この記事の対象:特定技能1号の支援計画を作る受入れ機関の担当者、登録支援機関の担当者
遅滞なく応じ、助言・指導と関係機関の案内まで行う
特定技能1号の外国人から、職業生活・日常生活・社会生活に関する相談や苦情の申出を受けたときは、遅滞なく適切に応じる必要があります。
法務省の運用要領別冊は、相談等の内容に応じて、当該外国人への必要な助言や指導を行うことを義務的支援としています。必要に応じて、地方出入国在留管理局や労働基準監督署など、内容に対応する適切な機関を案内し、本人に同行して必要な手続を補助することも求められます。
相談や苦情への対応は、本人が十分に理解できる言語で行うことが求められます。任意的支援としては、相談窓口の情報を一覧にしてあらかじめ手渡すこと、事務所に相談窓口を設けること、相談・苦情専用の電話番号やメールアドレスを置くことが望ましいとされています。仕事や通勤でのけが・病気・死亡の場合に、家族へ労災保険制度を周知し手続を補助することも、望ましい支援として挙げられています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 義務的支援 | 申出を受けたら遅滞なく適切に応じ、必要な助言・指導を行う |
| 義務的支援 | 必要に応じて、地方出入国在留管理局や労働基準監督署などの適切な機関を案内し、同行して手続を補助する |
| 義務的支援 | 本人が十分に理解できる言語で対応する |
| 任意的支援 | 相談窓口の一覧をあらかじめ渡す/事務所の窓口や専用の電話・メールを設ける/労災保険制度の周知と手続の補助 |
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)
対応する日と時間帯、通訳、離職が決まった後の扱い
運用要領別冊は、対応する日数と時間帯について、勤務形態に合わせた目安を示しています。
相談・苦情の対応は、本人の勤務形態に合わせて、1週間あたり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応し、相談しやすい就業時間外(夜間)にも対応できることが求められます。いつ寄せられるか分からないため、専用のメールアドレスの設置などで、できるだけ休日や夜間にも対応できる体制を整え、事故などの緊急時の連絡先を設けて基本的にいつでも連絡を受けられる体制を作ることが望ましいとされています。
登録支援機関に支援を委託する場合も、受入れ機関における本人の勤務時間に合わせて、相談の時間帯を適切に設定しなければなりません。
通訳の確保が難しいときは、応急的に同僚の外国人就労者を通訳に充てたり、翻訳機や翻訳アプリを使ったりすることも差し支えないとされています。ただし、プライバシーの保護と正確性の観点から、詳細な聞き取りは通訳を確保したうえで行う必要があります。
本人の離職が決まった後も、特定技能雇用契約がある間は、相談や苦情への対応を続けることが求められます。
- 勤務日に週3日以上、休日に1日以上の対応日を決める
- 夜間や休日に連絡を受ける方法(専用メールなど)と緊急時の連絡先を決める
- 委託する場合は、本人の勤務時間に合わせた相談時間帯を委託先と確かめる
- 通訳を確保できる言語と、詳細な聞き取りを行うときの通訳の手配先を決める
- 離職が決まった後も、雇用契約がある間は対応を続ける
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)
相談記録書と、行政機関へ通報したときの書類
相談や苦情へ対応したときは、相談記録書に記録しておく必要があります。
運用要領別冊は、相談及び苦情の対応を行った場合に、参考様式第5-4号の相談記録書へ記録をしておくことを求めています。実施困難に係る届出書(第3-7号)と特異事案報告書(第4-3号)の様式は、出入国在留管理庁の特定技能の書式のページで公開されています。
相談や苦情を受けて、関係する行政機関へ相談または通報を行ったものは、参考様式第3-7号の実施困難に係る届出書、または参考様式第4-3号の特異事案報告書に記載する必要があります。どちらの書類に当たるかは、事案の内容によって変わるため、運用要領別冊と出入国在留管理局の案内で確かめてください。
相談の内容を理由に、職場での待遇などで不当な取扱いがされないようにすること、個人情報の保護に努めることも留意事項として示されています。
| 場面 | 書類 | 参考様式 |
|---|---|---|
| 相談・苦情へ対応したとき | 相談記録書 | 第5-4号 |
| 相談・苦情を受けて行政機関へ相談・通報したもの(事案の内容による) | 1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書 | 第3-7号 |
| 相談・苦情を受けて行政機関へ相談・通報したもの(事案の内容による) | 1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告書 | 第4-3号 |
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日)
費用の負担:通院・入院への同行の交通費や日当、申請取次の費用
運用要領別冊は、相談への対応で生じる一部の経費を、受入れ機関等が負担しなければならないと明記しています。
必要に応じて、本人の通院や入院の際に同行して必要な手続を補助する場合、その際に発生する支援担当者の交通費や日当など、補助に必要な経費は、受入れ機関等が負担しなければなりません。
本人が行う各種申請の相談で、受入れ機関等が申請書類の作成を補助するとき、申請時の同行に代えて、受入れ機関等の案内に基づいて申請取次を利用する場合の費用も、受入れ機関等が負担する必要があります。ただし、相談の内容によらず、本人が独自の判断で行う申請の取次は除かれます。
金額の目安は運用要領別冊に書かれていないため、このページでは示しません。実際の費用は、委託先がある場合は委託契約の内容と見積で確かめてください。公的手続への同行の費用は、別のガイドでも整理しています。
| 費用 | 負担者 | 条件 |
|---|---|---|
| 通院・入院へ同行する支援担当者の交通費・日当など | 受入れ機関等 | 必要に応じて同行して手続を補助する場合 |
| 申請取次を利用する費用 | 受入れ機関等 | 受入れ機関等が申請書類の作成を補助し、申請時の同行に代えて、案内に基づき取次を使う場合。本人が独自の判断で行う申請は除く |
| 通訳の費用 | 解説に記載がない | 通訳の確保の目安は示されているが、費用の負担者は書かれていない |
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)
よくある質問
相談・苦情への対応は、必ず行わなければなりませんか?
運用要領別冊では義務的支援とされており、支援計画に記載して実施する必要があります。
休日や夜間にも対応する必要がありますか?
運用要領別冊は、勤務日に週3日以上、休日に1日以上の対応を求め、夜間など相談しやすい就業時間外にも対応できることを求めています。専用メールなどで可能な限り休日や夜間にも対応できる体制を作ることが望ましいとされています。
通訳がいないときは、翻訳アプリで対応してよいですか?
応急的に同僚の外国人就労者を通訳に充てたり、翻訳機や翻訳アプリを使ったりすることは差し支えないとされています。ただし、詳細な聞き取りは、通訳を確保したうえで対応する必要があります。
本人が離職すると決まったら、相談への対応は終わりますか?
終わりません。運用要領別冊は、離職が決まった後も、特定技能雇用契約がある間は相談や苦情への対応を行うことを求めています。
通院に同行する交通費や日当は、本人に負担してもらえますか?
運用要領別冊は、支援担当者の交通費や日当など、補助に必要な経費は受入れ機関等が負担しなければならないとしています。
参照した公的一次資料
- 法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)