この記事の対象:建設分野で特定技能外国人を雇う事業主・給与担当者・総務担当者、登録支援機関の担当者
建退共は事業主が掛金を納め、機構が退職金を直接払う制度
建退共は、建設業の事業主が勤労者退職金共済機構と契約し、働いた日数に応じて掛金を納める退職金制度です。
機構の案内によると、建退共は中小企業退職金共済法に基づく国の制度で、掛金は事業主が負担します。労働者が建設業界で働くことをやめたとき、機構が退職金を本人に直接支払います。
労働者が現場を移って事業主が変わっても、制度に加入している事業主であれば掛金を納めてもらえ、働いた日数は通算されます。このため退職金が出るのは、会社を辞めたときではなく、建設業界で働かなくなったときです。
国籍に関わらず加入でき、対象外になる人は決まっている
機構は、現場で働く人は国籍に関わらず被共済者になれるとしています。
機構の加入条件のページは、大工・左官・鳶・土工・電工・配管工・塗装工・運転工・現場事務員など職種を問わず、月給制・日給制の別も関係なく、国籍に関わらず被共済者になれると説明しています。契約できる事業主は、建設業を営む事業主で、建設業法の許可の有無も問われません。
加入できないのは、事業主、役員報酬を受けている人、本社等の事務専用社員、すでに建退共の被共済者になっている人、中退共・清退共・林退共の被共済者になっている人です。誤って加入して掛金を納めた場合は、納付額だけが返還されるとされています。
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 現場で働く労働者(国籍を問わない) | 被共済者になれる |
| 事業主、役員報酬を受けている人、本社等の事務専用社員 | 加入できない |
| すでに建退共・中退共・清退共・林退共の被共済者になっている人 | 加入できない(中退共・清退共・林退共からは、掛金を建退共へ引き継げる) |
掛金は現場で働いた日数分を納める
掛金の納付は、被共済者の現場就労分について、公共工事・民間工事を問わず、すべての工事で行います。
機構の掛金納付の基準では、休日や欠勤の日は納付できず、有給休暇や事業主の都合による休業日は納付するとされています。同じ事業主のもとで1日の労働時間が8時間を超えた場合は、超えた部分について8時間を単位に1日分を加算します。
新たに加入した労働者については、国が掛金の一部(最初に交付する共済手帳の50日分)を補助すると、機構は案内しています。掛金は、法人では損金、個人企業では必要経費になります。
- 現場就労した日数を、公共工事・民間工事を問わず数えている
- 休日・欠勤日は納付対象にしていない
- 有給休暇・事業主都合の休業日は納付対象にしている
- 1日8時間を超えた日の加算を確認した
退職金が出るのは、掛金納付が12月以上あるとき
退職金は、建設業で働かなくなったときに、掛金が納付された日数の合計が12月分以上あれば受け取れます。
機構の案内では、12月は21日分を1か月と数えます。掛金納付月数が12月以上24月未満の場合、退職金の額は掛金納付額の3〜5割程度になるとされています。
退職金を請求するときは、「退職所得の受給に関する申告書」兼「退職所得申告書」を請求書に添付します。申告がない場合は、退職金額の20.42%(復興特別所得税を含む)の税金が徴収されると、機構は案内しています。
| 掛金納付 | 退職金の扱い |
|---|---|
| 12月未満 | 本人が請求する場合は受け取れない(請求できるのは12月以上) |
| 12月以上24月未満 | 掛金納付額の3〜5割程度 |
| 24月以上 | 機構の退職金額の表と退職金試算で確認する(掛金日額に応じて計算される) |
帰国が決まったら、出国前に退職金を請求してもらう
機構は、外国人被共済者が退職金を請求しないまま帰国する例があるとして、事業主に案内を求めています。
外国人被共済者が退職して出国することが分かったときは、速やかに退職金請求の手続をするよう案内してほしいとされています。退職金の支払は、必要書類が支部に届いてからおおよそ1か月かかり、出国前に預貯金口座が解約されてしまうため、口座を解約する前に受け取るよう勧めています。
請求には、共済手帳、マイナンバー入りの住民票(発行から3か月以内の原本)、在留カードなどの身元確認書類、預貯金通帳またはキャッシュカードのコピーが要ります。退職日までの就労日数に応じた掛金が納付されているかも、退職前に確認します。個別の手続は、都道府県の支部に確認してください。
退職時の他の手続は退職時の住民税でも確認できます。
- 帰国の予定が決まった時点で、退職金の請求を本人に案内した
- 退職日までの就労日数分の掛金が納付済みか確認した
- 共済手帳、マイナンバー入り住民票、身元確認書類の準備を伝えた
- 本人の預貯金口座が解約される前に受け取れる日程を確認した
よくある質問
外国人も建退共に加入できますか?
機構の加入条件のページは、国籍に関わらず、建設の現場で働く人は被共済者になれるとしています。事業主、役員、事務専用社員などは対象外です。
掛金は誰が負担しますか?
機構の案内では、建退共は事業主負担の退職金制度で、事業主が従業員の働いた日数に応じて掛金を納めます。
退職金はいつから受け取れますか?
建設業で働かなくなったときに、掛金納付が12月分以上(21日を1か月と数える)あれば請求できます。12月以上24月未満では、掛金納付額の3〜5割程度になります。
帰国する従業員には何を案内しますか?
機構は、出国前に退職金を請求するよう案内することを事業主に求めています。支払まで約1か月かかり、口座が解約される前に受け取る必要があるためです。
参照した公的一次資料
- 勤労者退職金共済機構 建設業退職金共済事業本部「建退共制度とは?」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 建退共「加入条件」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 建退共「掛金納付の基準」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 建退共「建退共の退職金について」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 建退共「退職金の請求手続きをしたい(被共済者本人)」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 建退共「制度の特長」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)