この記事の対象:特定技能外国人から一時帰国の相談を受ける受入れ企業の人事・総務担当者、雇用条件書や就業規則の整備に関わる登録支援機関の担当者

特定技能外国人が一時帰国を希望したときの休暇の基準を運用要領とQ&Aから整理。業務上やむを得ない事情の範囲、有給休暇を使い切った場合の配慮、雇用契約への定め、帳簿記録、届出の扱いを確認できます。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

基準:一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させる

特定技能基準省令は、外国人が一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させることを、雇用契約の基準の1つにしています。

特定技能基準省令第1条は、雇用関係に関する基準の1つとして、外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていることを挙げています。出入国在留管理庁のQ&A(Q31)も、雇用契約を結ぶうえでの留意点の1つに、外国人が一時帰国を希望する際には必要な有給休暇を取得させることを挙げています。

運用要領は、特定技能所属機関(受入れ機関)に対し、一時帰国の申出があった場合に、事業の適正な運営を妨げる場合などの業務上やむを得ない事情がある場合を除き、何らかの有給の休暇を取得できるよう配慮を求めるものだと説明しています。

ここでいう「有給休暇」は、労働基準法第39条に定める年次有給休暇を含む、一般の有給休暇をいいます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)

申出があったときの対応:やむを得ない事情・年次有給休暇を使い切った場合・代替日

運用要領は、休暇を認めない根拠になる「業務上やむを得ない事情」を、他の人が代われない業務で、その日に働く合理的な理由がある場合と説明しています。

運用要領は、「業務上やむを得ない事情」を、特定技能外国人が担当する業務が他の労働者が代替することが不可能な業務であって、休暇取得希望日に働かなければならないことに合理的な理由がある場合としています。単に忙しい、人手が足りないという事情だけでは、この説明に当たるとは書かれていません。

業務上やむを得ない事情により一時帰国休暇の取得を認めない場合は、代替日を提案するなどの配慮をするよう、運用要領は留意事項に挙げています。

すでに労働基準法上の年次有給休暇をすべて取得した人から一時帰国の申出があった場合も、運用要領は、追加の有給休暇や無給休暇を取得できるよう配慮することが望まれるとしています。「望まれる」という書き方で、追加の有給休暇を与える義務まで定めたものではありません。

特定技能外国人の家族が「短期滞在」の在留資格で来日した場合は、家族と過ごす時間を確保できるよう、家族の滞在中は有給休暇を取得できるように配慮しなければならないと、運用要領は書いています。

一時帰国の申出への対応(運用要領)
場面運用要領が求める対応
通常の申出業務上やむを得ない事情がない限り、何らかの有給の休暇を取得できるよう配慮する
年次有給休暇をすべて使った後の申出追加の有給休暇や無給休暇を取得できるよう配慮することが望ましい
業務上やむを得ない事情で認められない代替日を提案するなどの配慮をする
家族が短期滞在で来日する家族の滞在中は有給休暇を取得できるよう配慮する

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

雇用契約・雇用条件書への定めと、不利益な取扱いの禁止

休暇の取得は特定技能雇用契約で定め、取得を理由にした不利益な扱いは基準に適合しなくなるおそれがあります。

運用要領は、特定技能外国人から一時帰国の申出があった場合は、必要な有給または無給の休暇を取得させることを特定技能雇用契約で定めることとしています。確認対象の書類には、雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)が挙げられています。

雇用条件書は、申請人が十分に理解できる言語で作成し、申請人が内容を十分に理解したうえで署名している必要があります。運用要領によると、10か国語の翻訳様式が出入国在留管理庁のホームページに掲載されています。

一時帰国のために休暇を取得したことを理由に、就労上の不利益な扱いをしていることが判明した場合は、基準に不適合となることもあり得ると、運用要領は注意を促しています。休暇中の賃金の扱いなど個別の条件は、雇用契約や就業規則で受入れ機関ごとに定めるため、この解説では金額や日数を示しません。

  • 雇用契約や雇用条件書に、一時帰国を希望した場合の休暇の取得を定めているか確認する
  • 雇用条件書を、本人が理解できる言語で作成し、署名をもらっているか確認する
  • 休暇を取得したことを理由に、評価・配置・昇給などで不利に扱っていないか確認する
  • 認められない日がある場合の代替日の提案方法を、社内で決めておく

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日)

