この記事の対象:特定技能外国人を採用または退職させる事業主・給与担当者、社会保険の届出を支援する登録支援機関の担当者
採用したら資格取得届、退職したら資格喪失届を、どちらも5日以内に出す
日本年金機構は、採用と退職のどちらも、事業主が事実発生から5日以内に届け出ると案内しています。
健康保険・厚生年金保険は、適用事業所に常時使用される人なら、国籍や性別、賃金の額に関係なくすべて被保険者になります。原則として、70歳以上の人は健康保険のみの加入です。外国人従業員であることを理由に、対象から外れることはありません。
従業員を雇用して加入させるときは「被保険者資格取得届」、退職や死亡などで資格を失うときは「被保険者資格喪失届」を、事業主が提出します。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。
社会保険と労働保険、税の義務の全体は特定技能外国人の社会保険・労働保険・税の義務で確認できます。
| 場面 | 提出するもの | 提出時期 |
|---|---|---|
| 従業員を採用して加入させるとき | 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届 | 事実発生から5日以内 |
| 退職・死亡などで資格を失うとき | 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当届 | 事実発生から5日以内 |
資格取得届は提出方法が4つあり、届出漏れはさかのぼって保険料を払う
提出方法は、電子申請、電子媒体(CDまたはDVD)、郵送、窓口持参です。
従業員は、事業主から求められた書類として、基礎年金番号通知書(年金手帳)またはマイナンバーカードを用意します。初めて公的年金制度に加入したときは、基礎年金番号通知書が交付されます。マイナンバーまたは基礎年金番号が未記入の資格取得届は、返戻されます。
届出が出ていないことが後で分かったときは、さかのぼって資格取得届を出し、事実が発生したときにさかのぼって保険料を払うことになります。配偶者や子を健康保険の被扶養者にするときは、従業員が事業主へ「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。
資格取得時の報酬月額は、就業規則や労働契約の内容から届け出る
雇ったばかりの従業員には報酬を支払った実績がないため、日本年金機構は専用の算定方法を定めています。
月給など一定期間で報酬が定められている場合は、資格を取得した日現在の報酬額をその期間の総日数で割り、30倍した額が報酬月額です。日給、時間給、出来高などの場合は、取得月の前1か月間に、同じ事業所で同様の業務に従事し同様の報酬を受ける人が受けた報酬を平均します。
決まった標準報酬月額は、資格を取得した月からその年の8月まで使われます。6月1日から12月31日までに資格を取得したときは、翌年の8月までです。その後の見直しは、算定基礎届や月額変更届で行います。
給与が大きく変わったときの見直しは月額変更届(随時改定)で確認できます。
外国人従業員は、本人確認の書類とローマ字氏名届に注意する
日本年金機構は、外国人従業員を採用したときの手続きを専用のページで案内しています。
資格取得届を出すときは、資格取得時の本人確認が必要です。マイナンバーを持たない短期在留の外国人で、過去に本人確認をしていない人は、旅券の身分事項のページの写しと、資格外活動許可証印のページなどの写しを送ります。
届出様式として、資格取得届のほかにローマ字氏名届が案内されています。外国籍の従業員の届書を電子申請するときは、日本年金機構が示す氏名の入力方法に従います。外国語のパンフレットは14言語で用意されています。
資格喪失日は退職日の翌日で、資格確認書があれば回収して添える
資格喪失届では、喪失年月日の数え方と、添付する書類に注意が必要です。
退職による資格喪失日は、退職日の翌日です。日本年金機構の例では、3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日になります。死亡の場合は死亡日の翌日、75歳到達による健康保険の資格喪失は誕生日の当日です。
全国健康保険協会管掌の健康保険では、資格確認書や高齢受給者証などが交付されているときに、それらを回収して添付します。紛失などで回収できないときは、資格確認書回収不能届を添えます。
厚生年金保険の資格を取得した月の月末以前に資格を喪失した場合は、その月の厚生年金保険料の納付が必要です。ただし、取得した月のうちに喪失し、同じ月に再び厚生年金保険または国民年金(第2号被保険者を除く)の資格を取得したときは、先に喪失した分の納付は不要で、年金事務所から還付のお知らせが届きます。
退職後の健康保険の選び方は特定技能外国人が退職したあとの健康保険で確認できます。
| 喪失の原因 | 喪失年月日 |
|---|---|
| 退職等 | 退職日の翌日(3月31日退職なら4月1日)。転勤と雇用契約変更は当日 |
| 死亡 | 死亡日の翌日 |
| 75歳到達による健康保険の資格喪失 | 誕生日の当日 |
よくある質問
資格取得届はいつまでに出しますか?
日本年金機構の案内では、事実発生から5日以内です。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。
資格喪失届もいつまでに出しますか?
資格取得届と同じく、事実発生から5日以内です。退職の場合、資格喪失日は退職日の翌日です。
資格取得届を出し忘れたらどうなりますか?
日本年金機構は、さかのぼって資格取得届を出し、事実が発生したときにさかのぼって保険料を払うことになると案内しています。
外国人従業員の資格取得届に、特別な書類は要りますか?
マイナンバーを持たない短期在留の外国人で、過去に本人確認をしていない人は、旅券の身分事項のページの写しなどを送ります。ローマ字氏名届も案内されています。
参照した公的一次資料
- 日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 日本年金機構「従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 日本年金機構「資格取得時の決定」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 日本年金機構「外国人従業員を雇用したときの手続き」(確認日:2026年8月3日、次回確認:2026年11月3日)