生活契約と入居初日をつなぐ
住居の鍵を渡すだけで生活開始の準備は終わりません。
電気・ガス・水道、通信、ごみ出し、交通、防災等を地域の実情に沿って案内します。
空港送迎から入居までを同日に行う場合は担当者、移動手段、緊急連絡先を工程表へ入れます。
退去費用は発生前に一律額を決めず、契約条件と実際の精算を確認します。会社が立替える場合も、本人負担へ戻す根拠と説明方法を事前に整理します。 確認記録には根拠資料の名称と確認日も残します。
| 項目 | 案内内容 |
|---|---|
| 電気・ガス・水道 | 契約・使用開始方法 |
| 通信 | 契約方法 |
| ごみ出し | 地域のルール |
| 交通 | 利用方法 |
| 防災 | 地域の防災情報 |
| 空港送迎から入居までを同日に行う場合 | 担当者・移動手段・緊急連絡先を工程表へ入れる |
転居・退職・退去時も記録する
入居時だけでなく、契約終了までの責任範囲を決めます。
転居時の届出、ライフライン解約、敷金精算、残置物対応を誰が確認するか決めます。
本人負担と会社負担、支援として行う範囲を混ぜず、契約書と支援記録を照合します。
- 転居時の届出を確認した
- ライフライン解約を確認した
- 敷金精算を確認した
- 残置物対応を確認した
住居確保の範囲と本人負担の計算例
住居確保の支援は義務的支援ですが、毎月の家賃を会社が負担することまでは求めていません。
出入国在留管理庁のQ&Aは、適切な住居の確保に係る支援の実施費用を本人に負担させることは認められないとしています。賃貸借契約で保証人が必要で適当な保証人がいない場合の賃貸保証会社の手数料は、受入れ機関が負担します。一方、住居の確保の支援は住居費用の負担まで求めるものではないため、本人が滞納して受入れ機関が立て替えた家賃は、本人へ請求しても差し支えないとされています。
本人から家賃を定期に徴収する場合、運用要領は借上物件の居住費を、管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等を含まない借上費用を、入居する特定技能外国人の人数で割った額以内としています。下の数字は計算の流れを示すための仮定で、実際の物件の金額ではありません。
| 項目 | 仮定の金額 | 上限の計算に入れるか |
|---|---|---|
| 月額の借上費用(家賃) | 54,000円 | 入れる |
| 管理費・共益費 | 6,000円 | 入れる |
| 敷金・礼金・仲介手数料 | 合計150,000円 | 入れない |
| 入居する特定技能外国人 | 3人 | 割る人数 |
| 本人から徴収できる月額の上限 | (54,000+6,000)÷3=20,000円以内 | 計算結果 |
よくある質問
会社名義で借りる必要がありますか?
必須ではありません。運用要領別冊は、本人が賃借人になる方式、受入れ機関等が借りて提供する方式、受入れ機関所有の社宅等を提供する方式の3つのいずれかを求めています。本人名義で借りる場合も、物件探しの補助などの支援は必要です。居室は1人7.5㎡以上(ルームシェアは居室全体の面積を居住人数で割った値)が基準です。
家具代は会社負担ですか?
費目ごとに契約・支援義務・本人説明を確認します。
国内在住者にも支援しますか?
現在の住居状況に応じて必要な支援を確認します。
保証人がいない場合の保証会社の手数料は本人負担ですか?
出入国在留管理庁のQ&Aでは、適当な保証人がいない場合に利用する賃貸保証会社の手数料は受入れ機関が負担するとされています。
本人が滞納した家賃を会社が立て替えたら請求できますか?
同Q&Aは、住居確保の支援は住居費用の負担まで求めるものではないため、立て替えた家賃を本人へ請求しても差し支えないとしています。
敷金や礼金は居住費の上限に含めてよいですか?
運用要領の借上物件の考え方では、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等は含みません。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年1月26日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年1月26日)