この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務・安全衛生担当者

義務は事業場の人数で決まる:常時50人以上と10〜49人

衛生管理者・産業医・衛生委員会は常時50人以上の労働者を使う事業場、衛生推進者などは10人以上50人未満の事業場で、選任や設置が求められます。

労働安全衛生法施行令は、衛生管理者(第4条)と産業医(第5条)を選任すべき事業場、衛生委員会を設けるべき事業場(第9条)を、いずれも常時50人以上の労働者を使用する事業場と定めています。10人以上50人未満の事業場は、労働安全衛生規則第12条の2が、安全衛生推進者または衛生推進者を選任する規模として定めています。

人数は、会社全体ではなく事業場ごとに数えます。滋賀労働局の資料は、本社・支店・営業所などを場所的な単位で判断し、正社員・短時間労働者・派遣労働者などを合計した人数で見るとしています。

季節的な繁忙などで一時的に50人以上になる場合は該当しないとも案内しています。特定技能外国人も、この人数に含めて数えるのが基本です。

事業場の常時使用する労働者数ごとの選任・設置
人数選任・設置するもの根拠
10人以上50人未満安全衛生推進者または衛生推進者規則第12条の2
50人以上衛生管理者施行令第4条、法第12条
50人以上産業医施行令第5条、法第13条
50人以上衛生委員会施行令第9条、法第18条

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(第4条・第5条・第9条の事業場の規模、第22条の健康診断を行うべき有害な業務)(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、滋賀労働局「事業場における安全衛生管理体制について」(常時50人以上の事業場の義務)(確認日:2026年10月13日)

衛生管理者:14日以内に選任し、人数は規模で増える

衛生管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に、原則としてその事業場に専属の者から選びます(労働安全衛生規則第7条第1項)。

資格は業種で分かれます。農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業などは第一種衛生管理者免許または衛生工学衛生管理者免許を持つ人などから、その他の業種は第二種衛生管理者免許を持つ人も選べます。特定技能の受入れ分野には製造業や建設業、運送業などの分野が含まれるため、自社の業種の区分を先に確認します。

選任したときは、遅滞なく、電子情報処理組織で所轄の労働基準監督署長に報告します(規則第7条第3項)。衛生管理者の氏名、生年月日、選任年月日などが報告事項です。

衛生管理者の人数(東京労働局の資料)
常時使用する労働者数衛生管理者の人数
50人未満選任義務なし
50〜200人1人
201〜500人2人
501〜1000人3人
1001〜2000人4人
2001〜3000人5人
3001人以上6人

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、東京労働局「衛生管理の充実」(衛生管理者・産業医・衛生推進者の選任と衛生委員会)(確認日:2026年10月13日)

産業医:14日以内に選任し、勧告を尊重する

産業医も、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任します(労働安全衛生規則第13条第1項)。

東京労働局の資料では、人数は50〜499人で1人、3001人以上で2人です。常時1000人以上の事業場は専属の産業医が必要です。選任したときは、衛生管理者と同じく電子情報処理組織で労働基準監督署長に報告します(規則第13条第2項)。

産業医は、労働者の健康を確保するため必要があるときは、事業者に勧告できます。事業者はその勧告を尊重しなければならず(法第13条第5項)、勧告を受けたときは、内容などを衛生委員会に報告します(同条第6項)。産業医には労働時間に関する情報なども提供する必要があります(同条第4項)。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、東京労働局「衛生管理の充実」(衛生管理者・産業医・衛生推進者の選任と衛生委員会)(確認日:2026年10月13日)

衛生委員会と推進者:毎月1回以上の開催、氏名の周知

衛生委員会は毎月1回以上開き(労働安全衛生規則第23条第1項)、10〜49人の事業場の衛生推進者などは14日以内に選任して氏名を周知します。

衛生委員会の議事の概要は、掲示、書面の交付、電磁的記録での閲覧などの方法で労働者に周知します。委員会ごとに、意見とそれを踏まえて講じた措置、その他の重要な議事を記録し、3年間保存します(規則第23条第3項・第4項)。委員には、事業の実施を統括管理する者、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を持つ労働者が含まれます(法第18条第2項)。

10人以上50人未満の事業場では、林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、旅館業、自動車整備業、機械修理業などは安全衛生推進者、それ以外の業種は衛生推進者を選びます(東京労働局の資料)。推進者も事由の発生から14日以内に選任し(規則第12条の3)、氏名を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして労働者に周知します(規則第12条の4)。

法第120条第1号は、衛生管理者(第12条第1項)、産業医(第13条第1項)、衛生委員会(第18条第1項)の規定に違反した者を、50万円以下の罰金としています。

  • 事業場ごとに常時使用する労働者の数を数え、50人以上かどうかを確認する
  • 50人以上になったら、14日以内に衛生管理者と産業医を選び、電子申請で報告する
  • 毎月の衛生委員会の日程を決め、議事の概要を周知し、記録を3年保存する
  • 10〜49人の事業場は、業種に応じて安全衛生推進者か衛生推進者を選び、氏名を掲示する
  • 判断に迷うときは所轄の労働基準監督署に確認する

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、東京労働局「衛生管理の充実」(衛生管理者・産業医・衛生推進者の選任と衛生委員会)(確認日:2026年10月13日)

よくある質問

特定技能外国人を含めて50人になった場合も選任が必要ですか?

事業場ごとに数える常時使用する労働者の人数が50人以上なら、国籍にかかわらず、衛生管理者と産業医の選任と衛生委員会の設置が必要です。滋賀労働局の資料は、正社員・短時間労働者・派遣労働者を合計して判断するとしています。

衛生管理者と産業医は、いつまでに選べばよいですか?

どちらも、選任すべき事由が発生した日から14日以内です(労働安全衛生規則第7条第1項第1号、第13条第1項第1号)。

10人以上50人未満の会社は何もしなくてよいですか?

衛生管理者や産業医の選任義務はありませんが、安全衛生推進者または衛生推進者の選任が必要です(規則第12条の2)。業種で呼び方が分かれます。

衛生委員会は、どのくらいの頻度で開きますか?

毎月1回以上です(規則第23条第1項)。議事の概要を労働者に周知し、記録を3年間保存します。

衛生管理者や産業医を選ばないとどうなりますか?

法第120条第1号に、衛生管理者・産業医・衛生委員会の規定に違反した者を50万円以下の罰金とする定めがあります。個別の事案の扱いは労働基準監督署に確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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