この記事の対象:税や社会保険料の滞納、同種業務の非自発的離職などで受入れの基準を満たさなくなるおそれがある特定技能所属機関の担当者、届出の実務を支える登録支援機関の担当者
届出の期限:基準に合わなくなったと気づいた日から14日以内
受入れ機関は、基準不適合が生じたことに気づいた日から14日以内に、出入国在留管理局へ届け出ます。
出入国在留管理庁の運用要領(令和8年8月版)の第7章第5節は、特定技能所属機関が、特定技能基準省令第2条の基準に適合しないこととなる事由(以下「基準不適合」)が生じたことを認知した場合、その認知の日から14日以内に届出をするよう求めています。「認知」は、基準に合わなくなった事実に気づいた、または知ったことを指します。
届出の方法は2つです。出入国在留管理庁電子届出システムで届け出るか、機関の住所(雇用する特定技能外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局へ書面を提出します。書面には、基準不適合を認知した旨、発生時期、認知時期、対応、内容を書きます。
届出の根拠は、出入国管理及び難民認定法第19条の18第1項第4号です。同法の施行規則第19条の17第6項第2号が、基準不適合が生じたことを知った場合を、届出が必要な場合として定めています。
基準不適合の例:税・社会保険料の滞納から報酬の不払いまで7場面
運用要領は、基準不適合の例として次の7つの場面を挙げ、「などが想定されます」としています。
基準不適合とは、特定技能基準省令第2条に掲げる受入れ機関の基準に適合していない状況です。基準そのものの内容は、受入れ機関の要件を整理したガイドで確認できます。
運用要領が示す例は次のとおりです。例に挙がっていない事情でも、基準に合わなくなったかどうか迷うときは、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。留意事項には、本来支払う租税の納期限を過ぎて未納が出た場合が該当する、とも書かれています。
受入れ機関の基準そのものは受入れ機関の要件のガイドで整理しています。
| 場面 | 該当する基準(特定技能基準省令) |
|---|---|
| 税金や社会保険料などの滞納が発生した | 第2条第1項第1号 |
| 従事させる業務と同種の業務の労働者(日本人や他の在留資格の外国人を含む)に、非自発的離職を発生させた | 第2条第1項第2号 |
| 関係法律による刑罰を受けた | 第2条第1項第4号 |
| 実習認定の取消しを受けた | 第2条第1項第4号 |
| 出入国または労働関係法令に関する不正行為を行った | 第2条第1項第4号 |
| 外国人に対する暴行・脅迫・監禁の行為が発生した | 第2条第1項第4号 |
| 外国人に支給する手当や報酬の一部または全部を支払わない行為が発生した | 第2条第1項第4号 |
提出する書類:届出書は第3-5号、説明書は第5-18号
確認対象の書類は、基準不適合に係る届出書(参考様式第3-5号)と、基準不適合に係る説明書(参考様式第5-18号)です。
運用要領は、確認対象の書類として、特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出書(参考様式第3-5号)と、基準不適合に係る説明書(特定技能所属機関作成用、参考様式第5-18号)を挙げています。
届け出る内容は、施行規則の別表で3つに決まっています。基準に適合しないこととなった事由と、その発生時期および原因、特定技能外国人の現状、その事由を解消するための措置です。
雇用している特定技能外国人に関わる事案に限らず、行政機関から指導があった場合などは、第5-18号に疎明資料を添付して出すよう、運用要領は求めています。
- 基準に適合しないこととなった事由、発生した時期、原因
- 特定技能外国人の現状
- その事由を解消するために取った措置
- 行政機関から指導があった場合は、第5-18号に疎明資料を添付
軽い事案でも届け出る:届出後の指導・処分も届け出る
届け出る基準不適合は態様や程度を問わず、気づいたら速やかに届け出ることとされています。
運用要領は、届け出ることとされている基準不適合は、態様や程度を問わないとしています。小さな事案だから届出しなくてよい、とは読めません。気づいた時点で、速やかに届け出る必要があります。
届出の時点で、関係する行政機関から指導や処分を受けていなかった場合でも、届出のあとで指導や処分を受けたときは、その内容を地方出入国在留管理局へ届け出ます。
支援として行う定期的な面談などで基準不適合に気づいた場合は、まず基準不適合を改善し、関係する行政機関に報告するなど必要な措置を講じます。そのうえで、その結果を地方出入国在留管理局へ届け出ます。
支援を全部委託しているとき:登録支援機関から届出の連絡が来る
登録支援機関は、委託先の基準不適合に気づくと、所属機関へ届出をするよう連絡します。
運用要領の登録支援機関の節は、支援の全部の実施を委託された登録支援機関が、所属機関の基準不適合を把握した場合の対応を定めています。労働基準監督署やその他の関係機関へ通報したうえで、所属機関の責任者へ事実を通知し、第3-5号を地方出入国在留管理局へ速やかに届け出るよう連絡する、という流れです。
届出の義務を負うのは特定技能所属機関です。登録支援機関から連絡が来たら、14日以内の期限を意識して届出を進めます。登録支援機関側の報告の様式や期限は、登録支援機関の随時届出のガイドで整理しています。
登録支援機関側の報告は登録支援機関の随時届出のガイドで確認できます。
受入れ困難・支援の実施困難の届出との違い
基準不適合の届出は、受入れ困難に係る届出や支援の実施困難に係る届出とは、様式も場面も別です。
基準不適合により受入れの継続が困難になったときは、受入れ困難に係る届出(第3-4号)の事由にもなります。この場合の期限や添付書類は、受入れ困難の届出のガイドで確認できます。
支援を通じて所属機関の基準不適合に気づいた場合について、運用要領は、支援の実施困難に係る届出ではなく、基準不適合に係る届出(第3-5号)を提出する必要があると書いています。支援の実施困難の届出は、別の様式(第3-7号)です。
支援の実施困難の届出は支援の実施困難に係る届出のガイドで整理しています。
よくある質問
基準不適合の届出は、いつまでに出しますか?
運用要領(令和8年8月版)では、基準不適合が生じたことを認知した日から14日以内です。電子届出システム、または管轄の地方出入国在留管理局への書面で届け出ます。
どのような場合が基準不適合になりますか?
運用要領は、税金や社会保険料の滞納、同種業務の労働者の非自発的離職、外国人への暴行・脅迫・監禁、手当や報酬の不払いなどを例に挙げています。ここにない事情は、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。
軽い事案でも届け出る必要がありますか?
運用要領は、届け出ることとされている基準不適合は態様や程度を問わないとしています。気づいた場合は速やかに届け出る必要があります。
届出のあとで行政機関から指導を受けたら、どうしますか?
届出の時点で指導や処分を受けていなかった場合でも、届出のあとで指導や処分を受けたときは、その内容を地方出入国在留管理局へ届け出ます。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(確認日:2026年8月3日、次回確認:2026年11月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)