この記事の対象:合併・分割・名称変更・所在地変更を控えた、特定技能外国人の受入れ企業の総務・人事担当者
組織が変わったときの3つの手続
受入れ機関の届出、外国人本人の届出、在留資格変更許可申請は別の手続です。事由ごとに分けて確認します。
入管庁の随時届出Q&Aによると、名称・住所が変わった場合も、合併や分割で特定技能所属機関が変わった場合も、特定技能雇用契約の変更に係る届出は必要ありません。ただし合併や分割で所属機関が変わる場合は、別途、在留資格変更許可申請が必要とされています。
これとは別に、契約機関の名称や所在地の変更、契約機関の消滅があったときは、外国人本人が入管法第19条の16第2号の届出をします。受入れ機関の届出が不要でも、本人の届出は必要になる点が見落としやすい部分です。
| 場面 | 受入れ機関 | 外国人本人 |
|---|---|---|
| 名称・住所だけが変わる | 雇用契約の変更届出は不要。指定書の記載の補正を希望するときは、地方出入国在留管理局へ申し出る | 名称変更・所在地変更の届出 |
| 合併・分割で所属機関が変わり、労働契約が承継される | 雇用契約の変更届出は不要。別途、在留資格変更許可申請 | 消滅・名称変更・所在地変更の届出 |
| 労働契約が承継されない | 合併・分割の前の離職・解雇は、別に契約終了の届出が必要(後の節) | 契約の終了と新たな契約の締結の届出 |
本人の届出:14日以内・様式・提出方法
届出者は外国人本人です。受入れ機関は、本人が期限内に出せるよう案内します。
入管庁の届出ページでは、届出期間は事由が生じた日から14日以内、届出者は中長期在留者本人です。随時届出Q&Aも、本人から名称変更・所在地変更の届出を出す必要があるため、受入れ機関に提出を促すよう求めています。
提出方法は、電子届出システム、最寄りの地方出入国在留管理官署への持参(在留カードを提示)、郵送の3つです。電子届出では、届出事項を証する資料の提出は必要ありません。
郵送では、届出書と在留カードの写しを同封し、東京出入国在留管理局在留調査部門届出受付担当へ送ります。受付の連絡はないため、追跡できる方法での発送が薦められています。
受入れ機関が行う届出の全体は届出手続のガイドで確認できます。
| 届出の内容 | 参考様式 |
|---|---|
| 契約機関の名称変更・所在地変更・消滅 | 参考様式1の1 |
| 契約機関との契約の終了 | 参考様式1の4 |
| 新たな契約機関との契約の締結 | 参考様式1の5 |
| 契約の終了と新たな契約の締結を同時に届け出る | 参考様式1の7 |
- 事由が生じた日を確認する
届出の期限は、事由が生じた日から14日以内です。合併・分割・名称変更・所在地変更が実際に生じた日を確認します。
- 該当する様式を選ぶ
名称・所在地の変更や消滅なら1の1、承継されない場合は1の7を使います。
- 本人に案内する
届出者は本人です。期限と提出方法を、本人に伝えます。
- 提出の記録を残す
電子届出システムの履歴、または郵送の追跡記録を保管します。
合併・分割で所属機関が変わるとき
法人格に変動が生じる場合は、在留資格変更許可申請が必要になることがあります。事由が分かった時点で相談します。
運用要領は、個人事業主が亡くなったとき、法人化したとき、法人が吸収合併や吸収分割などで法人格に変動が生じたときは、在留資格変更許可申請を行わなければならない場合があるとしています。事由が発生することが分かり次第、速やかに地方出入国在留管理局に相談するよう求めています。
契約機関に関する届出のQ&Aでは、会社が合併または吸収されて消滅する場合、原則、労働契約は承継されるため、消滅、名称変更、所在地変更の届出が必要とされています。契約が承継されない場合は、契約の終了と新たな契約の締結の届出です。一部の部署が事業譲渡される場合も、労働契約が承継されるなら名称変更と所在地変更の届出とされています。
組織変更の前に離職・解雇があったとき
合併・分割・法人化の前に雇用が終わった場合は、組織変更とは別に、契約終了の届出が必要です。
運用要領は、合併、分割、法人化などで所属機関が変わる場合は届出が不要としたうえで、これらを行う前に特定技能外国人が自発的に離職した場合や解雇した場合は、届出が必要だとしています。
解雇した場合は、特定技能外国人の受入れ困難に係る届出も必要です。組織変更の日程に合わせて雇用を整理するときは、日付の前後でどちらの届出に当たるかを確認します。
- 名称・所在地の変更日、合併・分割の効力発生日を確定した
- 労働契約が承継されるかを、承継先と確認した
- 本人に、14日以内の届出が必要なことを伝えた
- 合併・分割の場合は、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請の要否を相談した
- 組織変更の前に離職・解雇する人がいないか確認した
よくある質問
社名が変わったら、特定技能雇用契約の変更届出は必要ですか?
入管庁の随時届出Q&Aでは、名称・住所が変わっても必要ありません。ただし外国人本人が、契約機関の名称変更・所在地変更の届出を14日以内に出します。
本人の届出は、受入れ機関が代わりに出せますか?
入管庁の届出ページは、届出者を中長期在留者本人としています。受入れ機関は、本人が提出できるよう案内する立場です。
合併すると、在留資格変更許可申請は必ず必要ですか?
随時届出Q&Aは、合併や分割で所属機関が変わる場合は別途申請が必要としています。運用要領は、法人格に変動が生じる場合に必要になることがあるとして、早めに地方出入国在留管理局へ相談するよう求めています。
労働契約が承継されない場合は、どの届出になりますか?
契約機関に関するQ&Aでは、契約の終了と新たな契約の締結の届出とされています。両方を同時に出す場合は参考様式1の7を使えます。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・随時届出Q&A」(確認日:2026年10月8日、次回確認:2027年1月8日)
- 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出」Q&A(契約機関に関する届出の要否)(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)