この記事の対象:特定技能外国人の支援を自社で行う企業の支援担当者、支援を登録支援機関へ委託する人事・総務担当者
言語の指定がある支援は4項目
特定技能基準省令の第4条は支援計画の基準を定め、その第3号が、4つの支援は外国人が十分に理解することができる言語で実施されることとされていなければならないと定めています。
4つとは、事前ガイダンスの提供、生活オリエンテーションの実施、相談または苦情への対応、外国人との定期的な面談の実施です。運用要領別冊は、これらを第2の(1)、(4)、(6)、(9)に対応させています。
10項目のうち残りの支援(出入国の送迎、住居の確保と生活に必要な契約、公的手続への同行、日本語学習の機会の提供、日本人との交流の促進、転職の支援)には、基準省令第4条第3号の言語の指定は付いていません。
事前ガイダンスには、言語とは別に方法の定めもあります。対面、またはテレビ電話装置その他の方法で、本人であることを確認して行います。文書の郵送や電子メールの送信だけでは認められません。
| 支援 | 運用要領の項目 | 言語に関する定め |
|---|---|---|
| 事前ガイダンスの提供 | 第2(1) | 十分に理解することができる言語で実施する。対面またはテレビ電話等で本人確認をして行う |
| 生活オリエンテーションの実施 | 第2(4) | 十分に理解することができる言語で実施する |
| 相談または苦情への対応 | 第2(6) | 十分に理解することができる言語で実施する |
| 定期的な面談の実施 | 第2(9) | 外国人との定期的な面談の実施の場合に、十分に理解することができる言語で実施する |
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日)
支援計画は本人が理解できる言語でも作る
運用要領は、1号特定技能外国人支援計画を日本語で作成するほか、外国人が十分に理解することができる言語で作成するよう求めています。
手順は3つです。本人が理解できる言語の支援計画を作ること、その写しを本人に交付し、内容を説明すること、本人が十分に理解したことについて署名を得ることです。
支援を登録支援機関に全部委託する場合でも、支援計画を作成するのは特定技能所属機関です。登録支援機関が計画の作成を必要に応じて補助することは差し支えないとされています。
運用要領は、ここでいう「十分に理解することができる言語」を、特定技能外国人の母国語には限らないが、本人が内容を余すことなく理解できる言語と説明しています。母国語でなくても、本人が内容を余すことなく理解できるなら、その言語が当たります。
一部を委託する場合は、支援計画に委託の範囲を明示する必要があります。基準省令第4条第4号にも、一部委託では委託の範囲が明示されていることが基準として書かれています。
- 支援計画を、日本語と本人が理解できる言語の両方で用意した
- 本人の言語の写しを本人に渡し、内容を説明した
- 本人が十分に理解したことの署名を得た
- 一部委託の場合は、委託の範囲を支援計画に明示した
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日)
翻訳機は場合によって使える。込み入った相談・苦情では通訳人が不可欠
運用要領は、本人との意思疎通が円滑に行えることを前提に、場合によっては翻訳機の活用も可能としています。一方、込み入った相談・苦情への対応などでは、通訳人の介在が不可欠と考えられるとしています。
相談または苦情への対応の項では、通訳の確保が難しい場合に、応急的に同僚の外国人就労者を通訳に充てること、翻訳機や翻訳アプリを使うことも差し支えないとされています。ただし、プライバシーの保護と正確性の観点から、詳細な聞き取りは通訳を確保したうえで適切に対応する必要があるとされています。
運用要領は、翻訳機を使えるか通訳人が必要かを、本人との意思疎通の円滑さと、込み入った相談・苦情のような対応の内容で分けて書いています。
相談・苦情対応の記録は相談・苦情対応のガイドで確認できます。
| 場面 | 運用要領の扱い |
|---|---|
| 意思疎通が円滑に行える通常の支援 | 場合によっては翻訳機の活用も可能 |
| 込み入った相談・苦情への対応 | 通訳人の介在が不可欠と考えられる |
| 通訳の確保が困難な応急の相談対応 | 同僚の外国人就労者を通訳に充てる、翻訳機や翻訳アプリを使うことも差し支えない |
| 詳細な聞き取り | プライバシー保護と正確性の観点から、通訳を確保したうえで対応する |
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)
通訳は補助者に頼めるが、支援の丸ごと委託は不可
運用要領は、登録支援機関が、受入れ機関から委託を受けた支援の実施そのものを他の者に委託することはできないとしています。
そのうえで、支援の実施にあたり、通訳や、送迎でのタクシーの利用など必要な範囲で、補助者として他の者に実施の補助を依頼することは差し支えないとされています。通訳は、補助者に依頼できる例として運用要領に挙がっています。
つまり、支援の実施は受入れ機関または委託を受けた登録支援機関が行い、通訳は補助として頼む形です。
義務的支援に要する費用は、直接または間接に外国人に負担させることができません。通訳を頼む費用が義務的支援の費用にどう入るかは、運用要領には明示がありません。個別の費用の分け方は、見積書や委託契約で確認してください。
委託の見積りは見積書の確認項目で整理しています。
出典:法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年7月26日)
よくある質問
支援は、必ず外国人の母国語で行わなければなりませんか?
いいえ。運用要領は、「十分に理解することができる言語」は母国語に限らないとし、本人が内容を余すことなく理解できる言語をいうと説明しています。
どの支援が、本人が理解できる言語での実施を求められていますか?
基準省令第4条第3号が挙げるのは、事前ガイダンスの提供、生活オリエンテーションの実施、相談または苦情への対応、定期的な面談の実施の4つです。支援計画も、日本語のほか本人が理解できる言語で作成します。
翻訳アプリだけで相談対応をしてもよいですか?
運用要領は、通訳の確保が困難な場合の応急対応として、翻訳機や翻訳アプリの使用も差し支えないとしています。ただし、詳細な聞き取りは、プライバシー保護と正確性の観点から、通訳を確保したうえで行う必要があるとされています。
登録支援機関は、通訳を外部の人に頼めますか?
運用要領は、支援の実施そのものを他の者に委託することはできないとする一方、通訳など必要な範囲で、補助者に実施の補助を依頼することは差し支えないとしています。
参照した公的一次資料
- 法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日、次回確認:2026年12月6日)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第19条の18 届出・第19条の19〜21 指導助言・報告徴収・改善命令・第19条の26 登録の拒否・第19条の31〜34 登録支援機関への指導・取消し・第71条の3・第71条の4 罰則)(確認日:2026年10月1日、次回確認:2026年12月1日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)