活動状況の帳簿への記録:休暇の取得状況に一時帰国休暇を含める

一時帰国休暇の取得状況は、活動状況に関する帳簿の必要的な記載事項です。

特定技能基準省令第2条は、外国人の活動の内容に係る文書を作成し、活動をさせる事業所に、雇用契約の終了の日から1年以上備えて置くことを求めています。運用要領は、この文書に「特定技能外国人の活動状況に関する帳簿」を含め、記載事項の1つとして「休暇の取得状況(一時帰国休暇の取得状況を含む。)」を挙げています。

帳簿には、ほかに就労場所、従事した業務、雇用状況、労働保険・社会保険の加入状況、安全衛生の確保状況、受入れと支援に要した費用の額と内訳なども記載します。一時帰国休暇だけを別に管理するのではなく、他の項目と同じ帳簿で、取得した日と日数が分かるようにしておく必要があります。

書面に代えて電磁的記録で作成し、保存することも認められています。この場合の保存方法は、運用要領が定めています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

一時帰国と在留・届出:通算在留期間、契約終了の届出、定期届出

休暇で一時帰国する間も在留資格は続き、通算在留期間にも含まれます。届出が必要になるのは、契約を終了する場合などです。

出入国在留管理庁のQ&A(Q51)は、特定技能1号の通算在留期間について、在留資格を有している限り、再入国許可を受けて出国中であっても通算在留期間に含まれると答えています。運用要領も、再入国許可(みなし再入国許可を含む)による出国期間を、通算在留期間に含まれる期間として挙げています。上限は通算5年です。

一時帰国等を理由にいったん雇用契約を終了した場合は、再雇用する予定があっても、契約終了の届出が必要だと運用要領は書いています。在留期限内に再び契約を結んだ場合は、新たな契約締結の届出も必要です。契約を終了するときは、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)をあらかじめ提出しておく必要があります。

再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに出国した場合や、再入国許可を受けて出国したものの、その許可の期限内に再入国しなかった場合も、雇用契約が終了したものとして届出が必要です。休暇として一時帰国させるときは、出国前に再入国許可(みなし再入国許可を含む)の扱いを本人と確認してください。

年1回の定期届出は、一時帰国などで届出対象期間中に全く就業していなくても、その期間に1日でも所属していれば対象になります。届出の最新の案内は、出入国在留管理庁の「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」のページで確認できます。

一時帰国の場面ごとの届出と通算在留期間(運用要領・Q&A)
場面届出の要否通算在留期間
休暇として一時帰国し、再入国許可(みなし再入国許可を含む)の期限内に再入国する契約を終了しない限り、運用要領が契約終了の届出の事由として挙げる場面(下の2行)には当たらない再入国許可による出国期間は含まれる
一時帰国を理由に雇用契約をいったん終了する再雇用の予定があっても契約終了の届出が必要個別の扱いは管轄の出入国在留管理局へ確認する
再入国許可を受けずに出国した、または許可期限内に再入国しなかった雇用契約の終了として届出が必要個別の扱いは管轄の出入国在留管理局へ確認する

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)、出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(確認日:2026年8月3日)

よくある質問

特定技能外国人が一時帰国を希望したら、必ず休暇を与えなければなりませんか?

特定技能基準省令は、一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させるものとしていることを求めています。運用要領は、業務上やむを得ない事情がある場合を除き、何らかの有給の休暇を取得できるよう配慮を求めるものだと説明しています。

年次有給休暇を使い切った人から申出があったら、どうしますか?

運用要領は、追加の有給休暇や無給休暇を取得できるよう配慮することが望まれるとしています。「望まれる」という表現で、追加の有給休暇を与える義務まで書いたものではありません。

業務が忙しい時期は、一時帰国を断ってよいですか?

運用要領が認める「業務上やむを得ない事情」は、他の労働者が代わることが不可能な業務で、その日に働く合理的な理由がある場合です。認めない場合は、代替日の提案などの配慮をするよう留意事項が求めています。

一時帰国の期間は、特定技能1号の通算5年に含まれますか?

出入国在留管理庁のQ&A(Q51)は、特定技能1号の在留資格を有している限り、再入国許可を受けて出国中であっても通算在留期間に含まれるとしています。

一時帰国で雇用契約を終了する場合、届出は必要ですか?

運用要領は、一時帰国等を理由に一度雇用契約を終了した場合は、再雇用する予定があっても届出が必要だとしています。個別の届出の要否は、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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続けて確認する場合は、雇用契約・雇用条件書の確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、空港送迎と帰国旅費の負担者を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、随時届出と定期届出の確認項目を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、報酬は日本人と同等以上の基準を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、受入れ困難に係る届出の期限と様式を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。