この記事の対象:従業員を初めて雇い、特定技能外国人の受入れを準備している会社の総務・人事担当者
どの保険が、いつから適用されるか
労働保険と社会保険は、手続の窓口も期限も別です。まず、自社がどの保険の適用事業に当たるかを確認します。
労災保険法第3条は、労働者を使用する事業を適用事業としています。厚生労働省系サイトの労働保険の案内でも、労働者を原則として1人以上雇用している場合には、労働保険の適用事業になるとされています。
健康保険と厚生年金保険は、日本年金機構の案内によると、常時従業員を使用する法人事業所が加入を義務づけられています。個人事業所は、常時5人以上の従業員が働いている場合が対象です。ただし、サービス業の一部(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業など)や農業、漁業などは、5人以上でも対象外とされています。
| 保険 | 適用の目安 | 主な届出先 |
|---|---|---|
| 労災保険・雇用保険(労働保険) | 労働者を原則1人以上雇用 | 労働基準監督署またはハローワーク |
| 健康保険・厚生年金保険(法人) | 常時従業員を使用する法人 | 事務センターまたは年金事務所 |
| 健康保険・厚生年金保険(個人事業所) | 常時5人以上(一部の業種を除く) | 事務センターまたは年金事務所 |
労働保険:成立届は10日以内、保険料は50日以内
労働保険は、保険関係の成立届、保険料の申告・納付、雇用保険の事業所と被保険者の届出の順に進みます。
労働保険徴収法第4条の2は、保険関係が成立した事業の事業主に、成立した日から10日以内の届出を求めています。厚生労働省系サイトの労働保険の案内では、成立日は一般的には最初に労働者を雇い入れた日で、届出書は「保険関係成立届」です。
保険関係が成立した事業主は、成立の日の翌日から起算して50日以内に、「概算保険料申告書」を添えて概算保険料を納付します。雇用保険に加入する場合は、「雇用保険適用事業所設置届」(10日以内)と「雇用保険被保険者資格取得届」(翌月10日まで)を、保険関係成立届の事業主控の写しを添えてハローワークに提出します。
| 届出・手続 | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 保険関係成立届 | 成立の日の翌日から起算して10日以内 | 労働基準監督署またはハローワーク |
| 概算保険料申告書と納付 | 成立の日の翌日から50日以内 | 労働局、労働基準監督署、金融機関など |
| 雇用保険適用事業所設置届 | 10日以内 | ハローワーク |
| 雇用保険被保険者資格取得届 | 翌月10日まで | ハローワーク |
社会保険:新規適用届は事実発生から5日以内
健康保険と厚生年金保険は、加入すべき要件を満たした時点で、事業主が日本年金機構に新規適用届を出します。
日本年金機構の案内では、新規適用届の提出時期は事実発生から5日以内、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所、提出方法は電子申請、郵送、窓口持参です。
添付書類は、法人の場合は法人(商業)登記簿謄本(コピー不可)です。事業主が国、地方公共団体または法人である場合は法人番号指定通知書等のコピーも必要です。
強制適用となる個人事業所は、事業主の世帯全員の住民票を添えます。登記簿謄本と住民票は、提出日からさかのぼって90日以内に発行されたものに限られます。
加入後の資格取得と喪失の手続は社会保険の資格取得・喪失のガイドで確認できます。
- 適用の要件を満たした日を確認する
常時従業員を使用する法人は、適用の要件を満たした日から5日以内かを数えます。
- 登記簿謄本を取得する
コピーは不可で、提出日から90日以内の発行分を用意します。
- 新規適用届を提出する
事務センターまたは年金事務所へ、電子申請、郵送、窓口のいずれかで出します。
- 被保険者の資格取得届を出す
従業員ごとの加入手続は別に必要です。日本年金機構の被保険者資格取得の案内で、手続と期限を確認します。
雇入れ前に段取りを組む:チェックリスト
期限は10日以内と5日以内で短く、最初の雇入れ日が起点になります。入社日が決まった時点で、書類と窓口を決めておきます。
労働保険は雇入れの日、社会保険は従業員を使用した事実の発生が起点です。入社日の前に、登記簿謄本の取得と電子申請の利用準備を済ませておくと、期限内に出しやすくなります。
ここで扱ったのは新規適用の届出です。特定技能外国人の個別の在留手続や、保険料の金額は別のガイドで扱います。手続の個別の取扱いは、各窓口に確認してください。
- 自社が労働保険の適用事業か、社会保険の強制適用事業所かを確認した
- 最初に労働者を雇い入れる日を決め、10日以内と5日以内の期限を数えた
- 法人の登記簿謄本(コピー不可・提出日から90日以内)を取得した
- 保険関係成立届の事業主控の写しを、雇用保険の届出用に残す手順にした
- 概算保険料の納付の期限(50日以内)を、資金繰りの予定に入れた
よくある質問
労働保険の保険関係成立届は、いつまでに出しますか?
労働保険徴収法第4条の2は、成立した日から10日以内としています。厚生労働省系サイトの労働保険の案内では、成立日は一般的には最初に労働者を雇い入れた日です。
健康保険・厚生年金の新規適用届の期限は?
日本年金機構の案内では、事実発生から5日以内です。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。
個人事業で従業員が3人でも、社会保険に加入しますか?
日本年金機構の案内では、個人事業所で加入が義務づけられるのは常時5人以上の従業員が働いている事業所で、一部の業種は5人以上でも対象外です。法人は常時従業員を使用していれば対象です。
雇用保険の被保険者資格取得届の期限は?
厚生労働省系サイトの労働保険の案内では、翌月10日までです。事業所設置届は10日以内で、保険関係成立届の事業主控の写しを添えます。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省系サイト(aichi-elcc.mhlw.go.jp)「労働保険の適用」(保険関係成立届・雇用保険適用事業所設置届・概算保険料の期限)(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 日本年金機構「新規適用届(健康保険・厚生年金保険)」(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- e-Gov法令検索「健康保険法」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)