この記事の対象:育成就労の受入れ企業の経営者・担当者、事業承継や合併を控えた実施者を支援する監理支援機関の担当者

必要な手続は3つのどれか

運用要領は、実施者の組織が変わったときの手続を、実施者の実質的な変更の有無と、育成就労の実施への影響の有無で3つに分けています。

運用要領の第4章第15節「その他の手続」は、個人事業主が法人化した場合や法人が合併等をした場合に、育成就労計画について必要な手続は大きく分けて次の3つのいずれかだと説明しています。

実施者そのものが実質的に変わるなら新たな認定申請、実施者は同じでも育成就労の実施場所や実施期間が大きく変わるなら変更認定申請、実施者も実施内容も実質的に変わらないなら軽微変更届出です。

変更認定申請と軽微変更届出の区分そのものは、育成就労計画の認定申請のガイドから確認できます。

実施者の組織変更時の手続の3区分(運用要領第4章第15節より)
実施者の実質的な変更育成就労の実施への実質的な影響必要な手続
あり(問わない)新たな育成就労計画の認定申請(法第8条の5第1項)
なしあり(実施場所や実施期間が大きく変わる場合等)育成就労計画の変更認定申請(法第11条第1項)
なしなし軽微変更届出(規則第33条第1項)

個人事業主の法人化・法人の個人事業主化

認定を受けている個人事業主が法人化するとき、または法人が個人事業主になるときは、原則として軽微変更届出書を出します。

運用要領は、現に育成就労計画の認定を受けている個人事業主が法人化する場合、または法人が個人事業主となる場合は、育成就労実施者に実質的な変更はないため、軽微変更届出書を提出するよう求めています。

ただし、法人化等の結果、育成就労計画に従った育成就労の実施に実質的な影響を与える場合は、育成就労計画の変更認定申請(法第11条第1項)が必要です。運用要領は、その例として育成就労の実施場所や実施期間が大きく変わる場合等を挙げています。

個人事業主が亡くなったとき

個人事業主が死亡すると、認定を受けた育成就労計画の効果は当然に終了します。監理型では監理支援機関が届出を出します。

監理型育成就労の場合、死亡を把握した監理支援機関は、遅滞なく育成就労実施困難時届出書を機構の地方事務所・支所の認定課に提出する必要があります。

死亡の日から10日以内に、死亡を理由とした育成就労実施困難時届出書が出されたときは、死亡の日から1か月間、監理支援機関の指導の下で育成就労責任者等の責任において育成就労を続けることができます。

引き続き育成就労を行わせようとする者が新たな育成就労計画の認定申請をした場合は、その結果が通知される日まで、同じく監理支援機関の指導の下で、育成就労責任者等の責任において育成就労の継続が認められます。

実施困難時届出書の提出先や期限の一般的な定めは、実施困難時届出書のガイドで確認できます。

法人の合併・分割のとき

合併や分割で消滅する法人が育成就労を行わせていた場合、存続法人や新設法人が続けるには、新たな認定申請が必要です。

運用要領は、法人の合併等を吸収合併・新設合併・吸収分割・新設分割に分けています。消滅法人が育成就労を行わせていて、合併後に存続法人または新設法人が育成就労を続ける場合、また、吸収分割される法人の分割される事業で育成就労を行わせていて、分割後に吸収分割継承法人が行わせる場合は、新たな育成就労計画の認定申請(法第8条の5第1項)が必要です。存続法人等が初めて育成就労を行わせたときは、遅延なく育成就労の実施の届出も行います。

合併等があっても、合併前から存続法人で育成就労を行わせていて合併後も変わらない場合などは、新たな認定申請は要りません。実施への実質的な影響があれば変更認定申請、影響がなければ必要に応じて軽微変更届出になります。

新たな認定申請が必要な場合は、育成就労の期間に空白を生じさせず合併と同日付けで始めるため、合併を議決した総会議事録等を添えて、存続法人が事前に申請するよう求められています。合併で法人の名称・住所・代表者・役員・育成就労責任者に変更が生じ、総会議事録等で機構が確認できる場合は、申請書に予定している変更後の名称等を記載し、変更手続の完了後、直ちに内容に違いがない旨を機構に報告します。

新設合併では申請時に新設法人がないため、合併後の予定に基づいて書き、成立後直ちに同じ報告をします。通常の認定申請に必要な関係書類のほか、原則として次の書類を提出します。

実施者の届出・報告の全体像は、育成就労実施者の届出・報告一覧のガイドで整理しています。

  • 合併の経緯、合併後の法人と育成就労を行わせる事業所の概要
  • 関係法人の総会議事録(合併を議決したもの)
  • 社会・労働保険等に関する合併後に提出すべき書類
  • 存続法人と消滅法人の最近の事業年度の貸借対照表等

よくある質問

個人事業主から法人になるとき、育成就労計画は出し直しですか?

運用要領は、育成就労実施者に実質的な変更はないとして、軽微変更届出書の提出を求めています。ただし、実施場所や実施期間が大きく変わるなど実施に実質的な影響があるときは、変更認定申請(法第11条第1項)が必要です。

実施者の個人事業主が亡くなったら、すぐ育成就労は止まりますか?

認定を受けた育成就労計画の効果は当然に終了します。死亡の日から10日以内に実施困難時届出書が出されれば、死亡の日から1か月間は、監理支援機関の指導の下で育成就労責任者等の責任において継続できます。

合併のあとで認定申請をすればよいですか?

新たな認定申請が必要な場合は、期間に空白を生じさせないため、合併を議決した総会議事録等を添えて存続法人が事前に申請するよう運用要領は求めています。合併と同日付けで育成就労を始められるようにするためです。

合併しても新たな認定申請が要らないのはどんなときですか?

合併前から存続法人で育成就労を行わせていて、合併後も変わりなく存続法人で行わせる場合などです。実施への実質的な影響があれば変更認定申請、なければ必要に応じて軽微変更届出になります。

参照した公的一次資料

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