この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務担当者
介護休業の対象:要介護状態の対象家族を介護する労働者
育児・介護休業法第2条は、介護休業を、労働者が、要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業と定義しています。
要介護状態とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態です。厚生労働省の規定例は、その期間を2週間以上としています。
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母です。厚生労働省の規定例は、これに祖父母、兄弟姉妹、孫を加えています。第11条第1項により、労働者は事業主に申し出ることで介護休業をすることができます。
出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)
取れる回数と日数:対象家族1人につき通算93日、3回まで
第11条第2項は、介護休業をしたことがある労働者でも、同じ対象家族について3回の介護休業をした場合、または介護休業をした日数が93日に達している場合は、その対象家族については申出ができないと定めています。
日数は、介護休業を開始した日から終了した日までの日数で数え、2回以上取った場合は合計します。上限は対象家族ごとに数えるため、別の対象家族が要介護状態になったときは、あらためて申し出られます。
申出では、対象家族が要介護状態にあることを明らかにし、休業の初日(開始予定日)と末日(終了予定日)を示します(第11条第3項)。事業主は申出を拒めません(第12条第1項)。開始予定日が申出の翌日から2週間を経過する日より前のときは、その日までの間のいずれかの日を開始予定日に指定できます(第12条第3項)。
出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)
有期雇用と労使協定:除外できる労働者
第11条第1項ただし書は、期間を定めて雇用される者は、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかでない者に限り、申し出ることができると定めています。
厚生労働省のリーフレットも、有期雇用労働者が介護休業をするには、この日までに契約が満了し更新されないことが明らかでないことが必要だとしています。契約の更新がありうる特定技能外国人は、更新がないと明らかな場合を除き、この要件を満たしえます。
第12条第2項は、労使協定による除外を準用しています。厚生労働省の規定例は、協定で除外できる労働者として、入社1年未満の従業員、申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員、週の所定労働日数が2日以下の従業員を挙げています。協定がなければ、これらを理由に申出を断れません。
出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「有期雇用労働者の育児休業や介護休業について(リーフレット)」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)
通算5年との関係と、事業主が行う周知
出入国在留管理庁の運用要領は、1号特定技能の通算在留期間の5年に含めない期間として、産前産後休業期間と育児休業期間(ほかに病気・怪我による休業期間など)を挙げています。介護休業期間は挙げていません。
運用要領の該当箇所は、育児・介護休業法に基づく育児休業期間を挙げていますが、介護休業期間は挙げていません。含めない取扱いを受けるには、5年が満了する概ね3か月前までに疎明資料とともに申請する必要があります。介護休業の期間が5年の計算でどう扱われるかは、申出を受けた時点で、出入国在留管理庁の相談窓口または地方出入国在留管理局に確認します。
厚生労働省の規定例によると、令和7年4月から、介護に直面したことを申し出た従業員に対して、事業主が介護休業や介護両立支援制度等を周知し、制度利用の意向を確認することが義務付けられています。従業員が介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供も義務付けられています。
第16条は、事業主は、労働者が介護休業の申出をし、または介護休業をしたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。このガイドは一般的な制度の説明で、個別の判断や休業中の賃金・給付の助言ではありません。個別の判断は、会社の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談します。
| 条 | 内容 |
|---|---|
| 第2条 | 介護休業は、要介護状態にある対象家族を介護するための休業。対象家族は配偶者、父母、子、配偶者の父母など |
| 第11条第1項・第2項 | 申出により休業できる。有期雇用は、開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約が満了することが明らかでない者に限る。同じ対象家族について3回または93日に達したら申出不可 |
| 第12条第1項・第3項 | 事業主は申出を拒めない。開始予定日が申出の翌日から2週間を経過する日より前なら、事業主が開始日を指定できる |
| 第12条第2項 | 労使協定で除外された労働者(入社1年未満など)からの申出は拒める |
| 第16条 | 申出・取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止 |
- 要介護状態の対象家族かを、本人に確認している
- 同じ対象家族について、これまでの取得回数と日数を確認している
- 雇用契約書で、契約期間と更新の有無を確認している
- 介護休業を除外する労使協定があるか、対象は何かを確認している
- 申出や取得を理由に、契約更新や配置で不利に扱っていない
- 通算5年の扱いは、出入国在留管理庁の窓口に確認している
出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)、出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日)
よくある質問
介護休業は、何日・何回まで取れますか?
対象家族1人につき、通算93日まで、3回までです(育児・介護休業法第11条第2項)。別の対象家族が要介護状態になったときは、その家族についてあらためて数えます。
有期雇用の特定技能外国人も介護休業を取れますか?
取れます。ただし、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、契約が満了し更新されないことが明らかでないことが必要です。厚生労働省のリーフレットが、有期雇用労働者も条件を満たせば介護休業をすることができると案内しています。
入社して1年未満でも申し出られますか?
労使協定で入社1年未満の従業員が除外されていれば、事業主は申出を拒めます。協定がなければ、入社1年未満であることだけを理由に断ることはできません。
介護休業の期間は、特定技能の通算5年に含まれますか?
運用要領に、介護休業期間を5年に含めない期間として挙げた記載はありません(産前産後休業・育児休業のほか、病気・怪我による休業などは挙げられています)。介護休業期間の扱いは、出入国在留管理庁の相談窓口または地方出入国在留管理局に確認してください。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 厚生労働省「有期雇用労働者の育児休業や介護休業について(リーフレット)」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)