この記事の対象:特定技能外国人の人件費の外側にある法定費用を見積もる受入れ企業の経理・人事担当者、登録支援機関
令和8年度の料率:事業の三区分ごとの労働者負担と事業主負担
令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日)の雇用保険料率は、事業の区分によって、事業主負担が1,000分の8.5、9.5、10.5に分かれます。
厚生労働省の「令和8年度 雇用保険料率のご案内」は、料率を一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業の三区分で示しています。事業主負担は、失業等給付・育児休業給付の分と、事業主だけが負担する雇用保険二事業の分を足した値です。
二事業の率は、一般と農林水産・清酒製造が1,000分の3.5、建設が1,000分の4.5です。案内は、園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖と特定の船員を雇用する事業には、一般の事業の率が適用されるとしています。
特定技能の分野名と三区分の対応は、今回確認した資料には書かれていません。自社の事業がどの区分に当たるかは、所轄のハローワークなどに確認してください。
| 事業の区分 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 5 | 8.5 | 13.5 |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 6 | 9.5 | 15.5 |
| 建設の事業 | 6 | 10.5 | 16.5 |
出典:厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(確認日:2026年10月13日)
令和7年度から下がった幅
令和8年度は、どの区分でも労働者負担と事業主負担がそれぞれ1,000分の0.5下がり、合計では1,000分の1下がっています。
案内は、失業等給付等の保険料率を、労働者負担・事業主負担ともに1,000分の5に変更するとしています。農林水産・清酒製造と建設は1,000分の6です。二事業の率は据え置きで、一般は1,000分の3.5、建設は4.5です。
令和7年度の合計は、一般が14.5、農林水産・清酒製造が16.5、建設が17.5でした。見積書や人件費の計画に令和7年度の率を使っている場合は、年度の記載を確認してください。
| 事業の区分 | 令和7年度の合計 | 令和8年度の合計 | 差 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 14.5 | 13.5 | 1.0下がる |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 16.5 | 15.5 | 1.0下がる |
| 建設の事業 | 17.5 | 16.5 | 1.0下がる |
出典:厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(確認日:2026年10月13日)
賃金に率を掛ける計算と、賃金からの控除の端数
被保険者の負担分は、賃金総額(総支給額)に被保険者負担分の料率を掛けて計算します。
厚生労働省の書き方資料は、被保険者負担分を「被保険者の賃金総額(総支給額)に被保険者負担分雇用保険料率を乗じて」算定するとしています。賃金から源泉控除する場合の端数は、50銭以下は切り捨て、50銭1厘以上は切り上げです。
計算の例として、一般の事業で総支給額が20万円のとき、労働者負担は20万円に1,000分の5を掛けた1,000円、事業主負担の目安は1,000分の8.5を掛けた1,700円です。この例は上の料率表をもとにした計算で、実際の額は賃金の範囲と端数の処理で変わります。
同資料は、慣習的な取扱いなどの特約がある場合はこの限りではないと注記しています。また、この書き方資料は令和8年度版ではなく、年度の記載を確認していません。料率は上の表を使い、計算の手順だけをこの資料で確認しています。
- 自社の事業が三区分のどれに当たるかを、ハローワークなどに確認したか
- 賃金総額に含める範囲と端数の処理を、給与計算の担当者と揃えたか
- 見積や計画の料率が令和8年度のものか確認したか
出典:厚生労働省 労働保険 書き方資料「20 雇用保険被保険者からの雇用保険料の控除方法」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(確認日:2026年10月13日)
外国人にも適用される要件と、資格取得の届出
雇用保険は、国籍を問わず外国人にも日本人と等しく適用されます。
厚生労働省のリーフレットは、適用の要件を、週20時間以上の所定労働時間と、31日以上の雇用見込みとしています。資格取得届の備考欄には、国籍・地域、在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無を記入します。
届出の期限は、雇入れ日の属する月の翌月10日までです。外国人雇用状況の届出との関係は、別のガイドで様式と期限を扱っています。
このリーフレットには「特定技能」の語がなく、外国人だけ料率が別になるという記載もありません。
出典:厚生労働省「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(確認日:2026年8月21日)
よくある質問
令和8年度の雇用保険料率は何パーセントですか?
一般の事業は、労働者負担が1,000分の5、事業主負担が8.5、合計が13.5です。農林水産・清酒製造の事業は6・9.5・15.5、建設の事業は6・10.5・16.5です。
令和7年度から料率は変わりましたか?
どの区分も、合計の率が1,000分の1ずつ下がりました。労働者負担と事業主負担は、それぞれ1,000分の0.5下がっています。
特定技能の外国人は、雇用保険の料率が別になりますか?
今回確認した厚生労働省の料率の案内と外国人向けのリーフレットには、外国人だけ料率が別になる記載はありません。リーフレットは、国籍を問わず日本人と等しく適用されるとしています。
自社が一般・農林水産・建設のどれに当たるかは、どこで分かりますか?
特定技能の分野名と三区分の対応は、今回確認した資料に書かれていません。所轄のハローワークなどに確認してください。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年3月13日)
- 厚生労働省 労働保険 書き方資料「20 雇用保険被保険者からの雇用保険料の控除方法」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく」(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(確認日:2026年8月21日、次回確認:2026年11月21日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)