この記事の対象:特定技能外国人や国内在住の候補者を採用する前に、在留カードで確認する項目と確認を怠った場合の罰則を知りたい受入れ企業の人事・総務担当者、登録支援機関
不法就労助長罪の罰則と、確認しなかった場合の扱い
事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
出入国管理及び難民認定法(入管法)第73条の2第1項は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者などを、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科するとしています。出入国在留管理庁のリーフレットは同じ罰則を「3年以下の懲役・300万円以下の罰金」と書いており、条文の「拘禁刑」とは表記が異なります。
同条第2項は、不法就労であることを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできないが、過失がないときは別だとしています。リーフレットも、在留カードを確認していないなどの過失がある場合には処罰を免れないと案内しています。
第76条の2は、従業者が業務に関して第73条の2の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人または人にも罰金刑を科すとしています。担当者個人の確認漏れが、会社の責任にもなり得ます。
出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第19条の18 届出・第19条の19〜21 指導助言・報告徴収・改善命令・第19条の26 登録の拒否・第19条の31〜34 登録支援機関への指導・取消し・第71条の3・第71条の4 罰則)(確認日:2026年10月1日)、出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日)
在留カードの表面と裏面で見る場所
最初に見るのは表面の「就労制限の有無」欄で、記載の種類によって次に確認するものが変わります。
リーフレットによると、「就労制限なし」とあれば就労内容に制限はありません。「就労不可」とあれば原則として雇用できませんが、裏面の資格外活動許可欄を確認するよう案内されています。
一部に就労制限がある場合は、制限の内容を確認します。表面の記載は2通りで、「在留資格に基づく就労活動のみ可」と、特定活動などで見られる「指定書により指定された就労活動のみ可」です。後者は、法務大臣が個々に指定した活動が書かれた指定書を確認します。
リーフレットは、前者のうち在留資格が「特定技能」の場合も、指定書を確認するよう案内しています。特定技能の外国人を採用するときは、カードだけでなく指定書も手元で確認します。
| 表面の記載 | リーフレットの案内 | 次に見るもの |
|---|---|---|
| 就労制限なし | 就労内容に制限はありません | 在留期間と番号の失効情報 |
| 就労不可 | 原則として雇用はできません | 裏面の資格外活動許可欄 |
| 在留資格に基づく就労活動のみ可 | 制限の内容を確認します(在留資格が特定技能の場合は指定書も確認) | 在留資格の活動の範囲、特定技能なら指定書 |
| 指定書により指定された就労活動のみ可 | 法務大臣が個々に指定した活動を指定書で確認します | 指定書 |
- 表面の「就労制限の有無」欄の記載を確認したか
- 特定技能の外国人は指定書も確認したか
- 「就労不可」の人を雇う場合は、裏面の資格外活動許可欄を確認したか
出典:出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日)
資格外活動許可がある人を雇うときの時間の数え方
留学などの資格で資格外活動の許可を受けている人は、許可の範囲でだけ働けます。
リーフレットは、「留学」「研修」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」の資格の人は、資格外活動許可を受けていない限り就労できないとしています。裏面の許可欄に「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」とあれば、その範囲で就労できます。
複数のアルバイト先がある場合は、その合計が週28時間以内でなければなりません。自社での時間だけを見て判断せず、ほかの勤務先の有無を本人に確認します。不法就労の例として、留学生が許可された時間数を超えて働く場合が挙げられています。
資格外活動の根拠は入管法第19条で、第2項に出入国在留管理庁長官の許可の定めがあります。
出典:出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第19条の18 届出・第19条の19〜21 指導助言・報告徴収・改善命令・第19条の26 登録の拒否・第19条の31〜34 登録支援機関への指導・取消し・第71条の3・第71条の4 罰則)(確認日:2026年10月1日)
偽変造カードを見分ける方法と、失効情報照会の限界
番号の失効情報照会だけでは、カードが有効だとは確認できません。
出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」ページでは、カードの番号と有効期間の満了日を入力して、番号が失効していないかを確認できます。ただしリーフレットは、確認結果は在留カード等の有効性を証明するものではなく、実在する番号を悪用した偽変造カードもあると注意しています。
リーフレットが示す真偽判断のポイントは4つです。「MOJ」の周囲の絵柄の色の変化、顔写真の下のホログラムの変化、左端の縦型模様の色の変化、裏面の透かし文字の4点です。ICチップの情報は、在留カード等読取アプリで読み取り、券面の記載と見比べて確認できます。
偽変造が疑われるカードを見つけたときは、最寄りの地方出入国在留管理局に問い合わせるよう案内されています。
- 失効情報照会の結果を、有効性の証明として扱っていないか
- 券面の4つのポイントを確認したか
- 読取アプリでICチップの情報と券面を見比べたか
出典:出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会」(確認日:2026年10月13日)、出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(確認日:2026年10月1日)、出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日)
採用後の外国人雇用状況の届出とのつながり
在留カードの確認は、採用後のハローワークへの届出の前提にもなります。
厚生労働省のページは、外国人を雇い入れたときと離職したときは、全ての事業主がハローワークに届け出る必要があるとしています。届け出る事項の確認のため、在留カードまたは旅券の提示を求めるよう案内しています。
リーフレットによると、届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合は30万円以下の罰金の対象です。届出先はハローワークで、届出には在留カードの番号の記載が必要です。届出の様式と期限は、別のガイドで扱っています。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(確認日:2026年8月21日)、出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日)
よくある質問
不法就労助長罪の罰則はどのくらいですか?
入管法第73条の2第1項は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、またはその両方としています。出入国在留管理庁のリーフレットは、同じ罰則を「3年以下の懲役・300万円以下の罰金」と書いています。
不法就労だと知らずに雇った場合も処罰されますか?
第73条の2第2項は、知らなかったことを理由に処罰を免れることはできないが、過失がないときは別だとしています。リーフレットは、在留カードを確認していないなどの過失がある場合は処罰を免れないと案内しています。
特定技能の外国人は、在留カードのほかに何を確認しますか?
リーフレットは、在留資格が「特定技能」の場合に、指定書を確認するよう案内しています。
失効情報照会で問題なしと出れば、カードは本物ですか?
リーフレットは、照会の結果は在留カード等の有効性を証明するものではないとしています。券面の4つのポイントの確認や、読取アプリでの確認も行います。
留学生のアルバイトは何時間まで雇えますか?
裏面の資格外活動許可欄に「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」とあれば、その範囲で就労できます。複数の勤務先がある場合は、合計が週28時間以内です。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第19条の18 届出・第19条の19〜21 指導助言・報告徴収・改善命令・第19条の26 登録の拒否・第19条の31〜34 登録支援機関への指導・取消し・第71条の3・第71条の4 罰則)(確認日:2026年10月1日、次回確認:2026年12月1日)
- 出入国在留管理庁リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ」(在留カード確認・不法就労助長罪・雇用状況届出)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(確認日:2026年10月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(確認日:2026年8月21日、次回確認:2026年11月21日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)