この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務担当者
年度更新とは:前年度の精算と新年度の申告を同時に行う手続
大阪労働局の案内は、労働保険では保険年度の当初に概算で保険料を納付しておき、年度末に賃金総額が確定したところで精算する方法をとっており、前年度の確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料の申告・納付をあわせて行う手続が年度更新だと説明しています。
保険年度は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間です。保険料の額は、その間に労働者に支払われる賃金の総額に、事業の種類ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。
賃金の総額には、雇用保険については被保険者に該当しない者の賃金は含まれません。厚生労働省の案内も、雇用保険は被保険者に支払われる賃金としています。
賃金総額は、徴収法の定めでは労働者に支払われる賃金で数えます。雇用保険分は被保険者の賃金が対象です。
どの賃金が対象かは、申告書の書き方の案内や所轄の労働局で確認します。保険料率の中身は、別のガイドで確認できます。
出典:大阪労働局「労働保険の年度更新手続きについて」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「労働保険 年度更新申告書の書き方(年度更新の手続)」(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日)
時期:保険年度の6月1日から40日以内、令和8年度は6月1日から7月10日
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)第15条第1項は概算保険料を、第19条第1項は確定保険料を、それぞれ保険年度の6月1日から40日以内に申告し、納付するよう定めています。
確定保険料は、前の保険年度の分を次の保険年度の6月1日から40日以内に申告します。令和8年度の年度更新について、大阪労働局は申告・納付期間を6月1日(月)から7月10日(金)までと案内しています。
概算保険料より確定保険料のほうが多くなったときは、不足額を申告書に添えて納めます(徴収法第19条第3項)。令和8年度は、令和7年度の確定不足分を7月10日の納期限に含めて納める扱いです。
申告書は、金融機関(歳入代理店)、労働局、労働基準監督署、年金事務所内の社会保険・労働保険徴収事務センターなどに提出します。ただし、窓口によって受け付けられる申告書の種類が異なり、納付額がない申告や口座振替の場合は労働基準監督署に出すなどの違いがあるため、手続の前に所轄の労働局に確認します。電子申請・電子納付も利用できます。
出典:e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、大阪労働局「労働保険の年度更新手続きについて」(確認日:2026年10月13日)
延納:概算保険料が40万円以上なら、申請により3回に分けて納付できる
大阪労働局の案内によると、概算保険料の額が40万円(労災保険または雇用保険が一方のみ成立している事業は20万円)以上の場合、3回に分けて納付できます。
延納は、徴収法第18条に基づき、事業主の申請により政府が認めるものです。法定納期は、令和8年度で第1期が7月10日、第2期が11月2日、第3期が翌年2月1日です。
第1期の納期には、令和7年度の確定不足分を含みます。分割した分も、各納付期限までに自主納付する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告・納付期間 | 6月1日から7月10日まで |
| 延納できる概算保険料 | 40万円以上(労災保険または雇用保険の一方のみ成立の事業は20万円以上) |
| 第1期(全期)の納期限 | 7月10日(令和7年度確定不足分を含む) |
| 第2期の納期限 | 11月2日 |
| 第3期の納期限 | 翌年2月1日 |
出典:大阪労働局「労働保険の年度更新手続きについて」(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日)
申告しないとき・誤りがあるとき:追徴金の対象
徴収法第19条第4項は、事業主が申告書を提出しないとき、または記載に誤りがあると認めるときは、政府が労働保険料の額を決定して事業主に通知すると定めています。
通知を受けた事業主は、不足額を通知を受けた日から15日以内に納付します(第19条第5項)。この場合、第21条により、納付すべき額の100分の10の追徴金が徴収されます。天災その他やむを得ない理由による場合と、不足額が1,000円未満の場合は徴収されません。
厚生労働省の案内も、手続が遅れると政府が労働保険料・一般拠出金の額を決定し、追徴金(納付すべき労働保険料・一般拠出金の10%)を課すことがあるとしています。一般拠出金も、年度更新で労働保険料とあわせて申告・納付します。
督促を受けても、督促状で指定された期限までに納めないときは、第28条により延滞金が徴収されます。
毎年の期間と納期限は年度ごとに案内されるため、手続の前に所轄の労働局の最新の案内を確認します。このガイドは一般的な制度の説明で、個別の申告の助言ではありません。
- 前年度の確定保険料(賃金総額×保険料率)を、賃金台帳の実績から集計している
- 新年度の概算保険料の賃金総額の見込額を出している
- 概算保険料が40万円以上(一方のみ成立は20万円以上)かを確認し、延納の希望を決めている
- 6月1日から7月10日の期間と、第2期・第3期の納期限を年間の予定に入れている
- 申告書の提出先ごとの受付範囲を、所轄の労働局で確認している
出典:e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「労働保険 年度更新申告書の書き方(年度更新の手続)」(確認日:2026年10月13日)
よくある質問
労働保険の年度更新はいつ行いますか?
徴収法は、保険年度の6月1日から40日以内と定めています。令和8年度について大阪労働局は、6月1日から7月10日までと案内しています。
年度更新では何を申告しますか?
前年度の確定保険料と、新年度の概算保険料です。前年度に納めた概算保険料が確定保険料に足りないときは、不足額もあわせて納めます。
保険料を3回に分けて納められますか?
大阪労働局の案内では、概算保険料が40万円(労災保険または雇用保険の一方のみ成立の事業は20万円)以上の場合に、3回に分けて納付できます。
申告が遅れるとどうなりますか?
政府が保険料の額を決定して通知し、政府の決定で納付すべき不足額の100分の10の追徴金が徴収されることがあります(徴収法第19条・第21条)。
特定技能外国人の賃金も賃金総額に含めますか?
賃金総額は労働者に支払われる賃金の総額で、雇用保険は被保険者の賃金が対象です。どの賃金が対象かは、申告書の書き方の案内や所轄の労働局で確認してください。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 大阪労働局「労働保険の年度更新手続きについて」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 厚生労働省「労働保険 年度更新申告書の書き方(年度更新の手続)」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年1月13日)
- 厚生労働省「令和8年度の労災保険率等について(令和7年度と同率)」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年3月13日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)