この記事の対象:特定技能外国人の離職に対応する人事・総務担当者、登録支援機関の担当者、離職後の生活費を知りたい特定技能外国人を支援する人
失業給付は国籍を問わず、雇用保険の被保険者だった人が対象
雇用保険の失業給付は、日本で雇用されて被保険者になった人が対象で、日本人であるかどうかは関係しません。
東京労働局の外国人向け案内は、失業等給付は労働者と事業主が支払う保険料でまかなわれ、日本で雇用されれば日本人であるか否かに関わらず被保険者になると説明しています。厚生労働省のリーフレットも、労働関係法令と社会保険関係法令は国籍を問わず外国人にも日本人と等しく適用されるとしています。
被保険者になる目安は、1週間の所定労働時間が20時間以上であることと、31日以上の雇用見込みがあることです。出向などで日本に駐在していて母国の失業補償制度に加入している人は、日本の雇用保険の対象になりません。被保険者証は事業主を通じて交付されるため、加入の有無はその有無を目安に確認します。
外国人を雇い入れたときの届出は外国人雇用状況の届出で整理しています。
出典:東京労働局 外国人雇用サービスセンター「退職に当たっては」(確認日:2026年10月14日)、厚生労働省「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく!」(確認日:2026年10月9日)
受給には「失業の状態」と、離職前2年間で12か月以上の被保険者期間が必要
ハローワークの案内は、基本手当を受けるための要件を2つ示しています。
1つ目は、ハローワークで求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思といつでも就職できる能力があるのに、職に就けない「失業の状態」にあることです。病気やけが、妊娠・出産・育児のためにすぐには就職できないときや、しばらく休養したいときは、基本手当を受けられません。
2つ目は、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。倒産・解雇などで離職した特定受給資格者と、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことによる特定理由離職者などは、離職の日以前1年間に6か月以上あれば足ります。被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切り、賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある月を1か月と数えます。
| 区分 | 被保険者期間の目安 |
|---|---|
| 一般の離職者 | 離職の日以前2年間に通算12か月以上 |
| 特定受給資格者・特定理由離職者 | 離職の日以前1年間に通算6か月以上でも可 |
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年10月14日)
事業主は離職時に届出を行い、離職証明書を出す
特定技能外国人が離職するとき、受入れ機関には失業給付に関わる手続が2つあります。
1つ目は、外国人雇用状況の届出です。労働施策総合推進法第28条により、外国人の雇入れと離職の際には、氏名や在留資格などをハローワークに届け出る義務があり、怠ると30万円以下の罰金が科されると厚生労働省は案内しています。
2つ目は、雇用保険の離職手続です。ハローワークの案内では、会社が提出する離職証明書には離職前に本人が氏名を記載し、離職後に雇用保険被保険者離職票(-1、-2)が届きます。外国人雇用管理の指針は、離職する外国人労働者に離職票の交付などの必要な手続を行い、失業等給付の受給に係るハローワークの窓口を教えるよう、事業主に努力義務として求めています。
退職時に渡す書類は退職証明書で確認できます。
- 離職時の外国人雇用状況の届出を行った
- 離職証明書に本人の氏名の記載を依頼した
- 離職票を本人へ渡す方法(郵送・受取り)を決めた
- 失業給付の相談先としてハローワークの窓口を伝えた
出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「外国人を雇用する事業主の方へ(雇入れ・離職時の届出と雇用管理)」(確認日:2026年10月14日)、ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年10月14日)
住居地のハローワークで求職の申込み、4週間に1度の失業の認定を受ける
離職票が届いたら、住居を管轄するハローワークに行き、求職の申込みと離職票の提出を行います。
ハローワークの案内で持参する書類は、離職票(-1、-2)、個人番号を確認できる書類、運転免許証などの身元確認書類、写真2枚、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。受給資格が決まると受給説明会の日時が知らされ、第1回の失業認定日が示されます。
失業の認定は原則として4週間に1度で、失業認定申告書に求職活動の状況を書いて提出します。認定対象期間中に原則2回以上の求職活動の実績が必要です(最初の認定日までの期間は1回)。
求職の申込み後に失業の状態にある7日間は待期で、基本手当は支給されません。認定日から通常5営業日で、指定の口座に振り込まれます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 求職の申込み・離職票の提出 | 住居を管轄するハローワークで行う |
| 受給資格の決定・受給説明会 | 離職理由も判定される。説明会で第1回の失業認定日が知らされる |
| 待期 | 求職申込み後、失業の状態にある7日間は支給されない |
| 失業の認定 | 原則4週間に1度。認定対象期間中に原則2回以上の求職活動の実績が必要 |
| 支給 | 認定日から通常5営業日で指定口座に振込 |
出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年10月14日)、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年10月14日)
給付日数は90日〜360日、日額には年齢ごとの上限がある
受け取れる日数と1日あたりの額は、離職時の年齢、被保険者だった期間、離職の理由で決まります。
基本手当の所定給付日数は、離職の日の年齢、被保険者だった期間、離職の理由によって90日から360日の間で決まります。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間です。
基本手当日額は、離職前6か月に毎月決まって支払われた賃金(賞与等を除く)の合計を180で割った賃金日額の、おおよそ50〜80%(60歳〜64歳は45〜80%)です。年齢ごとの日額の上限は、令和8年8月1日現在、30歳未満7,450円、30歳以上45歳未満8,270円、45歳以上60歳未満9,110円、60歳以上65歳未満7,830円と案内されています。上限額は改定されるため、申請時はハローワークの最新の案内で確認します。
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年10月14日)
自己都合の離職は給付制限があり、就労は申告が必要
受給中の申告と、離職理由の扱いには注意点があります。
自己都合などで退職した場合は、離職理由によって、待期期間の満了後に基本手当が支給されない給付制限の期間があります。期間の長さは見直されることがあるため、ハローワークの最新の案内で確認してください。離職理由の判定に異議があるときは、ハローワークに相談できます。
アルバイトや試用期間を含む就労、自営の開始を失業認定申告書で申告しなかったり、求職活動の実績を偽ったりすると不正受給として扱われ、以後の支給がすべて停止されます。なお、在留資格の面で離職後に必要な手続や期限は、失業給付とは別に確認が必要です。
離職後の在留資格と転職は特定技能の転職で整理しています。
出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年10月14日)、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年10月14日)
よくある質問
特定技能外国人も失業給付(基本手当)を受けられますか?
東京労働局の案内では、失業等給付は日本で雇用されれば日本人であるか否かに関わらず被保険者になると説明されています。受給できるかは被保険者期間や離職理由で決まるため、ハローワークで確認します。
失業給付を受けるのに必要な被保険者期間は?
ハローワークの案内では、離職の日以前2年間に通算12か月以上です。倒産・解雇などで離職した特定受給資格者と特定理由離職者は、離職の日以前1年間に6か月以上でも可とされています。
離職票が会社から届かないときはどうしますか?
ハローワークの案内では、会社から離職票が交付されない場合や事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせるとされています。
離職したとき、受入れ機関は何を届け出ますか?
外国人の離職の際には、氏名や在留資格などをハローワークに届け出る義務があります。雇用保険の被保険者の離職手続とあわせて、離職証明書の提出も必要です。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく!」(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年1月9日)
- 東京労働局 外国人雇用サービスセンター「退職に当たっては」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「外国人を雇用する事業主の方へ(雇入れ・離職時の届出と雇用管理)」(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年1月14日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)