この記事の対象:特定技能外国人の退職・病気・行方不明などに対応する受入れ企業の人事・総務担当者、届出の実務を支える登録支援機関の担当者

特定技能の「受入れ困難に係る届出」を運用要領から整理。事由が生じた日から14日以内の期限、届出事由の例、届出書と状況説明書の様式、自己都合退職の申出や契約終了の届出との違いを確認できます。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

届出の期限:事由が生じた日から14日以内に管轄の出入国在留管理局へ

受入れ困難に係る届出は、受入れが困難となった事由が生じた日から14日以内に出します。

運用要領は、特定技能所属機関(受入れ機関)は、特定技能外国人の受入れが困難となった場合、その事由が生じた日から14日以内に、機関の住所(雇用する外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局へ、書類を提出するか出入国在留管理庁電子届出システムで届出を行わなければならないとしています。

運用要領が書く届出の記載事項は、受入れが困難となった事由とその発生時期・原因、特定技能外国人の現状、特定技能外国人としての活動の継続のための措置の3つです。

外国人が受入れ中に死亡した場合や労働災害が発生した場合には、この届出とは別に、労働基準監督署や警察に届け出るなど適切な対応を行うよう、運用要領は留意事項に挙げています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(確認日:2026年8月3日)

届出が必要になる事由の例:解雇の予告・行方不明・1か月以上の活動未実施など

運用要領は、事由が発生した日を、主に次のような場合として例示しています。

運用要領は、受入れ困難の事由発生日を「主に」次の場合とし、「などがあります」と締めています。ここにない事情でも、受入れが困難になったかどうかは、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

許可を受けた日から1か月が経っても就労を開始していない場合や、雇用後に1か月以上活動ができない事情が生じた場合も、受入れ困難の事由に含まれます。運用要領は、受入れ予定の外国人の在留審査の結果などの情報を確実に把握するよう努めることを求めています。

受入れ困難の事由発生日の例(運用要領)
事由事由発生日として挙げられている場面
受入れ機関側の事情経営上の都合により解雇の予告をしたとき/基準不適合となり受入れの継続が困難となったとき/法人の解散の意思決定がなされたとき
外国人の責めに帰すべき解雇重責解雇(労働者の責めに帰すべき事由によるもの)となるような事由が判明したとき
在留資格の変更「特定技能」以外の在留資格へ変更申請をしたとき(引き続き雇用する場合を含む)
外国人の状況病気・怪我で雇用の継続が困難になったとき/行方不明となったとき/個人事業主または特定技能外国人が死亡したとき
就労の開始・継続許可を受けた日から1か月経っても就労を開始していないとき/雇用後に1か月以上活動ができない事情が生じたとき

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

届出書と状況説明書:事由によって添える様式が変わる

届出書は参考様式第3-4号で、事由に応じた説明書を添えます。

運用要領が確認対象の書類に挙げるのは、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)です。事由が1か月以上の活動未実施であれば、1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書(参考様式第5-14号)を添えます。

事由が行方不明であれば、行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)を添えます。事由がその他のものであれば、受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書(参考様式第5-11号)を添えます。様式は、出入国在留管理庁の様式のページから入手できます。

自社で支援を実施している場合に、支援の実施が困難になったときは、この届出ではなく、運用要領が別に定める1号特定技能外国人支援計画の実施困難の届出書を提出します。

届出事由ごとの添付書類(運用要領の確認対象の書類)
届出事由届出書添える説明書
1か月以上の活動未実施受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書(参考様式第5-14号)
行方不明受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)
その他受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書(参考様式第5-11号)

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日)

自己都合退職の申出・契約終了の届出との違い

自己都合退職の申出があった時点では、受入れ困難に係る届出は不要です。

運用要領は、自己都合退職の申出があった時点での受入れ困難に係る届出は不要で、その後に外国人が退職した場合は、雇用契約終了の届出が必要だとしています。雇用契約終了の届出は、契約が終了した日から14日以内に出し、様式は特定技能雇用契約の終了又は締結に係る届出書(参考様式第3-1-2号)です。

