この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務・安全衛生担当者
対象の作業:WBGT28度以上または気温31度以上
労働安全衛生規則第612条の2は、暑熱な場所において連続して行われる作業等、熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときの事業者の義務を定めています。
労働局の資料は、対象の作業を、WBGT(湿球黒球温度)28度または気温31度以上の作業場で行われ、継続して1時間以上、または1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業としています。
WBGT(湿球黒球温度)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。静岡労働局のページは、詳しい説明を厚生労働省の熱中症ポータルサイトに掲載していると案内しています。
この規定は令和7年6月1日に施行されました。労働局の資料は、熱中症による死亡災害のほとんどが、初期症状の放置や対応の遅れから起きていると説明しています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 暑さの基準 | WBGT28度以上、または気温31度以上の作業場 |
| 作業の長さ | 継続して1時間以上、または1日当たり4時間を超えて行われる見込み |
| 施行日 | 令和7年6月1日 |
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、広島労働局・福山労働基準監督署「職場における熱中症対策の強化について」リーフレット(令和7年7月)(確認日:2026年10月13日)、静岡労働局「熱中症対策の強化」(確認日:2026年10月13日)
第1項:報告体制を整え、作業者に周知する
事業者は、対象の作業を行うときは、あらかじめ、熱中症の疑いを報告させる体制を整備し、作業者に周知させなければなりません。
報告の対象は2つです。熱中症の自覚症状がある作業者本人が報告する場合と、熱中症が生じた疑いのある作業者を他の作業者が発見して報告する場合です。
労働局の資料は、報告を受ける連絡先や担当者を、事業場ごとにあらかじめ定めて関係作業者に周知することとしています。
- 本人の自覚症状の報告先(担当者と連絡先)を決めた
- 他の作業者が異変を見つけたときの報告先を決めた
- 報告先を、対象の作業に従事する全員に周知した
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、広島労働局・福山労働基準監督署「職場における熱中症対策の強化について」リーフレット(令和7年7月)(確認日:2026年10月13日)
第2項:作業場ごとに対応手順を定め、周知する
事業者は、対象の作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに、症状の悪化を防ぐために必要な措置の内容と実施の手順を定め、作業者に周知させなければなりません。
条文は、措置の例として、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察または処置を受けさせることを挙げています。労働局の資料は、これに加えて、事業場の緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先と所在地などを手順に含めるとしています。
周知の方法について、労働局の資料は、事業場の見やすい箇所への掲示、メールの送付、文書の配布、朝礼での口頭の伝達を挙げています。口頭だけでは確実に伝わることが担保されない場合や、朝礼に参加しない人がいる場合は、複数の手段を組み合わせるよう案内しています。
| 項目 | 第1項(見つける) | 第2項(判断し、対処する) |
|---|---|---|
| 定めること | 熱中症の疑いを報告させる体制(連絡先・担当者) | 離脱、身体の冷却、医師の診察などの措置の内容と手順 |
| 周知 | 作業に従事する作業者に周知させる | 作業に従事する作業者に周知させる |
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日)、広島労働局・福山労働基準監督署「職場における熱中症対策の強化について」リーフレット(令和7年7月)(確認日:2026年10月13日)
違反したときの罰則と、確認のしかた
労働安全衛生法第22条は、事業者に、高温などによる健康障害を防止するため必要な措置を講じることを義務づけています。
同法第119条第1号は、第22条の規定に違反した者を、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定めています。
規則第612条の2に違反した場合の扱い、自社の作業が対象に当たるか、手順をどこまで定めればよいかは、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署や労働局に確認してください。
- 対象の作業(WBGT28度以上または気温31度以上、1時間以上または1日4時間超)の有無を確認した
- 報告体制を事業場ごとに定め、周知した
- 対応手順を作業場ごとに定め、緊急連絡網と搬送先を含めた
- 周知の方法を、掲示・文書・朝礼など複数の手段で行った
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日)、広島労働局・福山労働基準監督署「職場における熱中症対策の強化について」リーフレット(令和7年7月)(確認日:2026年10月13日)、静岡労働局「熱中症対策の強化」(確認日:2026年10月13日)
よくある質問
熱中症対策の義務は、いつから始まりましたか?
令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、第612条の2として義務づけられました。
どんな作業が対象ですか?
労働局の資料では、WBGT28度または気温31度以上の作業場で、継続して1時間以上、または1日当たり4時間を超えて行われる見込みの作業です。
事業者が定めなければならないことは何ですか?
熱中症の疑いを報告させる体制と、作業からの離脱、身体の冷却、医師の診察などの措置の内容と手順です。いずれも作業者に周知させる必要があります。
周知は口頭だけでもよいですか?
労働局の資料は、掲示、メール、文書の配布、朝礼での伝達を挙げ、口頭だけでは確実に伝わらない場合などは複数の手段を組み合わせるよう案内しています。
守らなかったときの罰則はありますか?
労働安全衛生法第22条に違反した者は、同法第119条第1号により、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられます。規則第612条の2の違反の扱いは、管轄の労働基準監督署に確認してください。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 広島労働局・福山労働基準監督署「職場における熱中症対策の強化について」リーフレット(令和7年7月)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 静岡労働局「熱中症対策の強化」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)