この記事の対象:特定技能外国人の受入れ前の説明を担当する人事・総務担当者、登録支援機関の担当者

事前ガイダンスは、在留資格の申請前に行う義務的支援

特定技能基準省令の第3条は、1号特定技能外国人支援計画の最初の項目として、在留資格認定証明書の交付の申請前に、本人へ情報を提供する支援を定めています。

出入国在留管理庁の運用要領別冊は、この情報提供を「事前ガイダンス」と呼びます。すでに日本に在留している人の場合は、在留資格の変更の申請前に行います。

運用要領は、労働条件など雇用契約の締結前に本人が把握しておくことが望ましい情報を含むため、実施は特定技能雇用契約の締結時以前が望ましいとしています。申請前が義務、契約締結時以前が望ましい時期、という二段で読めます。

実施するのは、特定技能所属機関か、支援計画の全部の実施を受託した登録支援機関です。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日)

説明する事項は運用要領に10項目が挙がっている

運用要領は、事前ガイダンスで情報提供しなければならない事項を、次の10項目で示しています。

表の4番目から6番目は、お金と契約に関する内容です。保証金と違約金の確認は、すでに支払や契約がないことと、将来もしないことの両方を確認する、と運用要領に書かれています。

外国の機関に費用を支払っている場合は、支払費用の有無、支払った機関の名称、支払年月日、支払った金額とその内訳を確認します。

保証金・違約金の範囲は保証金・違約金の禁止で整理しています。

事前ガイダンスで情報提供する事項(運用要領別冊 第2(1))
番号説明する事項運用要領の補足
1従事させる業務の内容、報酬の額、その他の労働条件労働条件は雇用条件書の事項で、安全衛生に関する事項を含む
2日本で行える活動の内容特定技能の活動であること、技能水準が認められた業務区分に従事すること
3入国に当たっての手続新たな入国は、交付後3か月以内に入国する。在留中の変更は、許可を受けるまで新しい就労先で働けない
4保証金の徴収や違約金を定める契約がないこと本人だけでなく、配偶者や親族など密接な関係を有する者も対象
5外国の機関へ支払った費用の額と内訳の合意有無、機関名、支払年月日、金額と内訳を確認する
6支援に要する費用を本人に負担させないこと義務的支援の費用は受入れ機関等が負担する
7港や空港での出迎えと、事業所または住居までの送迎入国時の出迎えと送迎(出国時の送迎は別の支援項目)
8住居の確保に係る支援の内容社宅等を貸与する場合は、広さと家賃等の本人負担額を含む
9職業生活・日常生活・社会生活の相談または苦情を受ける体制曜日・時間帯・面談、電話、電子メールの方法の例が挙がっている
10支援担当者の氏名と連絡先メールアドレス等

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

対面またはビデオ通話で、本人が理解できる言語で行う

実施の方法には、基準省令第4条の定めがあります。対面か、テレビ電話装置などの方法で行う必要があります。

運用要領は、対面、またはインターネットによるビデオ通話などで、本人であることを確認したうえで実施するとしています。文書の郵送や電子メールの送信だけでは認められません。

また、1号特定技能外国人が十分に理解することができる言語で実施します。どの支援が言語の指定を受けるかは、別のガイドで整理しています。

運用要領は、現地の送出機関に事前ガイダンスの実施を委託することを、排除はしないとしています。ただし、送出機関が保証金を徴収しているなどの場合は、適切な実施が期待できず、支援の体制の基準を満たさないと判断される可能性があるとしています。

言語の定めは支援を行う言語で確認できます。

  • 本人確認を、対面またはビデオ通話で行う段取りにした
  • 文書やメールの送付だけで済ませていない
  • 本人が十分に理解できる言語を、実施前に確かめた
  • 送出機関に委託する場合は、その機関が保証金を徴収していないか確認した

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日)

所要時間は3時間程度が目安で、署名つきの確認書を残す

運用要領は、事前ガイダンスは本人が十分に理解できるまで行う必要があるとして、所要時間の目安を示しています。

個別の事情によるものの、情報提供する事項を十分に理解するには、3時間程度が必要と考えられるとされています。

実施したら、事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)を本人に示して確認し、署名を得る必要があります。確認書は、運用要領が確認対象の書類に挙げています。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

技能実習から変更する人や、転職した人にも実施する

運用要領は、同じ機関で技能実習生を特定技能外国人として雇う場合と、転職した場合について、書き分けています。

技能実習生などを同一の機関で引き続き特定技能外国人として雇う場合でも、業務の内容、報酬の額、その他の労働条件など必要な情報を、十分に理解させる必要があります。この場合は、支援計画上の実施予定時間より短くなると想定されますが、1時間に満たないときは、適切に行ったとはいえないとされています。

また、転職などで異なる特定技能所属機関等へ変更した場合も、事前ガイダンスを実施する必要があります。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

任意で足せる情報と、実施後の相談・貸付の扱い

運用要領は、義務的支援の10項目に加えて、任意的支援として提供できる情報も挙げています。

任意の情報の例は、入国時の日本の気候と服装、本国から持参すべき物・持参した方がよい物・持参してはならない物、入国後当面必要な金額とその用途、受入れ機関等から支給される物(作業着等)です。

事前ガイダンスの実施後、就労の開始前であっても、本人からの相談に適切に応じることが望まれます。往路の航空券代を含む渡航準備費用や当面の生活費のため、受入れ機関等が本人に貸し付けをすることは差し支えありません。ただし、返済方法が労働法令に違反しないよう留意することが求められます。

出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)

よくある質問

事前ガイダンスは、いつまでに行えばよいですか?

運用要領は、在留資格認定証明書の交付の申請前(在留中の人は在留資格の変更の申請前)に行うよう求めています。労働条件などを含むため、特定技能雇用契約の締結時以前が望ましいとされています。

資料を送るだけで事前ガイダンスになりますか?

なりません。運用要領は、対面またはビデオ通話などで本人確認をしたうえで実施するとし、文書の郵送や電子メールの送信のみは認められないとしています。

技能実習から特定技能に変わる人にも必要ですか?

必要です。同じ機関で引き続き雇う場合も、労働条件などを十分に理解させる必要があります。運用要領は、実施時間が1時間に満たない場合は適切に行ったとはいえないとしています。

事前ガイダンスの記録は何を残しますか?

運用要領は、確認対象の書類として事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)を挙げ、本人に示して確認のうえ署名を得る必要があるとしています。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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