この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務・安全衛生担当者
対象は常時50人以上の事業場:50人未満も令和10年4月1日から義務
ストレスチェックは2015年から事業者に実施が義務付けられ、労働者数50人未満の事業場は当分の間努力義務とされてきましたが、令和10年4月1日から50人未満の事業場にも義務化されます。
厚生労働省は、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、50人未満の事業場にも実施が義務化されたと案内しています。施行日は令和10年4月1日です。それまでの50人未満の事業場は、法律上は努力義務の扱いです。
50人の数え方について、相模原労働基準監督署のリーフレットは、日雇労働者やパートタイム労働者などの臨時的労働者も、継続して雇い、常態として使用していれば数に含めるとしています。週1回しか出勤しない人でも、常態として使用していれば含めます。特定技能外国人も、日本人と同じ労働者として同じ数え方になります。
| 人数 | 実施義務 | 出典 |
|---|---|---|
| 50人以上 | 義務(年1回、定期に) | 規則第52条の9、厚生労働省 |
| 50人未満(令和10年3月まで) | 努力義務 | 厚生労働省 |
| 50人未満(令和10年4月1日から) | 義務 | 厚生労働省 |
出典:厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」(令和10年4月1日から50人未満の事業場にも義務化)(確認日:2026年10月13日)、神奈川労働局・相模原労働基準監督署「ストレスチェックで働きやすい職場づくりを」(実施義務のある事業場と人数の数え方)(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)
検査は1年以内ごとに1回:実施者、結果の通知、本人の同意
労働安全衛生規則第52条の9は、事業者が常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に検査を行うと定めています。
検査の項目は、職場での心理的な負担の原因、心理的な負担による心身の自覚症状、職場での他の労働者による支援の3つです。検査を行う実施者は、医師、保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師です。解雇、昇進、異動に直接の権限を持つ監督的地位の人は、検査の実施の事務に従事できません(規則第52条の10)。
検査の結果は、実施者から本人へ遅滞なく通知されるようにします(規則第52条の12)。実施者は、本人の同意を得ないで、結果を事業者に提供してはならず(法第66条の10第2項)、同意は書面または電磁的記録で取ります(規則第52条の13第1項)。同意を得て検査の結果の提供を受けた事業者は、その結果の記録を作成して5年間保存します(同条第2項)。
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)
高ストレス者の面接指導:申出があれば遅滞なく、記録は5年保存
検査の結果、心理的な負担の程度が高く、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた人が申し出たときは、事業者は遅滞なく医師による面接指導を行います(規則第52条の15・第52条の16)。
面接指導の結果は、記録を作成して5年間保存します(規則第52条の18)。医師からの意見聴取は、面接指導の後、遅滞なく行います(規則第52条の19)。事業者は、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講じます(法第66条の10第6項)。
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、電子情報処理組織で、検査と面接指導の結果などを所轄の労働基準監督署長に報告します(規則第52条の21)。実施の方法は、衛生委員会などで話し合い、社内の規程として定めて労働者に知らせるよう、労働局のリーフレットが案内しています。
- 事業場ごとに、パートなどを含む常時使用する労働者の数を数える
- 検査の実施者を決め、人事の権限を持つ人を実施の事務から外す
- 結果は本人に直接通知し、事業者への提供は書面などで本人の同意を取る
- 面接指導の申出があったら遅滞なく実施し、記録を5年間保存する
- 50人以上の事業場は、年1回、労働基準監督署へ電子申請で報告する
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、神奈川労働局・相模原労働基準監督署「ストレスチェックで働きやすい職場づくりを」(実施義務のある事業場と人数の数え方)(確認日:2026年10月13日)
このガイドで扱わない点:集団分析の改正と個別の運用
厚生労働省は2026年6月30日に、集団分析の実施方法について労働安全衛生規則を改正したと案内しています。
改正の内容と施行時期は、このガイドでは確認できていないため扱いません。集団分析を含む実施方法は、厚生労働省の案内ページで最新の状況を確認してください。
質問票の外国語版の有無や、特定技能外国人への実施の工夫について、今回確認した資料には記載がありません。実施の方法は、衛生委員会などでの話し合いや、所轄の労働基準監督署、産業保健総合支援センターへの相談を前提に準備します。
出典:厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」(令和10年4月1日から50人未満の事業場にも義務化)(確認日:2026年10月13日)、神奈川労働局・相模原労働基準監督署「ストレスチェックで働きやすい職場づくりを」(実施義務のある事業場と人数の数え方)(確認日:2026年10月13日)
よくある質問
常時使用する労働者が30人の事業場は、ストレスチェックをしなくてよいですか?
令和10年3月までは、50人未満の事業場は努力義務です。令和10年4月1日からは義務になると、厚生労働省が案内しています。
パートや特定技能外国人も50人に数えますか?
継続して雇い、常態として使用していれば、パートタイム労働者や日雇労働者も数に含めると、相模原労働基準監督署のリーフレットが案内しています。特定技能外国人も労働者として同じ数え方です。
ストレスチェックは、どのくらいの頻度で行いますか?
1年以内ごとに1回、定期に行います(労働安全衛生規則第52条の9)。
検査の結果を会社は見られますか?
実施者は、本人の同意を得ないで結果を事業者に提供してはなりません(法第66条の10第2項)。同意は書面または電磁的記録で取ります(規則第52条の13)。
面接指導の記録はどのくらい保存しますか?
面接指導の結果の記録は、作成して5年間保存します(規則第52条の18)。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」(令和10年4月1日から50人未満の事業場にも義務化)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 神奈川労働局・相模原労働基準監督署「ストレスチェックで働きやすい職場づくりを」(実施義務のある事業場と人数の数え方)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)