この記事の対象:留学生や国内在住者を特定技能で採用しようとする事業主・人事担当者、変更前の確認を支援する登録支援機関の担当者

変更・更新の審査で見られる本人の納税・保険料の履行

運用要領は、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の審査で、入管法の届出義務に加えて、納税義務と社会保険料の履行も考慮するとしています。

変更や更新は、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可されます。判断は法務大臣の裁量で、活動の状況や在留の必要性などを総合して行われ、考慮される事項のすべてに該当していても許可されないことがあると運用要領は書いています。

納税義務を履行していないと判明し、履行するよう助言・指導を受けたのに引き続き履行しない場合は、消極的な要素として評価されます。国民健康保険と国民年金も、加入している、または加入していたときは保険料の納付が求められ、一定程度の滞納を指導後も続けていると同じ扱いです。

除外される場合は対象ごとに決まっています。租税は納税緩和措置(換価の猶予・納税の猶予・納付受託)、国民健康保険は納付(税)緩和措置、国民年金は保険料の免除制度の適用を受けている場合です。

受入れ機関側の納税・社会保険の義務は社会保険・税の義務のガイドで確認できます。

確認の対象は租税・国民健康保険・国民年金の3つ(運用要領 令和8年8月版)
対象求められること評価が下がる例
租税納税義務があれば履行している履行するよう助言・指導されても引き続き履行しない(納税緩和措置の適用中は除く)
国民健康保険加入している・加入していた場合に保険料を納付している保険料を一定程度滞納し、指導後も納付しない(納付緩和措置の適用中は除く)
国民年金加入している・加入していた場合に保険料を納付している保険料を一定程度滞納し、指導後も納付しない(国民年金保険料の免除制度の適用中は除く)

確認対象の書類と取得先(租税・国民健康保険・国民年金)

運用要領の「確認対象の書類」は、3つの対象ごとに列挙されています。

租税は、全ての納期が経過している直近1年度分の個人住民税の納税証明書が基本です。このほか、納税証明書と同じ年度の個人住民税の課税証明書と、同一年分の給与所得の源泉徴収票も確認対象に挙がっています。確定申告が必要な場合は、源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税を税目とする納税証明書(その3)も求められます。

国民健康保険は、マイナポータルからダウンロードした医療保険の資格情報の写しまたは資格確認書の写し(保険者番号や記号・番号を申請人等がマスキングしたもの)と、直近1年度分の国民健康保険料(税)納付証明書です。

国民年金は、被保険者記録照会回答票と、在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全ての領収証書の写し(または被保険者記録照会(納付Ⅱ))です。領収証書の写しを24か月分出す場合は、回答票の提出は不要と運用要領にあります。

国内から変更する場合のほかの確認事項は国内の在留者を変更で採用する手続のガイドで確認できます。

確認対象の書類と取得先(運用要領 令和8年8月版)
対象確認対象の書類申請先
租税直近1年度分の個人住民税の納税証明書。確定申告が必要な場合は納税証明書(その3)運用要領に記載なし
国民健康保険資格情報の写しまたは資格確認書の写し(マスキング)、直近1年度分の納付証明書納付証明書は居住する市区町村(特別区を含む)
国民年金被保険者記録照会回答票、24か月分の領収証書の写しまたは被保険者記録照会(納付Ⅱ)回答票・納付Ⅱの申請先は、日本年金機構の納付記録交付担当係(郵送)または年金事務所(窓口)

滞納がある場合の誓約書(参考様式第1-26号)と疎明資料

上の3つのいずれかに滞納がある場合は、運用要領が別の書類を求めています。

提出するのは、公的義務履行に関する誓約書(参考様式第1-26号)と、納付緩和措置や社会保険料の納付免除措置の申請中であることなど、納付できないことにやむを得ない事情があることを疎明する資料です。納付緩和措置の適用を受けていることが納税証明書などに記載されていない場合は、その通知書の写し(猶予期間内のもの)も求められます。

「疎明する資料」の詳細は、運用要領が地方出入国在留管理局へ問い合わせるよう案内しています。誓約書の様式は、入管庁の特定技能関係の申請・届出様式一覧に掲載されています。

留学生などでこれらの義務が履行されていないと、在留資格変更許可申請の審査に時間がかかるうえ、許可がされないことになると運用要領は注意しています。採用予定者が履行しているかを、あらかじめ確認するよう求めています。

ほかの参考様式の一覧は参考様式の索引で確認できます。

留学生からの変更で確かめる確定申告の要否と特別徴収の扱い

運用要領の留意事項には、書類をそろえる前に確かめておく点が3つあります。

留学生から特定技能へ移る場合など、同一年内に複数の勤務先から収入があるときは、現在の勤務先または最寄りの税務署に、確定申告の要否を確認する必要があります。

特定技能外国人から特別徴収した個人住民税を、受入れ機関が納めていないことで未納が判明した場合は、受入れ機関が労働・社会保険・租税の法令を遵守している基準に適合しないものとして扱われます。運用要領は、この場合を本人の納税義務の不履行とは評価しないとしています。

国内試験に合格しても、変更の許可が保証されるわけではありません。技能実習の計画の途中にある人は、原則として特定技能への変更が認められないとされ、やむを得ない事情があるときは地方出入国在留管理局への相談が必要です。このサイトは個別の許可を判断しません。

住居地などの届出の期限は入国後に必要な届出のガイドで確認できます。

  1. 1. 履行状況を聞く

    採用予定者に、住民税・国民健康保険・国民年金の納付状況を確認します。

  2. 2. 書類を取り寄せる

    上の表の書類を、市区町村や年金事務所などから取り寄せます。

  3. 3. 滞納があれば入管へ相談

    誓約書と疎明資料の内容を、地方出入国在留管理局に確認します。

よくある質問

特定技能への変更で、住民税の納税証明書は何年分が必要ですか?

運用要領(令和8年8月版)は、全ての納期が経過している直近1年度分の個人住民税の納税証明書を挙げています。確定申告が必要な場合は、納税証明書(その3)も求められます。

国民年金は何か月分の領収証書が必要ですか?

在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全ての領収証書の写しです。被保険者記録照会(納付Ⅱ)で代えることもできます。

保険料や税を滞納していると、必ず不許可になりますか?

運用要領は消極的な要素として評価するとしています。ただし留学生などの変更では、履行されていないと許可がされないこととなると注意しています。滞納があるときは、参考様式第1-26号の誓約書とやむを得ない事情を示す資料を添えます。個別の結果は審査で決まります。

受入れ機関が住民税の特別徴収を納めていないときは、本人の不利になりますか?

運用要領は、本人が納税義務を履行していないものとは評価しないとしています。この場合は、受入れ機関が租税の法令を遵守する基準に適合しないものとして扱われます。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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