一方で、運用要領は、特定技能雇用契約を終了する場合は、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)をあらかじめ提出しておかなければならないとも書いています。どの場面でどちらの届出が必要になるかは、届出の担当者が1件ずつ管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

外国人の責めに帰すべき事由によらずに契約が終了したときは、本人の活動継続の意思を確認したうえで、継続を希望する場合には必要な転職支援をしなければならないと、運用要領は書いています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(確認日:2026年8月3日)

行方不明者・非自発的離職者を出した場合の受入れ機関の基準への影響

受入れ困難の届出に加えて、行方不明者や非自発的離職者を出した事実は、受入れ機関の基準の適合にも関わります。

特定技能基準省令第2条は、雇用契約の締結の日前1年以内またはその締結の日以後に、受入れ機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないことを求めています。運用要領によると、「責めに帰すべき事由」があるとは、雇用条件どおりに賃金を適正に支払っていない場合や、1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合など、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に行方不明となった場合をいいます。そのような場合は、人数に関係なく1人でも発生させていれば基準に適合しないとされます。

運用要領は、技能実習制度の実習実施者として受け入れた技能実習生の行方不明も対象に含まれること、基準に適合しないことを免れるために別会社を作った場合は、実質的に同一の機関として扱うことがあり得ることも書いています。

同種の業務に従事していた労働者を非自発的に離職させた場合も、1人でも発生させていれば基準に適合しません。ここでいう労働者は、運用要領によると、受入れ機関にフルタイムで雇用されている日本人労働者、中長期在留者、特別永住者で、パートタイムやアルバイトは含みません。運用要領は、非自発的離職の例に、人員整理のための希望退職の募集や退職勧奨(天候不順や自然災害、感染症の影響で経営上の努力を尽くしても雇用の維持が困難な場合を除く)、労働者が賃金の低下・遅配などの重大な問題があったと判断したものなどを挙げ、該当するかどうかは、まず地方出入国在留管理局に相談するよう求めています。非自発的離職者を発生させた場合は、受入れ困難に係る届出を行う必要があります。

  • 事由が生じた日を記録し、その日から14日以内の提出日を逆算する
  • 事由に合う説明書の様式(第5-14号・第5-15号・第5-11号)を準備する
  • 自己都合退職の申出があった時点と、退職した後の時点で、必要な届出を分けて管理する
  • 賃金の支払いと支援計画の実施の記録を残し、行方不明の相談を受けたときは早めに管轄の出入国在留管理局へ確認する

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

よくある質問

受入れ困難に係る届出は、いつまでに出しますか?

運用要領は、受入れが困難となった事由が生じた日から14日以内に、管轄の地方出入国在留管理局へ提出するか、出入国在留管理庁電子届出システムで届出を行うよう求めています。

外国人が行方不明になったら、どの様式を使いますか?

運用要領が確認対象の書類に挙げるのは、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)と、行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)です。

自己都合退職の申出を受けた時点で、受入れ困難の届出は必要ですか?

運用要領は、自己都合退職の申出があった時点での受入れ困難に係る届出は不要で、その後に退職した場合は雇用契約終了の届出が必要だとしています。

許可を受けてから1か月たっても就労が始まらない場合も届出が必要ですか?

運用要領は、許可を受けた日から1か月経っても就労を開始していない場合も受入れ困難の事由に含まれるとし、状況説明書(参考様式第5-14号)を添えるよう示しています。

行方不明者を出すと、新しく外国人を受け入れられなくなりますか?

運用要領は、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させた場合は、1人でも基準に適合しないとしています。責めに帰すべき事由に当たるかどうか判断に迷う場合は、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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続けて確認する場合は、随時届出と定期届出の確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、届出の期限と起算日を横断して確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、特定技能外国人の転職を受け入れる手続を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、一時帰国を希望されたときの休暇と届出を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

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