この記事の対象:特定技能外国人を採用または退職させる事業主・給与担当者、雇用保険の届出を支援する登録支援機関の担当者
適用基準を満たしたら、事業主が翌月10日までに資格取得届を出す
厚生労働省は、適用基準を満たす労働者について、事業主や労働者の意思に関係なく、被保険者になったことをハローワークへ届け出る義務があると案内しています。
雇用保険は、労働者を一人でも雇っていれば加入手続が必要です。業種や規模を問わず、すべての事業が適用事業で、そこで雇われる労働者は被保険者になります。
厚生労働省のリーフレットは、労働関係法令と社会保険関係法令は国籍を問わず外国人にも日本人と等しく適用されると案内しています。出向等で日本に駐在し、母国の失業補償制度に加入している外国人は、日本の雇用保険の対象になりません。
31日以上引き続き雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上であれば、被保険者になります。事業主は「雇用保険被保険者資格取得届」を、事業所の所在地を管轄するハローワークに、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに出します。
外国人雇用状況の届出との関係は外国人雇用状況の届出で確認できます。
| 場面 | 提出するもの | 提出期限 |
|---|---|---|
| 雇い入れて被保険者になるとき | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号) | 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで |
| 離職して被保険者でなくなるとき | 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号) | 離職の翌日から起算して10日以内 |
31日以上の見込みと週20時間以上は、契約の内容から人ごとに確認する
「31日以上雇用される見込み」は、厚生労働省が次の場合を具体例として示しています。
期間の定めがなく雇用される場合、雇用期間が31日以上である場合、更新規定があり31日未満での雇止めの明示がない場合は、31日以上の見込みがあるとされます。更新規定がなくても、同様の雇用契約で31日以上雇用された実績があるときも同じです。
資格取得届の資格取得年月日には、事業主と本人の間で契約した在籍となる初日を書きます。試用期間や研修期間も含みます。ハローワークの案内では、4月1日が日曜日で実際の出勤が4月2日になった場合も、資格取得日は4月1日です。
- 雇用契約書で、期間の定めと更新規定を確認した
- 1週間の所定労働時間が20時間以上か確認した
- 在籍となる初日(試用期間・研修期間を含む)を資格取得日にそろえた
- 前の勤務先で雇用保険に入っていたか、被保険者証や番号を確認した
届出のあとは確認通知書を本人に渡し、漏れは2年までさかのぼる
ハローワークの確認を受けると、被保険者証と確認通知書が交付され、事業主は確認通知書を本人に確実に渡します。
厚生労働省は、雇用保険被保険者証とあわせて交付される「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」を、被保険者本人に確実に渡すよう事業主に求めています。労働者が加入手続の有無を確認できるようにするためです。
届出が漏れていたときは、被保険者であったことが確認された日から2年より前の分は、確認日の2年前の日に被保険者となったものとみなされます。ただし、雇用保険料を給与から天引きされていたことが賃金台帳や給与明細書で確認できる人は、2年を超えて遡って適用される場合があります。
前の会社で交付された被保険者番号と、今の会社で付いた番号が違うと、本人の不利益になる場合があります。その場合は速やかに番号の統合が必要です。届出後に誤りに気付いたときは、「雇用保険被保険者資格取得・喪失等届訂正・取消願」を出します。
退職時は離職の翌日から10日以内に喪失届を出す
ハローワークの案内では、2か月で退職した人でも、離職証明書の提出は原則として必要です。
離職証明書は、離職理由によって受給に必要な被保険者期間が変わるため、ごく短い期間でも受給手続に影響する可能性があります。離職者が離職票の交付を受けていないときは、ハローワークから提出を求められることもあります。
離職証明書には、原則として離職の日以前2年間に12か月以上の被保険者期間が分かるように書きます。喪失届と一緒に、賃金台帳と出勤簿(タイムカード)、退職願や契約書など離職理由を確認できる書類を示します。
離職後の失業給付の流れは離職後の失業給付(基本手当)で確認できます。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者資格喪失届 | 離職の翌日から起算して10日以内に提出 |
| 賃金台帳・出勤簿(タイムカード) | 離職証明書に記載した期間分を用意 |
| 離職理由の確認書類 | 自己都合なら退職願(届)、期間満了なら契約書など |
所定労働時間が週20時間未満になったときも、喪失の手続が要る
働き方が変わって週20時間を下回ると、離職していなくても雇用保険の資格を失います。
ハローワークの案内では、1週間の所定労働時間が20時間未満になったときは、喪失原因2での資格喪失になります。本人から離職票の交付を希望しない申し出がなければ、離職証明書の作成と提出も求められます。
変更が臨時的・一時的で、おおむね6か月以内の場合は、資格喪失の手続は要りません。育児や介護のために時間を短縮し、20時間以上の条件に戻ることが就業規則等の書面で確認できる場合も、同じ取扱いが案内されています。
よくある質問
雇用保険の資格取得届はいつまでに出しますか?
厚生労働省の案内では、被保険者となった日の属する月の翌月10日までです。提出先は事業所の所在地を管轄するハローワークです。
資格喪失届はいつまでに出しますか?
離職の翌日から起算して10日以内です。外国人雇用状況の届出も、被保険者となる外国人は資格取得届・喪失届の提出で行ったことになります。
2か月で辞めた人にも離職証明書は必要ですか?
ハローワークの案内では、原則として提出が必要です。短い期間でも離職理由の判定や受給手続に影響し得るためです。
雇用保険の届出を出し忘れていたらどうなりますか?
確認が行われた日から2年前まで遡って被保険者になったものとみなされます。保険料の天引きが確認できる場合は2年を超えて遡る例もあるため、管轄のハローワークに相談します。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 東京ハローワーク「被保険者に関するQ&A」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(確認日:2026年8月21日、次回確認:2026年11月21日)
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく!」(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年1月9日)