この記事の対象:特定技能1号の受入れ費用を見積もる企業の担当者、登録支援機関、見積書の費目を確認する人

特定技能1号の入国時・出国時の送迎の実費と、契約終了後の帰国旅費を、誰が負担するのかを運用要領と基準省令の記載から整理します。一時帰国・往路の航空券・積立の扱いも確認できます。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。

入国時の出迎えと送迎:実費は受入れ機関等が負担

受入れ機関等は、外国人が入国する港や飛行場で出迎え、事業所または住居まで送ります。この送迎にかかる実費は、受入れ機関等が負担します。

送迎は、1号特定技能外国人の支援(義務的支援)の一つです。運用要領は、入国前に行う事前ガイダンスで、港や飛行場での出迎えと、事業所または住居までの送迎を行うことを伝える事項に挙げています。事前ガイダンスは、対面かビデオ通話などで本人確認をして行います。文書の郵送やメールの送信だけでは認められません。

運用要領は、出入国する港や飛行場と、事業所や住居などとの間の送迎に要する実費を、義務的支援の費用として受入れ機関等が負担すると定めています。実費の例として、外国人と同行者の交通費、ガソリン代などの燃料代、道路通行料、駐車場料金、保険料が挙げられています。支援を登録支援機関に委託する場合の見積書では、この実費が委託費に含まれるのか、別に請求されるのかを確認します。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

出国時の送迎と、一時帰国の出入国は別扱い

出国時の送迎も同じ義務的支援の費用です。一方、一時帰国のときの出入国は、この送迎の支援に含まれません。

運用要領は、出国時の運送の例として、預貯金口座の解約手続を補助したあとの港や飛行場への運送、国外転出などの公的手続を補助したあとの運送を挙げています。港や飛行場に着いたあとは、航空券の発券手続の補助、保安検査場までの案内、出国確認手続の注意点の説明を行う例が示されています。

運用要領は、出入国する際の送迎の支援に、一時帰国の際の出入国は含まれないと明記しています。一時帰国の送迎や航空券を会社が負担するかどうかは、この規定だけでは決まりません。雇用契約や社内規程で、負担の有無を先に決めておきます。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

契約終了後の帰国旅費:本人負担が原則、負担できないときは受入れ機関

特定技能雇用契約が終わったあとの帰国旅費は、本人が負担するのが原則です。本人が負担できないときは、受入れ機関が旅費を負担し、出国が円滑に進む措置を取ります。

この定めは、基準省令の「帰国担保措置」です。運用要領は、「負担することができないとき」を、本人が自分で帰国費用を負担できない場合と説明し、帰国することになった原因は問わないとしています。ただし、行方不明になった場合は除かれます。

「必要な措置」には、帰国旅費の負担に加えて、帰国のための航空券の予約と購入、帰国するまでに必要な生活支援が含まれると、運用要領は説明しています。確認書類は雇用条件書(参考様式第1-6号)で、本人が十分に理解できる言語で作り、内容を理解したうえで署名してもらいます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

見落としやすい点:積立・貸付・送出し費用

帰国旅費に備えて給与から積み立てることは認められません。往路の航空券代の貸付は、運用要領が差し支えないとしています。

運用要領は、帰国旅費を確保するために、本人の報酬から差し引いて積み立て、受入れ機関が管理することを、金銭などの財産の管理に当たり得るとして認めていません。受入れ機関の経営が苦しくなって旅費を出せなくなる場合に備えては、登録支援機関や関連企業などと協定を結んでおくことが望ましいとされています。

往路の航空券代を含む渡航の準備費用や、入国後の当面の生活費のために、受入れ機関等が本人に貸し付けることは差し支えないとされています。ただし、返済の方法が労働法令に違反しないよう気をつけるよう求められています。支援にかかる費用そのものは、直接にも間接にも本人に負担させることができません。送出しに必要な費用(渡航前の教育費や渡航費用)は、送出し国の法令やガイドラインを踏まえ、受入れ機関が全部または一部を負担することが推奨されています。

送迎・渡航・帰国にかかる費用の扱い(運用要領・基準省令の記載)
費用運用要領等の扱い見積書で確認すること
入国時の送迎の実費受入れ機関等が負担(義務的支援の費用)委託費に含まれるか、実費の別請求か
出国時の送迎の実費受入れ機関等が負担(義務的支援の費用)出国時の手続補助を含むか
一時帰国の出入国送迎の支援には含まれない社内規程での扱い
往路の航空券代受入れ機関等が本人に貸し付けることは差し支えない貸付の有無と返済方法
契約終了後の帰国旅費本人負担が原則。負担できないときは受入れ機関が負担協定など、負担できなくなる場合への備え
送出しに必要な費用受入れ機関が全部または一部を負担することが推奨送出し国のガイドライン
  • 入国時と出国時の送迎の実費が、委託費に含まれるのか別請求かを確認する
  • 帰国旅費を給与から積み立てる運用になっていないか確認する
  • 一時帰国の送迎と航空券の負担を、雇用契約か社内規程で決めておく
  • 往路の航空券代を貸し付ける場合は、返済方法が労働法令に違反しないか確認する
  • 個別の判断は、出入国在留管理庁または登録支援機関に確認する

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)

よくある質問

特定技能1号の空港への送迎費用は、誰が負担しますか?

運用要領は、出入国する港や飛行場と、事業所や住居などとの間の送迎に要する実費を、義務的支援の費用として受入れ機関等が負担すると定めています。交通費、燃料代、道路通行料、駐車場料金、保険料などが例に挙がっています。

一時帰国の空港送迎も、受入れ機関が負担する必要がありますか?

運用要領は、出入国する際の送迎の支援に、一時帰国の際の出入国は含まれないとしています。負担するかどうかは、雇用契約や社内規程で決めておきます。

契約が終わったあとの帰国旅費は、会社が出す必要がありますか?

帰国費用は本人負担が原則です。本人が負担できないときは、受入れ機関が旅費を負担し、出国が円滑になされるよう必要な措置を取ります。負担できない原因は問われませんが、行方不明の場合は除かれます。

帰国旅費のために、給与から積み立ててもよいですか?

運用要領は、報酬から差し引いて積み立て、受入れ機関が管理することを、財産の管理に当たり得るものとして認めていません。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する

続けて確認する場合は、支援計画の10項目を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、自社支援と登録支援機関への委託の費用を比べるで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、見積書の費用内訳の確認表を見るで条件と確認範囲をつなげられます。

続けて確認する場合は、海外から採用する手続と入国前費用を確認するで条件と確認範囲をつなげられます。

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